とも座(ともざ、艫座、Puppis)は、南天の星座の1つ。日本では南の低い空にしか上ってこない星座で、東北北部より北の地域ではこの星座の全域を見ることはできない。
主な天体
恒星
「とも座の恒星の一覧」も参照
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
- ζ星:ナオス (Naos) は、とも座で最も明るい恒星で、唯一の2等星[2]。肉眼で見える中では、特に青く見える恒星の1つ[2]。
- ξ星:アスミディスケは、3.30等星。[3]
- ρ星:トゥレイス (Tureis) は、たて座δ型変光星として有名[4]。
- HD 48265:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でアルゼンチンに命名権が与えられ、主星はNosaxa、太陽系外惑星はNaqaỹaと命名された[5]。
- WASP-161:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でモロッコに命名権が与えられ、主星はTislit、太陽系外惑星はIsliと命名された[5]。
その他、以下の恒星が知られている。
星団・星雲・銀河
- M46:散開星団。M47と近接して見える事から、南天の二重星団と表現される事もある。
- M47:散開星団。隣に見えるM46とは異なり明るい星が散在して見える。
- M93:散開星団。
- NGC 2451:散開星団。
- NGC 2440:惑星状星雲。中心部には超高温の白色矮星が存在する。
その他
- RX J0822-4300:秒速1500kmという超高速度で運動している中性子星。
- RX J0648.0–4418:最も重い白色矮星。
由来と歴史
「アルゴ座」も参照
1756年出版の、フランス科学アカデミーの1752年版『紀要』に収められたニコラ・ルイ・ド・ラカーユの星表の中で、アルゴ座の一部分の名称として Pouppe du Navire (船尾) と書かれたのが始まりである。ラカーユ死後の1763年に出版された星表 Coelum australe stelliferum では、Argûs in puppi (アルゴの船尾) とされた。アルゴ座はあまりに巨大すぎたため、1922年に国際天文学連合が現在の88星座を定めた際に3つに分割された[注 1]。とも座は、このアルゴー船の「船尾」の部分に相当する[6]。
ラカーユは、上述の星表の中でアルゴ座の明るい星にバイエル符号同様のギリシャ文字を割り振った[6]。その符号が国際天文学連合による分割後も引き継がれたため、とも座には、ζ星、ν星、ξ星、π星、ρ星、σ星、τ星があるが、α星やβ星などはない。
脚注
注釈
出典
- ^ “星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
- ^ a b “Results for zet Pup”. SIMBAD Astronomical Database. 2013年1月23日閲覧。
- ^ “Results for xi Pup”. SIMBAD Astronomical Database. 2013年1月23日閲覧。
- ^ “Results for rho Pup”. SIMBAD Astronomical Database. 2013年1月23日閲覧。
- ^ a b “Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2019年12月31日閲覧。
- ^ a b Ian Ridpath. “Star Tales - Puppis”. 2014年1月29日閲覧。