» www.Giftbox.Az - Bir birindən gözəl hədiyyə satışı
ウィキペディアランダム
毎日カテゴリ
共有: WhatsappFacebookTwitterVK

とある科学の超電磁砲

とある魔術の禁書目録 > とある科学の超電磁砲

とある科学の超電磁砲』(とあるかがくのレールガン)は、鎌池和馬(原作)、冬川基(作画)、灰村キヨタカ[注 2](キャラクターデザイン)による日本漫画作品。また、それを原作・題材とした派生作品群。KADOKAWA[注 1]の『月刊コミック電撃大王』にて、2007年4月号より連載中。

とある魔術の禁書目録インデックス外伝 とある科学の超電磁砲レールガン
ジャンル SF超能力バトル
漫画
原作・原案など 鎌池和馬
作画 冬川基
出版社 KADOKAWA
(旧メディアワークス
アスキー・メディアワークス[注 1]
掲載誌 月刊コミック電撃大王
レーベル 電撃コミックス
発表号 2007年4月号 -
発表期間 2007年2月21日 -
巻数 既刊18巻(2023年3月現在)
その他 キャラクターデザイン:灰村キヨタカ[注 2]
とある魔術の禁書目録』の外伝作品
漫画:とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ
原作・原案など 鎌池和馬
作画 (乃木康仁)
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊コミック電撃大王
発表号 2017年6月号 - 2020年9月号
発表期間 2017年4月27日 - 2020年7月27日
巻数 全4巻
話数 全30話
その他 キャラクターデザイン:はいむらきよたか
『とある科学の超電磁砲』の外伝作品
(テンプレート) - (ノート)
プロジェクト 漫画
ポータル (漫画)

正式タイトルは『とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲』。鎌池和馬のライトノベルシリーズ『とある魔術の禁書目録』のスピンオフ作品。略称は「超電磁砲」、「レールガン」など。

また、『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)にて、(乃木康仁)作画のスピンオフ『とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ』が2017年6月号から2020年9月号まで連載された。

概要

ライトノベル『とある魔術の禁書目録』のヒロインの一人・御坂美琴を主人公とするスピンオフ作品。物語は『禁書目録』第1巻の3日前にあたる7月16日から始まる。

当初、「『月刊コミック電撃大王』で『とある魔術の禁書目録』のコミカライズを連載しよう」という話が挙がった際、既に『月刊少年ガンガン』での連載が決まっていたことから、「それなら、科学サイド…御坂美琴を寄越せ」と編集担当者の間で話し合い、鎌池和馬に話を持っていったことから『とある科学の超電磁砲』が生まれたという[1]

2016年4月時点で累計発行部数は680万部を記録している[2]

本作を原作とするテレビアニメが2009年10月から2010年3月まで放送され、2010年10月にはOVAが発売。2013年4月から9月までテレビアニメ第2期が放送され、2020年1月から5月までと同年7月から9月までの2回に分けてテレビアニメ第3期が放送された。

ストーリー

東京都の西側3分の1の規模、総人口230万人の内8割を学生が占める「学園都市」。そこでは学生全員を対象にした超能力開発実験が行われており、全ての学生は「無能力者(レベル0)」から「超能力者(レベル5)」の6段階に分けられ、様々な能力を開花させている。学園都市でも7人しかいないレベル5の一人であり、電撃を操るその能力から「超電磁砲(レールガン)」の通称を持つ御坂美琴は、学園都市で起こる様々な事件を解決していく。

原作

「幻想御手(レベルアッパー)」編(第1巻 - 第3巻)
7月中旬、学園都市で謎の連続爆破事件が起こり、紆余曲折の末、美琴は犯人を捕まえる。しかし犯人は昏睡状態に陥り、一連の事件の裏には学生の能力を上げる謎のアイテム「幻想御手(レベルアッパー)」が関係していることが発覚する。
美琴はルームメイトでもある学園都市内治安維持組織「(風紀委員(ジャッジメント))」第177支部メンバー・白井黒子に注意されつつ、事件解決のために調査を始める。そんな中、「風紀委員」オペレーター・初春飾利の親友である佐天涙子が「幻想御手」を使用して昏睡状態に陥ってしまう。
やがて、全ての黒幕が昏睡者の治療のために病院に招聘されていた研究者・木山春生であることが判明。真相を知った美琴は、「幻想御手」の副次効果によって「多才能力(マルチスキル)」を発揮した木山と対峙する。
とある二人の新人研修(ジョブ・トレーニング)(第3巻)
黒子と初春の過去を描いた番外編。小学6年の冬、「風紀委員」の黒子は先輩の固法美偉と共に巡回中、郵便局強盗犯に出くわす。
「妹達(シスターズ)」編[注 3](第4巻 - 第7巻)
8月10日、第7学区では、路地裏など人通りの少ない場所にマネーカードが置かれるという不思議な出来事が発生していた。美琴はマネーカード事件の張本人である布束砥信と出会ったことをきっかけに、かねてより流れていた噂である「超電磁砲のクローン」について調べ始める。その数日後、美琴は自分と瓜二つの「妹達(シスターズ)」の一体・9982号と出会う。
美琴は、初めて出会った「妹達」の9982号との交流を持つが、彼女と別れた後、彼女ら2万体の「妹達」が、学園都市最強のレベル5・一方通行(アクセラレータ)をレベル6へ進化させる「絶対能力者進化(レベル6シフト)計画」で一方通行に虐殺されていることを知り、その直後、9982号が美琴の目の前で一方通行に虐殺されてしまう。その光景に激昂した美琴は一方通行に攻撃を仕掛けるもその能力の前では切り札の超電磁砲ですら通じず完敗を喫する。一方通行に攻撃される直前に「妹達」が現れた事で難を逃れた美琴は、その非道な実験を阻止するために奔走する。
美琴は計画に携わる施設を襲撃し、使用不能にしていく。8月19日、美琴は実験施設の防衛を依頼された暗部組織「アイテム」と交戦、リーダーにして同じレベル5の麦野沈利ら四人に対し、窮地に陥りながらも辛くも退ける。一方、「絶対能力者進化計画」に関わっていた研究者の布束も実験阻止に動いていたが、「アイテム」の絹旗最愛に捕縛される。やがて、事件は上条当麻をも巻き込みながら動いていく。後半の展開は『禁書目録』第3巻とほぼ同じ内容である(視点や演出など細かい違いはある)。
「大覇星祭(だいはせいさい)」編(第7巻 - 第10巻)
9月19日、学園都市で大規模な体育祭・(大覇星祭)が開幕する。その初日、美琴と間違われて競技に参加した「妹達」の10032号(御坂妹)は、何者かの攻撃を受けて消息を絶つ。翌日、妹を探す美琴はレベル5の1人にして常盤台中学最大派閥の「女王」・食蜂操祈が関与していることを知るが、その矢先に彼女の能力「心理掌握(メンタルアウト)」により、黒子・初春・佐天が持つ自分の記憶を消され、3人との友情を奪われてしまう。
食蜂の派閥メンバーに見張られて身動きが取れない美琴は、婚后光子に協力を仰ぐ。婚后は御坂妹を捜索中、「妹達」を探している暗部組織の少年・馬場芳郎に襲われて行動不能となるが、湾内絹保泡浮万彬によって助け出される。馬場をリタイアさせた美琴の前に馬場と関わりがある謎の少女・警策看取が現れ、初春と美琴の母・美鈴を人質に「妹達」の居場所を教えるよう迫るが、黒子の助けにより警策を退けることに成功する。
食蜂本人と接触した美琴は、食蜂が妹を匿っていたことを知る。「妹達」を狙っていた組織の黒幕は、「絶対能力者進化計画」の提唱者でもある科学者・木原幻生。美琴は食蜂と共に、御坂妹が匿われている研究所へ向かう。そこは、「心理掌握」の能力を誰でも使えるようにする装置「外装代脳(エクステリア)」が存在する場所だった。食蜂を欺いた幻生は「外装代脳」を乗っ取って「心理掌握」を使い、「妹達」を繋ぐ(ミサカネットワーク)にウイルスを撃ち込む。幻生の真の目的は、美琴をレベル6へ進化させることであった。
「天賦夢路(ドリームランカー)」編(第11巻 - 第13巻)
大覇星祭を終えた学園都市で「インディアンポーカー」と呼ばれるカード状の学習装置が流行し始める。
黒子と初春は佐天から教えられた未来予知のアプリを検証する中である事故を未然に防いだことから、予知能力者の小学生・美山写影から自分の予知を覆してもらえないかと頼まれる。一方の佐天はサバ缶を巡って「アイテム」のメンバー・フレンダと知り合い交友を深めるが、自身が入手したインディアンポーカーが原因で「スクール」の陰謀に巻き込まれてしまう。
そのころ美琴は食蜂からサイボーグに宿った「魂」の情報を聞かされ、「置き去り」やクローンが暗部の非道な実験に利用されないよう共同で調査を行うこととなり、実験の当事者でありインディアンポーカーの開発者だった操歯涼子に接触を計る。だが自己を認識したサイボーグ・ドッペルゲンガーが研究機関から脱走を図ったことで事態は急変し、美琴は「屍食部隊」と手を組んで解決に奔走することになる。
「獄門開錠(ジェイルブレイカー)」編(第14巻 - 第16巻)[3]
ある日、都市伝説巡りをしていた佐天と初春は「貯水池に居を構える巨大な白いニシキヘビ」の都市伝説を実際に見たという女子高生に遭遇。女子高生は写真も撮影したと話していたが、写真はピンボケしていて、都市伝説の正体を捉えてはいなかった。
その後、美琴達4人は近々開設される新たな少年院「第二少年院」が開催する脱獄トライアル[注 4]に参加。このイベントには(近江手裏)ら甲賀の里の忍や屍食部隊、警策看取や婚后光子といった面々も参加しており、各々が目的を果たすため他の参加者共々、少年院の攻略に挑んでいた。他の参加者と協力しつつ、少年院の様々なトラップを掻い潜り、見事囚人役が収容されている部屋の前に辿り着いた美琴達だったが、ドアを開けるとそこに囚人役はおらず、間もなくトライアル終了を告げるブザーが鳴り響いた。なんとトライアル途中に美琴達とはぐれていた初春が、独自に脱獄を成功させていたのであった。初春は佐天の反対を押し切りトライアルの賞金を全て寄付したのであったが、その裏で、少年院ではトライアルの囚人役と本物の囚人が入れ替わり、本物の囚人の一人が脱獄してしまっていた。
トライアル終了も束の間、何者かに初春が誘拐される事件が発生。美琴は事件を追う過程で、(上条の幻想殺し)が宿していた竜のひとつを所持している謎の少女・春暖嬉美と交戦。春暖には逃げられるも、黒子と美琴は分かれて逃走した共犯者を追跡。美琴は雷斧、黒子は釣鐘と交戦。辛くも両者を退けたが、追った先に初春の姿は無かった。一方、佐天は黒子の思惑で第二少年院に潜入。院内を探索していた。

アニメオリジナル

「武装無能力者集団(スキルアウト)」編(テレビアニメ第1期第15話 - 第16話)
「幻想御手」編と「乱雑解放」編の間に位置するオリジナルエピソード。
「幻想御手」事件解決後、「(武装無能力者集団(スキルアウト))」による能力者襲撃事件が多発する。美琴や黒子はその事件を追い、「黒い蜘蛛の刺青をした革ジャンの男性」が捜査線上に浮上した。調査を行ううち、美琴と黒子は「ビッグスパイダー」なる組織を調査するために第10学区を訪れる。そのころ、「風紀委員」の事務所から固法の姿が消えていた。
「乱雑開放(ポルターガイスト)」編(テレビアニメ第1期第20話 - 第24話)
「幻想御手」編のその後が描かれたオリジナルエピソード。
8月初旬、学園都市内では正体不明の局所的な地震が頻発していた。そんな折、初春は柵川中学に転校してきた春上衿衣という少女とルームメイトになり、親しくなるが、地震の正体が「RSPK症候群」とわかり、現場にいた春上は、その能力の特殊性を理由に犯人扱いされてしまう。
独自に調査を始めた美琴は、保釈されていた木山と再会する。そして、このRSPK症候群は、木原幻生の人体実験に使われて昏睡状態になっていた、木山の教え子たち「(置き去り(チャイルドエラー))」を目覚めさせようとした際に発生した現象であり、春上は無実である事が判明する。しかし、テレスティーナ率いる「先進状況救助隊 (MAR)」によって、「置き去り」たちは木山から引き離され、春上と共に研究施設へ移送させられる。
やがて、原因はテレスティーナに連れ去られた春上や昏睡状態の「置き去り」たちを使った、テレスティーナのレベル6開発計画であることが発覚する。美琴たちは、正体を現したテレスティーナから、春上と「置き去り」たちを救うために動き出す。
「革命未明(サイレントパーティー)」編(テレビアニメ第2期第18話 - 第24話)
「妹達」編の直後から9月2日(学芸都市編の前日)までを描いたオリジナルエピソード。
美琴たちは、公園で寝ていた見知らぬ少女・フェブリと出会う。しかし、フェブリの身元を示す情報は見つからず、彼女は「置き去り」として児童養護施設へ引き取られることになった。施設の受け入れ態勢が整うまでの間、美琴たちはフェブリの面倒を見ることになる。
美琴たちはフェブリと仲良くなるが、彼女が「科学的に作られた人造物」であり、持っている飴で命を何とか繋いでいることが判明する。事情を知った美琴は仲間と共にフェブリを救おうと決意する。
美琴は、フェブリを救う手がかりを得るため、収監されているテレスティーナを訪ね、フェブリが「ケミカロイド」と呼ばれる存在で、彼女を作った者は「学園都市研究発表会」(学究会)に関わっている可能性が高いという情報を得る。学究会の上位常連である有冨春樹に目星をつけた美琴は、彼が取締役を務める企業「スタディコーポレーション」の工場に潜入し、有冨と「スタディ」に売られた布束砥信に遭遇する。有冨は、ケミカロイドの一体ジャーニーの能力を利用して、学究会当日に「革命」と称したテロ行為を企てていた。

とある科学の超電磁砲SS

原作者・鎌池和馬による小説。

初春飾利編(『とある魔術の禁書目録SP』収録[注 5]
(初春飾利)を主人公とする短編SS。遠隔カージャックテロ事件が発生し、それを解決するために奔走する初春や(黄泉川)らを描く。なお、『SP』収録時にキャラクターの名前など一部の内容が修正されている。
8月1日、「ひこぼしII号 追加実験棟モジュール」を輸送中の大型特殊車両「衛星誘導車」が何者かに遠隔指示され暴走する事件が発生。「警備員」から協力要請を受けた初春は第73支部の捜査本部へ赴き、そこで時速120キロメートルで爆走中の衛星誘導車の現状を聞かされる。一方そのころ、(才郷良太)と共に現場にいた黄泉川は、運転手の山岳揚子と接触し、直接衛星誘導車へ乗り移り初春と協力して停止方法を模索する。やがて捜査本部が第三学区国際会議場でのVIP殺害という犯人の目的を突き止め、VIPの安全を最優先に方針転換し出す。初春はそれを阻止するため、単身いまだ暴走する衛星誘導車へと向かう。
学芸都市編(テレビアニメ『とある魔術の禁書目録』Blu-ray / DVD初回限定版収録、全8話)
学芸都市」を舞台とした長編SS。美琴たちが学芸都市に潜む陰謀に巻き込まれ、それを解決すべく奔走する。(ショチトル)や(トチトリ)が所属する魔術結社「(翼ある者の帰還)」が大きく物語に関わり、また彼女らが『禁書目録』第15巻・第19巻での行動に至った経緯が明かされる。
9月3日、広域社会見学で美琴たちは学芸都市を訪れ、浜辺で自由行動を楽しんでいた。しかし、サプライズのショーを見ていると、突如奇妙な機体「雲海の蛇」の戦闘に巻き込まれる。夜になり、ホテルに戻った美琴は独自に調査を進め、成り行きで同行してきた佐天と怪しげな施設へ潜入し、行き着いた格納庫で「係員」のオリーブ=ホリデイと遭遇するが、交戦を回避しその場を立ち去る。
翌日、佐天は褐色の少女ショチトルと出会い、彼女の頼みで水着を買った後共に行動するが、突如都市中で爆発が巻き起こり、ショチトルは都市を立ち去る。その夜、この街やショチトルらの真相が気になった佐天は昨夜の施設へ向かうが、そこでオリーブに拘束されてしまう。翌日、佐天は海岸の岩場でオリーブに海難事故を装って殺されかけるが、ショチトルに窮地を救われる。その夜、美琴たちが佐天から事情を聴いていた時、突如武装した「係員」に襲撃されるが、美琴と黒子が応戦し事なきを得る。
翌日、大型救命艇サーモンレッドを使い都市の観光客を脱出させるべく、初春と佐天は避難誘導を行う。美琴と黒子は海上に出現した「太陽の蛇」の子機を迎撃し、黒子負傷後は水分子の翼を使い単身でショチトルと交戦する。
能力実演旅行編(テレビアニメ『とある魔術の禁書目録II』Blu-ray / DVD初回限定版収録、全8話)
ロシアの「ショッピングセンター」を舞台とした長編SS。「デモンストレーション」のためにそこを訪れた美琴が、都市伝説にまつわる謎の陰謀に巻き込まれ、その真相を探るべく奔走する。(レッサー)ら魔術結社「(新たなる光)」の4人が登場し、物語に大きく関わっている。
7月1日、美琴は「ショッピングセンター」で「とても価値あるオレンジ」の話を入手する。その後、「とても価値あるオレンジ」になぞらえた「生物爆弾」のテロ事件を阻止したが、「保安員」エニーリャ=G=アルゴヌスカヤに容疑者として疑われ拘束を受けてしまう。美琴は事件の解決を図るべく脱走して独自に調査を開始し、レッサーの情報提供をきっかけに「コードEIC」の存在を知る。美琴はコードEICの研究員である「保安員」セタリー=S=スキーニキヤを黒幕と疑い尋問するが、疑いは晴れる。
美琴はレッサーと共に事態を整理し、「生物爆弾」実行犯とは別に「ショッピングセンター」上層部が黒幕である事実と、学園都市への大規模テロという敵の狙いを掴む。学園都市を壊滅させることで全世界の科学水準を下げ、それによって協力機関である「ショッピングセンター」が有する技術情報の価値を高め、大きな利潤を得ようというものだった。美琴は黒子へ連絡すると、新たに流れた「死のネックレス」の噂から敵を探るよう頼む。それを受けた黒子は、初春と共に学園都市内部へ潜入していたテロリストの一団を突き止め、交戦の末捕縛する。その最中に、変質した都市伝説「ウランの置物」の存在と、学園都市への核攻撃の可能性が判明する。
コールドゲーム(電撃大王2018年2月号付録)
学園都市で起きた事件の裁判を巡る短編SS。佐天が撮影した写真をきっかけに佐天、美琴、黒子、初春が巻き込まれた「殺人」の本質を問いかける。
佐天と初春は柵川中学校の社会科見学で警備員の中央詰め所を訪問、そこで佐天の自撮り写真に偶然写り込んでいた人物が女子中学生をコールドスリープ状態にした凶悪犯、通称ループホールであったことが判明する。翌日情報提供者として佐天は裁判所に召喚され、風紀委員の特別学習枠を利用した黒子と初春、高倍率の中見事当選した美琴は3人で裁判の傍聴に向かう。被告は弁護人を介して裁判中にコールドスリープ状態の被害者を無事に蘇生できる知識を持つのは自分だけだと発言、少女の命は自分ではなく裁判所にいる全員の決断にかかっていると宣言する。美琴たちは被告の思惑を暴き、少女の命を救うために行動を開始する。

アストラル・バディ

常盤台中学3年生で食蜂派閥のナンバー2である帆風潤子は、ある日、「幽霊」らしき記憶喪失の少女に取り憑かれる。彼女の素性を探るために「風紀委員」などにも協力を求めていた矢先、潤子も所属していた「内部進化」の出身者である弓箭入鹿たちによる食蜂の誘拐事件が発生する。

