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キバラタイヨウチョウ

キバラタイヨウチョウ(黄腹太陽鳥、: Olive-backed Sunbird学名: Cinnyris jugularis)は、英名において Yellow-bellied Sunbird および Yellow-breasted Sunbird としても知られる[3][4]タイヨウチョウ科に属する鳥類の1種であり、東南アジアからオーストラリアかけて生息する。本種の通称としては、フィリピンの "Tamsi" や[5]マレーシアの "Kelicap Pantai"[6] などがある。

キバラタイヨウチョウ

キバラタイヨウチョウ Cinnyris jugularis
上: 雄
下: 雌
シンガポール植物園
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: タイヨウチョウ科 Nectariniidae
: Cinnyris
: キバラタイヨウチョウ C. jugularis
学名
Cinnyris jugularis
(Linnaeus, 1766)
シノニム
Nectarinia jugularis[2]
和名
キバラタイヨウチョウ
英名
Olive-backed Sunbird
亜種

分布

ニコバル諸島[7]アンダマン諸島からインドシナ半島マレー半島中国南部および海南島、フィリピン、スンダ列島ニューギニアビスマルク諸島[3]ソロモン諸島[7]、オーストラリア北東部にかけて分布する[3][7]

形態

全長は約11.5cm[8]、おおよそ10cm[9]から12cmの小型の鳥である[10][11]。ほとんどの亜種は、雌雄とも下面は鮮やかな黄色で、背は鈍い褐色である。雄の成鳥は、額、喉、上胸が濃色で金属光沢のある暗青色となる。フィリピンのいくつかの亜種の雄は、胸に橙色の横帯を持ち[5]ワラセアおよびニューギニア島北部の一部の亜種は、下面が最も黒みを帯び、また、中国南部やベトナムに接して分布する雄の下面の多くは灰白色を帯びている。

生態

 
ホバリングして花蜜を採食する雄(シンガポール

採食

タイヨウチョウ類は、雛への給餌においてはとりわけ昆虫も採るが、それ以外のほとんどは花蜜を餌とする旧世界スズメ目の鳥類において極めて小さなグループである。それらは短い翼を高速かつ集中的に使って飛翔する。ほとんどの種が停空飛翔(ホバリング)により花蜜を採ることができるが、普段は採餌の時までよく枝にとまっている。

生息場所

 
巣をつくっている雌

開けた低地から標高1,700mにかけて生息する[7]。もともと多雨林の林縁、水辺の植物地帯、沿岸の低木地、ユーカリ林、マングローブ林などが生息場所であるキバラタイヨウチョウは[4]、人にもうまく適応しており、農耕地や果樹園、公園のほか[4]、今日かなり人口密度の高い地域にも一般的に生息し、人間の住居にさえ巣を形成する[12][13]

繁殖

本種は、北半球においては4月から8月に[12]、南半球のオーストラリアでは8月から3月にかけて繁殖する[4][14]。主に雌が[15]、若木やつる植物、低い枝先、ときには家屋やベランダなどに、樹皮、草、葉、クモの巣などの破片を使って[4]、入口に張り出した縁のあるフラスコ形で、下端部に素材を垂らした吊り巣をつくり[12]、種子の綿毛や羽毛をそのなかに敷く[4]。営巣後、雌は1-2個ないし3個(オーストラリアの平均1.95個[16])の、灰緑色に褐色の斑点のある卵を巣の広い端部に産む[4]。卵の大きさは約17×12mmで[10]、卵が孵るまでの13-15日間抱卵される[15]。雌は抱卵中、日中に少しだけ巣を離れることがある。雛が孵化した後、雌雄ともに育雛し、約2-3週間後には巣立つ[13]

オーストラリアにおいては、(フトハシテリカッコウ)(英語版) (Chrysococcyx russatus) による托卵が知られている[4][15]


亜種

21亜種に分類される[2][17]

