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キムチ

キムチ: 김치)は、白菜などの野菜と、唐辛子魚介塩辛ニンニクなどを主な材料とする朝鮮半島の代表的な漬物[2]。本来、キムチとは白キムチを意味したが、唐辛子伝来後はこれをペッキムチ(白キムチ)と呼び、唐辛子を混ぜたものをキムチと呼ぶようになった[2][3]

キムチ
各種表記
ハングル 김치
漢字 沈菜、沈漬、鹹菜など
発音
RR式 gimchi
MR式 kimch'i
英語表記: kimchi
kimchee
(テンプレートを表示)
はくさいキムチ[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 192 kJ (46 kcal)
7.9 g
食物繊維 2.7 g
0.3 g
2.8 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(2%)
18 µg
チアミン (B1)
(4%)
0.05 mg
リボフラビン (B2)
(12%)
0.14 mg
ビタミンB6
(16%)
0.21 mg
葉酸 (B9)
(11%)
45 µg
ビタミンB12
(0%)
(0) µg
ビタミンC
(29%)
24 mg
ビタミンD
(0%)
(0) µg
ビタミンE
(3%)
0.5 mg
ビタミンK
(60%)
63 µg
ミネラル
ナトリウム
(58%)
870 mg
(カリウム)
(7%)
340 mg
(カルシウム)
(5%)
48 mg
(マグネシウム)
(5%)
17 mg
(リン)
(8%)
55 mg
(鉄分)
(5%)
0.6 mg
(亜鉛)
(3%)
0.3 mg
(マンガン)
(8%)
0.17 mg
他の成分
水分 85.8 g
水溶性食物繊維 0.7 g
不溶性食物繊維 2.0 g
硝酸イオン 0.1 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

概要

キムチは、もともとは朝鮮半島の厳寒期に備えた保存食であり、野菜を塩漬けしたものからはじまった。これに香辛料としてのニンニクサンショウなどを加えるようになったのが、キムチの原型である。16世紀に日本から朝鮮半島に唐辛子が伝えられると、栽培や加工が容易な唐辛子がサンショウに代わって用いられるようになった[3]

唐辛子の強い刺激、野菜の甘味、乳酸発酵による酸味・うま味と塩辛さが複雑に混じり合った風味が特徴である。多くの場合は魚介類(もしくは魚醤塩辛や塩アミなどの漬物)やニンニクなどを使用するため、強い匂いと風味を持つ。現代の韓国人にもキムチ離れが進んでいる[4]

名称・表記

朝鮮語で「野菜を漬けたもの」の意である沈菜침채、チチェ)が語源[5][6]とする説や、沈漬(チチ)、鹹菜(ハチェ)を語源とする説など各種あり、定かではない。

英語表記については、kimuchi(日本語の読み)と表記したものと kimchi と表記したものが同時に使われていたが、東京で開かれた国際食品規格委員会 (CODEX) で日本が浅漬けを含む kimuchi をキムチの標準としようとしたことに対し、韓国は kimchi(朝鮮語語音からマッキューン=ライシャワー式にて転写)であると主張し、1996年3月に国際食品規格委員会 (CODEX) のアジア部会にて朝鮮語式の kimchi が認められた。一方、文化観光部2000年式では gimchi であり、英語圏においては例えばアメリカの朝鮮料理店では、kim chee 又は kimchee とメニューに書かれていることが多く、他にも Korean picklesFermented vegetable foodsという表記もされる[7]

歴史

 
唐辛子伝来前のキムチ
ソウル・キムチ博物館にて

玄宗を題材とした長編詩で有名な李奎報(1168年 - 1241年)の詩集『東國李相國集』の詩に「得醬尤宜三夏食 漬鹽堪備九冬支(醤漬けして夏に食べるのがよく、また塩漬けして冬支度に備える)」という記述がある。この記述ではまだ「キムチ」という名称は登場しておらず、該当の食べ物は日本中国漬物のようなものであった。