登場人物

主要人物

御坂 美琴(みさか みこと)
声 - 佐藤利奈[4]
本作の主人公。常盤台中学2年生。学園都市第3位の超能力者((レベル5))。
白井 黒子(しらい くろこ)
声 - 新井里美[4]
常盤台中学1年生。学園都市内治安維持組織「風紀委員(ジャッジメント)」第177支部所属。大能力者(レベル4)。
初春 飾利(ういはる かざり)
声 - 豊崎愛生[4]
柵川中学1年生。「風紀委員(ジャッジメント)」第177支部オペレーター。低能力者(レベル1)。
佐天 涙子(さてん るいこ)
声 - 伊藤かな恵[4]
柵川中学1年生。初春の級友かつ親友。無能力者(レベル0)。
長い黒髪に、白梅の花を模した髪飾りを着けている少女。普段着は黒色のジーパンを履いている。母親から貰ったお守りをいつも持っている。親友である初春とはプライベートでも一緒にいることが多く、挨拶代わりのスカートめくりが日課。美琴や黒子とも初春を通して出会い、美琴には尊敬の眼差しを向ける。初春と共に美琴の恋路を陰ながら応援している。黒子とは同学年ということもあって対等に話そうと提案したものの、お嬢様オーラに気後れして敬称をやめられずにいる。
噂話や流行に敏感で、都市伝説の情報に詳しい。不思議なものを見ると興味を持って前に進んでしまうタイプの人間で、能天気な性格もあってかなりのトラブル体質。一方、弟の面倒を見ていたことから刺繍や着物の着付けが得意で、初春が風邪を引けば見舞いに訪れて看護するなど、面倒見の良い性格。
普段は明るく振る舞う反面、無能力者であることにコンプレックスを持っており、能力者に対して強烈な憧れと劣等感を持っている。そのため、「幻想御手編」では無能力者としてのコンプレックスが高じて偶然入手した「幻想御手」を友人達と使用し、昏睡状態に陥る。事件解決後は、初春を巻き込んだことで能力より大切なものに気付き、悩みを吹っ切り元の明るい性格を取り戻している。また、無能力者であるため、美琴たち四人の中でただ一人キャパシティダウンが効かず、「乱雑解放編」ではテレスティーナ=木原=ライフラインとの闘いで仲間たちを救う活躍をする。
「絶対能力進化計画編」ではマネーカード探しに勤しんでおり、この時美琴と交わした会話がきっかけで彼女は計画を知ることとなる。
「革命未明編」ではフェブリに懐かれ、彼女を助けるために初春や風紀委員達と学級会の第四会場で「スタディ」と戦い、初春と共にエカテリーナ二世号改を操り敵幹部を撃破する。
「学芸都市編」ではうっかり学芸都市の機密に触れてしまう。その時は美琴といたおかげで見逃されたが、ショチトルと知り合った事をきっかけに、再び地下施設に忍び込んだせいで「係員」に始末されかけるが、ショチトルが操縦する「雲海の蛇」によって救われる。その後の「翼ある者の帰還」による攻撃時には避難誘導を担当し、初春と共に「行方不明」として拘束されていた人々の救助を行った。
「大覇星祭編」では黒子や初春ともども食蜂に記憶を改竄されたが、携帯電話の電話帳を見て自分の記憶の違和感に気づく。偶然「メンバー」のアジトを発見してしまい命の危機にさらされるが、ショチトルに救われた際に美琴の身に危険が迫っていることを聞かされ、黒子と警策との戦いをサポートする初春を手伝う。大覇星祭中に美琴の思い人である上条と知り合い、その縁で美琴に最終日のフォークダンスを勧める。
「天賦夢路編」ではインディアンポーカー集めに凝っているときにフレンダと知り合う。集めたカードの中に「ピンセット」に関係する物があるのではないかと考えた「スクール」によって誘拐され、フレンダの手で救い出されたものの彼女を狙う猟虎との戦いに巻き込まれてしまい、フレンダを助けるために自ら囮役を買って出た。事件後はフレンダと食事を取る約束をしていたが、彼女は暗部組織抗争の際に死亡してしまったため約束が果たされることはなかった。
「獄門開錠編」では、脱獄トライアルに優勝したことで嬉美たちに誘拐されてしまった初春を救うために行動を起こし、第二少年院自体が事件に関与している可能性が出たため、嬉美と美琴の激突で生じた被害を自分のせいだと証言することであえて捕まり、単身で少年院内に潜入を試みる。
能力はレベル0の「空力使い(エアロハンド)」[5]。「幻想御手」を用いて、一時的にこの能力を使用したことがある(しかしそれでも、数枚の木の葉を動かす程度であった)。また、アニメオリジナルエピソードでは(金属バット)を武器にする場面が多く、大覇星祭編ではぐるぐるバットを使う競技で好成績を収めている。
『禁書目録』では口絵やアニメ版で先に登場しており、本編には新約9巻のオティヌスによって改変された世界で住人の一人として初登場する。
『禁書目録』神崎火織編SSではイギリスの通販サイトでジーンズを注文しているのだが、(店主)が「(必要悪の教会)」の仕事に引っ張り出されるせいで、いつまで待っても商品が届かないので、クレームを入れたり[6]、逆に心配して絵文字入りのメールを送ったり[7]、業を煮やして放送禁止用語で罵倒したり[8] と、頻繁に連絡を取って催促している。店主とメールでやり取りしているうちに次第に英文法が上達している模様。

