アメリカホド(学名: Apios americana)は、マメ科(ホドイモ属)の植物。原産は北アメリカ大陸東部で、日本には明治時代中期に導入された[2][3]。英名はポテトビーン (potato bean) 、インディアンポテト (Indian potato) 、グラウンドナッツ (ground nut) 。日本では属名であるアピオスや、単にホド(ホドイモ)ともよばれる[4]。日本には在来種であるホドイモ (Apios fortunei) が存在するが、多くは野生で栽培はごく一部にとどまり、東北地方を中心に作物として主に栽培されているのはアメリカホドである。
特徴
多年草であり、つる性で、高さは2m-4mに達する。葉は、羽状複葉で、5-7枚の薄い小葉をもつ。花期は夏である。花序には、10 - 40個の蝶形花を密集してつける。花の外面は緑白色、内面は紫褐色になる。翼弁と舟弁は曲がりくねっていて色が濃い。花にスミレのような芳香があり、見た目の美しさから観賞用にもなる[5]。果実は細長く、長さ5-10cmになる。果実は1列に並び、熟すとさやが裂けてらせん状によじれる。地下には、数節にくびれた塊茎がある[3]。
人間の利用
マメ科であるが、地下で根茎がのびた先に数珠つなぎでできる塊茎を食用とする[4]。くびれた塊茎は、20個ほどになることもある[6]。大きさは直径2 cmから8 cmほどである[7]。イモをそのまま茹でる・蒸すなど加熱して、煮たり焼き芋やてんぷらなどで食する。食味はホクホクした食感で薄い甘味があり、ピーナッツとイモの中間のような味、あるいはジャガイモとサツマイモの中間的な味がする[4][5]。栄養価が高く、カルシウムはジャガイモの30倍、鉄分は4倍ほど含まれる[4]。またイソフラボン、食物繊維、ビタミンEも豊富である[4]。
マメ科のイモなのでポテトビーンとの異名があり、またネイティブ・アメリカンにとっての貴重な食料であった[5]ためインディアンポテトの名がある。日本での主産地は青森県であり、七戸町、佐井村、むつ市などで生産量が多い。
イモは食用にするほか、漢方の生薬としても使われる[5]
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Apios americana Medik. アメリカホド(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月5日閲覧。
- ^ 『新編 食用作物』星川清親、養賢堂、昭和60年5月10日、訂正第5版、p654
- ^ a b 原色日本帰化植物図鑑 (1975)
- ^ a b c d e 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 103.
- ^ a b c d 講談社編 2013, p. 222.
- ^ 「地域食材大百科」p374 農文協 2010年3月10日第1刷
- ^ 吉田よし子『マメな豆の話』平凡社、2000年4月20日、初版第1刷、209頁。
参考文献
- 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、103頁。ISBN (978-4-415-30997-2)。
- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1975年、245頁。ISBN (978-4-586-30053-2)。
- 講談社編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日、222頁。ISBN (978-4-06-218342-0)。