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もののけ姫

もののけ姫』(もののけひめ、英題: Princess Mononoke)は、1997年スタジオジブリが発表した長編アニメーション映画作品。監督は宮崎駿キャッチコピーは、「生きろ。[6]

もののけ姫
The Princess Mononoke
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
原作 宮崎駿
製作 鈴木敏夫
製作総指揮 徳間康快
出演者 松田洋治
石田ゆり子
田中裕子
小林薫
西村雅彦
上條恒彦
島本須美
渡辺哲
森光子
佐藤允
名古屋章
美輪明宏
森繁久彌
音楽 久石譲
主題歌 米良美一もののけ姫
撮影 奥井敦
編集 瀬山武司
制作会社 スタジオジブリ
製作会社 徳間書店
日本テレビ放送網
電通
配給 東宝
ミラマックス
Alliance Films
公開 1997年7月12日
2020年6月26日(revival)[1]
1999年10月29日
1999年11月26日
2001年10月19日
2003年4月25日
上映時間 133分[2]
製作国 日本
言語 日本語
製作費 21億円
興行収入 201.8億円[3][4]
配給収入 117.6億円[5]
(テンプレートを表示)

興行収入193億円を記録し[7]、当時『E.T.』が保持していた日本の歴代興行収入記録を塗り替えた[注 1]

概要

1980年(昭和55年)に宮崎駿がアニメ企画案のイメージボードとして構想した同名の作品があり(『宮崎駿イメージボード集』。ISBN (4-06-108068-7)。 1983年に収録)、1993年(平成5年)にそれを基にした絵本(『もののけ姫』。ISBN (4-19-860040-6)。 )が出版されている。

1994年アニメージュでの『風の谷のナウシカ』の連載を終えた宮崎は1人準備班を立ち上げ最初の案を破棄して別ストーリーを構想。途中、『耳をすませば』や『On Your Mark』の製作で中断するも1995年4月3日に再開し安藤雅司作画監督と共にキャラクター作りから本格的作業をスタート。同年4月19日に企画書が完成。5月14日に屋久島5泊6日のロケハンをし帰京後の5月22日にスタッフルームが設けられる。

主題歌「もののけ姫」(作詞 - 宮崎駿 / 作曲・編曲 - 久石譲)を歌う米良美一は、女性のような高い声で歌うカウンターテナーが話題になり、この作品によって広く認知されるようになった。声優は『平成狸合戦ぽんぽこ』のおキヨの石田ゆり子、『紅の豚』のマンマユート・ボスの上條恒彦、『風の谷のナウシカ』のナウシカの島本須美とアスベルの松田洋治といった過去のジブリ作品にも出演した者が起用されている。

製作

映像

作画枚数
これまで宮崎駿の監督した長編アニメは、おおよそ5万から7万枚ほどの作画枚数で製作されてきたが、本作では14万枚以上もの枚数が使用された。宮崎は「ジブリを使いつぶす」ほどの覚悟で桁外れの労力と物量を本作に投入したというが、以降の『千と千尋の神隠し』(約11.2万枚)や『ハウルの動く城』(約14.8万枚)、『崖の上のポニョ』(約17万枚)もほぼ同規模かそれ以上の枚数であり、スタジオジブリの制作体制そのものを刷新する結果となった。
デジタル体制への移行
スタジオジブリ最後のセル画と絵の具を使った作品となった。この作品でもサンの顔に付いた血糊やデイダラボッチを3DCGで作った他画面の多重合成も行われ、製作スケジュールの追い込みでデジタル彩色も一部使用されていたが、以降のジブリ作品は線画をコンピュータに取り込み、デジタル彩色の手法を用いるフルデジタル処理で製作されるようになった。
また、タタリ神やデイダラボッチの動く触手も、3DCGのパーティクルによる流体シミュレーション機能を応用して制作されている。ラストの植物が芽吹き再生していくシーンでも3DCGによる制作が行われており、こうした3DCGを積極的に利用した最初のジブリ作品となった。
美術イメージ
本作は背景も総力を挙げるために美術監督5人制とする。まず1995年5月14日に山本二三田中直哉武重洋二の3人が宮崎駿監督と安藤雅司作画監督、動画チェックの舘野仁美、太田清美、福留嘉一らと共に舞台となるシシ神の森を描くために屋久島5泊6日のロケから参加。帰京後、武重は『On Your Mark』のため一時降板。
同年6月10日に男鹿和雄が参加しアシタカが住むエミシの村を描くために白神山地の取材に訪れている。青森県の鰺ヶ沢町、津軽峠、天狗峠、一ツ森町などを写真を撮ったり絵を描いたりしながら歩き回り、その時のイメージを作品にちりばめている。その後、同年7月1日に黒田聡が7月11日に武重洋二がそれぞれINし、さらにCG的背景を創ろうと福留嘉一が特殊美術に任命され、11月5日に山本がチーフとなる。

テーマ

「神殺し」のモチーフ
作中で描かれる「神殺し」のモチーフは、小説『(ギルガメシュ)』からの影響であるが、過去に作者の梅原猛からアニメ化の要求があった際は、映像化するほど惹かれないとして断っている。本作を観た梅原は、似ているようで別物だと語っている[8]
ハンセン病
宮崎はこの作品を通してハンセン病への考えを表現した[9]

宣伝

タイトル名
鈴木プロデューサーのもとに宮崎が訪ねてきて「鈴木さん、タイトル変えようと思うんだけど、『アシタカ𦻙記』[注 2]でいこう」ということになり話はそこで終了した。鈴木敏夫プロデューサーは直感的に『もののけ姫』というタイトルが気に入っていたので、金曜ロードショー内で放送した製作告知CMの初報を『もののけ姫』のタイトルで強行して制作した。しばらくしてことの次第を聞き付けた宮崎はさらに食い下がることはなかった。
しかし、このタイトル変更が視聴者に内容が正しく伝わらず、サンが主人公でアシタカは主人公ではなく主役の1人に過ぎないと視聴者が誤解しており、オープニングタイトルの土面はアシタカの伝説をアシタカの故郷であるエミシの村で誇示する伝承をしたものであるので、アシタカ伝説(アシタカせっき)がタイトルとして正しいが、鈴木敏夫が強引にもののけ姫にしてしまったことで視聴者側の誤認が発生したとする意見がある。
しかし、宮崎駿は「の」の法則と呼ばれるほど、タイトルに「の」の字を多用し、いずれもヒットしている(しかも『風の谷のナウシカ』と本作『もののけ姫』は2回のを使用)ので、のがつくタイトルに変更したことが良かったとする意見もある。
キャッチコピー
映画公開時のキャッチコピー「生きろ。」は、糸井重里によるもの。完成までには糸井と鈴木敏夫プロデューサーの間で激しいやり取りがあり、没になったコピー案は50本近くあった。主な候補に「おそろしいか、愛しいか。」「だいじなものは、ありますか。」「おまえは、まぶしい。」「昔々は、今の今。」「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」「死ぬなっ。」などがある[10]

音楽

音楽を担当した久石譲は、映画公開の2年前に宮崎駿と打ち合わせを行った際、映画の内容よりも今なぜこの作品を作らなければならないかという覚悟の話をされたという。宮崎の熱意に圧倒された久石は本作の音楽をフルオーケストラで書くことに決め、管弦楽は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が担当した。これまでの宮崎作品では臨時編成のオーケストラによる演奏であったが、本作で初めて常設のプロオーケストラが起用された[11][12][13]
久石は本作のためにYAMAHAVP1や、AKAIサンプラーなどを使用したデモを制作し、そこからさらに本編のためのオーケストラスコアを書き上げた。音楽はオーケストラが主体であるが、シンセサイザーが全編で多用されているほか、和太鼓篳篥龍笛などの和楽器や、南米のケーナが使用されている[14]。久石は本作を次作の『千と千尋の神隠し』と共に、「スタンダードなオーケストラにはない要素を導入しながら、いかに新しいサウンドを生み出していくか、というチャレンジを試みていた時期ですね」と述懐している[15][16][17]
冒頭の「ドーン」という音は、サンプリンググランカッサとエスニック系の太鼓、シティ・フィルの大太鼓、ティンパニなどをミックスした合成音で、映画館では椅子が振動する効果が出るほど一つの音に対してもこだわって作られた。久石は「今回は悔いが無くなるまで最後まで仕上げたと思ってます。ひきずるモノがまったくありません」「この仕事、終わってほしくない。でも寝てないから早く終われとか色々思いました(笑)」と述べている[18][19]
これまでの宮崎作品のエンドロールは全て絵を入れていたが、本作では文字だけになっている。そこに主題歌とメインテーマが流れるが、宮崎は「これはやっぱりきちんと聴くに値する音楽になったなと思います」「その音楽だけはそのまま座って聴いていて欲しい」と語り、本作の音楽について「自分達の作品に最もふさわしい才能を探したあげく、結局、いつも久石さんにたどり着くという繰り返しだった」と述べている[20][21]

あらすじ

プロローグ
中世(室町時代の頃)と思われる[要出典]日本が舞台。東と北の間にあると言われるエミシの村に住む少年アシタカは、村を襲ったタタリ神と呼ばれる化け物を退治した際に、右腕に死の呪(のろ)いを受けてしまう。その正体は、何者かに鉛のつぶて[22]を撃ち込まれ、人への憎しみからタタリ神と化した巨大な猪神ナゴの守)であった。アシタカは呪いの為村を追われ[注 3]、呪いを絶つ為にも猪神が来た西の地へと旅立つ。
序盤
旅の道中、乱妨取りに奔る地侍との戦いや、謎の男ジコ坊との出会いを経て、アシタカはジコ坊から聞いた、山奥にある古い神が棲むという"シシ神の森"に向かう。アシタカが谷川の岸に着いた時、谷に落ち川に流され、傷つき気絶している男達を発見し、岸に助け上げた直後、対岸に傷ついた山犬と共にいる娘を見かけた。その山犬と娘は彼に気づくと、彼をにらみ去っていった。
その後、アシタカ達は森の端でコダマと会い、コダマに案内されるようにして森の中を進み、森の奥の池の岸でアシタカは、木々の向こうに金色に光る鹿のような生き物(シシ神)を見た。その時、アシタカの腕のあざが激しく反応した。
その後、森を抜けて男達の村に着く。その村はタタラ場と呼ばれる、鉄を作る村であるという。そこを治めているエボシという女は、石火矢と呼ばれる火砲を村人に作らせ、それを使い森に棲む"もののけ"や、村の鉄を狙う地侍達から村を守っていた。アシタカが助けた男達の傷ももののけに襲われたもので、アシタカに呪いを与えた猪神に鉛のつぶてを撃ち込んだのもエボシだという。
彼らは鉄を作るために自然を破壊している自覚はあったが、シシ神やもののけ達を敬っていなかった。アシタカは村人達の話を聞き、彼らにとってのエボシは、生きる希望を与えてくれる女でもある事を知った。
中盤
その夜、エボシの命を"もののけ姫"が狙いに来る。その正体は、アシタカが川岸で会った、山犬に育てられた人間の娘、サンであった。窮地に陥ったサンをアシタカは救うが、同時に彼は瀕死の重傷を負ってしまう。倒れながらもアシタカは、生きろ、とサンに語りかけるが、人を憎むサンは聞く耳を持たずに、助けてくれたアシタカを殺そうとする。しかし、アシタカから、美しい、と言われたサンは、動揺して思い留まる。
サンはアシタカを、生と死を司る神、シシ神の前に連れて行く。シシ神はアシタカの傷を癒し、それを見たサンはアシタカを生かすと決める。サンはアシタカを介抱する内に、次第に彼に心を開いていく。アシタカも、森と人が争わずに済む道は無いのか、と思い悩む。
終盤
その頃タタラ場には、エボシにシシ神殺しをさせようとする怪しげな装束の男達が集結していた。彼らを率いるのはジコ坊である。男達は天朝よりシシ神殺しを許可され、不老不死の力があると噂されるシシ神の首を狙っており、エボシ達もまた、森を切り開くのをもののけ達に邪魔されぬよう、協力を約束したのである。タタラ場を出発したエボシ達は、人間との最終決戦を行おうとする猪神の大群と大戦争を始める。ところが、エボシが留守にしたタタラ場は、鉄を狙っている侍の集団に襲われてしまうのであった。
日が暮れる中、森の中でアシタカは、シシ神の池に向かうエボシに会い、神殺しを止めて侍に襲われている村に帰るよう伝え、彼女と別れたアシタカはサンを探しに森の奥へ行くが、彼と別れたエボシは構わず池に向かう。
ラスト
池で月光を浴び夜の姿に変わろうとするシシ神を見つけたエボシは、気絶したサンを抱えたアシタカが止めるのも構わず、遂にその首を取る。するとシシ神の体から不気味な体液が大量に飛び散り、それに触れた者達は死に、木は枯れてしまう。やがて体液は津波のような勢いで山を埋め尽くし、森は枯れ果てて、タタラ場も壊滅してしまうのであった。
目覚めたサンは、森を見て森が死んだと絶望し、人間に対する憎しみを爆発させる。しかし、アシタカはまだ望みはあるとサンを説得し、二人は協力して、シシ神の首を持って逃げようとするジコ坊を押し留め、首をシシ神に返す。シシ神は首を取り戻したが、朝日を浴びると同時に地に倒れて消える。その瞬間に風が吹き、枯れ果てた山にはわずかながら緑が戻り、アシタカの腕の呪いも消えた。
エピローグ
アシタカのプロポーズに対し、サンは「アシタカは好きだが、人間を許す事は出来ない」と答える。アシタカは「それでもいい、サンは森で私はタタラ場で暮らそう、共に生きよう」と語る。エボシもタタラ場の村人達に、「新たに良い村を作ろう」と語りかけるのであった。
最後に、倒れた一本の大木の上に芽生えた若木の横に、1体のコダマが現れて、頭を動かしカラカラと音を立てる場面で終わる。