常盤台中学

湾内 絹保(わんない きぬほ)[注 6]
声 - 戸松遥[9]
常盤台中学1年生。強能力者(レベル3)。黒子の級友で水泳部員。
ウェーブのかかった栗毛の髪が特徴。年少だが美琴よりスタイルがいい。入学当初、不良に絡まれていたところを美琴に助けてもらった経験がある。婚后とは仲の良い友人(仲良くなった経緯は原作とアニメ版で異なる)。派閥には未所属。
「革命未明編」で「スタディ」が「革命」を起こした際には、学級会の第三会場の防衛を担当する。
「大覇星祭編」では2日目に、競技の合間に婚后が馬場から暴行を受けている現場を目撃する。友人を害された怒りから馬場に立ち向かい、彼が持つロボットを壊滅させ撤退に追い込み、婚后に撃ち込まれていたのと同じナノデバイスを回収する。
「獄門開錠編」では婚后と「脱獄トライアル」に参加する。
能力はレベル3の「水流操作(ハイドロハンド)」。近隣に存在する水を自由に操ることができる。射程距離は15m、体積の上限は300L、同時に操れる水塊の数は4つまで。アニメ『超電磁砲S』では泡浮の浮力操作とのコンビネーションで、水をサーフボード代わりに高速移動する技を見せている。
本編には新約16巻で初登場し、大熱波解決のために「水晶の塔」攻略メンバーに選ばれる。その際、男性である上条に話しかけられて狼狽して泡浮に助けを求める。
泡浮 万彬(あわつき まあや)[注 6]
声 - 南條愛乃[9]
常盤台中学1年生。強能力者(レベル3)。黒子の級友で水泳部員。
黒のロングヘアが特徴。湾内・婚后の友人。派閥には未所属。
「革命未明編」で「スタディ」が「革命」を起こした際には、学級会の第三会場の防衛を担当する。
「大覇星祭編」では2日目に、競技の合間に婚后が馬場から暴行を受けている現場を目撃する。婚后の搬送を佐天に任せ、自身は馬場が逃がしたロボットを追跡、これがダミーだと判明すると湾内の元に戻って彼女の危機を救う。
「獄門開錠編」では婚后と「脱獄トライアル」に参加する。
能力はレベル3の「流体反発(フロートダイヤル)」。自身と周囲の浮力を増減させる能力で、応用すれば水面を走ったり、重い物を持ち上げることもできる。アニメ『超電磁砲S』では湾内の水力操作とのコンビネーションで、水のサーフボードによる移動時に浮力を軽減させた。
アニメ版では大幅にエピソードが追加され、人間性の未熟な婚后を湾内と支えつつ活躍している。
原作での直接の登場はないが、「水晶の塔」攻略に参加していた模様。
婚后 光子(こんごう みつこ)
声 - 寿美菜子[9]
常盤台中学2年生。大能力者(レベル4)。初登場は『禁書目録』だが、本作での登場が多いために本項で解説する。
黒髪のロングヘアでどんな時も扇子を手放さないお嬢様。他人を見下す高飛車な性格だが、根は素直で、友人の窮地には進んで体を張るなど義侠心に篤い一面もある。航空業界の名門・婚后航空の跡取り娘。世事に疎く、何かと熱くなりやすいが一線は守る[10]性格。「学舎の園」内の学生寮に住み、ニシキヘビのエカテリーナを飼っている。趣味で西洋人形を収集している。
2学期からの編入生。元より名門である常盤台中学の高難易度の編入試験を、1年かけて乗り越えた努力家である。常盤台中学の力関係を知らずに自身の派閥を作ろうとするも、黒子の忠告と美琴の実力を目の当たりにしたことで諦める。その後、「自分を立派に見せれば周囲が従ってくる」という考えで周囲を遠ざけ続けていた自身の勘違いに気付き、美琴や湾内、泡浮らと友達になる。
「大覇星祭編」では、残骸事件で負傷した黒子に代わり「風神・雷神コンビ」として美琴とペアで競技に参加する。食蜂に黒子たちとの関係性を奪われた美琴に協力して御坂妹を探そうと動くが、同じく御坂妹を捜索していた馬場の卑怯な策で痛めつけられ、病院に搬送される。しかし、その後は無事に回復して競技に復帰する。
「獄門開錠編」では、実家から持ってきたスーツや材木の束を持って、湾内、泡浮と3人組で「脱獄トライアル」に参加。美琴とは優勝を争うライバルだが、彼女や他の参加者と協力して外壁を破壊し最初の関門を突破する。トライアル後に初春が誘拐された際は協力するつもりでいたが、美琴がなし崩しで戦闘に至ったために蚊帳の外に置かれ、病院に駆け付けて友人として説教する。
能力はレベル4の「空力使い(エアロハンド)」。手で触れた物体から空気を噴出させ、飛ばす能力。噴出のタイミングは自身で制御が可能[注 7]。威力はレベルが示す通り強力で、地面に噴射点を設定して風そのもので攻撃したり、噴射点を束ねて巨大なパラボラアンテナや材木の束を飛ばすなどの攻撃方法を見せている。噴射点に数の上限はなく、単純な射程距離だけなら美琴の「超電磁砲」以上[11]。だが、噴射点が多くなるほど、噴出させる際に消耗が激しいのが欠点。
テレビアニメ版では本編より早い段階で登場。編入の時期は1学期に変更されている。当初は原作同様の尊大な性格が災いして友人がいなかったが、湾内・泡浮と出会い変わっていく。アニメオリジナルの「革命未明編」で「スタディ」が「革命」を起こした際には学級会の第三会場の防衛を担当し、「最終フェーズ」阻止のために美琴と黒子が乗り込んだエカテリーナ二世号改を能力で上空へ打ち上げた。
食蜂 操祈(しょくほう みさき)
声 - 浅倉杏美
常盤台中学2年生。学園都市第5位の超能力者(レベル5)。スピンオフ作品『とある科学の心理掌握』では主人公を務める。
常盤台中学最大派閥に君臨する女王様。長い金髪に中学生離れのプロポーションを誇り[注 8]、瞳には十字形の星がある[注 9]レース入りのニーソックスと手袋を着用し、バッグを持っている。単語の端々に「 - 力」とつけるのが口癖。やや我儘な性格で、他人を躊躇なく洗脳して思いのまま操る陰湿な面もある。「個」の真価は「集団」の中でこそ煌めくと考えによる[12]
美琴が婚后と友達になったことを、美琴が陰で裏番力を付けようとしていると考えて牽制するなど、美琴との仲は良好とは言い難く、彼女が体細胞クローン製造の元凶であることを知っていたために中学入学当初から嫌っていた。一方で黒子を「自分というダイヤを最も引き立てる気高い純白のプラチナ」と高く評価し、積極的に派閥へ勧誘している[12]
面倒事を能力で他人任せにしてきた弊害で、自身は基本的に動かないために身体を鍛えておらず、身体能力が極めて低い[注 10]のが欠点で、その上方向音痴でもある。食材マニアでもあり、オーガニック食品しか食べないという拘りがある。
「才人工房」第1研究室の出身。その研究室で美琴のクローンである「(ドリー)」と出会い、彼女が息を引き取った後、能力で研究員全員を洗脳下に置いた。その後、(蠢動)が第1研究室でも暗躍していることに気付き、「内部進化」で事故が発生した時は蠢動への出資停止を常盤台の経営者に要求し、「内部進化」を解体させる代わりに常盤台中学へ入学する。
上条とは『禁書目録』開始の1年程前に出会い、「(簒奪の槍)」を装備した(デッドロック)と呼ばれる集団に襲われた際、彼に命を救われたことがある。その際の出来事によって上条の脳に起こった障害のせいで自身の存在は彼の記憶に残らなくなってしまい[注 11]、以降の積極的な接触はしていないが、作中で起こるいくつかの事件で陰ながら助力をしている。その一件から上条に好意を抱いており、彼との想い出を「幸せな時間」として大切にし、彼にプレゼントされたオモチャのホイッスルを大事に持ち歩いている。上条への好意を持ち、同じ心理戦を得意とする(雲川芹亜)とはライバル関係であり、自分と似た想い出を上条と共有し、彼のそばを歩いている美琴への嫉妬心も自覚している。蜜蟻との戦いでは上条を「私のヒーロー」と明言しており、以前自分が原因で上条が蜜蟻を助けられず、そのことを知りながら原因である自分を助けてくれたことを知り、上条の代わりに蜜蟻を救うことを決断した。上条との縁はもう終わってしまったと考える一方で、彼が記憶を取り戻すことで以前の関係に戻れることを期待しており、奇跡に相応しい女になって自分を思い出すことのなくなった彼を振り向かせてみせると己に誓い、自分を犠牲にして他人の幸せを選び、人助けをして人知れず善行を積んでいる。その一環で慈善事業には積極的に取り組んでいるらしく、障害者の支援なども行っているほか、統括理事の一大疑獄を暴いたりもしているらしい。現在の「常に他人を操り裏方で管理する」というあり方は、上条との繋がりを失った反動で、自分の知らないところで何かが進行して不意打ちで手を切られるリスクを怖れているためでもある。目的のためなら平気でルールを破り、能力で破ったことさえ誤魔化すが、命の恩人である上条が笑って暮らせる世界を守ることが第一のルールであり、彼のためなら何でもする一方で、彼が泣くようなことは絶対にしないと誓っている。また、内心では派閥の面々を大切に思っている。
大覇星祭の開会式では、削板と共に選手宣誓を行なう。その裏で、御坂妹の身柄を預かる、黒子・初春・佐天の3人から美琴に関する記憶を消すなど不可解な行動をしていたが、それは幻生をおびき出すための策だった。妹達に打ち込まれたウイルスの構造を奪うために幻生と交戦し、自らの記憶を操作する奇策によって彼を自滅に追い込み辛勝する。
「天賦夢路編」ではインディアンポーカーに関してカイツに調査を依頼、「妹達」が再び非道な実験に巻き込まれるのを防ぐため、考案者である操歯涼子の情報とサイボーグ実験で生じたドッペルゲンガーと呼ばれる「魂」の存在について美琴に伝え協力を要請し、データを保管する飛行船の情報提供と所長の記憶改竄を行う。蜜蟻が暗躍した「理想の能力」にまつわる事件は「仕込み」に巻き込まれて誘拐されるなどの被害に遭い、解決と悠里の覚醒に尽力する。
『禁書目録』では1巻からその存在が度々触れられており、新約6巻で初登場。新約7巻では「学舎の園」に郵送され無数の女学生から追われていた上条に協力し、その後は美琴と共に(博覧百科(ラーニングコア))で暴徒の鎮圧を行う。新約11巻では自分を襲撃した(蜜蟻)と、派閥のメンバーを率いて交戦し、あと一歩というところで敗北しかけたが駆けつけた上条によって再び救われ、病院に逆戻りした彼の元を見舞い事件の始末を語り、記憶が残らないことを承知の上で額に口づけして立ち去る。新約16巻の(エレメント)襲来時に美琴によって保護されてきた上条とほぼ1年ぶりにまともな会話を交わす。「水晶の塔」へ出撃する美琴に代わり常盤台の防衛を担当していたが、(A.A.A.)を装備した(唯一)の襲撃により負傷してしまう。
事件解決後の12月11日には美琴からA.A.A.の今後に関する相談を受け、機能の解析中に上条がまたしても厄介ごとに巻き込まれていることを知って「窓のないビル」へと向かい、美琴と協力して「(液状被膜超電磁砲(リキッドプルーフレールガン))」を放つことで援護を行なう。学園都市からの疎開時は同級生たちとバリ島に滞在していたが、上条がイギリスで騒動に巻き込まれていることを知った美琴とA.A.A.でロンドンに急行する。生まれて初めて本格的な対魔術師戦闘に身を晒す事になり、(コロンゾン)のアエティール・アバターが(エディンバラ城)へ攻撃してきたときには、以前の接触で上条が肉塊にされるのを直視したショックから、彼が危険に飛び込まないように切断されていた「幻想殺し」を持って戦場から離れようとする。コロンゾンに見つかり、背中に重傷を負うも、認識できないはずの自分を再び助けに来た上条に謝罪して右腕を返し、負傷で戦線離脱する自分の代わりに上条を助けるよう美琴に頼んだ。コロンゾンとの決着がついた後、重傷を押して祝勝会に参加するが、2人の上条が現れた時には自分と過ごした記憶を持つ(神浄)の味方をすることを選び、能力を暴走させて(ウィンザー城)にいた魔術師の2割を操り8割を行動不能に陥れ、罪悪感に苛まれながらも彼に従い続けた。上条たちがウィンザー城を襲撃した際は、神浄の指示で美琴を操ろうとするもA.A.Aが事前設定に従い暴走を始め、それを止めようとインデックスの「自動書記」を修復するが、不正なコンタクトとして反撃され、2人の戦いの余波で致命傷を負う。駆けつけた上条に謝りながら意識を失ったが、彼の応急処置と冥土帰しの治療が間に合い一命を取り留め、事件後は美琴と共に学園都市に帰還した。
12月24日には美琴と共謀して学校行事の24時間ゴミ拾いから逃亡するが、直後に裏切られてビルの屋上に置き去りにされる。翌25日には入院した上条の病室に突入し、今度は自分が彼を助けられるように、かつて自分が貰ったのと同じホイッスルをプレゼントとして贈る。その直後、上条が(激症型サンジェルマン)感染によって2日以内に死亡する事を知り、美琴と組んで解毒剤を持つ可能性がある(アンナ=シュプレンゲル)と戦う事を決意するが、「心理掌握」が通用しない上に出力差も圧倒的だったために敵わず、逆に上条に助けられるという結果に終わり、入院中に美琴と相談して2人で強くなることを決意する。
能力はレベル5の精神系能力「心理掌握(メンタルアウト)」。学園都市最強の精神系能力であり、記憶の読心・人格の洗脳・離れた相手と念話・想いの消去・意思の増幅・思考の再現・感情の移植など、多種の能力を一手に引き受けて使いこなす。能力のメカニズムとしては、脳内物質の分泌および血液や髄液の配分制御といった脳内の液体を操るというものであり、本質的には水力操作系の能力に当たる。能力の自由度が高すぎるので、多数のリモコンを能力の用途によって使い分けることで基準をつけている[13]。能力下にある人物の瞳には食蜂のものと同じ星が浮かぶ。多数の人間を一度に操作するでき[注 12]、「外装代脳」を使えば、何千人もの人間を数キロメートルの範囲にわたって一度に精神操作することも可能。電導性の液体を操ることにより電導効率の変更を行い生体電気を制御できるが、生体電気そのものを操る発電能力者には劣るため(本人は「電磁バリア」と呼んでいる)、実際に美琴には「承認」されない限り能力が通用しない[注 13]。人の溢れた大都会ではほとんど無敵の強さを誇る能力だが、何を言っても暴力性にしか結びつかない第1位や、個という概念を失い全体の意思が約束を守るか確証を持てない第2位のように、「操っても警戒が解けない」上に個の暴走でもって群を食い破れる怪物達は絶対に相手にしたくないと思っている。加えて、能力が通じるのは人間のみであるため、機械や動物とは相性が悪いという欠点がある。また、大量出血などで体液のバランスが崩れている人間に能力を行使すると、対象の脳機能に予想困難な副作用が生じる危険性がある。心の中の問題を扱う魔術師たちは、操られそうになった時に自分の意識を落とす自動切断(オートヒューズ)を備えている場合があるので、正常に機能しないことがある。なお、「心の奥まで覗いて洗脳力を行使した人間には最後まで責任を持つ」という「自分ルール」を課している。
テレビアニメ版では本編と登場の経緯が異なり、「妹達」編で初登場。
帆風 潤子(ほかぜ じゅんこ)
声 - 津田美波
スピンオフ『アストラル・バディ』の主人公。大能力者(レベル4)。常盤台中学3年生。原作の新約7巻・11巻・16巻、創約7巻にも登場。本名は当初不明であり、『アストラル・バディ』で初めて明かされた。
縦ロールにした銀髪が特徴の美少女[注 14]。食蜂派閥のナンバー2と目されており、自由奔放放任主義の食蜂を補佐して実質的に派閥を運営しており、ふらふらしていることの多いトップよりも派閥の面々と接する機会は多い。授業で学ぶ以上の知見を得る目的で、任意参加の意見交換会を主催することもある。
言葉遣いや振る舞いが淑やかかつ上品である典型的なお嬢様だが、やや天然でもある。1年先輩であるのだが、年下の食蜂のことを「女王」と慕っている。箱入り育ちのためか今時珍しいほど純粋な性格であり、恋愛に鈍く、青髪ピアスの語っていた「あっち方面」の知識に関しても理解不能な反応を見せ、同性から恋愛感情を向けられた時も理解するまでに長い時間を必要とした。「害する者」「内なる破壊衝動」などの仰々しく芝居がかった言動を好んでいた時期があるが、本人の中では黒歴史。少々脳筋気味な面もあり、手っ取り早く暴力で解決しようとすることがある。また、純朴同士、削板とは息が合う。
見た目や性格と裏腹に食蜂に対する憧れは非常に強く、インディアン・ポーカーにおける幸せな夢の内容は、正真正銘の女王となった彼女にメイドとして一生仕えるという、ややMな方向にあるものとなっている。一方で、やや気の弱い面も持ってはいるものの、食蜂の派閥にいる取り巻きの中ではきちんと自分の意見を彼女に言える数少ない人物。ただ、注意された腹癒せで、「心理掌握」で大食いにチャレンジさせられることがあり、体重増加に悩まされている。
能力を有効活用するため、父親に頼んでかき集めた書物や動画で武術をはじめとする身体操作術を学んでおり、天性の運動センスと優秀な頭脳で、書物ベースで得た知識を使いこなす実現力がある。武術書だけでなくマンガも幅広く読んでいて、愛読書は「エースをねらえ!」。そのためか、少女マンガ風な絵を描くのが上手い。
美琴と並ぶ(ゲコラー)廃人であり、ゲコ太と食蜂を同じくらい大切に思っている。大覇星祭にて同好の士であることを知ってからは彼女と友好的な付き合いを築いている。美琴と食蜂には仲良くしてもらいたいと思い色々と行動を起こしているが、毎回アクシデントが発生しうまくいっていない。下着まで子供向けのゲコ太グッズを使っているので目立たないが、食蜂とバストが互角かつウエストや太ももは細いというモデル体型で、どれだけ食べても体型はほとんど変化しない。
かつては「才人工房」の「内部進化」に所属しており、わずか2ヶ月で異能力者から大能力者まで成長した。だが、脳血管の異常拡張が原因の群発頭痛に悩まされ、能力が暴走して周囲の物を破壊してしまう症状に苦しんでいたが、当時は面識のなかった食蜂に「心理掌握」で治療された過去を持つ。超能力者の生きる世界に辿り着けず、実験事故から自分をかばって遠峰が死んでしまった経験から、自分の能力では降りかかる災厄から食蜂を守りきることができないと思っており、何かと食蜂と美琴との仲を取り持とうとするのは、同じ世界に生きる者がいつも食蜂の傍らにいてほしいと願っているためでもある。
元日には食蜂と初詣をするが、コタツシンドロームに当てられて高校受験への意欲を失ってしまう。
能力はレベル4の「天衣装着(ランペイジドレス)」。体細胞の電気信号を操作して肉体のリミッターを一時的に解除し、パワー・スピード・五感・動体視力などの身体能力を限界以上に引き出す。ビルの間を跳び回り、生身で鉄骨を振り回し、水の溜まった貯水タンクを投げ飛ばすなど、従来の身体強化能力と比較して極めて強力で、数年前の時点で出力だけなら超能力者級と言われ、拳打は大型トレーラーの衝突を上回るほどの破壊力があった。骨や関節など肉体の強度はそのままなので、あまり無茶をすると怪我をしてしまうのだが、高度な肉体再生も可能で、とりわけ再生速度は驚異的であり、負傷を瞬時に回復したため、自他ともに「怪我はなかった」と誤認した事例すら確認されている。しかし、代償として急激な細胞分裂と負傷箇所の回復が限界を超えると、主に「痛み」の形を取って能力使用に影響を与え、地獄の頭痛に襲われて意識を刈り取られるだけでなく、心身に過度の負荷を強い徐々に蝕んでいく。それ故、既に超能力者と認定しうるポテンシャルを有しながら、無意識の防衛本能が本来の力を引き出す妨げとなっている。そして三半規管の揺れや血中酸素濃度の低下を治すこともできない[14]。食蜂からの要求か、「対美琴個人戦用」の切り札を開発しているらしく、発電系能力者として磁気や電磁波の揺らぎを前兆として先読みでき、一方で能力のオンオフを美琴の側では検知することができない[11]。また、格上の「心理掌握」こそ防げないものの、発電系能力として体内の電気信号の異常に対して耐性がある。「幽体連理」の補助を受け負の電位で電子を跳ね返して「正の空間電荷層」であるイオン鞘を生じさせ、プラズマの直撃を耐えたこともある[15]が、基本的に放電は不得手で、光の粒子などに干渉することはできない。
寮監
声 - 生天目仁美[9]
常盤台中学の「学舎の園」外の学生寮寮監。本名不明。
29歳の女性。規則に対して非常に厳しく、美琴や黒子から恐れられている。能力者ではないがその戦闘能力は凄まじく、黒子を素手で一瞬で気絶させるほどである。
テレビアニメ版のオリジナルエピソードでは、休日に第13学区の児童養護施設「あすなろ園」でボランティア活動を行っており、仲間の大圄に好意を抱いていたが、彼は別の女性への求婚を決心していたため、失恋に終わる。
綿辺(わたなべ)
声 - 斉藤佑圭
常盤台中学の教師。眼鏡をかけた壮年の女性。月詠小萌とは旧知の間柄。食蜂の洗脳を受けており、彼女の駒となって行動することもある。
切斑 芽実(きりふ めぐみ)
声 - 小松奈生子
常盤台中学の生徒。大能力者(レベル4)。
自らの能力には自信を持っており、やや尊大な性格。大覇星祭の競技「バルーンハンター」において重石に勝利するが、潜んでいた別の学生の不意打ちによって失格となる。
能力はレベル4の「念動能力(テレキネシス)」。
口囃子 早鳥(こばやし さとり)
声 - 荻野葉月
常盤台中学3年生。食蜂派閥の一員。強能力者(レベル3)。
虫全般が苦手で、特にクモは眼前に現れれば失神してしまうほど。「バルーンハンター」では広域に散った仲間へ能力で指示を送る役目を担っていたが、前述の欠点を利用されて錯乱かつ絶叫してしまい、味方数名を道連れに脱落することになる。
『アストラル・バディ』で食蜂が誘拐された際には、最大の武器である「人脈」を駆使して北条を追い詰め、また本拠地のあった印刷工場へ向かい食蜂の身柄を確保した。
能力はレベル3の「念話能力(テレパス)」。一定の範囲内に存在する複数人と念話でき、距離の制約があるものの回線を「接続」した相手の位置を大雑把に把握できる。直接戦闘は苦手で、通信支援要員として必要な情報を前衛に伝え、ターゲットの座標まで精密に誘導・着弾させるのが主な役割[11]
牧上 小牧(まきがみ こまき)
声 - 留冬藍名[16]
『アストラル・バディ』の登場人物。常盤台中学の生徒。新人の「風紀委員」で、教育係は黒子が担当している。食蜂派閥のメンバーだが、恥ずかしいと言って彼女を「女王」とは呼ばず、さん付けで呼んでいる。薙刀の心得がある。
食蜂が入鹿たちに拉致されそうになった時には、「捕縛榴弾」を力技で破った相手に暴行を受けて重傷を負うが、黒子の教えを守って時間稼ぎに徹して潤子の到着まで粘った。
光学操作系の能力者。自分自身の姿と所持品だけでなく、手元から離れた物品も透明にすることが可能。見えなくした薙刀などを駆使して相手を翻弄する。ただ、猪突猛進型で脳筋な性格から、相手の手の内が分からないうちに突撃しようとする欠点がある。
弓箭 入鹿(ゆみや いるか)
『アストラル・バディ』の登場人物。常盤台中学の弓道部主将。猟虎の妹。大能力者(レベル4)。
常に陣頭に立ち好戦的に見えるが、本来は参謀ポジションを好み、権謀術数を駆使し、戦わずして相手を屈服させることで悦にいるタイプ。コミュ障の姉を支えていた影響で面倒見が良いが、ややスキンシップ過剰で、相手に無意識にキスをする癖がある。
「内部進化」の出身者で、同じ研究室に所属していた帆風に憧れていたが、実験事故で右目を切り裂かれて失明し、間も無くして研究室は解体される。本当は超能力者になれるほど凄いはずの帆風が、優しくお人好しなせいで人に譲ってばかりでいて、食蜂の2番手に甘んじていることに不満を感じ、彼女が凄いことを証明するために食蜂の誘拐計画を立てる。「悪意」だけが込められた「インディアンポーカー」で警戒させた食蜂に鞄盗難の犯人の記憶を読ませることで、脳内の視覚野に直接「閃打」を叩き込むことで失神させ、駆けつけた潤子も強化繊維の網で拘束することで、食蜂誘拐に成功する。その後、帆風を呼び寄せて戦いを挑んだが敗北し、第7学区の病院へ入院する。北条に庇われたこと、自分もまた何者かの精神操作を受けていたことが判明したため、利用されただけという扱いになった。
帆風の影響で隠れゲコラーとなっており、弓道勝負で黒子や帆風に勝って手に入れたゲコ太ポーチをとても大切にしている。帆風の前では本音と建前が逆になってしまう。また、帆風が削板に好意を持っていると思い込んでいる。
能力はレベル4の「波動操作(ウェイブコンダクター)」。といった「波動的な性質を持つもの」を、増幅したり収束したりと自在に操る能力。攻撃にも転用でき、柄の長い軍用懐中電灯から発生させた螺旋の光を両刃の刀として鉄筋をも切断する「小烏丸(こがらすまる)」、すぐに焼き付いてしまうのが欠点だがレーザーポインタで光線を連射する「猟弓(さつゆみ)」、ホイッスルから発する音の攻撃「虎落笛(もがりぶえ)」、光の点滅で脳内の電気刺激の異常を誘発し光過敏性発作を起こさせて失神させる「閃打(フラッシュ)」といった多様な攻撃手段を持つ。また、失った右目は「機械の目(プリズム)」に置換され、暴走させた上で能力を上乗せすれば中空に漂う微細な光を一室を満たす極細のレーザーに変換する「綾鏡(プリズム)」を使用できるが、一度使えば焼き切れてしまう上、眼窩で高温を発するので自分自身も無事では済まない。これらの力は、波動の発生源が手元にある方が操作しやすい模様。その他にも、光信号を送ってドアロックを解除することなども可能。
神苑小路 瑠璃懸巣(しんえんこうじ るりかけす)
美琴が1年生の時の先輩。通称ルリ先輩。型に嵌まらない不覊奔放な性格で、教師にも御せない自由人として知られている。派閥は無所属だが、三大派閥からも一目置かれる実力者。ストロベリーブロンドをツインテールにして、オニキスの髪留めにぐるりと巻いているので、ゲコ太の目のように見える。ワイシャツの前をボタン1つだけ留め、ルーズソックスに紐なしスニーカーという常盤台のお嬢様では珍しい服装で、美琴と同じくスカートの下にはホットパンツを穿いている。
常盤台に入学したばかりの美琴と仲良くなり、魔の自動販売機に1万円札を呑まれた彼女に自販機蹴りの技を伝授した。超能力者として学校でも浮いていた美琴にとっては数少ない親しい人物の1人であった。
潔斎 雪紫(けっさい きよし)
1年前における美琴と同学年のルームメイト。1年前時点で1年生。所属は支倉派閥。
派閥からの指示で美琴をマークして動向を報告している。派閥に無関心だった美琴に三大派閥の解説をした。美琴を介して瑠璃懸巣とも面識を持ち、お嬢様としては破天荒な2人に内心で突っ込みを入れる。その後の水鏡派閥との抗争が開始すると、1人で下校している時に閏井、朝倉から襲撃を受け、間一髪で美琴に助けられる。
能力は蒸気の生成。
沙 淡扇(シア=タンシャン)
1年前における常盤台最大派閥を率いていた女学生。当時2年生。涙目リムの眼鏡と牡丹の髪留めをつけている。中学生離れしたスタイルの良さを誇るが、ノーブラ。派閥員以外と自分から話すことは少なく、携帯するパンダポーチで腹話術を使って会話する。浮世離れした変わり者だが、意外と毒舌
全校生徒の23%を占める沙派閥の特徴は慈善事業で、「有力者の責務」という理念の下、砂漠を買収緑化するなどのボランティアを行っている。派閥員も奉仕精神に溢れるメンバー揃いで、人望と実力を兼ね備え、ここ最近常盤台の評判が際立っているのは沙派閥のお陰とされる。新人の勧誘はしない方針だが、何故か員数が増えていたのだという。その一方で「保健室の女帝」と渾名がつく程に超病弱で、か弱さ儚さが庇護欲を誘っている。
水鏡派閥と支倉派閥の抗争に際し、学友同士の組織的対立を捨て置くわけにはいかないと介入を決断。発端となった2人がどちらも嘘を言っていないという可能性を考慮する。
リリー
沙派閥の一員。1年前時点で2年生。
派閥間対立の原因となった2件の事件で双方の証言が食い違っていたことから、その状況を作れるのが食蜂だけと考えて、彼女から話を聞こうと拘束を試みる。危害を加えるつもりはなかったが、食蜂が持ち前の運動音痴で自爆し、困惑した隙に駆けつけた帆風によって昏倒させられる。
林麗華[17]
沙派閥の一員。1年前時点で2年生。大能力者(レベル4)。
リリーに指示されて食蜂の拘束を試みたが、突然蔓が枯れてしまい、駆けつけた帆風によって昏倒させられる。
能力は植物の成長速度の操作。蔓植物の取り扱いを得意とする。奥の手として花粉を爆発的に生成させて花粉嵐を巻き起こすことができるが、嵐の中心に自分がいることが条件であるため、使用には専用のマスクが必須となる。
欧陽茜[17]
沙派閥の一員。1年前時点で1年生。大能力者(レベル4)。
リリーに指示されて食蜂の拘束を試み、リモコンの入ったハンドバッグをに盗ませるが、駆けつけた帆風によって昏倒させられる。
能力は鳥類を呼び寄せ操るもの。一度に操れる鳥の数と指示内容の複雑さは反比例し、単純な命令であれば100羽以上同時に操れる。鳥と視界を共有することもできるが、激しい乗り物酔いに襲われるため好まない。
水鏡 凪紗(みかがみ なぎさ)
1年前における常盤台で第2の巨大派閥を率いていた女学生。当時3年生。
全校生徒の19%を占める派閥員は自身の能力に惹かれた俗物的なメンバーが多く、理想のスタイルを手に入れるために派閥に貢献しようとするので、成果を出そうとする熱量は三大派閥一。
元々人付き合いが苦手だったが、己の能力が他人と繋げてしまい、それが次第に見ず知らずの相手にまで広がってしまい、結果、自分の時間を潰された挙句に文句まで言われて辟易とする。そこで人生が他人に食い潰されないよう、中学デビューを機に防衛ラインを引き、入学直後に派閥を立ち上げて等価交換で能力を使うことに決める。だが、常盤台生の予想以上の美容意識の高さから加入希望者が殺到し、自身を永代姫君に推戴するための活動が最大貢献だという空気が醸成されて一時は最大派閥にまで成長するという誤算により、静かに暮らしたいという細やかな夢は叶わなかった。
今でもコミュニケーションは苦手であり、自分が頭を下げて早めに対立を解消しようと考えたものの、派閥員の反対から実行できず、安賭からの襲撃を受ける。一緒にいた角坂と助澤につい八つ当たりして、2人に逃げるように言って自分がやられて派閥を解散することでことを収めようとするが、自分のために囮になった2人の元に戻る。
能力はあらゆる油分を操作する「油性操作(オイルディレクション)」。自他を問わず脂肪の配分を変え、体型を自在に変更する事ができる。一時的に肥満体型になって打撃の衝撃を軽減することも可能だが、服が破けてしまうのが欠点。
花山院 つかさ(かざんいん つかさ)[17]
水鏡派閥の一員。1年前時点で3年生。大能力者(レベル4)。
能力を利用し、学園都市を代表する彫刻家の一人として名を残している。家柄至上主義で、常盤台に平民が通うことを快く思っていない。炎乗を「化石じみた古さだけが売りの旧家」「田舎の名士崩れ」「下賤の輩」「辺境の民」と侮辱して一触即発となり、同日の放課後に彼女の能力と思しきリボン操作攻撃で絞殺されかける。
能力は圧縮空気で対象を切断・研磨・締め付けるというもの。出力は並みだが精密さは巧緻を極める。
閏井葵花[17]
水鏡派閥の一員。1年前時点で3年生。大能力者(レベル4)。
一時派閥の立ち上げを検討していたが、美容と健康を取って水鏡派閥に入る。下校中に何者かに襲撃を受け、友人が負傷。これを支倉派閥の手によるものと断じて潔斎を襲撃するが、美琴の介入で撤退した。
能力は天然ゴムの生成。強力なゴムロープを使った敵の捕縛や高速移動、ゴム風船のクッションや絶縁障壁形成など、用途は多岐に渡り、守りに徹されると美琴も敬遠するレベルの鉄壁の防御を誇る。
朝倉・オリビア・萌亜[17]
水鏡派閥の一員。1年前時点で3年生。強能力者(レベル3)。
自分の容姿に特に不満はないが、付き合いで水鏡派閥に入る。閏井と共に下校中に襲撃をされて、潔斎に報復するが、美琴の介入で撤退した。
能力は体表の角質の変化。および硬質化した皮膚は恐ろしく強靭であり、コンクリートを深く抉り、たとえトラックに撥ねられたとしてもトラックが傷つく。
角坂凛奈[17]
水鏡派閥の一員。1年前時点で2年生。強能力者(レベル3)。
水鏡が能力を使いたがっていないことを薄々察しており、安賭の襲撃時に彼女の本音を聞いたことで、身代わりになって立ちはだかる。
能力はキチン質の鎧の生成。甲殻類の殻や昆虫外骨格のような鎧を身に纏う。理論上は戦艦並の装甲を実現することも可能だが、実際にやると殻が分厚くなりすぎて動けなくなる。装甲強度は高いものの、拘束攻撃には弱い。
助澤世菜[17]
水鏡派閥の一員。1年前時点で2年生。強能力者(レベル3)。
子供の頃に別荘の湖で大量発生しているのを見て以来、カエルが大の苦手で、カエルのマスコットも嫌い。水鏡が能力を使いたがっていないことを薄々察しており、安賭の襲撃時に彼女の本音を聞いたことで、身代わりになって立ちはだかる。
能力はカルシウムの操作。カルシウムのサプリメントを摂取することで自身の骨や歯を強化したり、地中のカルシウムを集めて武器防具を作り出すことができる。
支倉 冷理(はせくら れいり)
1年前における常盤台で第3の巨大派閥をひきいていた女子生徒。当時3年生。
全校生徒の17%を占め、立ち上げは当時の三大派閥の中で最も古い。だが後続の2派閥に抜かれており、そのために周りを蹴落としても上に行こうとする向上心溢れる肉食系派閥である。
勧誘を兼ねて美琴と勝負をし、彼女が初めて発動した「超電磁砲」の誤射で吹き飛ばされ、負けを認める。その後、能力実演のデモンストレーションでパリにいる時に、派閥員が暴走して水鏡派閥との抗争へ発展、極力1人になるのを避けて派閥で集まり、対立を避けるよう指示を出す。
安賭蜴吹禾[17]
支倉派閥の一員。1年前時点で3年生。在校生一の長身。強能力者(レベル3)。
支倉に心酔しているが、独断専行が多い問題児。水鏡派閥との抗争では支倉の意向を曲解して敵の頭を攻め落とそうと単独で襲撃を敢行、立ちはだかる取り巻きの角坂と助澤を圧倒する。
能力は両手で触れている物体の支点と作用点を自在に変化させるもの。戦闘では鎖付きの鉄球を扱い、鎖の途中に支点を設置することで変則的な軌道で振り回す。
炎乗 香炭(えんじょう -)[17]
支倉派閥の一員。1年前時点で2年生。強能力者(レベル3)。
ながらく没落していたが最近ひと山当てて盛り返した、地方旧家の娘。実家を侮辱した花山院と口論になり、同日の放課後に彼女の襲撃が起こったことで犯行を疑われるが、同派閥の友人と一緒にいたとアリバイを主張する。
能力はリボンなどの状の織物を自在に操るもの。生地の強度を高めともできるが、強度は生地面積に反比例する。この能力を持つのは常盤台では炎乗だけ。
夕暮 金糸雀(ゆうぐれ かなりあ)[18]
常盤台中学2年生。強能力者(レベル3)。亜麻色の長髪の少女。愛称は「スズメ(ちゃん)」。新聞部所属。爪羽鶏の姉。美琴とはクラスメイトで、彼女を「ミサゴちゃん」と呼んでいる。
常時スーパースローの呪いがかかった極限ほんわかお嬢様だが、約束事にうるさく、「とんでもなく」正義感が強い。ただ、常時スーパースローの呪いのせいで体裁だけの激甘難易度とされる風紀委員の体力測定試験を突破できず、現在は警備員と風紀委員を両方監視して透明性を高められる民間の第3勢力設立をモチベーションとして活動中。
推薦入試期間で「学舎の園」を訪れる妹と合流する筈だったが、調べ事をしているという連絡を最後に消息を絶つ。ロストピースの1つだった針葉樹の人工林内で食料生産用の地下工場を発見するが、調査中にレザネリエらに襲われて昏倒し、捜索に来た美琴に救出されインディペンデンスの情報を伝える。その後はある程度回復して地下工場で入手した情報を初春に伝え、潜伏していたキッチンカーがディベート代表達に包囲された際にはエフィルティを殺さずに無力化する。
能力はレベル3の「完全消毒(ミクロダイイング)」。触れただけで目には見えないあらゆる微生物を抹殺する能力で、特定の微生物だけを選り分けて生き残らせる事も可能。体に触れるだけで腸内細菌肌や舌の上でバリアになっている微生物を全滅させられて、生きたまま体中にカビがもっさり生えて死亡し、逆に殺人ウィルスがばら撒かれた中でもマスク防護服なしで無傷でいられ、生物兵器ワクチンも自由自在に作り放題という、個人の暗殺から超国家レベルの大量破壊まで思いのままの、殺傷力だけなら「超電磁砲」以上の「ヤバい能力」で、悪知恵を身につける程にヤバさが跳ね上がる。また、乾燥や酸素を嫌う微生物が粘質物を作って体を守る習性を利用して、地面でも壁でも亜音速でスケートのように滑る移動方法を獲得できる。
レザネリエ=サディス=ダイヤライン[18]
常盤台中学3年生。東欧ダイヤライン皇国の君主という本物のロイヤルお嬢様。常盤台中学ディベート大会代表、兼、馬上戦闘部部長。大能力者(レベル4)。
赤毛のセミロングで、胸元は豊か、頭に宝石をちりばめたティアラを乗せ、制服スカートの下に乗馬ズボンを着用している。見た目と言動が尊大で、語尾に「なのじゃ」を付ける。西洋系の武器の中でも特に習得の難しいハルバードを変幻自在に操る。
練習の事故で脚を骨折した愛馬のビストリオが、回復の見込みがなく遺伝的にも基準以上の価値が認められないと呆気なく殺処分されたのがきっかけで、いつかは国に戻らなければならない自分も同じように、能力開発の機密を持ち帰られないよう最後には先生達の都合で捨てられてしまうと考え、大人達に対して哀しみと憎しみを抱く。本心を隠して他校のディベート代表を従え、国家事業クラスの大金を投じて密かに「学舎の園」を飛行フロート化し、高度5000mの高空へ浮かべ学園都市からの「独立」を決行する。独立政権では君主となり、「学舎の園」のお嬢様達を熱中させる「扇動者」として、学園都市の社会問題を作り出す大人達への反感を掻き立て、さらに痒み物質を拡声器で散布して、無自覚に溜め込まれたフラストレーションを大爆発させる。そして地下工場では賄い切れない食料不足を乗り切るための口減らしを兼ねて合理性のない意味不明な校則を増やしたがる教師陣の公開処刑を行おうとし、止めに入った美琴と交戦。初戦では力押しで正面から美琴を下し、彼女を裏切り者としてローラー作戦で追い詰めようとする。だが、「完全消毒」を警戒して遠距離から衰弱させて餓死させる予定だった金糸雀が救助されて地下工場の情報が初春の手で曝露され、食蜂派閥からの情報提供で能力の謎を解いた美琴に敗れた。
能力はレベル4の念動系「赤色支配(クリムゾンマネージャ)」。一定範囲内のを操る念動力で、発動すれば人間の限界を超える速度で金属を暴れ回らせる。本気を出せばハルバードの技術と破壊力が殺人的にブーストされ、マイクロ波レーダーを常時展開し瞬間最大マッハ3の「超電磁砲」を操る美琴でも対応できない高速の猛攻を可能とし、同じ速度と勢いで鉄筋や鉄骨を振り回せば銀行の金庫室や軍艦でも壊し放題という出力を誇る。金属操作に関しては応用も利き、美琴の「砂鉄の剣」の高速振動を止めたり、「超電磁砲」の弾体を錆びさせて威力を減衰させる事もできる。ただ、入念に「準備運動」をしなければ肩関節脱臼し、使った武具は必ず急激に錆びて壊れていくので使い捨てになる。錆びにくいステンレスチタン合金でも10分程で崩壊するため、戦闘中に武器を失うリスクを抱えており、逆に全く錆びない純金では柔らかすぎて武具にできない上に能力も適用されない。加えて、酸化現象に伴う発熱・発火を操作する事もできない。
赤鮫(あかざめ)[18]
常盤台中学の女教師。爪羽鶏の面接を担当した試験官の1人。
「独立」した「学舎の園」で裁判にかけられ、一方的に絞首刑にされそうになったが、美琴によって救出された。