16世紀、朝鮮半島に日本から唐辛子が伝来[3]。その後朝鮮半島に唐辛子が普及し、1715年の『山林経済』にてはじめて唐辛子という単語が現れる。19世紀の文献『閨閤叢書』(1809年)に出てくるキムチを見ると、粉の唐辛子ではなく千切りの唐辛子を少し入れる製造方法が記録として残っており(日本で「朝鮮漬け」として知られている漬物に似たもの)、19世紀前後に唐辛子が使用され始めたことが推測される。1827年の『林園十六志』に、はじめて現在の加工法に近い「薀菜」がみえる。現在の結球型の白菜が完成したのは18世紀の中国であり、塩辛、唐辛子そして白菜を使った現在の形のキムチの登場は18世紀以降[6]と考えられている。

韓国の飲食店ではキムチは無料のお代わり自由の副菜として提供されていることが多い((朝鮮料理#特徴)を参照)[8]。 2020年の韓国のキムチの輸出は3万9千700トン(1億4451万ドル)で約半数が日本向け、韓国への輸入は28万トン(1億5242万ドル)でほとんどが中国産だった[8]。韓国の飲食店の購入するキムチの89.9%は中国産とされる[9]。韓国の飲食店ではキムチの無料提供が負担になっており、安価な中国産キムチの輸入増加の要因になっている[8]。 しかし、韓国ではキムチ離れが顕著となっている。韓国農林水産食品省「農村経済研究院」による2011年の分析によると、10年間で一人当たりのキムチ消費量は23%減少しており、その理由としてキムチ以外のおかずを食べるようになったことが挙げられている。それを裏付けるように、2001年と2010年の比較では、家庭でキムチを漬ける習慣は68.5%が54.5%と減少している[10]。そして、中国産のキムチ輸入が増大し、過去最大になっている[11]。特に中国産キムチは、価格が韓国産の半額以下となっており、飲食店や学校給食、社員食堂など向けに大量に輸入、消費されている。2010年1月から2015年4月までの「キムチ貿易赤字」は8409万ドル(約914億ウォン)に上った[12]。2018年に韓国の農林畜産食品部は国産キムチの競争力を支援する「キムチ産業振興計画」を発表した[9]

製造法

 
キムチ壺(ハンアリ)。屋外に置くことが多いため、雨露が入らないような蓋がついている
 
キムチ製造用に乾燥中の唐辛子

北朝鮮のキムチ

北朝鮮のキムチは、韓国とほぼ同様であるが、酸味が抑えられ、比較的甘みがある。平壌では水キムチや白キムチが主流で、韓国ほど辛くなく、色も真っ赤ではないものが一般的に食べられている[13]

韓国のキムチ

一般的な白菜キムチは以下のように漬ける。

  1. 白菜を1日ほど塩に漬ける。
  2. 水で洗って塩抜きし、葉に薬念をまぶして壺に本漬けする。
  3. 本漬けで4、5日ほど発酵させると完成である。乳酸発酵を伴うため、ガスが発生する。そのため、完全な密閉容器にキムチを詰めて室温で保管していると、数日で破裂する恐れがある。

キムジャン

 
キムジャンの準備

朝鮮半島では寒冷のために新鮮な野菜が取れないので、冬の間にビタミンCが取れなくなる。そのため、毎年晩秋に越冬用の保存食として大量のキムチを漬ける。これを「キムジャン(김장」といい、白菜キムチほか数種類のキムチを漬け込むが、3~4か月分の大人数分まとめて漬け込むため、一家族分が白菜だけで50株になることもある。2013年に韓国のキムチ作り[14]、2015年に北朝鮮のキムチ作り[15]がそれぞれユネスコ無形文化遺産に登録された[16]。大企業などではそのためのボーナスや休暇が与えられる場合もある。韓国では儒教の影響で女性が飲酒や娯楽に興じることは以前は許されていなかったが、キムジャンの際は公然と飲酒することができ、女性たちの祭りに相当するものであった[17]。家族や親戚の女性、また地域社会の女性が集まり越冬のために十分なキムチを漬ける。キムチ漬けが終われば、漬けたてのキムチとポッサムと呼ばれる豚肉を茹でた料理に巻いて食べる慣わしがある。