登場人物

主要人物

アシタカ
本作の主人公。17歳。ヒイ様は「アシタカヒコ」と呼ぶ。エミシ(蝦夷)がヤマト(大和、ヤマト王権または大和朝廷)との戦い(平安時代に起きた坂上田村麻呂の蝦夷征討)に敗れてから500年余り経過し、朝廷や将軍も衰えていた時代に、東と北の間にあると言われる村に生まれた、アイヌ民族であるエミシ一族の数少ない若者(エミシ一族も既に衰亡しつつある事をヒイ様達が口にしている)。エミシ一族の長になる為の教育を受けた、王家の血を引く少年であり、それにふさわしい気品を持つ。無口であるが正義感が強く、また潔く[24][25]、村を襲おうとするタタリ神に矢を放ち、命を奪う事と引き換えに死の呪いを受ける。それがきっかけとなり、村を追われる。村を出る前に、ヒイ様達の前でまげ(成人した男子の証[26])を切り、御神体の岩壁に捧げた[27]。まげを切った時に、彼は村の人間として暮らす資格を捨てた[28][26]。彼の矢尻は黒曜石[29]蕨手刀を持つ[26]
右腕には、呪いの印である「赤黒いあざ」が残る。それは「強大な力[注 4]を与える代わりに、少しずつ呪いが進行して命を奪っていく」というものである。このあざは強大な力を発揮する時に、黒い蛇状に変化する事があり、タタリヘビという[24]。人を傷つけようとしたり、タタリ神が恨みを持っていた人が近くにいたりすると、呪いが暴れ出す。呪いが暴れると、アシタカに人を殺す気はないが、制御できないあざの力のせいで殺す事になる。人を傷つけたり、殺めた後には呪いが進行している。タタリヘビが現れた時は不明であるが、あざが暴れている時は、痛みと熱を発する為、その後は、水をかけたり水に浸したりして、痛みと熱を取る。首を奪われた事で命を奪う黒い体液をまき散らし、暴走していたシシ神に、サンと共に首を返し、シシ神の風を浴びた後、右手に傷あとは残ったもののあざは消え去り、呪いによる死から免れる事が出来た。
狩猟で鍛え上げた、優れた弓術と高い身体能力とを持つ。また、トキいわく「いい男」で、タタラ場に住む女達にもモテていた。エミシ一族は自給自足の為、硬貨[注 5]を持たない。監督の話によると、エミシの村に近い東北は金の産地なので、彼は砂金の大粒を持っていた[28]
サン
本作のヒロイン。15歳[30]もののけ姫。犬神(山犬)に育てられた人間。モロの君によると「森を侵した人間が、我が牙を逃れる為に投げてよこした赤子」だという。顔に赤い逆三角形の入れ墨[31]、白い山犬の尾付きの毛皮のマント、白い袖なしの服と、その下に紺色の袖なしの服、白い袋状の革靴。戦う時は赤い土面[24][32]と耳付きの白い山犬の毛皮を被る。山犬の牙で出来た短剣と槍を持つ[31]。アシタカと会った時、彼女はモロの君が負った石火矢(いしびや)の傷から、鉛の毒を含む血を口で吸い取り、吐き出していた[33][34]
自然を荒らされた恨みから人間を深く憎んでおり、巨大な山犬にまたがり、タタラ場やエボシ御前に何度も襲撃を繰り返す。自分は山犬だと強く思い込むが、アシタカに会い、荒ぶる神々と人の間で心が揺れ動く[24]。山犬を美しいと思い、自らを醜いと思っているが、アシタカの「美しい」との一言にひどく動揺する。アシタカがシシ神に助けられた後、彼を介抱し、彼に口移しで干し肉を食べさせたりした[35][36]。その後、気絶していた彼が目覚めた時に、彼女が「(ヤックルが)話してくれた。お前の事も古里の森の事も」と言ったが、ヤックルは人語を話す事の出来ない普通の動物である他、後に彼女が無言の山犬から玉の小刀を受け取る場面、終盤で彼女が無言の猪神から乙事主の居場所を教えてもらう場面から、彼女には彼等のテレパシーを感じる能力がある事を示唆している。また、森の外からの山犬の遠吠えを、彼女が森の中で聞き意味を理解する場面から、彼女には山犬の吠え声を理解する能力がある事も示唆している。
名前は、1980年に宮崎駿がアニメ企画案として構想した作品のヒロインが「三の姫」(三番目の姫)であった事に由来する[37]
映画の最後に言った「アシタカは好きだが、人間を許す事は出来ない」は、アシタカのプロポーズに対する答えである[38]。監督いわく「(あの後)二人はしょっちゅう会っている」。その証拠に、アシタカは「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。共に生きよう。会いに行くよ」と返している。
アシタカが気絶して数日間眠っている時に、糸と針で完全にアシタカの衣服が修繕されていて、山犬の子供としてだけでなく人間としての家事能力も高い。
明確な根拠はないが、タタラ場は子供がおらず、子供を産み育てる余裕がないので産児制限をしているらしく、リーダーであるエボシの子供(サン)でさえ生贄として遺棄されている可能性が高いという説がある[要出典]。サンは三女であり、2人の姉(長女、次女)がいるという説がある。
サンの父はエボシが殺害した元夫の倭寇の頭領説やゴンザ説等がある[要出典]
エボシとサンの格闘戦では、サンは本気でエボシを殺そうとしているが、エボシはサンをなめてかかっていて殺そうとはしていないという見方もある。
監督の話によると、今はまだ子供が産まれる時期ではない状態のタタラ場だという説がある[39]