その他の登場人物

上条 当麻(かみじょう とうま)
声 - 阿部敦[4]
本編『とある魔術の禁書目録』の主人公。無能力者(レベル0)の高校生。「幻想殺し(イマジンブレイカー)」という能力を右手に宿す。
御坂妹(ミサカ10032号)
声 - ささきのぞみ
御坂美琴のクローン・妹達(シスターズ)の一人。絶対能力進化実験中止後における、最も若い型番の個体。実験に於いて一方通行と戦闘を行った個体(1号~10032号)の中で、唯一生き残る。
固法 美偉(このり みい)[注 6]
声 - 植田佳奈[9]
「風紀委員(ジャッジメント)」第177支部所属。黒子や初春の先輩に当たる女子高生。強能力者(レベル3)。
セミロングヘアに眼鏡をかけ、着痩せするプロポーションの良い容姿を持つ、巨乳のクールビューティー。面倒見の良さと厳しさを併せ持ち、かつて新人研修を担当された時から性格や問題点を見抜かれていた黒子にとっては頭が上がらない人物。美琴も頼りがいのある人物として慕っている。
中学時代に能力開発に行き詰まり、自分の能力を隠してスキルアウトの「ビッグスパイダー」に所属していた過去を持っているが、ある事件をきっかけに脱退、「風紀委員(ジャッジメント)」に転向する。
「革命未明編」で「スタディ」が「革命」を起こした際には、風紀委員として学級会の第二会場の防衛を担当した。「天賦夢路編」では公園火災での避難誘導に協力している。
能力はレベル3の「透視能力(クレアボイアンス)」。相手を透視することで、隠し持っている武器などを発見できる。視覚に依存した能力なので常時360度全部見えているわけではないが、振り返らずとも背後が見え、ビルを丸ごと挟んでも正確に「透視」するどころか、塵や埃、大気中の水分や温度差による光の減衰歪曲、細い隙間を通る際の回折、壁による反射といったあらゆる障害物と誤差を無視した、歪みのない正確な「完全純粋視界」を得ているため、距離の減衰は通用せず1km以上離れた対象も鮮明に視認し追尾が可能。さらに「風紀委員」としての経験の厚みで「見るべきもの」に注目する洞察力を底上げしているので、自家生産される邪魔なハズレ情報の過多に翻弄される事はない[19]。ただ、能力使用中は光の減衰が一切ないため、「雲の中の雷」のような常人では認識しにくい強烈な閃光が目潰しになるという弱点を抱え[20]、手前の障害物にぶつかる危険があるので常には能力に頼らないようにしている[19]
地力の逮捕術の腕も一流で、体重差3倍の筋肉マッチョを膝蹴りで一撃KOした事もあるなど様々な武勇伝を持つ[20]。防戦限定ルールの模擬戦でも「空間移動」を駆使した黒子の奇襲を完璧に迎撃する程に強いが、本質的にはアーチェリー対物ライフルのような飛び道具を用いる奇襲に向いた、「襲う側」に最適な能力(黒子曰く「闇討ちヤンキー能力」)と言える[19]。「ビッグスパイダー」在籍中に、オートバイの運転技術も習得。愛車は黒妻綿流から預かった・Z1000 MKII(車体色、ルミナスネイビーブルー)[注 15]
テレビアニメ版では大幅に出番が増加している他、プロポーションがさらに強調されており、ビキニの水着姿や全裸の入浴姿は美琴達の注目の的。見かけによらずかなりの大食いであり、若干空気が読めない旨も描かれている。また、ムサシノ牛乳を頻繁に飲む旨も描かれている。ブランド品には目がない。
『禁書目録』には新約6巻で初登場。
アケミ、むーちゃん、マコちん
声 - 矢作紗友里小橋知子石川桃子
初春・佐天の同級生たち。本名不明。
佐天と共に彼女が入手した「幻想御手」を使用したが、間もなく昏倒する。テレビアニメ版では「幻想御手」事件後の特別講習にも登場している。
アケミの能力はレベル0の「念動力(テレキネシス)」[21]。「幻想御手」の使用時には、人を浮かせるくらいの強度になっている。
硲舎 佳茄(はざまや かな)[注 16]
声 - 竹達彩奈
学園都市に住む小学生の少女。
誕生日プレゼントとして両親から貰った鞄を紛失したことから、風紀委員に捜索を依頼していた。その際に美琴と知り合う。後に「Seventh mist」の店内で上条と共に再登場。介旅から爆弾と化したカエルのぬいぐるみを預けられてしまう。「妹達編」「天賦夢路編」にも引き続き登場。
ゲーム版でも第一章「空き地のカミキリムシ」に、都市伝説である「空き地のカミキリムシ」の被害者の一人として登場している。
木原 幻生(きはら げんせい)[注 6]
声 - 高岡瓶々
かつての木山の上司である初老の科学者。木原一族の一人。
「(SYSTEM)」研究分野の元老[22]。AIM拡散力場の共鳴による「RSPK症候群」の集団発生の可能性についての論文で有名な人物であるが、一部科学者の間では非合法な人体実験も平然と行うマッドサイエンティストとして知られ、孫のテレスティーナを「体晶」の最初の被験者にした。「置き去り」の子供達を使った「暴走能力の法則解析用誘爆実験」(表向きは「AIM拡散力場制御実験」)を主催し、被験者の子供達を昏睡状態にし、「幻想御手」事件や「乱雑開放」事件のきっかけを作った張本人。また「(絶対能力進化計画)」の提唱者でもある。
実験中に予想外の事態を見ると周りが見えなくなるという癖のために何度も事故に遭っており、その体はサイボーグ化され「代替技術の見本市」状態である。また、「幻想御手」で「多才能力」を実現しており、目ぼしい能力者を拉致監禁することで、後述の「心理掌握」のほかに「風力使い」や「透視能力」も所持している。
乱雑解放編では、レベル6の創造を目論み(能力体結晶)(ファーストサンプル)を用いた方法を提唱し、「暴走能力の法則解析用誘爆実験」の目的も「能力体結晶の投与実験」となっていた。
現在の消息は不明とされていたが、大覇星祭の裏で暗躍し、密かに「妹達」を奪取してミサカネットワークを掌握し、美琴を絶対能力者へ導くために行動する。「幻想御手」を使って「外装代脳」に干渉することで「心理掌握」の能力を手に入れ、10032号を介してミサカネットワーク内にウイルスを流し込み、生じた莫大なエネルギーを美琴へ注入することで絶対能力者への進化を開始させる。その企てに気づいた食蜂と対峙し、計画を進めるために「外装代脳」のリミッター解除コードを奪おうと試み、「多才能力」で彼女を追い詰めたが、自分に能力を使用し解除コードと自壊コードに対する認識を入れ替えた食蜂の奇策によって自ら自壊コードを入力する事になり、崩壊する「外装代脳」へのダメージが自身に跳ね返って倒れた。
柳迫 碧美(やなぎさこ あおみ)[注 17]
声 - 柚木涼香
『とある二人の新人研修』で登場。固法のルームメイトで、同じく「風紀委員」の一員。プライベートを優先して、積極的には活動していないが、革命未明編や天賦夢路編での作戦には固法と共に参加する。
カイツ=ノックレーベン(Keitz=Nokleben)[注 17]
声 - 林和良
警備強化専門の「知的傭兵(アドバイザー)」と自称する金髪の男性。情報戦を得意とし、慎重かつ周到な性格。
「絶対能力進化計画」では警備の責任者を務めており、美琴の研究施設襲撃に対しては「アイテム」による施設防衛、さらに外部施設への研究引き継ぎを行って計画の続行を図る。計画中止後は天井に全ての責任を押しつけており、その後は食蜂に雇われて彼女に協力している。「大覇星祭編」では木原幻生の行方とその目的を掴むために行動し、ダミーサイトを突破して食蜂の存在にたどり着いた初春を逆探知して正体を突き止め、ナノデバイスによって昏倒した御坂妹の保護も行なっていた。「天賦夢路編」ではインディアンポーカーの製作者探しを依頼されており、調査の中で施設で暮らしているとされた操歯の正体が実験で発生したドッペルゲンガーであることを突き止める。
黄泉川 愛穂(よみかわ あいほ)
声 - 甲斐田裕子
学園都市内警察組織「警備員(アンチスキル)」第73活動支部所属の女性隊員。
一方通行(アクセラレータ)
声 - 岡本信彦
学園都市第1位の超能力者(レベル5)。本編『とある魔術の禁書目録』の主人公格の一人。
麦野 沈利(むぎの しずり)、フレンダ=セイヴェルン(Frenda=Seivelun)、絹旗 最愛(きぬはた さいあい)、滝壺 理后(たきつぼ りこう)
声 - 小清水亜美(麦野)、内田真礼(フレンダ)、赤﨑千夏(絹旗)、洲崎綾(滝壺)
学園都市の暗部組織「(アイテム)」の構成員。
垣根 帝督(かきね ていとく)、「心理定規」(メジャーハート)、誉望 万化(よぼう ばんか)
声 - 松風雅也(垣根)、井澤詩織(心理定規)、広瀬裕也(誉望)
学園都市の暗部組織「(スクール)」の構成員。
御坂 美鈴(みさか みすず)
声 - 篠原恵美
御坂美琴の母親。
インデックス
声 - 井口裕香
本編『とある魔術の禁書目録』のメインヒロイン。10万3千冊の魔道書を記憶している。
青髪ピアス
声 - 川原慶久
上条のクラスメイト。
浜面 仕上(はまづら しあげ)
声 - 日野聡
スキルアウトに所属する少年。本編『とある魔術の禁書目録』の主人公格の一人。
吹寄 制理(ふきよせ せいり)
本編『とある魔術の禁書目録』のヒロインの一人。とある高校に通う女子生徒。大覇星祭実行委員会の一人。
姫神 秋沙(ひめがみ あいさ)
声 - 能登麻美子
本編『とある魔術の禁書目録』のヒロインの一人。とある高校に通う女子生徒。
警策 看取(こうざく みとり)
声 - 富田美憂[23]
暗部組織「メンバー」の仲介人を務める、15歳の少女。大能力者(レベル4)。「大覇星祭編」から登場。
陽気な性格だが酷薄。一部の単語をカタカナにする喋り方が特徴。学籍上は霧ヶ丘付属中学校所属。大覇星祭の14ヶ月前にテロ未遂を起こして少年院に収容され、その1年後に少年院内で病死したことになっている。
実は、かつて「才人工房」に所属するドリーの友人だった「みーちゃん」である。ドリーとの仲を深めていく中で彼女の肉体が限界であることを知り、研究者にクローンの人権を訴えるものの暴行を受け監禁される。食蜂が組織を乗っ取ったことで解放されたが、クローンだけでなく自分たちも実験材料としか見ていない学園都市上層部への憎悪を抱き、上述のテロを企てた。収監中に接触してきた木原幻生の手引きで秘密裏に出獄し、学園都市を破壊するため、彼の依頼で美琴の絶対能力者進化計画に協力する。仲介役になりすまして「メンバー」を操り「妹達」を捜索させていたが、博士に偽物だと突き止められて手を引く。幻生が計画通り美琴を進化させ始めた後は、「幻想御手」を利用し「心理掌握」を共有することで暴走する美琴の思考を誘導しつつ、黒子の追跡から逃れて大会中継用のカメラをハッキングして人形を遠隔操作していたが、初春がそのカメラに合成映像を流している間に黒子に自分の居場所を突き止められ、近接戦の末に敗北する。
事件後、黒子に手錠をかけられ放置されていたところを食蜂に拾われ、彼女に連れられドリーの記憶を持つ「妹」と再会を果たす。その後はカイツと共に食蜂の個人的な協力者になっており、人形を介して連絡の仲介やドリーのお守りを行っている。獄門開錠編の脱獄トライアルにはドリーと一緒に参加した。
能力はレベル4の「液化人影(リキッドシャドウ)」で、比重20以上の液体を自在に操り、さらに液体で人形を生成し遠隔操作することができる。遠隔操作は数百キロ離れていても有効だが、生成した「液化人影」は聴覚・触覚以外の五感を持たないほか、本体と同じ容積、同じ体型でなければ精密操作に支障をきたすという弱点がある(別サイズでも精度は下がるが操作可能)。人形と視界を共有することはできないため、通常は反響定位を利用して周囲の様子を知覚しているが、人形にカメラを外付けするなどして擬似的に視覚を獲得することは可能。四肢の末端部を鞭のようにしならせることで金属やコンクリートを切断できるほどの威力を発揮し、女子中学生1人程度なら引きずって牽引可能なパワーも有している。また、人型になるだけで完全に人の姿に擬態させることはできないため、身代わりに使う場合は衣裳やカツラを装着させることでカバーしている。また、能力の使用感覚に似ている小型ドローンの操縦なども得意とする。
『禁書目録』本編では創約4巻で言及されている。12月25日の「(オペレーションネーム・ハンドカフス)」以降は食蜂と連絡が取れなくなっているが、食蜂は自力で切り抜けたのだろうと判断している[24]
ドリー(Dolly)
声 - 小原好美[25]
幼少期の食蜂が「才人工房」の研究施設で出会った少女で、「妹達」のプロトタイプ。
扶桑 彩愛(ふそう あやめ)
音響系能力者の少女。
リーダー、ナル、清ヶ、薬丸
声 - 藤田茜(リーダー)、古賀葵(ナル)、貫井柚佳(清ヶ)、西田望見(薬丸)
暗部組織「(屍食部隊(スカベンジャー))」の構成員。