家庭の味と衰退

韓国でキムチは、日本でいう味噌汁のように家庭の味を象徴する料理であり「良いキムチを作れる女性は良い妻となれる」という言葉まである。しかし、キムジャンを行っている家庭は減少傾向にある。2000年代時点ではスーパーなどで既製品のキムチを買う主婦も多い。特に若い世代では、65%がキムチの作り方を知らないと回答していると、コリア・タイムズが伝えた[18]

日本とキムチ

 
大阪生野コリアタウン商店街の在日韓国人経営のキムチ専門店

昭和後期に入る頃までは、その辛さやニンニクの臭みが日本人の味覚に合わなかったことから、存在は知られていてもあまりなじみのないものであり、キムチという名称も一般的ではなく「朝鮮漬」と呼ばれることが多かった。一部では珍味とされた。しかし1975年に桃屋から発売された「桃屋 キムチの素」が人気を呼び、また1980年代後半に激辛ブームが起こると消費量が増加、ブームが沈静化した後も一定の販売数を保ち、一般のスーパーマーケットコンビニエンスストアなどで手に入るようになった。一般のスーパーでは日本国産のキムチが売られていたが、1990年代から急速に消費量が増え、韓国から輸入されたキムチも流通し始めた。社団法人・食品需給研究センターによると、キムチは2004年に日本国内で浅漬けに次いで2番目に多く消費された漬物とされている[19]

だが、日本の韓国からのキムチ輸入量は2005年をピークに減少を始め、現在では日本国内で流通するキムチの主流は日本産になっている。これには韓国側が輸入した中国産白菜のキムチから寄生虫が発見された事件が大きく起因しており、2005年から2006年の間に日本のキムチ輸入量は46.4%減少している[20]。東京都では人に寄生する有鉤嚢虫(脳や眼に寄生した場合は重篤な症状を示す寄生虫)の感染源として輸入キムチを原因のひとつとして上げている[21]。また、以下のように製法の違いによる嗜好性の問題もある。

日本では浅漬けの製法(白菜の塩漬けに調味料を加える方法)でもキムチが作られており、浅漬けキムチ、和風キムチなどと呼ばれ、韓国式のキムチとは区別される。韓国式のキムチと和風キムチの違いは、主に乳酸発酵の有無にある。韓国本来の製法では魚介の塩辛が発酵し、濃厚なうまみとともに、酸味が生まれる。この酸味や、発酵臭とニンニクや魚介の香りが混ざった強い臭気が伴うことから、日本では好みが分かれる。

地方によっては、唐辛子を多めに使った漬物[22][23][24][25][26]や、にんにくをやや多めに使った白菜漬[27][28][29]、白菜のにんにく醤油漬[30]、塩漬けした大根を干したもの[31]などを「朝鮮漬」と称する例もある。