もののけ

シシ神(ディダラボッチ
生命の授与と奪取を行う森の神。イメージボードでは鹿神(ししがみ[40])。夜に命を奪ったり、命を与えたりしている。夜そのもので、神の中では下級に位置する[8]。新月の時に生まれ、月の満ち欠けと共に誕生と死を繰り返す。その首に不老不死の力があると信じられている。昼の姿は枝分かれした、樹木の角[41][42]が無数に頭頂部から生えた、猿のように赤い人面[41][42]の鹿(人間のようなアーモンド型の目〈瞳の色は赤〉、ヤギのような耳、猪のように前身が発達した胴体、カモシカのように長い体毛〈毛色は脚と尾および頭頂部から背面にかけては薄茶色、顔面の下から腹部にかけては白〉、小さな犬のような尾、3つの蹄のある鳥のような脚といった、無数の動物の様態〈角は植物で出来ている〉を持つ)のような生き物で、水面を浮いて歩く。地面では歩く度、足下で植物が一斉に成長しては枯れる。夜の姿は頭と背中に無数のとげのようなものがついたディダラボッチで、独特の黒い模様と半透明な体を持つ。身長十数mの巨人。体内で青い光を放ちながら、夜の森を徘徊し[43][44]、森を育てている[8]。人語を話す事は出来ない。アシタカが負った石火矢の傷を癒した。また、エボシに新石火矢で二回目に撃たれそうになった時に、新石火矢を撃てないようにするために見つめると、木の部分に枝葉が生えた。
月光を浴び、夜の姿に変わり始めた瞬間にエボシの新石火矢で首を飛ばされた際は、シシ神の姿で首の付け根から黒い体液が飛び散った後、ディダラボッチの姿で首を求めて暴走を始め、あらゆる生物の命を吸い取った。命を吸い取り過ぎて動きが鈍くなった上、朝日を浴びて消滅寸前となり、すんでのところでアシタカとサンの手で首を返されたものの時既に遅く、倒れると同時に消滅してしまった。その際、辺り一帯に行き渡る程の暴風を起こし、その風の力によって枯死していた山々の植物を甦らせた。黒い体液は、水に浮き、水上では動きが遅くなる。
アシタカとサンが首を返す直前に、首から流れ出る体液に触れ、タタリ神の黒いあざが二人の全身に広がるが、首を返し、シシ神の風を浴びた後、二人の全身のあざが消え、アシタカの右腕の呪いのあざも、右手に薄く小さく傷あとの状態になり、呪いは消えている。
さらにタタラ場の傷病者(甲六ら)やエボシ(右腕をモロに食いちぎられた)、アサノ軍の侍との交戦の矢によって負傷していたヤックル(アシタカが牛飼い頭に頼んで預けて、男衆と共にいかだでタタラ場に帰還途中に日の出を迎えた)、サンを乗せていた山犬の傷もシシ神の風で完全に治癒している。
モロの君(きみ)
二本の尾を持つ白い巨大な300歳の雌の犬神(山犬)。シシ神の森の近くの山頂の洞穴にサンや子供達と共に棲む。乙事主とは百年ほど前まで恋仲であった。実子の2頭の山犬同様に、人間に捨てられたサンを育て、娘として愛している。人語を解し、高度な知能と強靭な力を持つ。犬神として恐れられているが、子供想いの母性的な性格であり基本的には温和で争いを好まない。サンと同様に人間を嫌っている。シシ神の森を侵すエボシ御前を憎み、命を狙っている[24]。ナゴの守同様にエボシから石火矢による傷を負わされ、既に身体が弱り、寿命が迫っているが、タタリ神と化したナゴの守と違い己の死を受け入れている。サンを人として解放しようとするアシタカには厳しく当たる一方、サンに対して「彼と共に生きる道もある」と諭す場面もあった。最期は、タタリ神になりかけた乙事主からサンを取り返し、彼女をアシタカに渡した後に、力尽きて倒れ、首以外はシシ神の体液に触れるが、執念で首のみで動き、エボシの右腕を食いちぎり、そのままシシ神の体液の中に飛び込んでいった。
モロ役について、美輪は声を吹き込む前に宮崎から「モロはいわば観世音菩薩なんです」と告げられた。加えて「普段の美輪さんのまま演じて下さればいいですよ」と告げられ、アフレコはある程度スムースにいった[45]
しかし終盤モロが乙事主に「もはや言葉まで無くしたか」と言うシーンで、美輪は台本だけではモロの感情がつかめなかった[注 6]。そこで美輪がシーンの意図を尋ねると、宮崎はニヤリと笑って「遠い昔モロと乙事主は"いい仲"(恋愛関係)だったんです」と告げた。この一言で美輪は全てを理解して[注 7]演じると、一発でOKがもらえたとの事[45]
人語を話す巨大な猪の神。大半は焦げ茶色の毛並みで、例外は白い毛並みの乙事主と茶色の毛並みであるナゴの守。
人間を憎んでいる点では山犬と同じである他、一族の結束が強く、自らの誇りを優先する傾向があるが、それゆえに凝り固まった考えをしており、九州の山の主である乙事主と共にシシ神の森に来た猪神達と山犬との会談でも、ナゴの守の死を「山犬がシシ神を一人占めして、助けずに裏切った」、「山犬がナゴの守を食い殺した」と決めつけて非難した。終盤で人間と戦う前に、モロによると、シシ神の森の近くの森を、乙事主達が食い荒らしたという。その後、乙事主を除く猪神全員が白い泥を体に塗り、戦いの為の化粧をした。
作中ではタタリ神に変貌したナゴの守がアシタカに討たれ、乙事主と共に人間に総攻撃を仕掛けた多数の猪神も乙事主を除いて全滅、さらに乙事主自身もタタリ神に変貌しかけた挙げ句、シシ神に命を吸い取られた。
ナゴの守(かみ)
冒頭で登場したタタリ神の正体であり、アシタカがタタラ場に赴くきっかけとなった巨大な猪神。乙事主と共に来た猪神達からは美しく強い兄弟だと称されている。
元々は現在のタタラ場の領域にあった森に生息している猪神達を束ねる主であり、森を切り開こうとする人間を排除し続けていたが、エボシ御前が率いて討伐に乗り出してきた石火矢衆の石火矢により同胞は殺され、自身も重傷を負い、苦しみと死への恐怖、劣勢から森を逃げ出し、長い逃避行の中で呪いを取り込みつつ、怨念などの負の感情を増大させ、ついにはタタリ神に変貌、前述の森から遥か遠く離れたアシタカの村へとたどり着くと人間を襲おうとし、止めようとしたアシタカの右腕に呪いを掛けたが、彼に討たれた事で本来の姿と意識を取り戻し、彼の魂を慰め鎮めたいというヒイ様に対して、人間達への呪詛の言葉を吐きながら溶け、骨と化した。その後ヒイ様の命令により村で塚に埋葬された。
アシタカがタタラ場に到着後に、山犬の攻撃で谷に転落して死亡した牛飼いの通夜の際に、男衆の間でアシタカに説明するエボシの偉業としてナゴの守退治が話題に上がり、アシタカの右腕が暴走しかけた。
アシタカの右腕の暴走は、エボシに秘密の園の病者を紹介される際にも(病者達がエボシに頼まれ、新石火矢を開発中なのを見て)、エボシを殺害しようとして発生し、彼が左手で必死に抑えたが、結局は病者の長の説得で完全に収まった。
乙事主(おっことぬし)
四本牙を持つ巨大な白い猪神。500歳の最長老。
老齢のために目は既に見えないが、嗅覚と洞察力が鋭く、ジコ坊達の偵察を見抜き、また重傷の身でありながらも巨大な岩を体当たりで粉砕する等身体能力も高い。
モロいわく「少しは話の分かるやつ」であるが、死ぬと分かっていても猪神一族の誇りを優先してしまう事があり、モロとの別れ際には、「たとえ我が一族がことごとく滅ぼうとも、人間に思い知らせてやる」と呟いている。モロの君とは旧知の間柄で良い仲(元々は恋人同士であった)であり、森を侵す人間を憎んでいる点では意見が一致しているものの、人間への対抗の方針を巡って意見が対立しており、百年ほど前に別れた[46]。また自分の一族が、食料として人間に狩られかねないほどに弱体化している事に焦燥感を募らせている(他の猪神は彼より体が小さい。また、彼が「〈一族〉みんな小さく、バカになりつつある」と言った)。彼がテレパシーを感じる能力を使って、アシタカの片手からナゴの守の匂いを嗅ぎ取り、ナゴの守の最期の様子を知ったと思しき描写がある。
一族であるナゴの守の死を受け、鎮西(九州)からシシ神の森を守るために他の猪神を率いて海を越えて渡来、人間に大攻勢をかける[43]も、身体中から血を流すほどの重傷を負い、サンと共にシシ神の池へ向かう途中、死んだ猪神の皮をはいで被ったジバシリを「甦った一族」と誤認、罠に気づいたサンの制止も聞かずに錯乱状態となりながら池へ暴走する。途中で倒れた彼に皮を被ったジバシリが毒矢を突き刺し、戦闘による傷の痛みと毒による苦しみによりタタリ神へと変貌し始めた。名前の由来は、宮崎の別荘があった長野県諏訪郡富士見町の乙事から(下のエボシ御前、甲六等も同じ)[47]
宮崎駿はモロと乙事主が昔は恋人同士であった事を絵コンテや台本に明記せず、美輪明宏のアフレコの出来に不満で、大急ぎでアフレコスタジオに駆け込んで、美輪に修正を指示し、元彼の乙事主へのモロの対応として、色恋を表現した女らしい高い声で演技をしてもらい、宮崎は満足した[要出典]
モロの子
人語を解する2頭の白い犬神(山犬)の兄弟。母より体が小さい。月夜に森の端から出てくる時に、目が黄色く光る場面がある。共に作中で名は呼ばれないので不明。サンを乗せ、共に人間と戦う[24]。サンに甘える場面がある為、弟分らしい[48]。終盤で1頭がアシタカをエボシの所へ案内する途中で、自分より足の遅い彼を乗せた。前述の1頭は、アシタカとエボシが森の中で再会した直後に、アシタカを置いてサン達の所へ向かった。終盤でサンを乗せていた1頭は、サンと重傷を負った乙事主と共にシシ神の池に向かう時、彼も傷ついている。だが、彼の傷はシシ神の風で治った。
猩々
猿神ニホンザルより大型の霊長類。濃い灰色の体毛(夜は黒く見える)。黒い瞳(夜は目が赤く光って見える)。人語を話す事が出来る。夜ごと崩された斜面に集まり、森を取り戻す為、木を植えようとする。森を奪った人間を憎んでいる[24]。人間を倒す知恵を得るために人間を食べようと考え、サンに重傷を負ったアシタカを渡すよう要求する。エボシと猪達の戦いの直後、森に入ってきたジバシリにおののき逃げ出す。
コダマ(木霊)
精霊の一種で、豊かな森林に棲む。白い体や淡い緑色の体を持ち、頭を動かすとカラカラという音が鳴る。この音でシシ神を呼ぶ[49]。暗い森の中や夜に淡く光り、半透明になったり姿を消す力を持つ。人語を話す事は出来ない。アシタカが森の端でコダマ達と会った時「ここにもコダマがいる」と言っており、エミシの村の近くの森にもいる模様[48]。その後、森の中でコダマ達が集まる一本の大木を見て彼が「お前達の母親か。立派な木だ」と言った。怪我人をおんぶしているアシタカの真似をしたり、森の中で迷ったアシタカを導く等、特に人間に敵意を持っている訳ではないらしい[24]。キャラクターデザインは、森に何かいるのが見えるというスタッフの手によるもの[50]
ディダラボッチの黒い体液に命を吸われ落下した個体も多いが、最後に生き残った1体が頭を振り回してカラカラと音を鳴らす。
監督とジブリスタッフの話し合いの中で、コダマは数百年〜数千年単位の長期に渡って森の中で成長して、最終的にはトトロになるとされており、『となりのトトロ』に登場した大トトロも、コダマが本作『もののけ姫』の室町時代から『となりのトトロ』の現代(昭和30年代)まで、500年程度経過した姿とされる。
タタリ神
作中で登場した巨大な荒神。動くだけで足元の植物や地面を焼けただれたものに変える等、無差別に呪いと死をまき散らす為、人間から恐れられている。
元々は猪神であり、瀕死の重傷を負い、死への恐怖と人間への憎しみによって呪いを集めて変貌した姿で蛇状の触手をまとっている。
作中で登場したタタリ神は2頭おり、それぞれ姿や経緯が異なる。
ナゴの守
赤黒い蛇状の触手で覆われた姿。目が赤く光る。触手を変幻自在に操る事が出来、本来の姿では不可能と思われる行動(垂直に近い岸壁を這ったり、低姿勢で森の中を爆走したり、機械的に方向転換したり等)を取る事が可能。
アシタカの村を襲おうとした際、彼に左目を矢で射抜かれるも、触手を伸ばして彼の右腕にまとわりつき呪いを残したが、最期はこめかみを矢で射抜かれて倒れた。
乙事主
身体中の至る所から赤黒い蛇状の触手が生えた姿。ナゴの守と違い完全なタタリ神ではないが、言語能力を失い、血を吐きながら猛進する等かつての面影は無くなった。
サンを取り込み、彼女を取り戻そうと体に取り付いたアシタカを大きく振り払った後、モロの君にサンを取り返された。その後、こちらへ向かって来るシシ神の存在を感じて、死への恐怖心から呆然として動けなくなった上に、触手が溶けて形がなくなり、最期はシシ神に命を吸われ倒れた。蛇状の触手は、水に溶けてなくなる。
なお、ナゴの守のように呪いを発する事はなく、また死に際に言葉を発したナゴの守とは違い、最期まで言語能力を失ったままであった。

動物

シシ神の森には、上記の「もののけ」と呼ばれる神と精霊の他にも動物(鹿[51]、熊〈ジコ坊が毛皮を被っている[52]〉、蝶[53]、光虫[31]、オカモンガ[31]、ナメムジナ[31]、ヒネネズミ[31]〈ヒネネズミはロマンアルバムの中の絵コンテでは、ヒネ鼡とも表記〉、ミノノハシ[31]〈ミノノハシは『天空の城ラピュタ』にも登場し、彼らがラピュタ城の水辺にいた時、主人公のパズー達に驚き、水に飛び込む場面がある〉)がいる。前述の光虫からミノノハシまでは架空の動物。なお、シシ神の森には光苔が生えている[54]
ヤックル
「アカシシ」と呼ばれる大カモシカ。アカシシは現代では絶滅したという設定の架空の動物[55][56](漫画『風の谷のナウシカ』ワイド判第7巻の土鬼〈ドルク〉という国にある庭にいる古代の動植物の中の、人が乗れるほど大型の山羊〈ケストという名の個体が山羊を含む動物達のリーダー〉に似た形態)。赤茶色の体毛、大きな角。人語を話す事は出来ない。主人であるアシタカとは常に一心同体の関係にある。後にサンやモロの子達と親しくなる。アカシシは古くからエミシ一族に騎乗用に使われており、ヤックルの他にも村で飼われている個体の描写がある。

