キササゲ(木大角豆、楸、木豇豆、学名:Catalpa ovata)は、ノウゼンカズラ科の落葉高木。別名では、カミナリササゲ[1]、カワギリ[1]、ヒサギ[1]ともよばれる。生薬名で梓実(しじつ)と呼ばれる。日本で「梓(し)」の字は一般に「あずさ」と読まれ、カバノキ科のミズメ(ヨグソミネバリ)の別名とされるが、本来はキササゲのことである。
特徴
落葉広葉樹の高木で[2]、高さ5 - 10メートル (m) 。中国原産といわれ、日本には古くに渡来し、一部は日本各地の河川敷などの湿った場所に野生化している帰化植物である[2]。かつては、雷よけになるとして城や神社仏閣に植えられた。樹皮は灰褐色で縦に裂け目がある[2]。葉は大きく、幅の広い広卵形で、浅く3裂する[2]。花期は6 - 7月[2]。枝の先から円錐花序を出して、漏斗状で淡い黄色の内側に紫色の斑点がある花を咲かせる[2]。果実は長さ30センチメートル (cm) ほどある細長い蒴果で中には種子が詰まっており[2]、ササゲ(大角豆)に似るのでキササゲ(木大角豆)と呼ばれる。
生薬
本種とその同属植物トウキササゲ(学名: C. bungei)の果実は、日本薬局方に収録の生薬「キササゲ」である。これは梓実(しじつ)ともいい、利尿作用がある。伝統的な漢方薬ではほとんど使わず民間薬的なものである。
同属植物
- アメリカキササゲ(C. bignonioides)
- トウキササゲ(C. bungei)
- オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ、C. speciosa)
アメリカキササゲ
オオアメリカキササゲ