オヒョウ(於瓢、学名:Ulmus laciniata)はニレ科ニレ属の落葉性の高木。日本列島から東北アジアの山地に分布する。日本の北海道に多い。
別名アツシノキ(厚司の木)、ヤジナ(矢科)、ネバリジナ(粘科)。
アイヌ語ではオヒョウの樹皮と繊維をアッ(at)、オヒョウの木をアッニ(atni)と呼ぶ。樺太の方言ではそれぞれアㇵ(ah)、アㇵニ(ahni)という。樺太の白浦地方では樹皮をオピウ(opiw)とも呼び、「オヒョウ」の名称はこれに由来する[1]。
特徴
高さ約25m。樹皮は縦に浅く裂け、剥がれ落ちる。樹皮の繊維は強靭。葉は広倒卵型で先端が3(〜9)裂し、縁には重鋸歯が見られる。両面に白い短毛がびっしり生え、ざらついた手触り。4-5月、新葉の出る前に、淡紅色の小花が束状に咲く。果実は長さ2cmほどの扁平な楕円形をした翼果で、6月頃、褐色に成熟する。
樹皮((靭皮))の繊維は強靭で、アイヌはこれを染色して、アットゥㇱ(attus 厚司)という布や衣類を織る(同じ用途のシナノキより高級・希少とされる)[2]。別名のアツシノキはこのことに由来。