タタラ場の民

エボシ御前
深山の麓で、タタラ集団を率いる冷静沈着な女性。サンと互角の戦いを繰り広げる剣術の腕前を持ち、山犬の特性を知り戦略を立てる等、頭も切れる。山を削って得た薪を以て、川をさらって得た砂鉄を沸かし、鉄を打ち石火矢をも造り出す製錬場を築いたが、それが今回の争いの元となる。
敵対する者には容赦がなく、必要とあらばタタラ場の人間をも見捨てる事さえ辞さない。また、自分達の暮らしをより豊かにするためには、森を切り開き、神殺しをする事も恐れない。一方で、売られた娘達を買い取り、本来は女人禁制のタタラ場で仕事を与えている他、業病にかかり、迫害された病者達をも人として丁重に扱う慈愛の心を持ち、タタラ場の人々に敬われ、慕われている[43]
終盤でジコ坊と共に部下を引き連れて、シシ神狩りに向かうが、新石火矢でシシ神の首を落とした後、モロの君に右腕を食いちぎられる。右腕の傷は、シシ神の風を浴びた事により完治している。
シシ神が消えた後は、生き残ったタタラ場の者達と共に、新しい村作りをする事を決意した。
映画の最後のタタラ場の村民達への報告では山犬の背に運ばれたと発言しているので、シシ神退治でモロに右腕を食いちぎられシシ神の体液から離脱する際に、映像には描写されていないがモロの子に運ばれ救助されており、アシタカへ感謝して、村民に対してアシタカを呼びに行ってくれと発言している。
監督の話によると、昔、白拍子であったという説もある[28]
タタラ場を作る以前は、倭寇の頭領の人質という形で強引に妻にさせられていたが、ゴンザと連携して謀反に近い形で夫である倭寇の頭領を殺害して倭寇を離脱したとされる。
倭寇離脱の際に、中国の明国から最新兵器の石火矢(鉄砲の原型ないし類似武器。劇中に登場する物は、鉄と木で出来ている。発射するのは鉛の弾[22])を自分自身の手で日本に持ち帰ってきたとされる。
ゴンザ
エボシの側近。禿頭の大柄な男。牛飼いやワラット(藁徒:藁製の笠を被るエボシの護衛)の頭目。威張り屋かつ短気であり、アシタカを間者と疑うが、本人は至って真面目。アシタカの右腕にタタリヘビが現れた時はもののけと疑った。ただし、トキには言い負かされている上に信用されておらず、エボシを守ると誓った時に「それが本当ならね」と言われて彼女にツッコミを入れると「アンタも女だったらよかったのさ!」と返された。密かにエボシに惚れている[43]。泳げない。
エボシがタタラ場を作る前の倭寇時代からエボシの部下になっているらしい。
牛飼い
タタラ場に住んでいる牧畜・荷駄を担う職能集団。
主に男性の職業で牛を馴らし、牛に荷物を付けて米や鉄の運搬の仕事を担う[24]。石火矢衆のように武器を持つ戦闘員ではないが、普段は山犬に襲われる危険な役回りで、死傷者が多数出る役職でもある。
山犬の攻撃を避けるために、移動中は石火矢衆の護衛を受けるが、それでも山犬に襲われて甚大な被害が出る。
劇中では甲六含め3人(石火矢衆1人を含めると、計4人)が山犬に襲われて谷底に転落し、甲六だけがアシタカに救助され生還し、残り2人が死亡扱いで通夜が営まれている。
甲六
トキの夫で牛飼いの一人。集中豪雨の中で米を運搬中、モロの子に襲われ谷へ転落し、川の中からアシタカに助けられた。明るくドジであるが憎めない性格[43]。妻のトキにはいつも言い負かされてばかりで頭が上がらない。牛と共に谷に落下した際には右腕を骨折したが、シシ神の風を浴びた後は折れた腕が治っていた。怪我の影響でエボシ率いる男衆のシシ神退治に参加できなかったが、戦死者が多数出た乙事主の猪神一族との激戦に参加せずに済み、塞翁が馬状態になった。コダマが目の前に出現した時に(シシ神が怖いので)おびえながら、アシタカに「こいつらはシシ神を呼ぶんだ」と教え[57][49]、アシタカからシシ神の事を聞かれた時に「(山犬より)もっとおっかねぇ化け物の親玉だ」と言った。シシ神の体液で枯れた山の緑が、シシ神の風でわずかに芽吹くと、「すげぇ。シシ神は花咲かじじいだったんだぁ」と驚いた。
タタラ場に留守番で妻のトキとともに女衆のタタラ場防衛隊に参加し、侵攻してきたアサノ軍と戦うが、腕を負傷していて武器を使えず、戦力としては活躍していなかった。さらにアシタカがやってきた際に預かっていた弓矢を手渡すが、蓑と鞍を持って来なかったので、トキに「この役立たず!」と責められる。
ジバシリのことを知っていたらしく、女衆が気味悪がっている中、ただ一人「ありゃただの狩人じゃねぇ。ジバシリだ」と教えている。
牛飼い頭
牛飼い達をまとめている男。アシタカの身を案じており、彼を殺そうとした唐傘連を農具で殴ったり、猪神の死体の下敷きとなりながら生き残っていた1頭のモロの子を(エボシの所へ案内してもらう為)救助するなど、終始アシタカに協力的な態度で接する。
番子
タタラ(踏鞴)を踏み、砂鉄を溶かすための火を絶やさないよう作業を行う女衆。4日5晩の間、絶えず作業を行っている。
トキ
番子のまとめ役で甲六の妻。ゴンザを言い負かし、夫にも愛情故のきつい言葉を投げつけるほど、気の強い肝の据わった人物。女衆のリーダー的存在である。
タタラ場がアサノ軍の攻撃に遭った際には敵の攻撃の合間の一晩中起きて警戒し、シシ神の体液がタタラ場に襲ってきた時もアシタカが来た際に受けた「触れると命を吸われるが水で進行が遅くなる」という助言を守って、全員を湖に避難誘導する。甲六がタタラ場が壊滅する様子を見て絶望しているところを見て「生きてりゃ何とかなる!」と励ますなど、ポジティブ思考の持ち主。
アサノ軍に対抗していざという時に溶けた鉄をかける作戦を考えていた。
キヨ
山犬に夫を食い殺された番子。エボシを慕っている。また、夫の復讐の為山犬とサンの命を狙う。アシタカがサンを気絶させ肩に担いでタタラ場を出ようとした時、サンを狙い誤って彼を石火矢で後ろから撃ち抜いた。
石火矢衆
シシ神退治を条件に「師匠連」という謎の組織からエボシに貸し与えられた四十名の傭兵集団。柿色の着物に白い頭巾といった装束。から輸入した石火矢を使い、もののけと戦う。ナゴの守の同胞を殺し、彼等の森を焼き払った。鉄や米の運搬時の護衛で、タタラ場全体の警備も務める[24]。火炎放射器も使う[58]。終盤、飛び散ったシシ神の体液を浴びて多数が命を落とし、生き残った者は逃亡した。
石火矢は様々なタイプが存在する、火縄銃タイプやバズーカ砲タイプや火炎放射器タイプなどが存在する。
ヤ七
石火矢衆の一人。甲六同様に谷に落ち、瀕死の状態でアシタカに助けられる。
病者
エボシが引き取り、タタラ場の別棟に住まわせ看病している業病の者たち。新石火矢の製造を任され、これの開発に成功する[43]。終盤にトキに食べ物を渡すほど彼女と親しい病者の女が、最後はシシ神の風を浴びて病が治ったと思しき描写がある。
病者の中で最も症状が重く、顔全体を包帯で覆った、寝たきりの状態。彼以外の病者達がエボシの頼みで新石火矢を開発中で、森の生物をさらに殺そうとしているのを見て、アシタカの右手がタタリ神のエボシへの新たな憎しみから刀を抜こうとした際、エボシが自分たちを引き取って丁重に看病してくれていることを涙ながらに語り、庇った。
タタラ者
タタラ場に住む製鉄集団。黒装束に身を包み、昼夜を問わず鉄を作り続けている[43]

師匠連

ジコ坊
物語の序盤、シシ神の森の存在をアシタカに教えた人物[43]。中年の小柄な赤白の着物および頭巾の僧体の男。実は謎の組織「師匠連」の一員で、その命令により、不老不死の力があるとされるシシ神の首を狙っている。唐傘連の頭領。石火矢衆の頭でもあり、狩人(ジバシリ)などをも動かす。
序盤で戦に巻き込まれた際、アシタカが介入により危険を回避できた事を恩義に感じている。アシタカからの質問に答えて「シシ神の森」についての情報も教えた。アシタカがタタラ場に向かう途中の村で米を買う時に代金として砂金の大粒を支払った際に、それが本物の砂金であることを見抜き(他の人間は知識が無かった)アシタカを助けるなど金品の知識は豊富である。その後も何かとアシタカを気にかけており、エボシにアシタカのことを尋ねたり、エボシを追ってきたアシタカに石火矢衆が発砲した際には止めたりするなど、アシタカには好感を持っているようである(同時にアシタカも彼には好感を持ち、終盤で対立した際も「あなたを殺めたくない」と漏らしている。また二人が戦った際もお互いに殺し合うという感じではなく、互いに相手を止めようとしたような戦いであった)。しかし、敵の猪神軍団のリーダーの乙事主のことを知らず、部下のジバシリの指摘で鎮西から一族を引き連れてやってきたことを知る。
一本歯の高下駄を履きながら岩から岩へと身軽に跳躍したり、ヤックルと並走できるほどの俊敏さなど高い身体能力を持つ。基本的に率先して戦おうとはせず実力を隠しているが、緊急時にはアシタカと渡り合えるほどの武術の手練れでもある。シシ神の首を取り運搬する際は一晩中走り回り、翌朝の日の出寸前までシシ神の体液から生き残った部下の唐傘連(首桶の神輿〈みこし〉の担ぎ手3名)と共に必死に逃げ延びたが、アシタカに捕まり戦っている間にシシ神に追いつかれ、体液が襲ってきて担ぎ手2名も首桶の神輿を落として大破させてしまって脱走し、残った部下1名と共に逃げ場を無くしたため仕方なくシシ神の首をアシタカに渡す。
表立っては飄々とした性格であるが、エボシをシシ神殺しのために利用しようと、エボシの抹殺を提案した部下を諭す一面もあるなど(一方のエボシもジコ坊達を信用仕切っていないことをタタラ場の女衆に打ち明けている)食えない男である。シシ神が乙事主の命を奪った時は「なんと。シシ神は命を吸い取るのか」と驚いた。
映画の最後のセリフの担当であり、アシタカにシシ神の首を返却されてしまった不満もあるが、おかげでシシ神の体液に触れずに済んで部下1名と共に自分の命も助かったので「バカには勝てん」と言い残している。
石火矢衆
唐傘連
ジコ坊に付き従う謎の集団。ジコ坊と同じ赤白の着物および頭巾の僧体といういでたち。常に巨大な(唐傘)をたずさえ、暗器や煙玉などのような技を使う。唐傘は柄と笠を分離する事ができ、柄は長い吹き矢となって毒針を撃ち込む。彼等が常に唐傘を持っているのは、石火矢の火縄の火が風で吹き消されないようにする為と、火縄と火薬が雨で湿らないようにする為である模様。ジコ坊の指揮下で、シシ神の首を狙って暗躍する。目的のためには手段を選ばない[43]。終盤、飛び散ったシシ神の体液を浴びて多数が命を落とし、生き残った者はジコ坊と行動を共にしていた一人を除いて逃亡した。
乙事主の猪神軍団との戦闘において、味方戦力であるタタラ場の男衆を捨て駒にしたり、タタラ場が侍に襲撃されている事態をエボシに伝えるためにモロの子を救助しようとしていたアシタカに毒針を放つなど、タタラ場とその住民たちを全く顧みない言動のために、男衆の反感を買い、アシタカに加勢した男衆に袋叩きにされた。
猪神軍団との戦闘では、石火矢衆の3人だけが小高い山に居座って石火矢を発砲していたが、猪神軍団の突撃で突き飛ばされてしまい、さらに崖の斜面を登って来る猪神軍団に、唐傘連が震天雷[58](爆弾)を崖の上から蹴落とした上に、崖の下に仕掛けられた地雷火(地中に埋めた爆弾[58])により、崖に向かって突撃してきた猪神軍団自体を吹き飛ばしたので、柵を張り巡らせていて安全なはずの崖の下にいた男衆に、岩石の破片や猪神の死骸が落下している。
ジバシリ(地走り)
ジコ坊に雇われた通常の狩人よりも山野の知識に長けた者達。もののけに人と見破られないよう獣の生皮を被ったり、その血を顔に塗るなど、特殊な術を使う[43]。その異相ぶりから、タタラ場の人間達にも気味悪がられていた。シシ神の偵察中、「シシ神の姿を見ると目が潰れる」などとおびえ、ジコ坊にたしなめられた者がいるなど、山の民として神を恐れる傾向が強い。
描写はされていないが、飛び散ったシシ神の体液を浴びて多数が命を落とし、生き残った者たちは、わずかに生き残った石火矢衆や唐傘連と共に一目散に逃亡した。

