『グラナダ』(GRANADA) は、1990年4月20日に日本のウルフチームから発売された多方向スクロールシューティングゲーム。
ジャンル | 多方向スクロールシューティング |
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対応機種 | X68000 (X68) |
開発元 | ウルフチーム |
発売元 | ウルフチーム |
デザイナー | 豊田利夫 |
シナリオ | 井上一義 |
プログラマー | 豊田利夫 |
音楽 | 宇野正明 桜庭統 塩生康範 |
美術 | 石井史人 |
人数 | 1人 |
メディア | 5インチ2HDフロッピーディスク3枚組 |
発売日 | 1990年4月20日 |
デバイス | MIDI対応 |
主人公のレオン・東堂が搭乗した重機動兵器「グラナダ」を操作し、PEID(民間企業諜報部)に対して報復する事を目的としている。全方位の任意スクロールになっており、8方向移動と2種類の強弱のあるショット、砲座固定を駆使して戦う。
開発はウルフチームが行い、ゲーム・デザイン及びメインプログラマーは後にメガドライブ用ソフト『エクスランザー』(1993年)を手掛けた豊田利夫、シナリオはパソコン用ソフト『ガウディ バルセロナの風』(1989年)を手掛けた井上一義、音楽はX68000用ソフト『斬 陽炎の時代』(1989年)を手掛けた宇野正明、桜庭統、塩生康範が担当している。
同年にメガドライブに移植された他、Windows用のプロジェクトEGG対応ソフトとして、X68000版は2004年、メガドライブ版は2012年にそれぞれ配信された。
X68000版はパソコン雑誌『Oh!X』の「GAME OF THE YEAR」にて第8位を獲得した。
ゲーム内容
システム
8方向移動と2種類の強弱のあるショット、砲座固定を駆使して戦う。
画面右下に小さく表示されたレーダーを頼りに広大なマップ内を移動。そこに点在する指定目標物を全て破壊するとボスが登場、もしくはボスエリアへの侵入が可能になる。ボスを倒すことで1ステージクリア。
自機の装備
- ショット
- 2連装で高速連射される。自機の移動に追従して砲台が回転し、発射方向を16方向に撃ち分ける事が可能。
- ブラスター
- 通常ショットの16倍の威力がある。発射すると大きな反動により、自機が発射方向の逆ベクトルを受け若干移動する。足場の悪い場所では落下即死や敵との接触等のリスクがあるが、それを逆手に取り高速移動や回避動作とすることもできる。
- オプション装備
- ステージ毎に種類の異なる特殊装備が点在し、拾うことで装備、使用できる。4段階まで強化できるが被弾により一定の耐久力を消耗すると消滅する。消滅すると大幅な戦力ダウンとなるが、盾として使用し自機への被弾を防ぐ使い方を迫られるケースもある。
- 回収しなくても攻略することは可能だが、無ければボス等で苦戦を強いられるケースが多い。
- リフレクター
- 自機の近辺を浮遊し近辺の敵へ自動攻撃を行なう。自機のショットを当てることで周囲にショットをばらまき、曲がり角から安全な攻撃ができる。またブラスターを当てることで一定時間高速連射状態になる。非常に気まぐれな動きをするが、アルゴリズムを熟知することでかなり的確な支援行動を取らせることができる。耐久力も相当あるため、敵からの攻撃を防ぐ盾としても有用。
- エパレット
- 自機両側面やや後ろに装備される誘導ミサイル。ショットに連動してミサイルを射出する。連射はやや遅い。攻撃力は低いが、弾数制限がないこともあり非常に頼れる武器。
- ヒドン
- 自機を追尾し、自機が停止すると自機正面で停止する。ブラスターを命中させることで非常に大きな爆風を発生する爆弾。誘導アルゴリズムを熟知することで地形に引っ掛けることが可能になりテクニカルな爆撃ができる。
- クロムレック
- 接触する事で敵にダメージを与える球状の武器。ショットボタンを押すと自機の周囲を回転し、ショット停止に合わせて停止する。ブラスター射撃に連動して索敵し敵を攻撃する。連続して接触させ続けることで耐久力のある基地などを速攻で破壊できる反面、敵に重ねる事が前提のため、被弾による消失が早い。
- ポールバニアン
- 丸いタンクのような装備。自機前方にやや重なり固定。ブラスターに連動して一定距離に射出されショットをばら撒いた後に自機に戻ってくる。射出されている状態にさらにブラスターを当てることでさらに遠くに飛ばすこともできる。地形に影響しないため、床がない地形の先に待機している敵への攻撃などに優位である。
演出
オープニングとエンディング、ステージ毎に登場人物等のグラフィックが表示される。X68000版は5インチフロッピーディスク3枚組になっており、うち1枚をまるまるオープニングに使用、オープニングを見ない場合は、残りの2枚で起動できる。メガドライブへの移植の際にはステージ間デモが割愛された。
ストーリー
2016年10月、レアメタルの利権を巡って勃発した「アフリカ南北戦争」は、長距離核兵器に代わって投入された戦術機動兵器(Maneuver Cepter=MC)によって激化の一途を辿っていた。
開戦からしばらく経った頃、前線では異状が発生していた。国籍不明の重機動兵器が、南北両陣営の兵器という兵器をことごとく破壊していた。判っているのは「グラナダ」という名称のみ。やがて誰ともなく「グラナダ」は、「アフリカの神」「兵士の亡霊」と呼ばれるようになった。