  • Cinnyris jugularis andamanicus (Hume, 1873) - アンダマン諸島
  • Cinnyris jugularis klossi (Richmond, 1902) - ニコバル諸島北部。
  • Cinnyris jugularis proselius Oberholser, 1923 - (カー・ニコバル島)(英語版)
  • Cinnyris jugularis flammaxillaris (Blyth, 1845) - ミャンマータイカンボジア、マレー半島北部(マレーシアのペナン州にかけて)。
  • Cinnyris jugularis ornatus Lesson, 1827 - マレー半島南部、スマトラ島ボルネオ島ジャワ島小スンダ列島および周辺の島々。
  • Cinnyris jugularis rhizophorae (Swinhoe, 1869) - 中国南部(雲南省南部、広西チワン族自治区広東省海南省)、ベトナム北部。
  • Cinnyris jugularis polyclystus Oberholser, 1912 - (エンガノ島)(英語版)(スマトラ島の南西)。
  • Cinnyris jugularis obscurior Ogilvie-Grant, 1894 - フィリピン北部(ルソン島北部)。
  • Cinnyris jugularis jugularis (Linnaeus, 1766) - 基亜種。ルソン島南部およびフィリピン中・南部。
  • Cinnyris jugularis aurora (Tweeddale, 1878) - フィリピンのブスアンガ島クリオン(アグタヤ)(英語版)(クーヨー)(英語版)カガヤン島パラワン島バラバク島
  • Cinnyris jugularis woodi (Mearns, 1909) - フィリピン南部のスールー諸島
  • Cinnyris jugularis plateni (W. Blasius, 1885) - インドネシアのスラウェシ島タラウド諸島(スラヤール島)(英語版)および周辺の島々。
  • Cinnyris jugularis infrenatus Hartert, 1903 - (トゥカンベシ諸島)(英語版)(スラウェシ島の南東)。
  • Cinnyris jugularis robustirostris (Mees, 1964) - バンガイ諸島(スラ諸島)(英語版)(スラウェシ島の東)。
  • Cinnyris jugularis frenatus (S. Muller, 1843) - インドネシアのモルッカ諸島北部、アルー諸島西パプアの島々、ニューギニア島、オーストラリアのクイーンズランド州北東部。
  • Cinnyris jugularis teysmanni Büttikofer, 1893 - インドネシアのタナジャンペア島 (Tanahjampea)、カラオ島 (Kalao)、ボネラテ島 (Bonerate)、カラオトア島 (Kalaotoa)、マドゥ島 (Madu)。
  • Cinnyris jugularis buruensis Hartert, 1910 -モルッカ諸島南部のブル島
  • Cinnyris jugularis clementiae Lesson, 1827 - モルッカ諸島南部のセラム島アンボン島および周辺の島々。
  • Cinnyris jugularis keiensis Stresemann, 1913 - モルッカ諸島南部のカイ諸島(カイ・ケシル島)(英語版)(カイ・ベサール島)(英語版)、Ohimas など)。
  • Cinnyris jugularis idenburgi Rand, 1940 - ニューギニア島北西部、セピク・ラム (Sepik Ramu)。
  • Cinnyris jugularis flavigastra (Gould, 1843) - ビスマルク諸島、ソロモン諸島

脚注

  1. ^ “The IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. Nectarinia jugularis”. IUCN. 2015年3月9日閲覧。
  2. ^ a b Cinnyris jugularis (Linnaeus, 1766) (accepted name)”. ITIS Species details. Integrated Taxonomic Information System. 2015年3月9日閲覧。
  3. ^ a b c 吉井正・三省堂編修所 編『三省堂 世界鳥名事典』三省堂、2005年、169頁。ISBN (4-385-15378-7)。 
  4. ^ a b c d e f g h Pizzy, Greham (1997). Field Guide to the birds of Austraria. Australia: Angus & Robertson. pp. 500-501. ISBN (0-207-19691-5) 
  5. ^ a b Christian Perez. “The Birds of Alabang Hills”. 2015年3月9日閲覧。
  6. ^ G.W.H. Davison; Yeap Chin Aik (2010). A Naturalist's Guide to the Birds of Malaysia and Singapore including Sabah & Sarawak. UK: Beaufoy Books. p. 99. ISBN (978-1-906780-21-0) 
  7. ^ a b c d Cheke & Mann (2001), pp. 82, 318
  8. ^ Robson, Craig (2005). New Holland Field Guide to the Birds of South-east Asia. UK: New Holland. pp. 276-277. ISBN (1-84330-746-4) 
  9. ^ 中國野鳥圖鑑. 台北: 翠鳥文化事業有限公司. (1996). p. 432-433. ISBN (957-99238-0-9) 
  10. ^ a b Slater, Peter (1989) [1986]. The Slater Field Guide to AUSTRALIAN BIRDS (Revised edition ed.). Australia: Ken Fin. p. 298-299. ISBN (0-947116-99-0) 
  11. ^ Simpson, Ken (1999). Field Guide to the birds of Austraria (6th ed.). Australia: Viking. pp. 272-273. ISBN (0-670-87918-5) 
  12. ^ a b c Ria Tan (2001年). “Olive-backed Sunbird”. 2015年3月9日閲覧。
  13. ^ a b Sunbird letters
  14. ^ William J. Maher (1992). “Breeding biology of the Yellow-bellied Sunbird Nectarinia jugularis in Northern Queensland” (pdf). Emu - Austral Ornithology 92: 57-60. http://www.publish.csiro.au/?act=view_file&file_id=MU9920057.pdf. 
  15. ^ a b c Cheke & Mann (2001), p. 318
  16. ^ Cheke & Mann (2001), p. 319
  17. ^ Clements, James F. (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. pp. 540-541. ISBN (978-0-8014-4501-9) 

参考文献

  • Cheke, Robert A.; Mann (2001). Sunbirds: A Guide to the Sunbirds, Flowerpeckers, Spiderhunters and Sugarbirds of the World. Helm Identification Guides. London: Christopher Helm. ISBN (1-873403-80-1) 

外部リンク

  • “Olive-backed Sunbird (Cinnyris jugularis) videos, photos & sounds”. The Internet Bird Collection. The Internet Bird Collection (IBC). 2015年3月13日閲覧。
  • “Olive-backed Sunbird Cinnyris jugularis”. Species. BirdLife International. 2015年3月13日閲覧。
  • Yellow-bellied sunbird video
  • Olive Backed Sunbird and Her Chicks
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