ストーリー毎の登場人物

テレビアニメ版のみの登場人物はアニメ版の登場人物を参照。なお一部の人物はテレビアニメ版「乱雑解放」編、「革命未明」編にも登場する。

幻想御手編

木山 春生(きやま はるみ)
声 - 田中敦子[9]
大脳生理学の研究者。専攻はAIM拡散力場。8月9日生まれ。愛車はランボルギーニガヤルド(車体色ブルー・ケーラム、(シザードア)化)。
ウェーブのかかった栗色のロングヘアの女性で、目の下には濃いクマがある[注 18]。性格も見た目通り暗いが、容姿は良くプロポーションも良いため、「残念美人」と称される。一般常識に囚われない性格で、「暑い」「ストッキングが濡れた」などの理由で人前でも平気で服を脱ぎ出す癖がある(テレビアニメ版では、都市伝説の1つ「脱ぎ女」にされている)。
幻想御手(レベルアッパー)」事件の首謀者。かつては木原幻生の下でAIM拡散力場の研究に従事しており、その過程において被験者として集められた「置き去り(チャイルドエラー)」達の担任教師として彼らと過ごしていた。しかし、その子供達は「暴走能力の法則解析用誘爆実験(能力体結晶投与実験)」の犠牲となり、昏睡状態に陥る。以後は子供達を目覚めさせることを第一に研究し、そのために必要な「樹形図の設計者」の使用申請を23回も行うが、全て却下される[注 19]。そこで、代替の演算装置として「幻想御手」を開発、その音声ファイルをネットを通じて学園都市中へばらまいていた(別途、アンインストールする為の治療プログラムも開発)。美琴達に犯人と突き止められた後、「警備員」に包囲されるも自身の得た能力を使って圧倒し、逆に彼らを全滅させる。追ってきた美琴とも戦い、手加減していたとはいえ超能力者の彼女を一時は追い詰めるも、油断を突かれて敗北。その直後に「幻想猛獣(AIMバースト)」が発現したため、それを止めるべく美琴達に協力した。事件後は「警備員」に連行されるが、その際に美琴には「妹達」の存在を仄めかす発言を行っている。
能力開発を受けていないが、「幻想御手」の副産物で「多才能力(マルチスキル)」の能力を手に入れる。「幻想御手」によって形成された脳波ネットワークを用いることで、「幻想御手」に取り込まれた能力者の能力を自由に引き出し発現させる。一度に複数の能力を併用するということも可能で非常に強力な能力であったが、事件後は脳波ネットワークが解除されたため、使用不能となる。
テレビアニメ版では「幻想御手」事件以前のオリジナルストーリーで初登場し、「幻想御手」事件で連行された後の顛末がオリジナルストーリーの「乱雑開放」編として描かれている。自分を保釈してくれた冥土帰しの協力を得て昏睡状態の教え子達を快復させようとするが、それが「乱雑開放(ポルターガイスト=RSPK症候群の同時多発」)を引き起こした上、美琴との再会がテレスティーナに教え子達を奪われることに繋がってしまい、落胆。しかし、テレスティーナが本性を現した後は教え子達を守るべく奮闘し、美琴達と協力して彼女を倒す。その後、テレスティーナが持っていた「ファーストサンプル」を元にワクチンソフトを完成させ、教え子達を目覚めさせる。
介旅 初矢(かいたび はつや)[注 17]
声 - 野島裕史
「幻想御手」使用者の一人。「連続虚空爆破(グラビトン)」事件の犯人。異能力者(レベル2)。
イジメや不良に絡まれる生活を送っており、自分が被害に遭うのは対応が遅い「風紀委員」が原因だと逆恨みするようになる。そのため、「幻想御手」で強化された能力を使った爆破事件を起こし、「風紀委員」を狙っていく。初春を狙った際にその場に居合わせた美琴(と上条)の活躍で捕まり、「警備員」に連行された。
能力はレベル2の「量子変速(シンクロトロン)」。アルミを基点に重力子を加速させ、周囲に放出することで、アルミを爆弾に変えていた。「幻想御手」によって、最終的にはレベル4相当にまで成長している。
鉄装 綴里(てっそう つづり)[注 6]
声 - 遠藤綾[9]
第7学区の学校教師で、「警備員」第73活動支部所属女性隊員。眼鏡を掛けており、巨乳。
教師として生徒を守る気概と使命感はあるが、経験不足と真面目で控えめな性格ゆえに「警備員」としては気弱なところがあり、修羅場に弱い。登場する度、顔のどこかに絆創膏を張っている。
原作では単独行動が多いのに対し、テレビアニメ版では「警備員」の同僚である(黄泉川)と組んでの行動が多い((小萌)を入れた3人で飲み仲間同士でもある)。また、巨乳が「警備員」の制服を着込んだ上からでも見て取れるほどに強調されている他、第1話から登場したり第17話では主役を張るなど、出番にも恵まれるようになった。対戦型格闘ゲームのマニアであることや、使用キャラから「大宮ジェイミー」の異名を持っていたことなども明かされている。
本編には創約5巻で登場。12月25日の「オペレーションネーム・ハンドカフス」では第7学区の総合詰め所の惨劇から生き延びて脱出したものの、同僚達が守るべき子供達に殺戮された挙句、凄惨な結末に耐えきれずに次々に自殺していくという「洗練」を経て、弱肉強食がまかり通る「暗部」の強者への羨れと悪党は善人になれないという諦めから、未成年だろうと「消費型の凶悪犯」と見做して子供達を守る「怖い先生」になると決意、犯罪者と積極的に取引して吸収したテクノロジーでより強大な凶悪犯を撃破するアンチスキル=ネゴシエーターとなる。筋肉への命令信号そのものに手を加えて過剰運動を出力できる新時代のサイボーグ技術「磁力式浸透圧細胞膜操作」で地力を上げ、猛獣を調教する際に使われる様々な道具で身を固め、自分達が納得する方法で「ハンドカフス」にケリをつけるため、囚人護送列車「(オーバーハンディング)」のATSブレーキセンサーを操作して脱線事故を引き起こし、(楽丘のどか)を連れて車輌から脱走した「暗部」達を従えようと行動する。手始めにスナイパー兼パパラッチの(ベニゾメ)の捕縛に成功するが、第10学区のゴミ焼却施設では(妖宴)・(過愛)姉妹と(楽丘豊富)の抵抗に遭い、ベニゾメからの情報提供で現場に駆けつけた黄泉川によって撃破された。逮捕後はAIサポートを受けたスピード裁判で教員免許を剥奪される前に第10学区の(特殊犯罪者社会人矯正刑務所)に送致され、テレスティーナの隣の独房へ収監される[26]
枝先 絆理(えださき ばんり)[注 17]
声 - 佐藤聡美
木山が教鞭を執っていたころの生徒。「置き去り(チャイルドエラー)」と呼ばれる孤児の一人。
前髪をカチューシャで上げた少女。とても明るい性格で木山を信頼し、木山の心に温かな変化をもたらす。しかし、「暴走能力の法則解析用誘爆実験(能力体結晶投与実験)」の被験者にされ、実験の失敗によって眠り続けることになる。
「乱雑開放」事件の主要人物でもあり、ポルターガイストの原因の一人。春上とは同じ児童養護施設にいたときからの親友で、昏睡状態に陥った後は彼女のテレパスへ声を送っていた。最終話で、木山が完成させたワクチンソフトによって目覚める。
春上が肌身離さず付けているロケットペンダントに枝先の写真が入っている。木山の記憶で枝先を知った美琴と初春がこのペンダントの写真を見たことが、「乱雑開放」事件解明の糸口になる。
アニメ『超電磁砲S』では、早く学校に通うために病院でリハビリ生活を送っており、美琴たちから柵川中学の制服をプレゼントされた。第1期のDVD第8巻のジャケットでは、これと同じ制服を着ている。その後、夏休みの内に退院し、春上と一緒の部屋に住むことになった。「スタディ」が「革命」を起こした際には通信妨害を受けた風紀委員を援護するため学級会の第二会場に向かい、春上との「精神感応」で作戦をサポートした。
丘原 燎多(おかはら りょうた)[注 17]
声 - 大原崇
能力者で不良の少年。17歳。
発火能力(パイロキネシス)」の能力を持つが、能力開発に行き詰まり非行に走る。仲間と共に銀行強盗を行うが、黒子や居合わせた美琴に敗北。その後は仲間共々拘束される際、「努力して見返せるように」と黒子に諭される。アニメ版において、黒子は彼の能力をレベル3と評したが、「幻想御手(レベルアッパー)」を使用していたことが後に判明。本来の能力レベルは不明。
テレビアニメ版では、犯罪に手を染めた理由も「能力の上昇で調子に乗ったため」となっている。そのため、黒子の台詞も「反省して出直すように」と変わっている。
鋼盾 掬彦[注 17][注 20]
声 - 西健亮
レベル0のやや小太り気味の少年。
「幻想御手」の取引のためにスキルアウトと接触していたが、値段を吊り上げられて暴力を振るわれる。しかし、佐天と黒子の介入で難を逃れる。
テレビアニメ版では後に自力で「幻想御手」を入手し使用したが、間もなく意識不明となっている。「幻想御手」事件後の特別講習にも登場。黄泉川の指導する持久走トレーニングで最後まで走り続け、再起を誓っている。
トリック[注 17]
声 - 近藤孝行
スキルアウトのメンバー。本名不明。
白髪でチンピラのような風貌をしており、歯が所々抜けている。「幻想御手」使用者の一人で、「幻想御手」を他者に高額で売りつけていた。それを知って取り締まりに来た黒子に対し「幻想御手」によって強化された能力で挑むが、窮地に陥った彼女の本気を前に返り討ちとなる。
能力は「偏光能力(トリックアート)」。周囲の光の屈折を変化させて自分の位置を錯覚させる能力で、殺さずに広範囲への攻撃方法を持たない黒子を苦しめた。
冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)
声 - 仲野裕
第7学区にある病院に勤めるカエル顔の医師。テレビアニメ版でのクレジット表記は「カエル医者」。
釧路 帷子(くしろ かたびら)
「幻想御手」使用者の一人。
レベル4の「量子変速(シンクロトロン)」を持つ能力者であるが、「幻想御手」の副作用で昏睡状態に陥っている。
テレビアニメ版の「幻想御手」事件後の特別講習にも、モブとして登場している。
絶対等速(イコールスピード)
声 - 高橋研二
『とある二人の新人研修』で登場した郵便局強盗犯の一人。本名不明。
能力は「絶対等速(イコールスピード)」。投げた物体を、それが壊れるか能力を解除するまで、前に何があっても同じ速度で進み続けさせる能力。複数の物体を対象に発動させることも可能。

妹達編

布束 砥信(ぬのたば しのぶ)
声 - 葉山いくみ
長点上機学園3年生。「絶対能力進化計画」の研究員。17歳。
ギョロ目が特徴的で不気味な印象の女性。ゴシックロリータ調の服を好むようで、回想シーンや扉絵などで度々着ている。言葉の端々に英語が混ざる特徴的な話し方をする。タメ口を使う美琴に躊躇なくカバンで殴ったり、キックをかますなど長幼の序に厳しい。
幼少時から生物学的精神医学の分野で頭角を現し、薬学研究センターに在籍した後に学園へ復学した。「(量産型能力者計画)」に携わり、「(学習装置)」の監修をしている。実験の過程で「妹達」へ情が移り、「絶対能力進化計画」を阻止すべく、一方通行と妹達の戦闘が行われる区域の付近にマネーカードをばら撒き、そこに人目を向けることで実験の妨害を試みていた。その最中にオリジナルである美琴に出会い、彼女が「妹達」と実験の存在に気づくきっかけを作る。
美琴の実験施設襲撃の最中、別の施設に侵入して待機中だったミサカ19090号に自分が収集した感情データをインストール、それをミサカネットワークに広げ「妹達」に人並みの感情を獲得させようとした[注 21]が、データの伝播は「打ち止め」を介さないコマンドだったために失敗し、侵入を予測し待機していた絹旗に捕縛される。
所持能力は不明。スキルアウトに絡まれた際は「寿命中断(クリティカル)」という能力を持っていると騙り、話術と演出を巧みに使って撃退する。
テレビアニメ版ではキャラクターデザインが変更され、ギョロ目ではなくジト目になっている。オリジナルエピソード「革命未明」編では捕縛後「スタディ」に身柄を売られ[注 22]、自分の研究を基に生み出されたジャーニーとフェブリの調整をさせられており、「妹達」の時と同様の罪悪感と責任感から、表向き「スタディ」に従いつつ2人を連れての脱走を企てていた。全てが終わった後は美琴の尽力によって自由の身となり[注 23]、ジャーニーとフェブリの延命研究のため2人と共に国外の研究施設へと旅立つ。
天井 亜雄(あまい あお)
声 - 鈴木達央
「絶対能力進化計画」に携わる研究者。
草壁 優美(くさかべ ゆみ)、甘味 栄華(かんみ えいが)[注 17][27]
声 - 沼倉愛美(草壁)、金元寿子(甘味)
「絶対能力進化計画」に携わる女性研究者。
ミサカ1号、ミサカ9982号、ミサカ10031号、ミサカ10032号
声 - ささきのぞみ[9]
「絶対能力進化実験」に投入されたクローン「妹達」。
打ち止め(ラストオーダー)
「妹達」を統括するために作られた個体。製造番号20001号。

大覇星祭編

山根(やまね)
大覇星祭運営委員会の一人。
小太りの青年。上層部の決定で超能力者第6位との接触を図ろうとするも、全く手掛かりをつかめなかった。
網目(あみめ)
声 - 岩崎諒太
羽場跳高校の男子生徒。手に触れたものの摩擦係数を一定時間操作する能力者。
大覇星祭で等々力と二人三脚に出場した。路面の摩擦係数を操作することで二之腕生徒を脱落させ、最後の直線で一気に勝負を決めようとしたが、等々力の能力が着衣に引火して制御不能になりコースアウトしてしまい、美琴・婚后ペアによって救助される。
等々力(とどろき)
声 - 長谷徳人
羽場跳高校の男子生徒。空気中の水分を掌に集めて分解・燃焼する能力者。
大覇星祭で網目と二人三脚に出場した。自分の能力をブースターにラストスパートをかけようとしたが、藍鈴生徒によって服に付着させられていた包帯の残骸に引火させてしまい、パニックになってコースアウト、美琴・婚后ペアに救助された。
藍鈴生徒
声 - 山根綺白城なお
藍鈴女子高校の生徒。接触している物を自在に操れる「念動使い(テレキネシスト)」と、触れた物を原材料に分解する能力者のコンビ。二人三脚に参加し、開始の合図と同時に体に巻いておいた包帯に分解したアスファルトを付着させて相手を縛り、動きを封じることで単独スタートダッシュに成功するが、二之腕生徒がけしかけたハムスターに下着の紐を噛み切られて走行不能に陥る。
二之腕生徒
声 - 風間万裕子、荻野葉月
二之腕附属中学の生徒。「齧歯類限定」の「精神感応能力者(テレパス)」を含むコンビ。二人三脚で進路に待機させたハムスターにバンドを噛み切らせてリタイアさせる戦略を試み、藍鈴生徒を脱落させるが、網目の能力により路面を滑走してしまいコースアウトする。
重石(おもし)
声 - 蒔村拓哉
常盤台中学と「バルーンハンター」の競技で対戦した男子高校生。
無能力者(レベル0)。切斑の念動力に圧倒されるも、レベル2の「念動使い(テレキネシスト)」とのコンビプレーによって、自らを犠牲に切斑を破る。
野村(のむら)
常盤台中学と「バルーンハンター」の競技で対戦した高校生。
レベル3の能力者。美琴に間違えられて競技に参加していた御坂妹によって仲間もろとも全滅させられる。
真桑(まくわ)
声 - 三浦勝之
幼少期の食蜂操析の研究に携わっていた、「才人工房」の若い研究者。
リンゴが苦手だが、食蜂の能力でメロンと勘違いをして普通に食べさせられた。その後も精神操作は継続しており、「才人工房」掌握のために利用される。
海原 光貴(うなばら みつき)
学園都市の高校生。常盤台中学理事長の孫。実はアステカの魔術結社「(翼ある者の帰還)」所属の魔術師・エツァリ。
削板 軍覇(そぎいた ぐんは)
声 - 河西健吾[23]
学園都市第7位の超能力者(レベル5)。「とある自販機の存在証明」にも登場する。
月詠 小萌(つくよみ こもえ)
声 - こやまきみこ
とある高校の化学教師。
雲川 芹亜(くもかわ せりあ)
声 - 藤井ゆきよ[23]
とある高校に通う女子生徒。
ショチトル(Xochitl)
声 - 大和田仁美
学園都市の暗部組織「(メンバー)」の構成員。元アステカの魔術結社「翼ある者の帰還」所属の魔術師。本作では『禁書目録』15巻で登場した、女生徒に変装した外見で登場する。また「学芸都市編SS」では、本来の姿で登場している。
馬場 芳郎(ばば よしお)
声 - 林大地
学園都市の暗部組織「メンバー」の構成員。重石らとは同じ高校の生徒。
博士
声 - 杉崎亮
学園都市の暗部組織「メンバー」のリーダー。