種類

さまざまな具材を使ったキムチがあり、その数は200種類以上あると言われている。

ペチュギムチ(배추김치
白菜のキムチ。単に「キムチ」と称した際はペチュギムチを指す。19世紀に中国で新品種のハクサイの種が輸入され一般的になった、比較的新しいキムチ[5]
オイギムチ(오이김치
胡瓜のキムチ。オイソバキ、オイキムチとも。
カクトゥギ(깍두기
大根のキムチ。カクテキとも。大根を(さいの目)に切って作る。
チョンガキムチ(총각김치
チョンガ大根(小型の大根)のキムチ。チョンガクキムチ、チョンガーキムチとも。
ポッサムキムチ(보쌈김치
開城地方の名物。生のイカやカキなどを白菜の葉で包んで漬ける。保存がきかないため二、三日で食べきらなくてはいけない。
ヤンベチュキムチ(양배추김치
キャベツ양(洋)배추、洋白菜の意)のキムチ。白菜が手に入りにくいヨーロッパなどへ移住した朝鮮系住民によってよく作られていた。
マルコフチャ마르코프차
ニンジンのキムチ。白菜が手に入りにくい旧ソ連に移住した高麗人によって作られた。
カジキムチ(가지김치
ナスに葱、ニンニク、糸唐辛子などの薬味を詰めて漬けたキムチ。
チョッパキムチ(쪽파김치
ワケギを使った即席漬けキムチ。
ムルギムチ(물김치、水キムチ)
唐辛子とニンニクを使わない、汁気の多い白いキムチ。汁ごと食べる。ムルギムチの汁は冷麺の汁には欠かせない。

地域によりキムチの種類も異なり、北に行くほど薄味に、辛さも控えめになる傾向にある。朝鮮半島北部のキムチは汁気が多く、野菜の素材の味を生かしたものであるのに対し、南部のキムチは唐辛子が多くなり汁気は少ない。この理由として気温が高い南部では亜熱帯性の作物である唐辛子の生産に適していたこと、また同時に豊富に獲れた魚介類を積極的に用いたため臭み消しや保存性を高める目的から唐辛子や塩を多く用いる必要があったことが挙げられる[32]

また離乳食用に薄味のペースト状になった「赤ちゃんキムチ」や辛さを抑えた「子どもキムチ」も韓国では販売されている[33]

大韓民国国軍レーションにもキムチが採用されている。通常の製法では長期保存に適さないため、加熱加圧により発酵を止めつつ食感や風味を損なわないよう加工されているという[34]

栄養素・発癌性

本来の製法で作られたキムチは発酵食品であり、乳酸菌やビタミンが豊富である[要出典]

塩分

一方で塩分やカプサイシンも多く含むことによる害も指摘されている。韓国保健産業振興院の調査により、キムチを平均の300%程度食べる50~60代の女性は肥満になる危険が27.8%、高血圧症が20.5%、高脂血症が30.4%高いことが判明した[35]

韓国政府(保健福祉部)が2005年に行なった調査によると、韓国成人の塩分摂取量が世界保健機関 (WHO) 推奨値の2.7倍と極端に多いことが判明した[36]。WHOの塩分摂取推奨値(成人)は一日あたり5グラムだが、韓国成人は13.5g(男性14.9g・女性12.2g)摂取している。又松大学校のチョン・ヘジョン教授が2009年6月30日に発表した説によると、韓国人は1日の塩分摂取量の31.2%をキムチ類から取っているという[37]

発癌性

唐辛子を多く摂る韓国のような国では胃癌の発癌率が高く、唐辛子の中に含まれる「カプサイシン」が発がんを促進させる物質となっていることが韓国内の大学で解明された[38]ほか、それらに対する報告も指摘されている[39][40][41][42][43]

韓国と中国のキムチ関係

2008年9月には、キムチ体験テーマパーク、キムチ博物館、多目的体験場、低温貯蔵庫などの施設を備えた「キムチ村」が大韓民国京畿道漣川郡にオープンした[44]。韓国は自国産のキムチを日本などに輸出する一方、安価な中国産キムチを輸入しており、中国からの輸入量が韓国から他国への輸出量を上回るほどである。安価な中国産キムチの用途は主として飲食店で出される「突き出し」である。韓国の飲食店の購入するキムチの89.9%は中国産とされる[9]。韓国ではキムチ離れが顕著となっている。韓国農林水産食品省「農村経済研究院」による2011年の分析によると、10年間で一人当たりのキムチ消費量は23%減少しており、その理由としてキムチ以外のおかずを食べるようになったことが挙げられている。それを裏付けるように、2001年と2010年の比較では、家庭でキムチを漬ける習慣は68.5%が54.5%と減少している[10]。そして、中国産のキムチ輸入が増大し、過去最大になっている[11]。特に中国産キムチは、価格が韓国産の半額以下となっており、飲食店や学校給食、社員食堂など向けに大量に輸入、消費されている。2010年1月から2015年4月までの「キムチ貿易赤字」は8409万ドル(約914億ウォン)に上った[45]。2018年に韓国の農林畜産食品部は国産キムチの競争力を支援する「キムチ産業振興計画」を発表した[9]。国内消費量の大半を占める中国産キムチへの懸念が衛生問題から強まっている[3]