「グラナダ」のパイロットであるレオン藤堂は開戦1ヶ月前、日本である依頼を受けた。だが、彼に依頼を伝えたエージェントは程なく命を落とす。不審を抱きながらも「グラナダ」に搭乗した彼は、やがて自分が欺かれたことを知る。
レオンは「グラナダ」を起動させた。エンジンがアフリカの空に咆哮する。目指す地はナイジェリア。目的は報復。
移植版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | グラナダ | 1990年11月16日 1990年 | メガドライブ | ウルフチーム | ウルフチーム RENO | 4メガビットロムカセット[1] | T-32023 49036 | |
2 | グラナダ | 2004年2月21日[2][3] | Windows | シティコネクション | ボーステック | ダウンロード (プロジェクトEGG) | - | X68000版の移植 2023年5月16日にWindows11対応版を再販売[4][5][6] |
3 | グラナダ | 2012年5月15日[7] | Windows | サンソフト | D4エンタープライズ | ダウンロード (プロジェクトEGG) | - | メガドライブ版の移植 |
4 | グラナダ | INT 2022年10月27日 | メガドライブ ミニ2 SEGA Genesis Mini 2 | エムツー | セガ | プリインストール | HAA-2524 MK-16310 | メガドライブ版の移植 |
- メガドライブ版
- X68000版の1/6程度の容量しかないため、オープニングやステージ間デモ、エンディング等が割愛または短縮されている。また、ハードの性能の違いにより色数や解像度、3重スクロール等の描画にも差がある。しかし、それらデモ等の割愛、短縮に加えロムカセット特有の読み込みの速さにより結果的にゲームテンポが向上した。ゲーム全体の速度もX68000版に比べやや速めに設定されている。さらに、ボタンが3つに増えた事により「ショット」「ホールド」「ブラスター」を個別に操作が可能になった。この事により「砲台を固定したままブラスターを撃つ」といった操作が容易になり、X68000版に比べて遊びやすくなっている。
- X68000版にあったボーナス面は削除され、代わりにオリジナル面が追加されている。
- MC68000・Z80の2つのCPUを持つメガドライブで、MC68000側でもサウンドの処理を一部荷担するソフトがほとんどだった中、このソフトではZ80側のみでサウンドを処理する事に成功している。重厚なX68000版に比べやや軽い感じのBGMになっているが、メガドライブ独自のアレンジもかかっているBGMもある。
音楽
共作者として塩生康範も数曲担当しているが、ゲームがリリースされた時には既に退社していたため、本名ではなくウルフチームとしてクレジットされている。
X68000版は、内蔵のFM音源の他に、ローランドの(MT-32)、(CM-32L)といったMIDI音源に対応。当時は同社専属コンポーザーで初期の作風を伺うことができる。起動時に[登録]キーを押し続けておくとMIDIを使える。ゲームの設定変更からの切り替えは不可。
- サントラサウンドトラック
- 通常版
- Maneuver Cepter GRANADA(東芝EMI TOCT-5933、生産中止)
- バンドアレンジを含む。X68000内蔵音源版を収録。MIDI音源版は含まれていない。
- Maneuver Cepter GRANADA(東芝EMI TOCT-5933、生産中止)
- オンライン販売
- グラナダ X68000リマスタード・サウンドトラックス (EggMusic)
- アレンジはなく、X68000内蔵音源とMIDI音源版を収録。
- グラナダ メガドライブ・サウンドトラックス (EggMusic)
- メガドライブ版の音源を収録。
スタッフ
- X68000版
- 原案、ゲーム・デザイン、プログラム:豊田利夫
- サブ・プログラム:小倉唯克
- マップ・デザイン:豊田利夫、松島正幸、永田和宏、佐藤学
- ビジュアル・ピクチャー:佐藤学
- ビジュアル・シーン:永田和宏、牛島勇二、松島正幸、佐藤学
- 音楽:宇野正明、桜庭統、塩生康範
- サウンド・エフェクト:塩生康範
- ストーリー、マニュアル:井上一義
- アートワーク:石井史人
- ビジネスワーク:浅沼穣、栢野弘之
- テクニカル・アドバイザー:えのもとだいすけ
- スペシャル・サンクス:福島和行
- エグゼクティブ・プロデューサー:秋篠雅弘
- メガドライブ版
- 原案、ゲーム・デザイン、プログラム:豊田利夫
- グラフィック:佐藤学、松島正幸、永田和宏
- 音楽:宇野正明、桜庭統
- アートデザイン:石井史人
- ビジネスワーク:浅沼穣、宇野正明、五島賢次、飯島公人、栢野弘之
- スペシャル・サンクス:福島和行
- プロデューサー:秋篠雅弘
評価
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- メガドライブ版
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.42 | 3.68 | 3.40 | 3.76 | 3.52 | 3.82 | 21.60 |
脚注
- ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、55頁。