エミシの村民

カヤ
エミシの村の娘。アシタカを「兄様」(一族の中の年上の男子という意味[59][60])と呼ぶが実の兄妹ではなく、里公認のアシタカの許嫁であった[注 8]。アシタカが村を出て行く際には、エミシの乙女が変わらぬ心の証しとして異性に贈るならわしのもの[38]である玉(黒曜石)の小刀[61][26]を贈った。仲間とともにタタリ神となったナゴの守に襲われて危機一髪であったところを、アシタカに守られる。
村の掟でアシタカの見送りをしてはいけないが、掟を破って罰を覚悟で見送りし黒曜石の小刀をアシタカに渡している。後にこれはアシタカがモロの子を通してサンに贈った。
オープニングタイトルの土面(カヤが後にアシタカの子を出産して、子孫がアシタカ伝説を誇示するために作った土面)は、アシタカがシシ神を倒したという伝説になってしまうが、シシ神を倒したのではなくサンと共にシシ神に首を返還しシシ神(デイタラボッチ)自身が朝日を浴びてしまって消滅してしまい、後にアシタカはタタラ場で暮らしたのでアシタカ伝説という形態で故郷の村に伝わり、一つ目の角の文様の意味で、製鉄業に携わる者は高温のまばゆい光で片目を失うとされており製鉄業を意味する一つ目と、シシ神を意味する大カモシカの角の形態が融合したものだとする説がある[要出典]
ヒイ様
エミシの隠れ里の老巫女であり、村をまとめている[62]。タタリ神になったナゴの守に対して塚を作って埋葬する。
石や木片などを並べてまじないで吉凶を占う。タタリ神の呪いを受けたアシタカを占い、西で不吉なことが起きているので西へ向かうよう告げる[24]
村の衆にアシタカを救ってくれないかと懇願されるが、呪いはヒイ様の力でもどうにもならずナゴの守の死体内から出てきたタタリ神になる原因になった石火矢のつぶてをアシタカに手渡し、掟に従って見送りなしで旅立つよう言い渡した。
ヒイ様自身がアシタカにとっても直系の血族の先祖である可能性が極めて高く、実の先祖である母または祖母または曾祖母または高祖母である可能性が高いとされ、アシタカの正式名称は「アシタカ彦(ひこ)」と彦がつくので、彦は古代の王子(次期指導者)の意味であり、呪いのせいで村を出た際は彦が取れてアシタカとなっているという説がある。村の最高指導者であるヒイ様の直系の子孫がアシタカ彦(次期王子)であるという説もある[要出典]
年齢的に母であれば閉経など女性としての妊娠生殖能力的にギリギリ程度であるが、祖母ないし曾祖母ないし高祖母であれば高齢でも無理なく説明できるとされ、ヒイ自体が曾祖母(ひいおばあさん)の曾(ひい)を意味するので、村人全体の曾祖母であるヒイ様の一族で村を形成し、アシタカもヒイ様のひ孫の1人という説もある[要出典]

その他

映画の後半で、鉄のためにタタラ場を狙う大侍(領主)・アサノ公方配下の武者達。下記の地侍[63]と違い、完全武装で統率の取れた攻撃を仕掛ける[43]。鉄の貢納を要求したアサノの使者がエボシの命令でトキ達女衆により追い払われたため、昼間に報復と金になる鉄奪取のために、エボシと男衆がシシ神退治に出かけて留守のところを狙って侵攻してくる。タタラ場の下の城郭を攻め落とし、多少の物資を略奪したが攻め落としきれず、夜になったので攻撃をいったん中止し、再度の攻撃を準備していた矢先にシシ神(デイタラボッチ)の体液が陣地に襲いかかってきたために、タタラ場付近の陣地から慌てて全軍が撤退し、タタラ場もシシ神の体液で破壊焼失したので、ほとんど得られたものは無かった。
劇中ではアシタカに気付いた侍が鏑矢を放ち、集まった騎馬武者達数人が連携してアシタカを攻撃した。武者の放った矢がヤックルの足に命中して負傷させているが、逆上した(呪いの「赤黒いあざ」が広がる描写がある)アシタカの反撃でほとんどが討ち取られて、残りは戦意を喪失し撤退している。
地侍
映画の後半で、アサノ軍とは直接関係はないが、アサノに唆されてタタラ場の鉄を狙い攻撃を仕掛ける噛ませ犬にされ、エボシ率いる石火矢衆に大敗する。
石火矢の弾丸で手足を切断される雑兵や鎧ごと破壊される騎馬武者などがいた。石火矢衆も矢を受けて倒れるなど、完全に一方的な戦ではなかった。
旗や盾など家紋は毛利家(毛利元就家の3本矢の∴形状)の物を用いており、毛利家の家臣など毛利家と何かしらの関係をうかがわせる武士の軍勢である。
鎧のみを身につけた軽装備の雑兵がほとんどを占める。
上記の侍および地侍とは別に、映画の前半で、パンフレットの侍の解説に野武士[43]、ロマンアルバムに野伏(のぶせり)同然の雑兵、または雑兵と記載されている地侍が[64]、アシタカが旅の途中で戦をしている名もなき村を通った時に、女やアシタカに襲いかかったが(一人だけ彼のあざの力の宿る反撃を受けた)、彼らはアサノともタタラ場とも関係がない。村を通り過ぎた後、町の市場で出会ったジコ坊がアシタカに「礼を言いたいのは拙僧の方でな。田舎侍の小競り合いに巻き込まれた折、そなたのお蔭で助かったのだ」と言ったのは[65]この村の戦の事だと思われる[要出典]

宮崎監督による解題

主題

宮崎監督曰く、この映画にはやりたくて溜めてきた素材が三つも四つも入っている。絵コンテを読むと、エンターテイメント作品には通常不向きと思われる現代の厳しい課題が詰め込まれている。浦谷年良が整理すると、五つになる[66]

  1. 子供たちの心の空洞
  2. 至る所に起こる差別
  3. 人間と自然との関わり
  4. 人間の憎悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能
  5. 神秘主義合理主義の対立

「問題がたくさん入りすぎていてハラハラしますね」と浦谷が水を向けると、監督は以下の通り語った。「解決不能な問題ですよね。今までの映画は、解決可能な小課題を作って、取り敢えず今日はそれを超えたと、それをひとつのセオリーにしてきたんですけどね。それが映画の枠内だと。それでやると、現代で僕らがぶつかっている問題とは拮抗しないという結論が出たんじゃないかなぁ」[66]

主人公の動機

監督の論では、日本の通俗アニメーションを腐らせている一つに「動機の喪失」がある。例えば、監督が以前チベット民話『犬になった王子』(文:君島久子岩波書店)に触発されて描いた『シュナの旅』である。ヤックルに乗る主人公シュナは、自国を貧困から救う穀物の種、「金色の種」を求め旅に出る。この旅の動機は崇高であるが、貧乏というリアリティが無い中では「胡散臭い」ものでしかない。アシタカの旅には、観客が共感できる動機が必要であった。すなわち「理不尽にも傷付けられ、呪われたと自覚した少年が、その呪いを癒す鍵を探して旅をする」ことである[67]

さらには、アシタカは自発的にではなく、村を追い出されてやむなく旅に出る。それは受難のヒーローというより、ヒーローであることを裏切り続けるアンチヒーローである。そしてヒロインのサンもまた、傷付いた自分を醜いと思っているアンチヒロインである。同じ物語を辿りながら、通常の主役であることを徹底的に裏返しにしていく[67]

観客の予想を破壊すること

物語の図式は森と人界の対立。乙事主たちとエボシたちが激突する、ここまでは観客の予想図式と一致する。普通の映画ではこれで全部辻褄が合う、ただの宿命の対決となる。ここで予想を破壊する、宿命も何も無い、もっと暴力的な図式を提示する。乙事主たちとエボシたちがぶつかる、そのエボシたちの後ろから侍たちの大きな勢力が加わっている。さらにそれが進行した形態として、侍たちが突出してエボシたちを飲み込み、乙事主たちと直接ぶつかっている図が描かれる[68]

アシタカが事態に気が付いたときには、既にこの図式のようになっており、なぜこんなことが起こったのだろう、という形で事態が転化していく。それはその中で翻弄されるアシタカの心境であり、それは観客と同じ次元になる。事件に気が付き、発生した順番の逆から出会って行くのが現代であるためである[68]

過去の作品の否定

宮崎駿には、過去の自分の作品を一度徹底的に否定しなければ、本音で語ることはできないという思いが強烈にあった。スタジオジブリ作品への世間の期待について話が及ぶと、宮崎は(例えば自然保護に熱心なジブリなどの)期待に応えようとしてはいけない、一回期待を持つと、その期待を変えようとしないと返答した[69]

「生きる」というイメージ

宮崎駿は以下の通り述べている。

百億の人口がねぇ、二億になったって別に滅亡じゃないですからね。そういう意味だったら、世界中の野獣は、もう滅亡、絶滅していますよね(笑)。そうですよ。元は百匹いたのに、今は二匹しかいないなんて生きもの一杯いますからね。そういう目に、今度人類が遭うんでしょ、きっと。でもそれは滅亡と違いますね。僕等の運命ってのは、多分、チェルノブイリで、帰ってきた爺さんや婆さん達が、あそこでキノコ拾って食ったりね、その『汚染してるんだよ』って言いながら、やっぱり平気でジャガイモ食ってるようにして生きていくだんろうなっていうね…まぁ、その位のことしか言えないですよね。それでも結構楽しく生きようとするんじゃないかぁっていうね、どうも人間ってのは、その位のもんだぞって感じがね… — 宮崎駿、『「もののけ姫」はこうして生まれた。』[70]