起源と「泡菜」論争

2021年7月22日、韓国国内で「中国語でキムチを泡菜と言うなら、四川泡菜と区別することができない」という批判が高まったことを受け、韓国文化体育観光部は中国語での呼び名を「辛奇」とする訓令を発した[46][47]。2013年にも韓国の国立国語院が中国語での訳名を「辛奇」に表記するように指導したが、中国語圏での不評により、翌年にまた「泡菜」を復帰させた[48]

2020年11月、中国四川省眉山市の市場監督管理局により「泡菜」(四川泡菜のことを指す)が国際標準化機構(ISO)の認証を受けたことから韓国と中国でキムチ論争がはじまった[49]。 2021年2月3日に中国人YouTuber李子柒が白菜の漬物を漬ける様子を中国伝統料理として紹介したことでさらに論争になった[49]。さらに韓国人YouTuber・Hamzyがキムチは韓国の食べ物だと投稿したのを受け、中国のネットユーザーと韓国のネットユーザーによるコメント戦争となり中国側所属事務所はHamzyとの契約を解除した[8]。 2021年1月20日、中国外務省報道官の華春瑩は定例記者会見で、キムチ論争に関連して「両国間の感情を害してはならない」としながらも「中国は塩漬け発酵食品を泡菜と呼び、朝鮮半島と中国の朝鮮族はキムチと呼んでいる」とキムチと泡菜を同一視する趣旨の発言を行なっている[8]。"

キムチを巡る事件

寄生虫事件

2005年10月、韓国の保健福祉部は中国産の輸入キムチから寄生虫の卵を検出したと発表した[50]。寄生虫の卵は未熟性のものであり、これらは、人糞を利用した有機質肥料が感染源と見られ[50]、製造過程に於ける白菜の洗浄が適切でなかったためと見られている。なお食べても健康上問題はないとされたが、韓国政府は該当する中国の製造メーカーに対し洗浄の徹底と寄生虫卵の残留可否を検査するように義務付けた。2005年11月3日、韓国の食品医薬品安全処は韓国産のキムチと白菜から寄生虫の卵が検出されたと発表した[51]。14日、日本の厚生労働省は「日本国内で市販されていた韓国産キムチから回虫の卵が見つかった」と発表した[52]。同省輸入食品安全対策室によると、10月中旬ごろ輸入された400グラム入りパック1個を研究チームが購入して調査した結果31日、中国の国家質量監督検験検疫総局は韓国産キムチとコチュジャンなどから寄生虫の卵が検出されたと発表した[53]。 

食べ残し再利用問題

韓国の食堂の食べ残し再利用が度々問題になっている[54][55][56]。韓国の食堂ではキムチが無料で提供されるが、これが再利用される問題がある。更に安価なために食堂のキムチは中国産である[57]。「26万人のチャンネル登録者を抱える有名韓国人ユーチューバーが自身の伯母が経営する釜山のテジクッパ(豚のスープご飯)有名韓国食堂からライブ配信をしていたところ、客の残したカクトゥギ(大根の角切りキムチ)を厨房のおかず保存ケースに入れ、すぐに別の店員がそのケースから新しい皿に取り分けるという、おかず再利用の場面が映り込んだために批判を浴びた[55][58]