- ^ 北村孝和 (2004年2月23日). “Project EGG、X68K「グラナダ」など5タイトルを発売”. GAME Watch. インプレス. 2020年3月11日閲覧。
- ^ “「プロジェクトEGG」最新情報:「栄冠は君に」など”. 4Gamer.net. Aetas (2004年2月23日). 2020年3月11日閲覧。
- ^ “『グラナダ(X68000・Windows11対応版)』プロジェクトEGGにて配信開始”. D4エンタープライズ (2023年5月16日). 2023年5月17日閲覧。
- ^ 長岡 頼 (2023年5月16日). “「グラナダ(X68000・Windows11対応版)」がプロジェクトEGGにて本日より配信 重機動兵器グラナダを操作して全9ステージを攻略しよう”. GAME Watch. インプレス. 2023年5月17日閲覧。
- ^ 簗島 (2023年5月16日). “「グラナダ(X68000・Windows11対応版)」,プロジェクトEGGで本日配信。重機動兵器を操作し,全9ステージを攻略するシューティングゲーム”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年5月17日閲覧。
- ^ “プロジェクトEGGにシューティング「グラナダ(メガドライブ版)」が登場”. 4Gamer.net. Aetas (2012年5月15日). 2020年3月11日閲覧。
- ^ Harris, Steve; Semrad, Ed; Alessi, Martin; Williams, Ken (January 1991). “Review Crew – Genesis – Granada”. Electronic Gaming Monthly (Sendai Publishing) (18): 22 .
- ^ a b “グラナダ まとめ [メガドライブ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年1月31日閲覧。
- ^ Fahs, Travis (2008年7月7日). “”. IGN. Ziff Davis. 2019年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月28日閲覧。
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- ^ “Console News - Megadrive: Granada”. Joystick (Anuman Interactive) (Hors-Serie 3): 120. (July-August 1991) .
- ^ Rad; Julian (January 1992). “Megadrive Review – Granada”. Mean Machines (EMAP) (16): 106–108 .
- ^ “Review: Granada”. Mega Drive Advanced Gaming (Maverick Magazines) (5): 92. (January 1993).
- ^ Mark; Pual (December 1991). “Review – Granada X”. MegaTech (EMAP) (1): 26–27 .
- ^ Jarratt, Steve (October 1991). “The Hard Line – Granada (Import)”. Sega Power (Future plc) (23): 53 .
- ^ “The A-Z of Sega Games – Granada (Mega Drive)”. Sega Pro (Paragon Publishing) (3): 41. (Christmas 1991) .
- ^ Scullion, James (May 1992). “Mega Drive – ProReview: Granada”. Sega Pro (Paragon Publishing) (7): 62–63 .
- ^ “Mega Drive – ProReview: Granada”. Sega Pro (Paragon Publishing) (18): 66. (April 1993).
- ^ “Console Reviews – Megadrive – Granada”. User (22): 83. (1992) .
- ^ a b 「Chapter 03 1990年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、57頁。ISBN (9784872338805)。
- ^ “The Softouch Special – 1990年度Oh!X Game of the Year”. Oh!X (日本ソフトバンク) (108): 36. (April 1991) .
関連項目
- FZ戦記アクシス(1990年) - グラナダの後に発売された、クォータービューシューティングゲーム。
- ソル・フィース(1990年) - グラナダの2作後に発売された、横スクロールシューティングゲーム。
外部リンク
- グラナダ for メガドライブ(プロジェクトEGG)
- グラナダ for X68000(プロジェクトEGG)
- Granada(英語) - MobyGames