若者へのメッセージ

監督が言う「我々が直面している最大の課題」は、主人公アシタカの設定に集約されているという。今この世の中に生きている若者は、いわれのない、不条理な、肉体的にも精神的な意味も含めてババを引いてしまった人間達である。それは東アジア、アメリカやヨーロッパ、アフリカでも共通の運命である。その理由は、一人の人間が感じられる悲劇が、ローマ時代であろうと鎌倉時代であろうと同じ故である。人口が五百万人しかいなかった鎌倉時代の日本は、現代から見れば山紫水明、遥かに美しい所が多数存在したが、人間が悲惨の極みであったため、鎌倉仏教のような宗教が生まれてきた。破局の規模が大きいから悲劇が大きいというのは嘘で、一つの村が滅びることが、その人間にとっては全世界が滅びることに等しい、そういう意味を持った時代がある。その意味では人間が感じられる絶望も、その苦痛も量は等しい。恐らくそれは、歴史の様々な場所で感じ取られてきた。「ただ何となくスケールが大きいからね、こりゃ本当のドン詰まりと思っているだけで。でもそれが本当にドン詰まりなのかというと、そうは簡単に行かないことも、歴史は証明してるから」[71]

浦谷年良はこの発言を以下のようにまとめている。現代の若者達は、意識の奥でみんなババを引いてしまったと感じている。自分は悪くないのに、なぜか傷付けられていると感じている。マイナスの磁場のようなものを抱えている。その「心の空洞」に向かって「明るく元気に生きよう」「貧しさから抜け出して豊かになろう」と言っても通じない。こうした絶望、閉塞感を大きな歴史認識の中で捉え、考え直すことで「不条理な運命の中で生きる」ことを模索し、提示していく[69]

なお監督は、物語のその後について、「アシタカとサンは、その後も良い関係を続けていく」、「アシタカは引き裂かれ、傷だらけになりながらも、サンやタタラ場のために努力し、それを曲げずに生きていく人物である」と語っている[72]

舞台設定

 
舞台のモデルとなった屋久島の森林

世界観

本作は照葉樹林文化論の示唆を受けた世界観を舞台としている。参考とされたのは中尾佐助の『栽培植物と農耕の起源』であり、日本文化の基底が稲や稲作農民ではないことを明らかにする同書の内容が製作に大きく影響しているとされる[73]。本作では稲作農民に代表される平地の「定住民」とは全く別の生活圏を持つ「遍歴民(山民・海民・芸能民など)」が多く取り上げられる。『もののけ姫』は、遍歴民の世界で展開される物語である。叶精二によれば本作は日本映画で中世史をアウトサイダーの側から描くという、「時代劇の革命」を意図するものであり[74]網野善彦は本作を「ずいぶん勉強した上でつくられている」と評している[75]

宮崎監督は作家の司馬遼太郎と対談した時、司馬が新聞記者時代に京都の岩屋不動志明院に宿泊した際、奇っ怪な体験をした話しを聞き『もののけ姫』の着想になったといわれている。

エミシの村

かつて大和朝廷の支配に抵抗し、追われた人々。祭事の衣装や東北地方のマタギに似たアシタカの衣装、彼の使う「雅な椀」、娘の装束など、縄文時代の文化にブータンや北タイの焼き畑圏など照葉樹林文化圏の物が混ざった文化を形成している[76]

エミシ(蝦夷)を宮崎駿は、大和政権とその支配下に入った稲作農耕民から追われて本州北部の山中に隠れ住んだ、焼畑・狩猟・採集・工芸を生業とする原日本人の残党と解釈している。村をまとめているのは、占いで物事を決めていくという女性(ヒイ様)である。神社の中で拝んでいるのは岩倉(岩の壁)、御神体である岩の塊である。カヤが抜いた、刀身が直線的で先が尖っている刀は蕨手刀という。柄の方には輪が付いている。東日本各地から出土しており、東北地方を中心に8世紀ほどまで作られていた。生活雑器であるが武器にもなり、坂上田村麻呂と戦ったエミシの軍勢はそのような刀を持っていたと考えられている[77]。また、未婚の女性が守り刀を男性に渡すという行為は、『粉河寺縁起』にもみられるように求婚の証であり、カヤが決して戻ってくることのないアシタカに守り刀を渡すという行為は、カヤが一生未婚のまま人生を全うすることを暗示しているとする指摘がある[78]

石火矢

劇中の石火矢は火銃が発想の源。中国、ヨーロッパのハンドカノンをエボシが改良した石火矢は少し火縄銃のようになっているが、まだ付け火のような棒で火を付けており、火縄銃のようにはいかない。火縄は硝酸を木綿の組み紐に染み込ませてあるもので、火を点けると灯っていき、ゆっくり燃える。それを瞬間的に吹くと、また少し火勢が強くなる。よって火縄銃を撃つ時は、構えてから息を急に吹き掛け、火縄を挟み込み、火蓋を開けて引き金を引くと火縄挟みが落ち、弾が発射される。その段階に到達していないため、後装になっている。弾と火薬が入っているものをそのまま入れて撃つことにより、先から弾を込めなくて済むようになっている。後装は古い大砲にあったものである。弾丸が入った部品に火薬を入れ、砲身に入れる。そして木の楔を打ち込み、点火して撃ち、楔を抜いてこれを引き出し、次弾を装填する[79]

日本の史実では、鉄砲は南蛮貿易でポルトガルから種子島に伝来したものが発祥(鉄砲伝来)であるとされるが、劇中では中国の明王朝が由来とされる。

通常の火縄銃のライフル銃形態(エボシがシシ神の首切断で使用、タタラ場から猩々を撃退する攻撃で使用など)だけではなく、大口径で両手持ちの長い柄を持つバズーカ砲形態(山犬モロ一族に牛飼いが襲われた際の迎撃で使用、地侍との戦で使用など)や火炎放射器形態(ナゴの守退治で森や猪神たちを焼き払う焼夷弾用途で使用)など、様々な形態が存在する。

非人

非人中世では柿色の衣を着た人々で、一般平民とは区別されている。神人供御人とも呼ばれる。非人に関連して浦谷年良は、宮崎駿が尊敬する作家、堀田善衛の『定家明月記私抄』を引用している。「元来天皇家というものが、これらの遊女白拍子、舞人、猿楽、さらには武芸を事とする武人などの芸能民とともに、各種の職人、広い意味での宗教人など、いわば非農業民、それを別の言葉で言いかえるとして、『遊手浮食』の徒、『無縁の輩』などの『道々の輩』、すなわちこれら路上の遍歴民を統轄し保障をする存在であったことを確認しておきたい」[80]

着物

製作時にはヤックルの走りの分解図、カヤ達エミシの村の娘達の衣装、アシタカが扱うエミシの矢の形(鏃は黒曜石で(三枚羽))など、細かい指定が大量に書かれていた。中でも特徴的なのが「帯の位置」である。現代では、古来の着物の常識が失われているため帯の位置は高くなっているが、本来はへそ下であると注意書きがされていた。一方、その下には「これは『七人の侍』の三船敏郎以来の結び方、アシタカだけに使う」とあった。これは主人公アシタカの「現代の若者性」「若さと未熟さ」といった暗示であるのか、と意味を問われた宮崎駿は「三船のあれは、子供だってことでしょ」と答えている。市場を行き交う人々や、特に、成熟した大人として描かれるジコ坊の帯の位置は低い[81]

たたら場とエボシ御前

エボシのたたら場の構成員に対する態度は大きく2つに分かれる。戦争で人狩りにあって売られた女たちと、社会から差別を受けてきた癩者(ハンセン病患者)とみられる病者に対しては温かい手を差し伸べているのに対し、病者以外の男たちに対しては乙事主やその配下の猪神たちに対するおとりとして利用されて猪神ともども吹き飛ばされて命を失うことを承知の上でシシ神退治に動員し、その最後の様子を崖の上から眺めているなど、極めて冷淡な態度を取っている[82]

特に崖の下の牛飼いなど男衆には戦闘前にわざわざ防護柵を張り巡らせて敵の猪神の攻撃を防ごうとする姿勢は見受けられるが、実際は崖の斜面を登って来る敵の猪神を、唐傘連が震天雷を崖の上から落とし、崖に向かって来る猪神を、崖の下に地雷火を地中に埋めて吹き飛ばし、破片や猪神の死骸が落下して甚大な被害が出た。

だが、エボシは女たちに対しても重大な事実を隠している。それは、売られた鉄が武器に加工されて侍の手に渡り、戦争に用いられ、その結果、歴史学者の藤木久志が「奴隷狩り」と称した現象が引き起こされることである。つまり、女たちはエボシが作らせた鉄で作られた武器によって、奴隷として売られてエボシの下にやってきたのである。当然、エボシもこうした矛盾がいつかたたら場を崩壊させかねないことを認識していた。歴史学者の市沢哲はエボシがアシタカに告げた「私の秘密」の正体を社会的弱者である病者たちに新しい石火矢を作らせて同じ弱者である女たちに持たせて侍の鎧を打ち抜かせていくことで侍の力を奪い、鉄が侍のために使われるシステムを打破することで矛盾を解消し、さらに労働によって得られた果実の分配のあり方を変えていくという「国崩し」の実現を図ることとして捉え、森(=シシ神)との戦いはこの目的の中においては局所的なことに過ぎないとする[83][84]

その一方で、エボシの出現はサンの位置づけを根本的に変えた。元々サンは山の神(この場合はモロの君)へ生贄として捧げられたものである。しかしエボシが現れ人々が山の神に対抗しうる力を持ったことで、人々は神の力の前にただひれ伏す存在ではなくなった。それによりサンは宙ぶらりんの立場に追い込まれ、人でも神でもない、「もののけ」として生きざるをえなくなった[83][85]

女尊男卑する文化と建物構造も女重視で男軽視の構造になっている。

牛飼いたち男衆はタタラ場の中でも下層に住居も仕事場も全ての生活の場を構えており、敵と戦闘になった際は切り捨てて大屋根を含む上層だけを守り抜く構造になっている(しかし劇中では、アサノ軍に男たちがシシ神退治で留守中を狙われたので、トキたち女衆の防衛隊は最初から下層の防衛を捨てて上層の防衛に専念している)。

ディズニーとの提携

本作はスタジオジブリが1996年7月23日にウォルト・ディズニー・カンパニー(WDC)ならびに日本法人のウォルト・ディズニー・ジャパン(WDCJ)の間で国内でのビデオソフト(「(ジブリがいっぱいCOLLECTION)」)発売および海外でのジブリ作品配給に関わる事業提携を締結したことに伴い、WDC(「ディズニー」表記)から初めて出資を受けた作品である。このため、『(耳をすませば)』までの「発売元:徳間書店・販売元:徳間ジャパン」ではなく、WDCJのビデオソフト部門であるブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(のちのウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント)になった。ただし、レーザーディスク版のビデオソフトについては徳間からの発売・販売となった。

こうして本作のビデオは既に『アラジン』などで日本市場に大きな勢力を築いていたウォルト・ディズニー・ジャパン(実際はポニーキャニオンに委託)の流通ルートで販売された。また、アジアを除く全世界でWDC子会社のミラマックスが配給し、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントからビデオとDVDが発売された。本作以降、ジブリはWDCならびにWDCJと親密になっていく。