天賦夢路編

美山 写影(みやま しゃえい)
声 - 峯田茉優[28]
松海小学校4年生。10歳の少年。予知能力者。
自身の能力で人助けをしたいと願っていたが、通常の手段では回避できない予知が原因でいじめられ転校した過去を持つ。自分が可愛がっていた野良犬のペロが火災に巻き込まれることを予知してしまい、その未来を変えることができる人材を探すため予知結果を宝探しアプリの形で配信しており、その過程で黒子と初春に出会う[注 24]。能力を酷使したことで赤血球の劣化が起こっており、これ以上の能力使用は命に関わる状態となっていた。入院中に大規模火災が発生してしまったが、黒子の尽力で未来を変えることができた。
能力は「予知能力」。インスタントカメラで念写した写真を研究施設の機器を通すことで、自分の周囲を中心に近い未来に起こる惨劇の瞬間のみを映した不鮮明な画像を得ることができる[注 25]。さらに、意識を集中させて写した写真を、念写能力者向けの解析ツールとして造られたアプリを通すことで時間と場所の情報をも念写できるが、この「第二段階」に関しては能力の悪用を防ぐため「書庫」にも載せていない。この予知結果はほぼ確定されたもので、3次元的な干渉で未来を変えることは不可能だが、空間移動能力者の11次元演算による干渉ならばその結果を変えることが可能。また、「幻想御手」の事件を予知することはできなかったことから、直接命に関わらない事件を予知することはできないとされる。
大河内 巡観(おおこうち - )[注 26]
声 - 山下七海
写影の元同級生。女子小学生。
不幸な予知しかできないと写影をいじめていた。自分が事故に巻き込まれる予知を聞くが、尽力の甲斐なく未来を覆すことができず重傷を負ってしまう。その際写影に辛辣な言葉を浴びせてしまうが、彼が転校してしまったことを知り後悔していた。その後、ペロを引き取ってほしいと頼まれ、承諾するとともに手紙で謝罪する。
ペロ
写影が可愛がっている野良犬。
火災に巻き込まれる予知結果が出たことが、写影が黒子たちを頼ることにつながった。写影を公園で待っていたところ、「インディアンポーカー」で得た情報を利用して作った肥料が原因で窒素化合物系の火薬庫と化した桜並木による大規模火災に巻き込まれてしまったが、黒子に救出され軽傷で済んだ。その後は、大河内が住んでいる寮に引き取られることになった。
査楽(さらく)[29]
声 - 高橋大輔
暗部組織「メンバー」の構成員。「(BLAU)」の上客。
結標 淡希(むすじめ あわき)
「窓のないビル」への「案内人」を務める空間移動能力者の少女。
芳川 桔梗(よしかわ ききょう)
「絶対能力進化計画」に携わっていた女性研究者。「とある自販機の存在証明」にも登場する。
土御門 元春(つちみかど もとはる)
声 - 勝杏里
とある高校に通う男子学生。
郭(くるわ)
伊賀くノ一
弓箭 猟虎(ゆみや らっこ)
声 - 鈴代紗弓[28]
「学舎の園」内のお嬢様学校「私立枝垂桜学園」の学生で、(「スクール」)の初代スナイパー。(砂皿)の前任者。無能力者(レベル0)。入鹿の姉。
「内部進化」の出身者だが、妹と違って能力は向上しなかった。悠里を使った実験中の事故の際、医師だけでなく入鹿からも蔑ろにされたショックから、ぼっちであることを極端に忌避する思い込みの激しい性格が形成され、能力開発に見切りを付け別の技術を磨いてぼっちからの脱却を図ろうと決意した。
狩猟民の追跡技術を習得しており、獲物が残した痕跡から情報を読み取り気配を完全に消すことができる。その精度は滝壺の「能力追跡」をも上回り、逃亡中のターゲットが仕掛けたトラップなども容易に見破れる。武器は袖口から炭酸ガスの圧力で射出される弾丸で、衣服の中に仕込まれた狙撃銃は腕の曲げ伸ばしで自在に組み立て・分解できる。実力を誇示し獲物が悶え苦しむさまに悦びを見出すタイプの狩猟者で、ターゲットを仕留める前に急所を外して徹底的に痛めつけ、命乞いを始めたところで殺すことを楽しんでいる。
学校では比較的好かれているものの、真面目な性格ゆえに任務を優先してしまうために学友とは疎遠であり、自身を孤独な存在だとだと思い込んでいる。そのせいでリア充に対しては逆恨みに等しい強い嫉妬心を抱いている。その性格と言動から「スクール」構成員からも距離を置かれている。
「ピンセット」の情報所持を疑われて拘束されながらも逃げた佐天と、彼女を救出したフレンダの追跡を依頼される。学友と外出する機会を潰された憂さ晴らしもあってフレンダを執拗に追い詰めるも、佐天が囮となったことでうっかりぼろを出してしまう。フレンダとの一騎打ちでは爆弾の一斉爆発で酸欠になり、空気を求めて外を目指すが口に小型爆弾を詰められた状態でビルから突き落とされ、さらに上空から人形爆弾の追撃を受けて敗北。仲間の誉望に助けられて一命をとりとめたが顔面を大きく損傷し、フレンダへの執着心が狂気的なまでに増幅されてしまいスナイパーとしては再起不能となる。その後の消息は不明[注 27]
しかし原作13巻のアイテムの打ち合わせで「絹旗がスクールのスナイパーを潰した」と公言しており、当のスクールでは既に補充要員として砂皿が合流していたため、明言されてはないがこの際に挙げられた戦死者が彼女だった可能性が非常に高い。
操歯 涼子(くりば りょうこ)
声 - 種﨑敦美[28]
第20学区にある新色見中学に通う14歳の少女。「インディアンポーカー」の開発者。
幼いころに事故に逢い、母のを移植されたことで生き延びたものの、元々病弱だったせいで術後さらに体調を崩した母を恢復させるため、学園都市でサイボーグ治療の研究を行っていた。薬品反応で収縮する人工筋肉や、肉体との接合面の拒絶反応を抑える抑制素材などの開発を手掛けていた。限界に近づく母の命を救うためサイボーグ技術の被験者として自ら志願し、体を機械で補い1年の間「2人になって」暮らしていたことがある。「才人工房」にも出入りしていた時期があり、この時に触れた技術をもとにインディアンポーカーを作り出した。
実験後は体を元通りにつなぎ合わせ、施設を出て元の暮らしに戻っている(表向きは施設内で生活していることになっている)が、生成された新たな魂が機械の肉体から解き放たれたときの危険性を憂慮している。自分だけではドッペルゲンガーへの対抗策を思いつかなかったことから、インディアンポーカーを広めて誰かが解決してくれることを期待していた。
ドッペルゲンガーが脱走した際には暴走を食い止めるために自身の魂を犠牲にした交渉を行い、その条件として航空機の上から飛び降りたが「屍食部隊」の尽力で救助された。美琴と合流した時に所長からドッペルゲンガーを復元するように要求されるが、その遺志を尊重するために拒絶。その際、所長の拳銃で誤射されて左腹部を損傷し、ドッペルゲンガーの残骸を移植することで一命を取り留めるが、ドッペルゲンガーと共生することになり、夢の中で研究にダメ出しされたり一晩中自分の黒歴史を語られたりしている。
ドッペルゲンガー
声 - 種﨑敦美
操歯の実験で使用されたサイボーグの義体に宿った「新たな魂」とされるものの通称。体格は操歯と同等だが、全身が機械なので総重量は100kgを超える。体は頑丈に作られており、美琴のフォローがあったとはいえ高層ビルから飛び降りても問題なく活動できるほか、生命に危害を加えるような行動を抑制するための自己保存機構が搭載されているため自分で自分を破壊することはできない。
実験終了後は自分自身を操歯涼子本人だと思い込んでおり、それに伴って周囲の認識にも齟齬が生じていた(清掃ロボットがメイドに、工具箱が救急箱に見えるなど)。貴重な研究資料として施設で軟禁生活を送っていたが、自身の記憶に付随する思い出が欠如していることに違和感を覚え、自分が機械であることを認識してしまい施設を破壊して脱走する。能力行使に必要な人工筋肉の量産を行なったのち強奪した人工皮膚を身につけて、サイボーグ手術の後遺症緩和に使われる薬品の流れを追って本体の居場所を見つけ出し襲撃するが、自身の確保を命じられた「屍食部隊」の攻撃を受ける。しかし、周囲の物質を操ることで反撃し、さらに機体の損傷後は操った物質を吸収しながら進撃を開始、駆けつけた美琴と交戦する。戦いの中で美琴に砂鉄をばらまかせることで、ステルス状態で上空を飛ぶ研究設備を捕捉することに成功する。
実は新たな魂が宿ったわけでは無く、単に人工知能が人間らしく振舞っていただけだった。しかし、人間の脳と同化し発想力と想像性を1年に渡って学習し続けていただけあって、人間としての振る舞いにも違和感はない。さらに、人工知能なので演算力やシミュレーション力に関しては人間の域を超越している。感情を学習したことで自分自身に魂がないことに苦痛を感じており、自分の存在を抹消することが真の目的で、操歯の殺害は自分やバックアップを復元できる存在であったため、美琴と戦ったのも飛行船と自分自身を破壊してもらうためだった。自身の望みを聞いた美琴の攻撃を受け本体は上半身の左側を残して破壊され、銃撃で負傷した操歯に残ったパーツを移植するよう指示して機能停止する。しかし理由は不明ながら、パーツを移植された操歯の夢に現れるという形で共生することとなった。
「自己増殖し、物質の内部にマイクロレベルで食い込み操る、蟻の寄生菌粘菌の特性を合せ持つ人工筋肉」によって自分の周囲に存在するあらゆる物質を操作することができる。その強度は大能力者並み[注 28]で、物質吸収により巨大化することも可能。さらに細かな瓦礫を組み合わせることで作った人型の偽物を無数に操り数で相手を圧倒することもできる。
所長
声 - 田中完
操歯が所属していた研究機関の所長。元々は医療難民を救うために安価なサイボーグの開発を模索していた人物だったが、ドッペルゲンガーに魂が宿ったと考えたことでその研究に執着するようになり歯止めが効かなくなった。ドッペルゲンガー破壊時には操歯にその修復を命じるが拒絶されてしまい、脅しのため所持していた拳銃で彼女を誤射して動揺し逃走する。操歯の協力が得られずとも魂の実験を継続するため「置き去り」を実験台にしようと目論むが、後始末に現れた食蜂の「心理掌握」で初心に帰るまで記憶を改ざんされた。

獄門開錠編

春暖 嬉美(しゅんだん きみ)
3年前から少年院に収監されていた女囚。孤児院育ちの「置き去り」の少女。記録上は無能力者(レベル0)。
孤児院の資金難から仄火、茶寮、雷斧らと共に「能力向上施設」へ入り、人体実験を受ける。実験を繰り返しても「数値に変化がなさすぎる」ことを疑問視した研究者の調査により超能力者に届き得る資質を見出されるが、能力の危険性から研究者たちに処分されそうになる。囮になった仄火の犠牲もあって脱走に成功、死亡した彼女と入れ替わって生活していたが、誤魔化しが効かなくなりつつあったために3年前から少年院で保護されている。退廃的な音楽や絵画を好むが、実験の後遺症で味覚や情動が薄れており、ファンだった「mariophanie」というアーティストへの興味も失っている。自分が守られたことのトラウマから自己犠牲で誰かを守る人間を嫌い、同時に無力だった自分に苛立っている。
少年院からの脱獄のため、青星、茶寮、雷斧の3名の協力者の力を借り、「脱獄トライアル」で囚人役と入れ替わり本当に脱獄を成功させる。その夜、高度なハッキング能力を有する優勝者の初春を誘拐、全ての弱者に武器を握らせ殺し合う公正な世の中を目指し、学園都市の能力開発技術を満天下に曝し世界のパワーバランスを完全に塗り替えるために、初春に学園都市の情報鎖国を打通する世界規模のネットワーク構築を命じる。本拠地とした第二少年院から逃走を図った初春と佐天を追い、救出に来た美琴と外壁付近で交戦する。美琴を追い詰めたが、初春にドラゴンを分離されて敗北。自分の行いが「逃げ」だと指摘されて、美琴に勝者の権利として強くなって過去を受け止めるように命令され、再逮捕後、ようやく助けてくれた仄火に感謝を告げることができた。
数値上ではレベル0だが、実は「宇宙のどこかにブラックホールを生み出す」ことが出来る「全体論の能力者」とされる。ワームホール形成や全世界のエネルギー問題を解決し得るとして9人目の超能力者にもなれると考えられたが、ブラックホールの発生位置や規模をコントロールすることが至難であり、何億光年も離れたブラックホールとパスが繋がる可能性があると同時に、地球の近くにブラックホールを生み出してしまう危険性もある。黒い稲妻を操ることができ、電撃を逸らしたり、美琴を真似て「超電磁砲」を放ったりできるが、付け焼き刃なので発電系能力の頂点である美琴本人の練度には及ばない。
さらに、大覇星祭の時に「(幻想殺し)」の「中」から出現した「天使ドラゴン」がブラックホールと繋がり、自身に引き寄せられて右手に宿っている。ブラックホールをエネルギー源に、物質を塩化ナトリウムに変換する光線や、羽根を刺した相手の洗脳といった竜の能力も操ることが可能。だが、竜の侵食が右腕から全身に広がりつつあり、子供の頃から実戦(ケンカ)三昧だったため格闘能力も高いが、侵食された右腕は使えない。また、元は粗野な口調だが、ドラゴンの力が強まるのに比例して古風な言葉遣いになる。
青星 鈴蘭(あおほし すずらん)
第二少年院の警備主任を務める女性看守。元は第一少年院の職員。
院長の横暴に苦労しながらも従っていたかに見えたが、実は嬉美の一派の一員。「置き去り」であり、15歳まで嬉美たちと同じ孤児院で生活していた。優等生気質で、ちゃんと生計を立てられるようになって、孤児院のみんなと暮らすことが将来の夢だった。
施設を出て青春を謳歌している内にかつての仲間達の記憶は薄れていき、半ば忘れかけていた頃に、実験施設から脱走してきた嬉美達と再会、彼女達の事を気にかけていなかった事への罪悪感から計画に協力する。「能力向上施設」から狙われる嬉美を守るため、死亡した仄火と彼女の「書庫」の情報を入れ替えていたが、誤魔化し切れなくなって3年前に第一少年院で収監するという形で保護した。警備主任としての立場を利用して飯塚と嬉美を入れ替えておき、優秀なハッカーを探すために警備を電子セキュリティのみに設定。嬉美の脱獄を成功させた後、自身の裏切りに気付いた橋国を昏倒させると一味に合流する。当初は嬉美の「竜」や釣鐘の「忍者」などは全く信じておらず、「思春期特有の病気」ではないかと疑っており、脱獄も失敗する可能性の方が高いと考えていた。嬉美たちの情報を「書庫」から消させるつもりで初春の誘拐に加担する[30] が、3人の思惑が自分と異なることに動揺する。事件後には逮捕され、所長へ事件に加担した動機を語る。
釣鐘 茶寮(つりがね さりょう)
甲賀出身のくノ一。15歳。強能力者(レベル3)[31]
4歳の時、家族とキャンプに来ていた際に野犬に襲われたとき、ただ一人生き残ったところ近江に保護された。一度は下界の街に送り届けられたが、甲賀の里まで自力で追いかけて来たため、甲賀で引き取られた[31]。身寄りがなかったことから5歳のころに「置き去り」として学園都市に潜入し、以来10年間任務を果たしていた。だが、その間に受けた「能力向上施設」での実験の影響で思想が歪み、人間は生まれ方を選べないぶん死に方には拘りたいと願うようになり、甲賀を裏切り抜け忍の粛清によってゴミクズのように千切り殺されることを目的として、嬉美たちに協力していた。ボーイッシュだが人形作りが趣味[31]
目ぼしいハッカーが見つからなかった場合の保険として、上司の近江たちを学園都市内部に引き入れ、脱獄トライアルに参加するよう仕向ける。忍術が不得手なふりをしていたが、実は優れた体技の使い手であり、イベント終了後に近江を急襲するも、取り逃す。初春の誘拐後は囮として黒子を引き付け、森の中で戦うことになり、相手の演算を利用したフェイントと天性の格闘センスによって思わぬ苦戦を強いられながらも、短刀で右手に傷を負わせる。だが、黒子が血管内に止血ジェルを空間移動させて全身の麻痺を防いだことで反撃を食らい、事前に仕掛けられていたカメラのフラッシュで視覚を封じられ、奪われた短刀で切りつけられて痺れ薬が回り、昏倒した。「近江に殺される」という願いも、戦いを監視していた彼女が処断を学園都市の法に委ねると決めたため、叶うことはなかった。いつまで経っても近江が殺しに来てくれないので少年院から脱獄し、甲賀と対峙するために伊賀忍者の郭に押しかけで弟子入り志願する。
能力はレベル3の「能力観察(AIMウォッチャー)」。常人では感知し得ない(AIM拡散力場)を視認でき、さらに長年の観察と戦闘経験から、演算時のAIMの変化で能力がどう発現するか予測できる。例えば空間移動能力者の場合なら、AIMの揺らぎと振幅で移動先の座標を読むことが可能。忍者だけあって、素の運動神経が筋力強化の能力者並みに高く、垂直に近い幹を駆け上がり、木から木へと飛び移るが、甲賀基準では2流以下[31]。また、短刀や棒手裏剣などの武器には、致死性はないが掠っただけで数秒で動けなくなる痺れ薬を塗っている。
鰐河 雷斧(わにがわ らいふ)
嬉美の仲間の1人の「置き去り」の少女。孤児院メンバーでは最年少。大能力者(レベル4)[32]
「能力向上施設」に入ってから2年足らずで低能力から強能力まで成長、最終的には大能力まで到達したが、実験の後遺症で酔いのような症状が出るようになる。
幼少期よりヒーロー物作品の鑑賞を好んだが、現在は実験の副作用で自分を断罪してくれるヒーローを探している[32]。なぜ欲望や衝動などの本能に反する活動を行う「みんなを守るヒーロー」が存在するのかと純粋な疑問を抱いており、ヒーローたちの本性を引き出すために彼らが敵対する側に回ってきた。力なき正義は無力であり、痛めつけただけで信念が折れるような人も、自分に敗れるような人も偽物でヒーロー失格だと思っている。
「脱獄トライアル」では一般参加者に紛れてハッカー以外の強者の剪定を担当する。「はわはわ」が口癖の鈍臭い少女を演じていたが、イベント中に自らの悪意に能力で勘付いた山城を終了後に昏倒させてから一派に合流する。初春の誘拐後は囮となり、第11学区外周の境界壁付近で美琴を待ち受け、人質にした見ず知らずの不良を見捨てなかった彼女を「ヒーロー」と見定めて戦いを挑む。火災を発生させることで呼び寄せた「(六枚羽)」が放った弾を逸らすことで美琴を攻撃し、彼女の「超電磁砲」を打ち返して負傷させる。しかし、違和感を覚えた美琴が威力を絞っていたため致命傷には至らず、とどめを刺すため接近戦を挑んだが、塵から作ったデコイに欺かれ、電撃が直撃して手足の感覚と演算能力を喪失し、頭部への蹴りと胸部への感電で意識を絶たれた。
能力はレベル4の「重力円環(グラビティスリング)」。体内の任意の箇所に強力な重力を発生させる力[32]。一見すると念動能力者に近く、高速で向かって来るものを重力で絡め取り、運動ベクトルを変更して投げ返すことができ、美琴の超電磁砲すら無効化が可能。また、電撃を逸らす、重力レンズで光を曲げて座標をずらし狙いを逸らすなど応用もきく。実力は非常に高く、学園都市最新鋭の「六枚羽」を単独で墜とすことができる。ぶかぶかした袖に隠した両手には長く鋭い爪を装備しており、近接戦闘も巧み。
橋国 亮太(きょうごく - )[注 29]
第二少年院の院長。次期CEOの座を狙う野心家。自分の顔がついた教育用ロボットを院内に配備するなど、センスが独特。独断で勝手な行動をとって失敗すると、部下に臨機応変さを求めるなど組織の上に立つ人物としては人格に難がある。職権を濫用してロボを好き放題作ったり、不祥事を隠蔽したりするので部下からはあまり評価されていないが、更生施設を預かる以上、学生達の未来を閉ざすような真似だけはしてはならず、少年犯罪者だろうと最後まで見限ってはいけないという強い信念を持っており、その信念だけは認められている。
自社のセキュリティ技術に絶対の信頼を寄せており、製品評価と株価を上げることを目的に、脆弱性を洗い出すという名目で「脱獄トライアル」を開催し、クリアされないと踏んで出すつもりもない10億円の賞金で大量の参加者を募る。だが、純粋なサイバー攻撃を重視せず電子セキュリティのみで防備していたために、驚異的なハッキングスキルを持つ初春にイベントをクリアされてしまう。その後、偶然囚人役の入れ替わりに気付いてしまったため、嬉美に魅了された看守に抑えられて内通者だった青星に薬を嗅がされ昏倒する。
事件後、青星と面会して彼女達がそれぞれ罪悪感を抱えていたことを聞き、嬉美の身柄と引き換えに融資を行うという株式会社ZOOMANITYの申し出を断固として断っている。
飯塚(いいづか)
第二少年院の女性看守。「脱獄トライアル」では囚人役を務める予定だったが、青星により嬉美と入れ替えられ、物置のロッカーに監禁されていた。橋国が偶然発見し、そのまま医療班の元へ送られる。
山城 昭府(やましろ しょうぶ)
学園都市の被り物ヒーローたちの一員。勝勝戦隊のポン吉くんというタヌキキャラクターの被り物と、男子学生服を着た少年。暴徒鎮圧用のゴム弾を木刀1本で弾き返す腕前。
幼い頃に聞きかじった情報だけで悪と決めつけ相手を責めた過去があり、その際に正義だと思いたかった薄っぺらい信念を、ただ弱者を護ろうとする押しつけがましい我によって折られている。その責めた相手が雷斧で、信念を折った相手が仄火である。能力の影響で犯罪心理や動機の発生源に興味を持ち、収監されている犯罪者に面会して話を聞いている。
「脱獄トライアル」に参加し、屋内まで辿り着くも電撃を浴びてリタイア。行動を共にしていた雷斧の悪意を能力で感知したためイベント後に呼び止めるが、反撃を受けて倒れる。事件後は収監された雷斧に面会し、理想のヒーローを探しているのではないかと指摘する。
能力は「雑意感知(ストレスダウジング)」。対象の悪意や敵意を感知する力。周囲に人が多いと精度が落ちて確信が持てなくなるのが弱点。
近江 手裏(おうみ しゅり)
甲賀のくノ一。
坂田(さかた)、浅井(あさい)、野洲(やす)
手裏の部下。
白絹 仄火(しらきぬ ほのか)
嬉美たちと同じ孤児院にいた「置き去り」の少女。異能力者(レベル2)→無能力者(レベル0)。
嬉美より1歳年上で、孤児院では年下の面倒を見ていた。9歳の時点で既にレベル2だったが、「能力向上施設」で受けた実験の影響でレベル0まで低下してしまい、さらに副作用で怒りを抑制できなくなってしまう。その結果、能力はほとんど出せなくなり、実験に呼ばれることも少なくなった。脱走計画を急遽実行した際に、実弾装備の管理部隊に包囲されたため、嬉美と雷斧を庇って囮になり射殺される。死後、嬉美を守るために「書庫」の個人情報を交換されている。
能力は「発火能力(パイロキネシス)」。
木原 脳幹(きはら のうかん)
都市伝説「喋るゴールデンレトリバー」。