裸キムチ事件

2019年時点で韓国のキムチの国内需要は約77万トンの内、約4割を主に中国からの輸入に依存している。韓国産と比べて、中国産キムチは価格が安いため、食堂などで出てくるキムチのほとんどは中国産である。ところが、2021年3月に裸の中国人男性が地面に掘られた大きな泥水のような塩水で満たされたプールに入って、キムチ用の白菜をかき混ぜたり、錆びている掘削機で白菜の山を持ち上げたり、唐辛子の山の中に大量のネズミが住み着いていたり、作業員が靴を履いたまま白菜の上を歩いている不衛生な中国産キムチ製作映像が韓国で話題になった。動画をアップしたというパワーショベル技士を名乗る中国人は「皆さんが食べる白菜も、私が漬けたもの」「こうして作った白菜は韓国など各国にも輸出されている」と語ったことで中国産輸入キムチに頼る韓国社会に衝撃が走った。韓国MBCテレビは、中国メディアが「中国では普通にみられる様子だ」と報道したことを伝えている。事件をうけて、韓国国立農産物品質管理院が同年3月22~28日に、国内の飲食店や加工業者など3293社を対象に緊急点検実施すると、中国産を「韓国産」と虚偽していた表記が続出した[57][59][60]

アジア大会キムチ持込事件

2006年、アジア大会2006選手村(ドーハ)において「飲食物持ち込み規制」をされているのにも関わらずこのルールに従わずに韓国選手団がキムチを持ち込み、没収されたことに選手や韓国オリンピック委員会職員(KOC)が執拗な抗議をしたため、警察が出動してKOC職員が勾留される騒ぎがあった[61]

脚注

  1. ^ 編:文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会 編「6 野菜類」『日本食品標準成分表』(2015年版(七訂))、2015年12月25日。ISBN (978-4-86458-118-9)https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/11/30/1365343_1-0206r8_1.pdf2022年6月20日閲覧 
  2. ^ a b 『(キムチ)』 - コトバンク
  3. ^ a b c d “<W解説>韓国で続く中国産キムチへの不信感、その背景と日本の貢献とは?│韓国社会・文化│wowKora(ワウコリア)”. wowKorea(ワウコリア) (2021年5月21日). 2022年1月24日閲覧。 “キムチの主材料である唐辛子が半島に登場した時期には諸説がある。最も信ぴょう性の高いのは、16世紀から17世紀の間、日本から伝来したとのことだ。韓国の歴史教科書にも登場する百科事典「芝峰類説(1614年)」には「南蛮椒有大毒。始自倭国来。故俗謂倭芥子。(南蛮椒は大変なきつさが有る。始めは日本から来た。故に倭芥子と俗に言われる)」と書いてある。 その他、同じく韓国の歴史教科書に登場する「星湖僿説」などにも唐辛子が日本から伝来したことを明確に記述している。”
  4. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2016年9月3日). “韓国人のキムチ離れ深刻…5年で20%減 「タクアンが好き」「中国産まずい」”. SankeiBiz. 2022年1月16日閲覧。
  5. ^ a b “キムチの起源と変遷1 | 食材・料理 | 韓国文化と生活”. www.konest.com. 2021年1月18日閲覧。
  6. ^ a b “キッコーマン国際食文化研究センター - 館内展示パネル - 韓国の発酵食品”. www.kikkoman.co.jp. 2021年1月18日閲覧。
  7. ^ “Weblio和英辞書 - 「キムチ」の英語・英語例文・英語表現”. ejje.weblio.jp. 2021年1月18日閲覧。
  8. ^ a b c d e “韓国と中国、「キムチ論争」勃発”. ニューズウィーク. p. 2 (2021年2月5日). 2021年6月26日閲覧。
  9. ^ a b c d “韓国、「キムチ産業振興計画」発表=中国産キムチが市場占領に危機感―中国メディア”. Record China. (2018年4月16日). https://www.recordchina.co.jp/b592173-s0-c70-d0000.html 2018年4月17日閲覧。 
  10. ^ a b 時事ドットコム 『韓国、キムチ離れ?=10年間で消費2割減』 2011年11月26日6時44分
  11. ^ a b Chosun Online 『10月時点で昨年の輸入額上回る』 2011年11月
  12. ^ “韓国のキムチ貿易赤字拡大…中国産キムチ増加で”. 中央日報. 2021年1月19日閲覧。
  13. ^ “キムチの歴史は1300年?200年?60年?韓国は辛く北朝鮮は辛くない”. コリアワールドタイムズ. (2019年5月28日). https://www.koreaworldtimes.com/topics/news/5533/ 2020年5月17日閲覧。 
  14. ^ “UNESCO - Kimjang, making and sharing kimchi in the Republic of Korea” (英語). ich.unesco.org. 2023年1月26日閲覧。
  15. ^ “UNESCO - Tradition of kimchi-making in the Democratic People's Republic of Korea” (英語). ich.unesco.org. 2023年1月26日閲覧。
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  22. ^ “商品紹介「朝鮮漬」|片山食品株式会社”. www.powerkun.co.jp. 2021年1月19日閲覧。
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参考文献