映画のレイティングシステムは、日本(映倫)では「一般」に指定されているが、アメリカ(MPAA)では「(PG-13)」に指定された。

英語版のナレーションには同じくウォルト・ディズニー製作のアニメ『ガーゴイルズ』でナレーションを務めていたキース・デイヴィッドが起用された。

声の出演

キャラクター 日本語版 英語版
アシタカ 松田洋治 ビリー・クラダップ
サン 石田ゆり子 クレア・デインズ
カヤ タラ・ストロング
エボシ御前 田中裕子 ミニー・ドライヴァー
ジコ坊 小林薫 ビリー・ボブ・ソーントン
モロの君 美輪明宏 ジリアン・アンダーソン
乙事主 森繁久彌 キース・デイヴィッド
エミシの老人 (不明)
甲六 西村雅彦 ジョン・デミータ
門番 (不明)
ゴンザ 上條恒彦 ジョン・ディマジオ
トキ 島本須美 ジェイダ・ピンケット=スミス
エミシの少女A (不明)
山犬 渡辺哲 (不明)
ヒイ様 森光子 デビ・デリーベリー
タタリ神 佐藤允 (不明)
牛飼い頭 名古屋章 (不明)
病者の長 飯沼慧 (不明)
じいじ
キヨ 香月弥生 (不明)
ジバシリ 冷泉公裕 (不明)
牛飼い (不明)
牛飼い 近藤芳正
坂本あきら
斉藤志郎
菅原大吉
(不明)
たたら場の女 藤貴子
山本郁子
トレス・マクニール
サリー・リン
デニース・ポワリエ
メアリー・エリザベス・マクグリン(歌声)
エミシの少女B 飯沼希歩
ナレーター キース・デイヴィッド
その他 塚本景子
中村彰男
山本郁子
松山鷹志
小林和矢
松田健浩
藤巻直哉
深澤幸太
杉浦一恵
得丸伸二
ほうしげと
おちひろき
三宅重信
名倉勝利
瀬野雅彦
田代健二
桑原富和
浮部文雄
原田敦祥
渡辺伸一
福永大剛
荒井良章
小野亮太
加藤英二
外崎明彦
岡崎展久
近江徹大
増田良昭
吉見絹
角田文
村田和代
吉岡亜紀子
坂下しのぶ
安藤惠理子
高築さおり
鹿島優子
田島凛々
二階堂美由紀
植草和世
パメラ・アドロン
ルイス・アークェット
コーリー・バートン
アレックス・フェルナンデス
ジャック・フレッチャー
パット・フラリー
ジョン・ホステッター
ジョン・ラフター・リー
マッタ・マッケンジー
マイケル・マクシェーン
マット・K・ミラー
マーニー・モジマン
アダム・ポール
デヴィッド・ラズナー
ドワイト・シュルツ

スタッフ

映像制作

製作 徳間康快
音楽 音楽
ピアノ
久石譲
指揮 熊谷弘
演奏 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
作画監督 安藤雅司高坂希太郎近藤喜文
原画 大塚伸治篠原征子、森友典子、賀川愛小西賢一、遠藤正明、清水洋、粟田務、箕輪博子、三原三千雄、大谷敦子、稲村武志、芳尾英明、二木真希子、山田憲一、松瀬勝
桑名郁朗、松尾真理子、河口俊夫、野田武広、杉野左秩子、近藤勝也金田伊功笹木信作山森英司吉田健一高坂希太郎、近藤喜文
テレコム・アニメーションフィルム
田中敦子
動画チェック 舘野仁美、中村勝利、斎藤昌哉、中込利恵、小野田和由
動画 手島晶子、大村まゆみ、北島由美子、真野鈴子、坂野方子、柴田和子、倉田美鈴、沢九里、鈴木麻紀子、鈴木まり子、菊池華、鶴岡耕次郎、田村篤、野口美律、藤井香織、米林宏昌
矢地久子、山田珠美、川田学、佐光幸恵、アレキサンドラ・ワエラウフ、ダビッド・エンシナス、東誠子、山浦由加里、西戸スミエ、槇田喜代子、富沢恵子、コマサ、土岐弥生、柴田絵里子
長嶋陽子、椎名律子、岩柳恵美子、藤森まや、近藤梨恵、常木志伸、西河広美、渡辺恵子、谷平久美子、矢野守彦、古屋浩美、安達昌彦、山本まゆみ、中山大介、田辺正恵、新留理恵、松下敦子
手塚寛子、原口ちはる
テレコム・アニメーションフィルム
飯盛夏子、渡邊奈津子、矢沢真由、東樹葉子、中路景子、毛利志乃舞、小高雅子、上田峰子、板垣伸、安留博子、富野昌江、式部美代子、与沢桂子、平井和子、藤倉雅代、宇田明彦
作画協力 アニメトロトロ、OH!プロダクションスタジオコクピットスタジオたくらんけ、グループどんぐり
美術監督 山本二三
田中直哉武重洋二黒田聡男鹿和雄
背景 吉田昇、春日井直美、長縄恭子、斉藤久恵、伊奈涼子、平原さやか、荒井貞幸、太田清美、谷口淳一、長田昌子、佐々木洋明、田村盛揮
特殊美術 福留嘉一
特殊効果 谷藤薫児、橋爪朋二、村上正博、榊原豊彦、谷口久美子
色彩設計 保田道世
色指定 井関真代、森奈緒美、守屋加奈子
仕上 彩色 小野暁子、熱田尚美、鍋田富美子、野村雪絵、山田和子、鈴木栄一、片山由里子
スタジオキリー
岩切当志子、高橋直美、宮本智恵美、清水まり子、森沢千代美、渡辺信子、平林和広、谷島香、石川香織、土屋裕美、工藤百合子、原井智恵、児玉淳、浦山和恵、平林ふみ子、泰野君子
石黒静、吉田美夜子、高木小百合、後藤恵子、大隈昌子、佐々木恵子、角田和子、中釜かおる
IMスタジオ
伊勢田美代子、尾崎美人、鉢田恒、浅井より子、西村豊美、森田薫、安味香織、大内一美、木村裕美子、天満友美、佐藤けい子、赤沼茂子、前原絹代、船崎幸子、板原多恵、小林一夫
トレーススタジオM
安斉直美、相原明子、杉山和歌子、金内順子、醍醐玲子、本橋恵美子、松尾めぐみ、大城ひろ子
東映動画
黒沢和子、奥西紀代美、坂野園江、入江三瓶子、五十嵐令子、古屋純子、藤橋清美、戸塚友子
テレコム・アニメーションフィルム
山本智子、人位万里、長嶋さゆり、太田真弥子、石川恵里子、西脇好美、宮川淳子、長岡純子
トレスマシン 柚木脇達巳
協力会社 スタジオOM青森ワークス、アニメハウス、はだしぷろ、ピーコック、ムッシュオニオン、スタジオOZ、スタジオアド
デジタルペイント 石井裕章、佐藤麻希子、杉野亮、服部圭一郎
高橋プロダクション/T2Studio
高橋加奈子、石堂めぐみ、村田ゆき、下江由美子、恒田由紀子
DR MOVIE
T&V
技術協力 村尾守
スタック
斉藤芳郎
内外カーボンインキ
太陽色彩
北村繁治
CHROMACOLOUR INTERNATIONAL LTD
ROY EVANS
CG 菅野嘉則百瀬義行片塰満則、井上雅史
撮影監督 奥井敦
撮影 藪田順二、高橋わたる、古城環
音響制作 オムニバスプロモーション
音響監督 若林和弘
音響助手 真山惠衣
録音
整音
井上秀司
録音助手 福原正博
整音助手 浅倉務、高木創、内田誠
音響効果制作 サウンドリング
音響効果 伊藤道廣
音響効果助手 石野貴久
音響効果協力 VDX
猪飼和彦、渡辺基、時田滋
音響効果取材協力 加藤隆雄、山村綱廣
愛知県鳳来町、東京都北区弓道連盟、正宗工芸
音楽制作 会社 ワンダーシティ、スタジオジブリ
マネージメント 山下幸郎
A&R 滝川透、稲城和実
エンジニア レコーディング 大川正義、森本信、浜田純伸
マスタリング 加藤正昭
アシスタント 石原裕也、古川健司
CD制作 会社 徳間ジャパンコミュニケーションズ
A&R 岡田知子
協力会社 ヤマハ
フォトグラファー 落合淳一、浦谷年良
録音スタジオ 音楽収録 ワンダーステーション、アバコクリエイティブスタジオ
台詞収録 MITスタジオ
池場達也、西島理恵、八十嶋裕樹
アバコクリエイティブスタジオ
金井光晴、廣岡信貴
録音所 東京テレビセンター
タイトル 真野薫、吉田由香里
リスマーク CNT508
編集 瀬山武司
編集助手 水田経子、内田恵、田村眞子
編集所 瀬山編集室
監督助手 伊藤裕之
演出助手 有富興二、石曽根正勝
制作担当 川端俊之
制作デスク 田中千義、西桐共昭
制作進行 大塚浩二、居村健治、鈴木健一郎
制作業務 野中晋輔、望月雄一郎
キャラクター商品開発 今井知巳、浅野宏一
インターネット 石光紀子
プロデューサー補 米沢敬博
出版担当 田居因
予告編制作 ガル・エンタープライズ
板垣恵一、花本浩子
海外プロモート担当 スティーブン・アルパート、森吉浩予、濱田啓路
現像 会社 IMAGICA
タイミング 平林弘明
オプチカル 関口正晴
デジタルフィルムI/O 辻英男
DOLBY 技術協力 森幹生
コンチネンタル ファーイースト
光学録音 上田太士
デジタル光学録音 西尾昇
アニメーション制作 スタジオジブリ
プロデューサー 鈴木敏夫
原作
脚本
監督
宮崎駿

製作委員会

総指揮 徳間康快
代表 氏家齊一郎成田豊
代表委員 山下辰巳、藤井睦夫
推進指揮 漆戸靖治間部耕苹桂田光喜
推進委員 大塚勤萩原敏雄俣木盾夫
広報 山本珠実、長澤美奈子
プロデューサー 菊川幸夫、武井英彦、中谷敏夫、渡辺哲也
実行委員 徳間書店
小金井道宏、室井實、塚原昇、伊藤純子
日本テレビ
坂田信久、伊藤和明、長崎佳子、藤本鈴子、野元佳子、門屋大輔、紙谷知子
電通
百瀬伸夫、野田考也、勝田祥三、青柳教載、福山亮一、曽我有信
スタジオジブリ
古林繁、荒井章吉、一村晃夫、洞口朋紀、駒形正吾、藤津英子
製作担当 奥田誠治
企画協力 アニメージュ編集部
渡邊隆史、松岡光譲
宣伝 プロデューサー 矢部勝
東宝
新井重人、伴田雄輔
メイジャー
脇坂守一、岡村尚人、土屋勝、小柳道代、笹田文代、机ちひろ、福田のぞみ、加藤麻里子、原美恵子、渡辺美佳
特別顧問 徳山雅也
キャッチコピー 糸井重里
特別協賛 日本生命
特別協力 読売新聞
配給 東宝

主題歌

もののけ姫
作詞 - 宮崎駿 / 作曲 - 久石譲 / 編曲 - 久石譲 / 歌 - 米良美一

挿入歌

「エボシ タタラうた」
作詞 - 宮崎駿 / 作曲 - 久石譲 / 編曲 - 久石譲 / 歌 - 新倉芳美、木村真紀、下成佐登子

興行と賞歴

1997年7月の公開後、興行収入193億円[7][注 9]、観客動員数1420万人を記録し[86]、当時の(日本映画の歴代興行収入)第1位となった。

日本歴代興行収入ランキング第1位の大当たりに、製作総指揮の徳間康快は仲のよい岡田茂東映会長から「百年に一度の奇跡だぞ」と言われた[87]。徳間は「何本も当てて世界のアニメプロデューサーになる」と豪語した[87]。『もののけ姫』は日本で公開された洋画も含めても歴代一位で、徳間は岡田の受け売りで「百年に一本」を周りに吹いた[87]20世紀はあと数年しかなく、このまま日本での20世紀最大のヒットの称号をキープするかに思えたが、翌年『タイタニック』に抜かれた[87]2001年にすぐに『千と千尋の神隠し』で抜き返したが、徳間は2000年に死去しており、これを見ることはなかった[87]