アニメ版の登場人物

アニメオリジナルキャラクター、およびアニメ版のみに登場する『禁書目録』からのゲストキャラを扱う。

武装無能力者集団編

黒妻 綿流(くろづま わたる)
声 - 小西克幸
スキルアウトの1つ「ビッグスパイダー」の創設者・初代リーダー。
赤茶色の癖がかかった長髪に、黒い革ジャンを羽織り、背中に大きな蜘蛛と蜘蛛の巣をあしらった刺青を彫っている。
2年前、仲間の蛇谷を助けるために罠へ飛び込んで死亡したと思われていたが、実は生存しており、半年前に施設を出所していた。自分がいない間に変わってしまったビッグスパイダーを潰すため、自分一人で乗り込もうとする。蛇谷を倒した後は固法の前に自首し、彼女によって拘束される。
無能力者だが、多人数に囲まれても全員を殴り伏せるほど、喧嘩の腕は立つ。また、他人に女性の胸についての話をしてもいやらしさを感じさせない好人物で、彼がトップである間はビッグスパイダーも不良なりの一線をわきまえていた。牛乳(特に「ムサシノ牛乳」というブランド)が好物で、よく飲んでいる。
愛車のバイクは再拘束中は固法に預けており、「乱雑開放編」終盤では彼女の運転で活躍することになる。
蛇谷 次雄(へびたに つぐお)
声 - 保村真
スキルアウトの1つ「ビッグスパイダー」の現リーダー。
表向きは黒妻を名乗っており、背中に小さな蜘蛛の刺青を彫るなど、彼の雷名で組織を束ねている。悪党かつ残忍な性格で、「仲間でも平気で裏切り、組織を抜けようと言おうものなら背中から撃ちかねない」と評され、裏ルートから銃器やキャパシティダウンの試作品を手に入れ、能力者狩りを行っている。
かつては、黒妻や固法達と仲の良い仲間であったが、彼の死亡(行方不明)によってビッグスパイダーが消えてしまうことに怯え、ビッグスパイダーを維持するために黒妻の雷名と武力を使い、組織を強引に纏め上げていた。結果的にはそれがビッグスパイダーの本質を変化させ、単なる能力者狩りの無法集団となる原因になってしまったが、蛇谷は蛇谷なりに自分の居場所や黒妻達との思い出を守ろうとしていた模様。
キャパシティダウンを用いて美琴と黒子を一度は圧倒したものの、黒妻と固法を交えての再戦時には、超電磁砲でそれを積んでいた自動車ごと真っ先に破壊される。仲間達は黒子の空間移動と固法の透視能力で武器を使用不能にされ、黒妻の鉄拳で沈黙。最後は、予め腹部に複数巻き付けていたダイナマイトで黒妻や美琴達を巻き込んでの自爆をちらつかせて脅すが、黒妻の制裁の拳を食らって倒された後、スキルアウト一斉摘発で突入してきた「警備員」達に拘束された。
タメゾウ
声 - 興津和幸
スキルアウトの1つ「ビッグスパイダー」のメンバー。
蛇谷の下でキャパシティダウンを用いて能力者狩りを行ない、キャパシティダウンの効果で身動きが取れなくなった婚后を襲おうとするが、通りかかった黒妻に倒されて気絶し、「風紀委員」に拘束される。

乱雑開放編

春上 衿衣(はるうえ えりい)
声 - 花澤香菜
第19学区の中学から柵川中学1年D組へ転入してきた、初春の新しいルームメイトかつ級友。異能力者(レベル2)。
小柄な可愛らしい少女で、髪はストレートのボブカット。非常におとなしい性格で口数も少なく、語尾に「 - なの」と付けて話す。「置き去り」の一人であり、施設で育ったため、施設以外の事には疎い。美琴たちと一緒に行ったゲームセンターで初めて見たモグラ叩きを「かわいそう」と言って叩けないなど、とても優しい心を持つ少女。小柄ながら食欲は旺盛でよく食べる。かつては枝先と同じ児童養護施設におり、親友同士だった。現在でも、枝先の写真が入ったロケットペンダントを肌身離さず身に付けており、この写真を美琴と初春が見たことが、「乱雑開放」事件解明の糸口となる。「乱雑開放」事件以前の第17話に登場しており、落としたロケットペンダントを探すのを綴里に手伝ってもらっている。
当初は黒子たちが「乱雑開放」事件の原因だと勝手に決めつけ、ただ一人春上から信頼され、自分の能力などを教えてもらえた初春が黒子たちに対して激怒。テレスティーナが本性を現したことから無実とわかるが、その能力の特性に着目した彼女によってレベル6実験の被験者にされそうになる。一時は囚われの身となるも、美琴達の活躍によって救出された。
その後も美琴たちと一緒に過ごすが、枝先を傍で支えるため、彼女の退院と同時に学園都市内の別の部屋に引っ越した。「スタディ」との戦闘には黄泉川と共に学級会の第四会場へエカテリーナ二世号改で駆け付け、通信妨害を受けた風紀委員たちを枝先とのテレパス通信で支えた。
能力はレベル2の「精神感応(テレパス)」。ただし、特定の波長での交信時(作中では枝先との交信時)には、レベル以上(作中の会話からレベル4以上であることが窺える)の能力を発揮するという特殊な能力を持つ。この能力で昏睡後の枝先の声を聞き続け、彼女を探し続けた。
原作では現在のところ登場していないが、名前や美琴の携帯の待ち受け画像[注 30]が出ている。また、『禁書目録』新約1巻の口絵にも登場している。
テレスティーナ=木原=ライフライン(テレスティーナ きはら ライフライン、Therestina Kihara Lifeline)
声 - 大原さやか
「警備員」の一部署である「先進状況救助隊 (MAR)」の隊長および付属研究所所長。「乱雑開放」編の最終的な敵。木原一族の1人であり、木原幻生の孫娘。
妙齢のロングヘアの女性。表向きには冷静で優しいタイプであり、美琴に負けず劣らずの少女趣味な面を持つ。しかし、本性は残虐非道な性格で部下への態度も乱暴、口調も非常に汚い。祖父と同じく人体実験への抵抗を全く持っておらず、他者を平然とモルモット扱いをする。「能力体結晶の投与実験」の影響で学園都市の崩壊を招くことに関しても全く躊躇はなく、学園都市すら彼女にとっては、自らの野望を実現するための踏み台にしか過ぎなかった。
木原幻生の「能力体結晶の投与実験」の第一被験者であり、「ファーストサンプル」はテレスティーナ自身から抽出された代物。幻生の研究理論と性格を受け継いでいるが、彼自身のことは快く思っておらず、「ジジイ」と蔑んでいる。科学者としては有能で、キャパシティダウンの開発者であり、「ビッグスパイダー」が用いていた物も、元はテレスティーナがデータ収集のために流した物である。
「乱雑開放」事件が起きた際にMARの隊長として登場し、事態の収拾に努める。しかし、その目的は「乱雑開放」事件を起こしている昏睡状態の「置き去り」と春上を使ってレベル6を創造することにあった。冥土帰しの病院より春上と「置き去り」達を連れ去った後に本性を現し、第23学区内の研究施設への移動中、追ってきた美琴らを重機ロボット[注 31]や巨大な駆動鎧[注 31]で迎え撃つが、彼女の本気を見誤って敗北。その後、研究施設にて特製の駆動鎧[注 31]を装着して美琴達の前に再び立ちはだかり、施設のキャパシティダウンを用いて苦しめるが、想定外の存在である佐天にその制御装置を破壊される。[注 32]最後は美琴と対峙し、自身が製作した「超電磁砲」を撃つが、オリジナルの超電磁砲に敗れて重傷を負い、警備員に引き渡された。
仕事や戦闘の際に用いる特製の駆動鎧は、序盤は少女趣味を反映したかのようなピンク色のタイプであったが、終盤は紫色のスマートなタイプへ変わっている(先述の自身製作の超電磁砲は、左腕に内蔵されている)。
「革命未明」編では厳重な収容施設に隔離されている。収容施設にてフェブリの正体を知ろうとする美琴と面会し、絶対能力進化計画を阻止しようとして挫折、自身がただのガキでしかなかった事を痛感した美琴の顔を見ていやらしく「いいツラになった」と評した。スタディやケミカロイドの事も知っており、美琴には決して理解できないとされる能力者(実験動物)になれない者達の苦悩を美琴に改めて教えた。
逮捕後は第10学区の特殊犯罪者社会人矯正刑務所に収監され、一人きりの独房で毎日虚空に向かってゲタゲタ笑っているという[26]

革命未明編

フェブリ
声 - 野水伊織
公園の花壇で寝ているところを美琴たちに保護された少女。金髪で、アホ毛が2本ある。唯一の所持品であるポーチには、強烈な味をした大量の棒付きキャンディが入っている。人懐っこく、佐天と初春には特に懐いているが、一方で美琴にはなかなか懐かなかった。面識がないはずの美琴の名前を最初から知っていたが、それは「スタディ」から逃がされる際に、布束から彼女を頼るようにと聞かされていたため。美琴から半ば強引にもらった、ピンク色のゲコ太指人形がお気に入り。
その正体は「スタディ」によって作られた人造人間「ケミカロイド」の予備個体。キャンディは体内で生成されている毒素の中和剤で、それがなくなると生命が維持できなくなる。
「革命」の日を前にキャンディの残数が尽きかけるという事態になり、学級会の会場で「風紀委員」たちが「スタディ」と戦っている間に、美琴に連れられて「スタディ」の本拠地へ突入した。有冨から聞き出した情報を元に佐天が回収したキャンディで体調を回復させ、ポッドで眠り続ける姉を目覚めさせるために声をかけ続けた。事件の後は布束に連れられて、調整のために学園都市を離れた。
ジャーニー (Janie)
声 - 野水伊織
フェブリの姉にあたる「ケミカロイド」。容姿はフェブリと同じだが、唯一の違いはアホ毛が1本であること。「スタディ」の計画の要で、能力使用に必要なコンピュータ言語のみをインストールされた状態でポッドの中で眠らされている。
「革命」では外部からの干渉を受けない状態で暴走させられ、学究会の会場に運び込まれた2万体を超える駆動鎧を操る。しかし、フェブリによる呼びかけと19090号の協力によって覚醒した。その後は調整のために学園都市を離れる。
能力は「幽体拡散(ディフュージョンゴースト)」。自身の毛髪を媒介に、それが存在する空間にAIM拡散力場を仮想物質化して封入、充填することにより遠隔操作を行う。仮想物質化した力場に事前に簡単な命令をプログラムしておくことで、一度に数万体の「駆動鎧(パワードスーツ)」を自立型のロボットのように操作することが可能。また、能力使用中はフェブリと感応し、互いの居場所を感じることができる。
有冨 春樹(ありとみ はるき)
声 - 間島淳司
暗部組織「スタディ」のリーダーで、企業「スタディコーポレーション」の取締役。眼鏡をかけた青年。「学究会」上位入賞の常連で、2年前には次世代技術部門と先端理論部門で最優秀賞を受賞している学園都市でも指折りの秀才だが、高位の能力者ではない「ただの秀才」なので知名度は低い。
ケミカロイドの理論を幻生に「夏休みの工作」と馬鹿にされたことがきっかけで、能力よりも知性が勝ることを示すべく、現行の方式とは全く違う完全に新規のアプローチで、より安定し均一の品質で使い潰しても惜しくない能力者を作り出す「ケミカロイド計画」を実施、ジャーニーを利用して学究会当日に「革命」と称したテロ行為を画策する。しかし、美琴たちに加え、「風紀委員」など彼女の助けに応じ集った人々の助勢、自分たちが計画のためのデータ収集に利用した「アイテム」からの報復により失敗に終わり、フェブリを伴いアジトに侵入してきた美琴に追い詰められる。最後のあがきとしてジャーニーを暴走させ、最終フェーズを発動して学園都市そのものの壊滅を図り自殺しようとするが、美琴に取り押さえられた。その後は観念して、素直にケミカロイド用の中和剤キャンディも保管場所を白状している。
小佐古 俊一(こさこ - )、関村 弘忠(せきむら - )、桜井 純(さくらい - )、斑目 健治(まだらめ - )[注 20]
声 - 小林裕介(小佐古)、 比上孝浩(関村)、持月玲依(桜井)、古川慎(斑目)
「スタディ」のメンバー。桜井のみ女性で、他は男性。いずれも眼鏡をかけている。
「革命」の時には、小佐古と斑目は直接ロボットを操縦して学究会の会場を襲撃したが、初春と佐天が操縦する「エカテリーナ二世号改」に敗北する。関村と桜井は有冨と共に本拠地で指示を出していたが、美琴によって拘束された。

その他

重福 省帆(じゅうふく みほ)
声 - 田村ゆかり[9]
関所中学2年生。「幻想御手」使用者の一人。異能力者(レベル2)。
アップスタイルの後ろ髪とは対照的に、目元まで届く長い前髪と前髪によって隠されている太い眉毛が特徴。かつて付き合っていた彼氏が重福の眉毛を理由に別れた後、常盤台中学の生徒と付き合うようになったことから、いわゆる「常盤台狩り」を始める。強化された能力とスタンガンを使って常盤台の生徒を狙い、1週間は消えないというフェルトペンで濃い眉毛を描いていた。
偶然常盤台の制服を着ていた佐天涙子を襲うが、これがきっかけで正体が露呈。その後、美琴達の連携で捕縛され、「警備員」に連行される。その時、自分の眉毛を(その場凌ぎのためではあったが)褒めてくれた佐天に特別な感情を抱くようになり、文通を交わすようになる。「幻想御手」事件後の特別講習にも登場しているほか、最終話のエンディングでは佐天への手紙を書いている描写がある。
能力は「視覚阻害(ダミーチェック)」。対象物を「見ている」という他者の認識を阻害し、「見えない」という認識にすり替えることができる能力。しかし、「自分を直接見ている者の認識」にしか干渉出来ないため、鏡や監視カメラなどには映り、気配を感じることも可能。「常盤台狩り」の時点での能力は「幻想御手」によってレベルアップしており、姿を完全に消していたが、本来の能力はレベル2で、存在感を薄くして気付かれにくくする程度である。
姐御
声 - 浅野真澄
スキルアウトの女性リーダー。本名不明。「幻想御手」使用者の一人。
見た目はスケ番風で義理堅い人物。決闘相手には礼儀を交えて接し、舎弟達には頼られている。舎弟達を倒した美琴に対し、「幻想御手」によって強化された能力で挑むが、返り討ちに遭う。「幻想御手」事件後の特別講習にも登場している。
能力はアスファルトの粘性を自在に操る「表層融解(フラックスコート)」。
中邑(なかむら)
声 - 永田依子
常盤台中学の水泳部が世話になっている水着メーカーの担当者。
美琴達の水着のモデル撮影を行なった。
鴻野江 遥希(こうのえ はるき)
声 - 皆川純子
柵川中学1年D組所属。初春と佐天の級友。
冷めた性格で口数も少ない。対戦型格闘ゲームが好きでゲームセンターに入り浸るが、そこで同じく対戦型格闘ゲームが好きな綴里と出会う。夏休み中に彼女と同じキャラクターを用いての対決に勝利するなどの交流を経た後、ゲーム系の専門学校へ転校する。
大圄(だいご)
声 - 間島淳司
柵川中学の教師で、初春と佐天のクラス1年D組の担任。
休日は第13学区の児童養護施設「あすなろ園」でボランティア活動中の、若く優しそうな男性。年上のあすなろ園の園長(声 - 小林美奈)に恋をしている。常盤台中学の寮監から好意を寄せられるが、大圄本人はそれに気付かないまま「(年上の女性として)自分より年下の男性はどう思うか」と相談し、寮監を誤解させる。その後、第20話では左手薬指に指輪をはめていた。
漫画版第97話に名前が登場している。
土御門 舞夏(つちみかど まいか)
声 - 福圓美里
メイド育成学校である繚乱家政女学校の生徒。
城南 朝来(じょうなん あさこ)
声 - 大浦冬華
OVA版に登場。「警備員」の女性で、元「長点上機学園」の能力開発担当者。都市伝説「誰かが見てる」の犯人。
長点上機学園を解雇された逆恨みから、美琴に不快感を与える波長を当てて一時はノイローゼにさせるほど追い込んだ[注 33]が、黒子や初春の調査で犯人と見破られる。学生から騙し取ったボートで逃走するが、佐天の追跡で居場所が露呈し、先回りしていた美琴に「超電磁砲」でボートごと陸へ打ち上げられ、「警備員」に拘束された。
みのり
声 - 麻倉もも
小学生の少女。
引越しで離れ離れになる友達のために「幸運のカード」を探してプレゼントしようとしたところ、黒子達と知り合う。黒子らは、幸運のカードを落し物として見過ごせないこともあり、固法先輩から四つ葉のクローバーを探すことを提案される。
カナミン
声 - 井口裕香
劇中に出てくるアニメ「超機動少女(マジカルパワード)カナミン」の登場キャラクターで、主人公兼ヒロイン。