  • 家永泰光、盧宇炯(共著)『キムチ文化と風土』 古今書院、1987年12月、(ISBN 4772211012)
  • 李連順『キムチ物語』 光村推古書院、2002年12月、(ISBN 4838199163)
  • 李御寧、李圭泰、金晩助(共著、金淳鎬訳)『キムチの国』千早書房、2000年12月、(ISBN 488492259X)
  • 李信徳『韓国料理 伝統の味・四季の味』 柴田書店、2001年12月、(ISBN 4388058955)
  • 講談社編『極辛版キムチ大探検』(講談社文庫) 講談社、1988年8月、(ISBN 4061842285)
  • ジョン・キョンファ『キムチの味』 晶文社、1993年12月、(ISBN 4794961510)
  • 田村研平『在日キムチにおける誤解 食と難民をつなぐ関係』 情報センター出版局、1988年4月、(ISBN 4795807426)
  • 谷川彰英(監修)『国際理解にやくだつNHK地球たべもの大百科 9 韓国』 ポプラ社、2001年4月、(ISBN 4591067149)
  • 崔弘植(盧宇炯訳)『キムチ力』 (YB出版)、2001年6月、(ISBN 4901337130)
  • 鄭大聲『焼肉・キムチと日本人』(PHP新書) PHP研究所、2004年2月、(ISBN 4569634001)
  • 豊田有恒、豊田久子(共著)『豊田さんちのキムチ大作戦 キムチの漬け方、食べ方、健康法』 (有楽出版社)、1999年3月、(ISBN 4408591246)
  • 韓福麗(守屋亜記子訳)『キムチ百科 韓国伝統のキムチ100』 平凡社、2005年9月、(ISBN 4582127215)
  • Visson, Lynn. The Art of Uzbek Cooking. Hippocrene, New York, 1999. (ISBN 0781806690)
  • 朝倉敏夫、蔡淑美(共著)『NHK趣味悠々キムチへの旅 -作って・食べて・知る-』 日本放送出版協会、2003年11月、(ISBN 978-4141883739)

関連項目

  • 各務原キムチ
  • 泡菜
  • 朝鮮料理
  • (芝峰類説) - 1614年に書かれた朝鮮半島の百科事典。「南蛮椒有大毒。始自倭国来。故俗謂倭芥子。(南蛮椒は大変なきつさが有る。始めは日本から来た。故に倭芥子と俗に言われる)」と書いてある。
  • (星湖僿説) - 朝鮮王朝英祖の時期に書かれた詩文集。唐辛子が日本から伝来したことを明確に記述している。

外部リンク

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