キューバ・リブレ(Cuba libre)とは、冷たいタイプのロングドリンクに分類される、ラム酒をベースとするカクテルの1つである。瓶詰のコーラを用いるカクテルとしては極めて古いものの一つ[3]。「世界で最もオーダーが多いカクテル」と呼ばれる[4]。
日本語での表記
日本では英語とスペイン語が混ざって「キューバ・リブレ」と呼ばれることもある他、英語風に「キューバ・リバー」[3][5]、スペイン語風に「クーバ・リブレ」「クバ・リブレ」と呼ばれることもある。本稿では、以降キューバ・リブレの表記を用いる。なお、「キューバ・リバー」と呼ぶ場合に「キューバの河(Cuba River)」と勘違いしていることがある[3]。
歴史
第二次キューバ独立戦争の合言葉として使われた「Viva Cuba Libre(ビバ・クバ・リブレ、キューバの自由万歳)」にちなんで作られたカクテル[3]。第二次キューバ独立戦争は1898年4月に米西戦争となり、アメリカが勝利したことで、スペインはキューバの主権を破棄し、1902年5月20日にキューバは独立して1つの国家としての歴史をスタートする。その独立を祝う為に生まれたカクテルがまさしくキューバ・リブレであった[3]。
なお、コカ・コーラの誕生は1886年、瓶詰めとして販売されるようになったのは1894年からである[3]。
キューバ・リブレの考案者、発祥は不明であるが、バカルディキューバでは、以下のような説を自社のWebサイトで公開している[6]。
- (キューバ米国軍政府)のファウスト・ロドリゲス(Fausto Rodriguez)がしばしば同行させていた(アメリカ陸軍通信部隊)のラッセル大尉(Captain Russell)はハバナのアメリカン・バーでバカルディのラム酒とコカ・コーラとライムを絞ったジュースを飲むのがお気に入りであった。1900年8月のある日、ラッセル大尉のお気に入りは他のアメリカ兵に気付かれ、数分後にはバー全体で飲まれるようになった。その際の(乾杯(Toast))の言葉として「スペイン語: por Cuba libre(「キューバの自由」のために)」をラッセル大尉が提案し、これが広まった。
1935年に刊行されたアルバート・スティーブンス・クロケット(Albert S Crockett)のカクテルブック『The Old Waldorf-Astoria Bar Book』には、キューバ・リブレが紹介されている。
1939年に(チャールズ・H・ベイカー・ジュニア)が発表した『The Gentleman's Companion: Being an Exotic Cookery and Drinking』ではアメリカのノースカロライナ州、シアトル、メキシコシティといった広い範囲でキューバ・リブレ(もしくはラム酒のコーラ割り)が飲まれていることが報告されている[6]。また、アンドリューズ・シスターズによる1945年発売の曲『ラムとコカコーラ』も普及の助けとなった[6]。
以来、現在に至るまで、有名なロングドリンクの一つとして世界中で飲用されている。
レシピの例
バリエーション
キューバ・リブレのことを、単に「ラム・コーク(Rum and Coke)」や「ラム・コーラ」と呼ぶこともある。「ラム・コーラにライム・ジュースを加えたカクテルがキューバ・リブレ」と違いを説明されることもある[5]。
- キャプテン・コーク (Captain and Coke)[9][10]
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- ラム酒にキャプテン・モルガン スパイスト・ラムを使用する。ライム・ジュースは使用しない。
文化における影響
- ラムとコカコーラ - アンドリューズ・シスターズによる1945年発売の曲
- ラム・コークはいかが - 大場久美子の曲。アルバム『微笑のメロディー』に収録。
- トレーラーパークボーイズ - カナダのテレビドラマ。主要人物のジュリアンがキューバ・リブレを持ち歩いている。
関連項目
出典
- ^ YYT project 編『おうちでカクテル』池田書店、2007年、66頁。ISBN (978-4-262-12918-1)。
- ^ 稲保幸『色でひけるカクテル』大泉書店、2003年、108頁。ISBN (4-278-03752-X)。
- ^ a b c d e f g 福西英三『カクテル教室』保育社、1996年、8頁。ISBN (9784586508877)。
- ^ ハタヤマ シンノスケ (2020年10月7日). “世界で最もオーダーの多いカクテル!?キューバリブレを徹底解説【レシピあり】”. nomooo(ノモー)(イード). 2022年8月8日閲覧。
- ^ a b 『世界一のカクテル』主婦の友社、2010年、170頁。ISBN (9784072743935)。
- ^ a b c d e “The Birth of the Cuba Libre Cocktail”. バカルディキューバ (2015年4月20日). 2018年5月30日閲覧。
- ^ “キューバリバー”. アサヒビール. 2018年5月30日閲覧。
- ^ “RUMを使ったカクテル”. バカルディジャパン. 2018年5月30日閲覧。
- ^ “Captain And Coke Recipe”. 2022年8月8日閲覧。
- ^ Matthew Driver (2011). “17. Captain and Coke”. 100 Popular Cocktail Recipes. ISBN (9781466087941)
- ^ モーダル小嶋 (2018年4月7日). “モンエナ新作「キューバリブレ」飲んだ これコーラじゃん”. 週刊アスキー. 2018年5月30日閲覧。
外部リンク
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