日本国内におけるDVDとVHSを合わせたビデオグラム出荷本数は2007年5月時点で440万本[88]

1999年1月22日に『金曜ロードショー』で初のTV放送がされ関東地区で35.1%、西日本地区で40.8%の視聴率を記録した[89]

香港での興行収入は654万香港ドル[89]、全米では1000万ドル[89]

再上映

2020年新型コロナウイルスの流行によって新作映画の供給が困難になったことを受け、同年6月26日から8月まで全国の映画館で本作の再上映が行われた[1]。再上映による興行収入は8.8億円にのぼり、同年12月15日にこれまでの興行収入(193.0億円[7])に加算され、正式な興行収入記録は201.8億円となった[3]。これに伴い、同じくスタジオジブリ製作である『ハウルの動く城』の興行収入(196.0億円)を抜いた[4]

再上映時の週間興行順位の推移
上映週 週末日付 順位 備考
1 2020年06月27日-28日 2位
2 2020年07月04日-05日
3 2020年07月11日-12日 [90][91]
4 2020年07月18日-19日 3位 [92]
5 2020年07月25日-26日 [93]
6 2020年08月01日-02日 [94]
7 2020年08月08日-09日 7位 [95]

売上記録

(日本国内)

内容 記録 補足
興行収入 201.8億円[3] 英語版の日本興行分除く、再上映含めた2020年12月現在の正式な記録
配給収入 約113億円[86] 英語版の日本興行分・再上映除く
動員 1420万人[86] 英語版の日本興行分・再上映除く
『イメージアルバム』 7万枚出荷(1996年7月22日発売のCD)[96]
0.5万枚出荷(2004年発売の再発CD)[96]
サウンドトラック 50万枚出荷(1997年7月2日発売のCD)[96]
『交響組曲』 8万枚出荷(1998年7月8日発売のCD)[96]
主題歌『もののけ姫』 60万枚出荷(1997年発売のシングルCD)[96]
0.5万枚出荷(2004年発売の再発シングルCD)[96]
VHS(1998年9月発売) 400万本出荷[89] 2005年3月現在
DVD(2001年11月発売、本編+映像特典の3枚組) 50万枚出荷[89] 2005年3月現在
映画パンフレット 262万部[97]
フィルムコミック 180万部以上[98] 4巻計
『THE ART OF The Princess MONONOKE
もののけ姫』
10万部近く[98] 定価2800円

テレビ放送の視聴率

回数 放送日 視聴率
1 1999年01月22日(金) 35.1%[99]
2 2001年01月26日(金) 26.9%[100]
3 2003年02月14日(金) 27.0%
4 2004年11月19日(金)[101] 23.3%
5 2006年05月12日(金)[102] 18.2%
6 2010年01月08日(金)[103] 18.4%
7 2011年07月01日(金)[104] 15.9%
8 2014年07月04日(金)[105] 21.9%
9 2016年08月05日(金) 15.1%[106]
10 2018年10月26日(金) 12.8%[107]
11 2021年08月13日(金) 13.8%[108]

DVD

現在発売されているDVDには、日本語英語フランス語広東語ドイツ語イタリア語スペイン語ポルトガル語の8か国語が収録されている。また、2001年には制作過程を描いたメイキングDVD『「もののけ姫」はこうして生まれた。』(ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)が発売された。

舞台化

イギリスの若手劇団「Whole Hog Theatre」(ホール・ホグ・シアター)によって舞台化される。劇団が宮崎監督の友人であるニック・パークを通してオファーしたところ、劇団が作成したテスト映像を見た宮崎監督がGOサインを出したという。宮崎監督が自作の舞台化を許諾するのはこれが初[109]

イギリスではロンドンにあるニュージオラマシアターにて上演。2013年4月2日-6日のチケットは発売から72時間で、6月18日-29日の再演は4時間半で売り切れた。日本では2013年4月29日-5月6日、渋谷アイアシアタートーキョーにて上演される。キャストの中には、唯一の日本人、ニューヨークを拠点に活動中の女優・ダンサー・シンガーのYuriko Miyake(三宅由利子)が含まれている。作中のテーマソング『もののけ姫』も彼女が歌っている。人間以外のキャラクターは古着・ビニールやペットボトルなどの廃材を使用して作られたパペットで表現していた[110]

スタッフ

  • 構成・演出:(アレクサンドラ・ルター)
  • 原作:『もののけ姫』宮崎駿
  • オリジナル音楽:久石譲
  • 舞台版編曲:(ケリン・タットマン)
  • 脚本翻訳/ドラマトゥルク:(三宅由利子)

関連商品

作品本編に関するもの

映像ソフト
  • もののけ姫 LD - 徳間書店(1998年6月26日)
  • もののけ姫 VHS - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(1998年6月26日)
    • 「もののけ姫」はこうして生まれた VHS - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(1998年6月26日)
  • もののけ姫 DVD - ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(2001年11月21日)
  • もののけ姫 Blu-ray Disc - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2013年12月4日)
    • Blu-ray Disc(宮崎駿監督作品集) - ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2014年7月2日)
出版
  • もののけ姫(宮崎駿・絵、徳間書店、1993年12月31日)ISBN (4-19-860040-6)
  • THE ART OF The Princess MONONOKE もののけ姫(スタジオジブリ責任編集、徳間書店、1997年8月20日)ISBN (4-19-810002-0)
  • もののけ姫 上(徳間アニメ絵本)(徳間書店、1997年9月30日)ISBN (4-19-860762-1)
  • もののけ姫 下(徳間アニメ絵本)(1997年9月30日)ISBN (4-19-860763-X)
  • もののけ姫(ジス・イズ・アニメーション)(小学館、1997年10月1日)ISBN (4-09-101542-5)
  • もののけ姫―フィルムコミック(1)(徳間書店、1997年10月1日)ISBN (4-19-770052-0)
  • もののけ姫―フィルムコミック(2)(1997年10月1日)ISBN (4-19-770053-9)
  • もののけ姫―フィルムコミック(3)(1997年11月1日)ISBN (4-19-770054-7)
  • もののけ姫―フィルムコミック(4)(1997年11月1日)ISBN (4-19-770055-5)
  • もののけ姫 ロマンアルバム(アニメージュ編集部編、徳間書店、1997年11月1日)ISBN (4-19-720026-9)
  • 「もののけ姫」の秘密 遥かなる縄文の風景(批評社、1998年10月10日)ISBN (4-8265-0261-3)
  • 「もののけ姫」はこうして生まれた。(徳間書店、1998年10月30日)ISBN (4-19-860930-6)
  • 『もののけ姫』から『ホーホケキョ となりの山田くん』へ テーマは「生きろ。」から「適当」へ…!?(スタジオジブリ・徳間書店、1999年7月31日)ISBN (4-19-861046-0)
  • もののけ姫 完全版―フィルムコミック(1)(徳間書店、2000年4月28日)ISBN (4-19-770069-5)
  • もののけ姫 完全版―フィルムコミック(2)(2000年4月28日)ISBN (4-19-770073-3)
  • もののけ姫 完全版―フィルムコミック(3)(2000年4月28日)ISBN (4-19-770074-1)
  • もののけ姫 完全版―フィルムコミック(4)(2000年4月28日)ISBN (4-19-770075-X)
  • ROMAN ALBUM GHIBLI How did America view PRINCESS MONONOKE?(スタジオジブリ・徳間書店、2000年5月20日)ISBN (4-19-720117-6)
  • もののけ姫(スタジオジブリ絵コンテ全集11)(スタジオジブリ・徳間書店、2002年1月28日)ISBN (4-19-861475-X)
  • もののけ姫(シネマ・コミック10)(文藝春秋・文春ジブリ文庫、2018年12月)ISBN (978-4-16-812109-8)
音楽
  • もののけ姫 徳間ジャパンコミュニケーションズ(再発版2004年10月27日、オリジナル1997年6月25日)
  • もののけ姫 イメージアルバム 徳間ジャパンコミュニケーションズ(〈再発版CD/2004年9月29日〉TKCA-770946〈オリジナル盤 / 1996年7月22日〉)
  • もののけ姫 サウンドトラック 徳間ジャパンコミュニケーションズ(1997年7月2日)
  • 交響組曲 もののけ姫 徳間ジャパンコミュニケーションズ(1998年7月8日)

脚注

注釈

  1. ^ 同年公開の『タイタニック』に更新されるまで日本記録を保持した。2020年の再上映後の正式な興行収入は201億8千万円となっている[3][4]
  2. ^ 「𦻙記」の読みは「せっき」。「𦻙」(草冠の旧字体の下に耳を二つ)は宮崎による「正史には残らずに耳から耳へ伝えられた物語」を意味する創作であり日本の漢字には存在しない。これに相当するものが台湾の漢字に存在し、UnicodeではU+26ED9(CJK統合漢字拡張B)に収録されている。「聶」(耳を三つ)は誤記あるいは代用表記。
  3. ^ 差別的に村から追いやられているが、表現を抑えているため、冒険へ旅立ったのだと勘違いされたという[23]
  4. ^ 放った矢で敵兵の腕や首を吹き飛ばす、太刀をねじ曲げる、大量出血の銃創を負いながらもサンを抱えた状態で歩き続ける、10人がかりで開けるタタラ場の大門を1人で開けるなど。
  5. ^ 銭(ロマンアルバムに当時の日本の銭は中国の明国〈みんこく〉の銭と記載[26])、市場の女は「おあし」と言った。
  6. ^ 具体的には、「タタリ神になりかけ理性を失った乙事主を、敵として成敗したいのか、あるいは慈悲で包みたいのか悩んだ」という。
  7. ^ 美輪は「モロの胸の中では『かつて愛しく思っていた乙事主への憐憫(れんびん)』、『青春時代の残景』、『"しかしそれとこれとは別だ"という戒めの気持ち』が複雑に絡み合ってる」と解釈した。
  8. ^ 『もののけ姫』の映画パンフレット12頁に監督の「アシタカと結婚すると思い定めている娘(許嫁同然という事の様子)」という発言が記載されており、宮崎駿監督自身も2001年に発売されたDVD『「もののけ姫」はこうして生まれた』の中で「一族が選んだ許嫁」と語っている。
  9. ^ 叶精二『宮崎駿全書』(2006年)では194億円[86]

出典

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  2. ^ 133分24秒22
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参考文献

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  • 宮崎駿『風の帰る場所-ナウシカから千尋までの軌跡』ロッキング・オン、2002年。ISBN (4-86052-007-6)。 新版・文春ジブリ文庫(2013年11月)
  • 網野善彦『「忘れられた日本人」を読む』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉、2003年。ISBN (4-00-026610-1)。 
  • 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年3月29日。ISBN (4-8459-0687-2)。OCLC 71254186。 
  • 市沢哲「映画『もののけ姫』分析―歴史ファンタジーに歴史学はどう関わるか」『日本中世公家政治史の研究』校倉書房〈歴史科学叢書〉、2011年10月。ISBN (978-4-7517-4330-0)。 
    • 初出 市沢哲「映画『もののけ姫』分析 : 歴史ファンタジーに歴史学はどう関わるか(特集 歴史と文学)」『國文論叢』第34巻、神戸大学文学部国語国文学会、2004年3月、94-109頁、doi:10.24546/81011601、hdl:(20.500.14094/81011601) 
  • 宮崎駿『折り返し点 1997〜2008』岩波書店、2008年7月16日。ISBN (978-4-0002-2394-2)。 エッセイ・発言集

関連文献

外部リンク

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