オオシロアリ(大白蟻、Hodotermopsis sjostedti)は、(オオシロアリ科)に分類されるシロアリの一種。日本では鹿児島県以南に生息する日本最大のシロアリである。
特徴
大きさは(有翅虫)で15mm、(働き蟻)(ワーカー)で10-15mm、(兵隊蟻)(ソルジャー)、は大きいもので20mmに達する。イエシロアリに似るが、全体的に大きい。兵隊アリは、頭部が前後に長く、大顎は鋭く鋏状に発達する。有翅虫は全身濃い赤褐色をしており、翅が薄く黒い色をしている。他の多くのシロアリと異なり、働き蟻も複眼を有する。
生態
他のシロアリと同様社会性昆虫で、集団を成して枯れ木や朽ち木を食べ、その内部に巣を作る。特に湿った材を好む。巣は材の中に網目状に掘られた巣穴からなり、材の外に巣穴を続けることもある。
成熟したオオシロアリのコロニーは、基本的に女王と王を頂点に、(擬職蟻)(いわゆる働き蟻、ワーカー)、兵隊蟻(ソルジャー)、ニンフ((翅芽虫))、(前兵蟻)(「白兵蟻」とも)、幼虫からなり、繁殖期にはニンフから有翅虫が生ずる。また、女王や王が欠けた場合やコロニーの一部が隔離された場合には、複数の(副女王)や副王(いずれも補充生殖虫と呼ばれる)が出現し、コロニーの存続が図られる。
幼虫は初齢から6齢まであり、7齢以降の未分化の個体が擬職蟻(いわゆる働きアリ、ワーカー)である。この擬職蟻の一部が、脱皮を経て兵隊蟻やニンフへと分化する。また、擬職蟻の脱皮は必ずしも他のカーストへの分化を伴うものではなく、擬職蟻が擬職蟻へと脱皮する場合が多い。このカースト分化を伴わない脱皮は静止脱皮と呼ばれる。また、ニンフが擬職蟻へと逆戻りする脱皮も知られており、退行脱皮と呼ばれる。
関連項目
参考文献
- 福田晴夫ほか 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 - 野山の宝石たち』 南方新社、2005年、(ISBN 4-86124-057-3)。
外部リンク
- 日本のシロアリ(岡崎等翅目研究所)