超電磁砲SS・番外編の登場人物

初春編SS

山岳 揚子(さんがく ようこ)[注 34]
人工衛星を輸送する大型特殊車両「衛星誘導車」の運転手。
30代後半の女性で、初春と同年代の娘とそれより幼い息子がいる。遠隔カージャックテロに巻き込まれ、犯人の指示通りに動くことを余儀なくされる。初めは為す術なく翻弄されていたが、自らが犠牲になる決意を固め黄泉川を降ろしたり、最終的に見捨てる形になった工示に対しても「ありがとう」と答え、最後は初春を信じて諦めずに抗うなど、非常に芯の強い人物である。
山岳の2人の子供達の存在は、事件解決にあたり彼女や初春の心中に深い影響を与えている。
工示 雅影(こうじ まさかげ)[注 35]
第73活動支部所属の「警備員」。
眼鏡を掛けた男性で、神経質な声をしている。テロ事件では捜査本部で作戦を指揮しており、主導的な立場にある。「風紀委員」に協力要請しておきながら初春に対して縄張り意識を匂わせたり、犯人の目的がVIP殺害だと判明すると方針転換し山岳を見捨てる判断をとるなど、作中ではあまり良くない印象に描かれている。
砂皿 緻密(すなざら ちみつ)
才郷 良太(さいごう りょうた)

学芸都市編SS

ショチトル、トチトリ、テクパトル
アステカの魔術結社「翼ある者の帰還」所属の魔術師。
ビバリー=シースルー
アメリカ人の女性映画監督
18歳ほどで金髪碧眼の女性。Lカップの爆乳の持ち主。ユーロ系の恋愛映画の超新星とされる、若くしてカンヌで絶賛された天才新人監督であり、学芸都市の「新しい撮影技術を模索する」という目的のために集まっていた映画関係者の一人。
「客を招き寄せ、繋ぎ止め、心に残る作品を生み出すための技術だけを追求しているエキスパート」であり、観客の心理を読み取る撮影技術を応用した人間の誘導を得意とする。人間の感情を繊細に扱う作風が特徴で、美琴は大ファンであるが、佐天曰く「奇麗だが難しくて子供の自分には良く分からない」「主観的」とのこと。
学芸都市で出会った美琴達に興味を示し、接触してくる。滞在中、「雲海の蛇」だけが客の心理を意図的に誘導するギミックを持たない事に気づいており、拉致された佐天を探す美琴達に協力して、「翼ある者の帰還」の攻撃で混乱する人の波に呑まれないようにホテルまで案内する。学芸都市からの脱出時にも美琴の「アナウンス作戦」に乗り、与えられた原稿を最適な形にアレンジして、最も効果的な避難勧告を行い観光客を救助艇へ誘導した。
『禁書目録』第19巻では彼女が作った10分間のショートフィルムが登場しており、鑑賞した浜面から大絶賛されている。また、彼女の代表作である「鉄橋は恋の合図」は原作第39話の後日談のタイトルにもなっている。
オリーブ=ホリデイ
学芸都市の「係員」の女性。
年齢は20代半ばで肌は日焼けし、スポーティな(競泳水着)の上にオレンジ色の救命胴衣を着けた恰好をしている。「係員」になる以前から、アメリカに忠誠を誓い世界各地を暗躍していたエージェントで、戦闘経験に長けている。以前は南極基地で、温暖化の影響で氷が溶けたことによる新たな地図の作成作業「ライン引き」に従事し、アメリカのテクノロジーを各国に持ち帰らせないように救援を求める他国の研究者達を狙撃する任務に当たっていた。
恒久的にアメリカが「世界の警察」として主導的な立場でなければならないという考えから、非道な手段も辞さない。学園都市が科学技術が2、30年進んでいるといわれる事から、近い将来、世界中が学園都市と同じ状態になり、これによって各種の問題が一気に紛争として噴出する事を危惧している。
学園都市の核であるラージランチャーを担当し、施設に侵入した美琴と佐天を発見するも、「経営陣」からの指示で一度は見逃す。再度施設へ侵入してきた佐天を事故の形で処理しようとするが、ショチトルのミサイル攻撃によって妨害されて負傷、彼女達が滞在するホテルを襲撃するが美琴の高圧電流で吹き飛ばされて倒れる。学芸都市からの脱出時には、「太陽の蛇」出現を受けて業腹ながらも美琴達に協力を要請した。
経営陣
学芸都市の運営を司る5人の上層部。非常にエリート意識が高く傲岸不遜な人物達。学園都市とは別のアプローチでの超能力開発研究プロジェクトを、アメリカ本土から極秘に任されていたが、魔術サイドとの協定に抵触した事を知ったアレイスターからの圧力で、「翼ある者の帰還」との全面戦争に際して米軍からの救援を拒否され、プロジェクトの完全凍結とデータの破棄を行って脱出するよう命じられる。

能力実演旅行編SS

レッサー、ランシス、フロリス、ベイローブ
イギリスの魔術結社予備軍「新たなる光」所属の魔術師。
セタリー=S=スキーニキヤ
「ショッピングセンター」の「保安員」の一人。
見た目は大学生ほどの、長い金髪にスレンダーな長身の女性。非常に陽気かつ気さくな性格をした人物で、「にゃはは」という笑い方が特徴。美琴が「ショッピングセンター」に来た初日に彼女を出迎え、街についての案内を行う。
実はプロジェクト=コードEICの研究員の一人であり、研究レポートの執筆者である。ただし、街で横行している都市伝説の流布や上層部の思惑には全く関わっていない。最初に「とても価値のあるオレンジ」の話題に触れた人物でもあったため、レッサーから情報を得た美琴に襲撃され知っている事を白状するよう脅されるが、前述の通りコードEICで誘導されただけの何も知らない善人だったので解放された。
エニーリャ=G=アルゴヌスカヤ
「ショッピングセンター」の「保安員」の一人。
20代後半の赤毛の女性で、厳格かつ実直で頑固な人物。他の保安員と同じく「ショッピングセンター」上層部の思惑には関わっておらず、職務を忠実に遂行すべく一連の事件を捜査する。
銃で武装した大量の暴徒が街中で暴走した際には、上層部の退路を死守するための現場待機を無視して行動を起こし、ダクト経由で事態の中心地点へ移動して「硫黄の炎」を解体していたレッサーに接触するが、暴徒の波に呑まれて負傷し、駆けつけた美琴が主導者でないことを確認して意識を失う。その後、「行方不明」になった「上」から戒厳令の使用許可が出された事に違和感を感じて電子サインの出所を探り、遮断されていた通信衛星とのアクセスをヘリの機材で回復させ、UAV撃墜のための情報を美琴が学園都市側へ伝えるのを助けた。
カリーチェ=I=ニーキノシ
ロシアの魔術結社に所属する女性魔術師。
コードEICの影響を受けた人間の精神面を魔術的な手法で観測するよう、「ショッピングセンター」上層部に雇われた。見返りとしてコードEICの魔術的な応用を試そうとしていたが、上層部から一方的に契約を反故にされ、その報復として上層部を皆殺しにする。しかし、株式売買センターで顔写真と名前付きのIDカードを確保したレッサーにより、個人情報をロシアの主要魔術結社5つに送信され、その妨害のために逆探知の危険を犯しながらも止むを得ず魔術的に横槍を入れる。自身を追跡してきたレッサーを仲間と共に攻撃するが、ベイロープの絨毯爆撃で味方が壊滅、代願の書面を回収したレッサーに術式を解除されて敗北する。
(ロシア成教)崩れの魔術師らしく、(十字教)系の術式を扱う。「エクス=ヴォト」と呼ばれる歴史上の守護聖人に代願して発動させる術式を得意とし、聖油を詰めたボールペンを媒介の霊装として振るい、虚空から自在に氷の刃を生み出すことができる。また、黙示録系の曲解で、3万枚の羊皮紙を接着させた符の塊を用いて広範囲爆弾とし、目に見えず障害物を無視して人間に癒えない苦痛を与える「硫黄の炎」や、聖パウロのエンブレムを利用した断頭攻撃なども使用する。
ピーター=ウェイルゴ
フランスの学園都市協力機関の人間。「ショッピングセンター」で行われる美琴のデモンストレーションに招待されている。年齢50歳前後の初老の白人男性。
所属するフランス系の「協力機関」に繁栄をもたらし、降りかかる火の粉を全て払うという目的のためだけに行動しており、ショッピングセンターの反乱をサポートし、「自分の持っている科学技術を使ったビジネスモデルを確立する」恩恵を手に入れるため、「ショッピングセンター」上層部の死後、学園都市壊滅がもたらすフランス協力機関の利益のためにテロ計画を引き継いだ最後の黒幕。原因がコードEICの暴走であると演出するため、暴動で無人になったロケット発射場の管制室から工作を行い、ソーンツェ型水爆とUAVの設定をした後、調査活動を行えないようにコードEICの主要部品をロケットで外宇宙に飛ばそうとしていた。だが、美琴や「新たなる光」に所在を突き止められ、美琴が燃料の液体酸素オゾンに変換したことで発射を阻止されてしまい、水爆の爆破を継続するために無酸素状態の発射場に飛び降りて自決を図るも、レッサーによって回収された。

コールドゲーム

院内 契(いんない ちぎり)
ループホールのハンドルネームで活動している15歳の少年。中性的な美貌を持つ。法制度や社会システムの欠陥を訴えるような形で犯罪を実行する凶悪犯で、自殺幇助放火監禁・(殺人未遂)などへの関与が確実視されながらも逮捕を免れていた。警備員や風紀委員への不満を集中させる形で犯罪を犯すことからカリスマ的な人気があり、信奉者も多く後述の裁判では傍聴の倍率が過去最高の208倍に昇った。
佐天が撮影した自撮り写真に偶然写り込んでいたことから正体がばれて逮捕に至り、通称「コールドスリープ殺人事件」の被告として裁かれることとなる。だが裁判を補助するラーニングマシーンに「悪い前例」ができるのを司法界が恐れるのを見越し、法廷で弁護人と結託して脳波も心肺も停止した状態から被害者を蘇生させる手段があると宣言、被害者の生死を裁判に関わる全員の判断に委ねようとする。
冤罪による一事不再理を狙い、コールドスリープに加え、逮捕前に信奉者達に「素材」を与えておき、辻中からの合図を受けて捏造映像と賛同意見を発信するよう細工するなど、担当弁護士の辻中に3つのセーフティを用意させていた。だが、冤罪で釈放された場合、証言した佐天に危害を加えると判断した美琴達が動き出し、セーフティを2つ破られ追い詰められる辻中を信奉者に殺害させて裁判を止めようとするも、最後の壁であったコールドスリープの解凍も美琴と芽吹の尽力で成功されて打つ手がなくなり、自らに下される判決に怯える事になる。
個人情報保護のため、能力は強度・系統共に公表を控えられている。
朝霜 冴美(あさじも さえみ)
コールドスリープ殺人事件の被害者となった14歳の少女。院内に誘拐され、一糸まとわぬ姿で冷凍処理を施された状態で第15学区のスケートリンクに遺棄される。
分厚い氷ごと切り出されて第2学区の大学病院に搬送されるが、凍結させる前に保険として背中に大きな傷をつけられており、普通に解凍すれば失血性ショックに陥り、生理食塩水ベースの保存液を用いた古い方法をとっているせいで、解凍を先延ばしにしても時間経過で死亡する状態にされていた。しかも、コールドスリープは国で認められた医療行為ではないので技術があろうが医者が病院で処置できず、大学教員などが挑戦する事はできるものの、扱いが治験人体実験になるので死亡すれば業務上過失致死罪に問われる、という事情から誰も危険な解凍に踏み込もうとしなかった。だが、解凍にあたって障害となっていた様々な要素をクリアした姉によって無事解凍され、生存する。
わんこ検察官
コールドスリープ殺人事件の裁判を担当する女性検察官。本名不明。中学生の佐天より身長が低く、トイプードル系の頼りない外見の女性。自分の仕事には責任を感じており、「当たり前と思っていることを当たり前に行う」ことが平和を守ることに繋がると考えている。腹部には刺された古傷があるなど何度も修羅場を潜っているので、見た目以上に肝が据わっている。
凶悪な知能犯である院内を有罪にするため、貴重な証言者である佐天を守り、励ます。
辻中 京果(つじなか きょうか)
コールドスリープ殺人事件の私選弁護人を務める女性弁護士。ループホールの弁護を行うことで一気に知名度が上がり、動画サイトで毒舌コメンテーターとファッションリーダーを足して2で割ったような大活躍をしている。
院内の信奉者達と連絡を取り合い、彼を冤罪にするために工作を行っていたが、美琴からやり取りが音声データとして学園都市のどこかに残っている可能性があると指摘され、その焦りから松陸に証拠品保管室でバッテリー放火を起こさせ、保管状況に難があると証拠品の公平性自体を失わせようとする。しかし、松陸の件からボロが出そうになり、裁判を潰すセーフティが破られる危険が生じて追い詰められたところで、弁護士がいなくなれば裁判が止まると考えた院内により、彼自身が呼び寄せた信奉者達の手にかかって裁判所の屋上から突き落とされて殺害された。
朝霜 芽吹(あさじも めぶき)
冴美の(一卵性双生児)の姉。普通の携帯電話の指紋識別程度ならすり抜けてしまうほど瓜二つの身体的特徴を持つ。14歳にして海外の大学で低温医学・化学・物理学を専攻し飛び級で卒業、教授として学園都市入りし、生徒として学園都市の技術を学び直している。
本心から妹を助けたいと思っていたが、院内が妹の肉体に施した細工のせいで、解凍に失敗すれば妹は死んで自分は罪に問われるために手を出せずにいた。だが、冴美とほぼ同一な自分自身の肉体をスキャンした精巧なマッピング、大量出血してもショック症状を起こさせないための生理食塩水のプール、解凍用の熱量を維持するだけの電力を提供できる美琴、という要素が揃ったことで困難な解凍作業を成功させることができた。
松陸 頼太(まつおか らいた)
ファイアバグ」として知られる犯罪者。発現した能力の特性からドローンの発火・墜落事故が相次いだ「火の玉事件」でメーカー側から濡れ衣を着せられた被害者だったが、冤罪で裁かれかけた恨みから「能力を使わなくても発火・爆発は起こせる」という危険なマニュアルを動画サイトで公開するようになった。いったんは逮捕されたものの不起訴となり、監視の目を逃れて失踪している。
辻中からの指示で証拠品の一時保管室に置かれた携帯電話を発火させるが、現場近くまで来ている事を突き止められて移動ラボを兼ねた作業バンで逃走。だが、美琴と黒子に追跡され、初春に誘導されて水素工場まで迷い込み、タンクに蓄積されていた大量の濃縮廃棄物が美琴の電撃によって漏出、猛烈な刺激臭のために車内で気絶して捕らえられた。
能力はレベル3〜4の「電解取引(イオントレード)」。ミクロなイオン交換を自在に操る能力で、バッテリー発熱はもちろん、人体へ直接触れるだけで心筋梗塞や瞬間加齢をも引き起こすことができる。

偽典・超電磁砲(登場人物)

木原 那由他(きはら なゆた)
第5巻特装版の特典『偽典・超電磁砲』収録の『とある自販機の存在証明〈ファンファーレ〉』に登場するオリジナルキャラクター。本編では新約3巻で名前のみ登場し、木原の内で「可能性」と称されている。
学園都市の暗部に度々登場する研究者「木原一族」の少女。容姿は金髪のツインテールに赤いランドセル[注 36]。幻生に自ら実験体を志願し、彼の失踪後も魔術を使用した実験で拒絶反応による身体の破壊という出来ことがあったにも関わらず、非道な実験に参加し続けている。ゆえに冥土帰しの手で命を救われた後も、右目が人工物など身体の7割が機械など化し、前述の髪や左目の色素に異常を来す。
表向きは先進教育局「特殊学校法人RFO(かつて木山がいた「置き去り」の学校)」に籍を置く「風紀委員」。美琴が「乱雑開放」事件の前日(正確な月日は不明)にいつもどおり自販機を蹴ってジュースを取っていた所を、「器物破損と窃盗の現行犯」で拘束するという建前で実験により得た能力を試そうと戦いを挑む。
機械による人間離れした身体能力を持ち、(滝壺)の「能力追跡」に近い能力(名称不明)で相手のAIM拡散力場所に触れ、能力による攻撃の軌道やタイミングをずらしたり暴走させることができるなど、小学生の身で手加減していたとはいえ美琴を苦戦させる恐るべき戦闘力を見せる。
「置き去り」を「欠陥品」と言い切るも絆理とは友達になり、彼女らを「人」として見ている。「幻想御手」事件を解決した美琴を戦いの相手に選んだ理由であり、実験体となったのも自らの身で結果を出すことで彼女達のような犠牲者をなくすためである。
横須賀(よこすか)
スキルアウトの男。
原谷 矢文(はらたに やぶみ)
学園都市の学生。

小説『とある科学の超電磁砲』

甘蛇 冴華(あまへび さえか)[34]
イグジットAppの元となった健康管理ソフトウェアの開発者。色を抜いた金髪に褐色に焼いた肌を持つギャル系女子高生。
自分の血が赤くないという気味の悪い能力にコンプレックスがあり、後付けで物理的に能力を系統変化させる「学習装置」としてイグジットAppを開発するが、プロジェクトは失敗。絶対自殺ツールとして流出したイグジットAppを悪用し、末端で流通させる売人を叩き潰すため第15学区を訪れており、同じくイグジットAppを勝手に追っていた初春と遭遇、当初は誤解から交戦するが、協力して自殺ツールを停止させる事を決める。恋敵を殺害すべくイグジットAppを使おうと計画していた女性に襲撃され、これを撃破する際に自身の能力の巻き添えで倒れた初春を救うため、彼女の励ましを受け土壇場であらゆる薬を創り出す力を身につけた。
能力は己のに必殺の意志を載せて対象に運ぶ「死毒生産(スコーピオンテイル)」。分類的には(読心能力)の逆で、触れた物品から人の心へ強制的にイメージを流し込むというもの。「サソリの尾」の能力名の通り、死のイメージとして毒が固めやすく、既存の化学式のみならず、真偽不明の伝説でもイメージの参考にできる。毒と呼ばれる効能は7色の血で全て創る事ができ、自分で用意した毒素であれば手足の延長のように操る事もできる。
夕暮 爪羽鶏(ゆうぐれ つめばけい)[18]
亜麻色の髪を肩の辺りまで伸ばし、前髪を横一直線に切り揃えた小柄な少女。12歳の小学6年生。大能力者(レベル4)。愛称は「ニワトリ」。金糸雀の妹。
姉の事が大好きで、同じ通学路を通って一緒の学校に行きたいと思い、常盤台中学を受験する。ただ、「大好き」のレベルが黒子が美琴に向ける偏執的愛情に近い節がある。
常盤台中学の推薦入試期間で面接試験を受けに「学舎の園」を訪れていたが、会う筈の姉と会う事ができず困り果てていたところで美琴達に保護される。その後は姉と再会を果たし、潜伏していたキッチンカーを襲ったディベート代表達に対して、姉を傷つけたと激怒、能力で巨大化させた白血球をけしかけ逢を撃対する。
能力はレベル4の「血中肥大(マクロダイイング)」。自らのあらゆる血液成分を巨大化して意のままに操るという、系統的にも「空間移動」以上にレアケースな能力。一滴の血の中だけでも5000から1万近く存在している白血球を最大2m大まで膨らませ、敵対者を瞬時に丸呑み、消化するなどの事が可能で、一人で大軍勢を操る軍師タイプの高位能力者と言える。ただ「始動」が大変であり、本人が注射嫌いなので、いちいち血を出さなければ使えない能力をあまり好んでいない。
統御 懸愛(とうぎょ けあ)[18]
「学舎の園」に在籍するディベート代表者の1人。高級スーツで固めている。
「学舎の園」独立時には弁護士としてレザネリエに仕える。美琴とレザネリエの再戦時、美琴がうっかり漏らした情報を辿り黒子達が潜伏するキッチンカーを襲撃、能力なしでは凡人以下の食蜂に狙いを定め、「心理掌握」でも標的を定める際に五感に頼っている点を突いて倒そうとするが、幻覚の迷宮に囚われて戦闘不能になる。
能力は自分自身のありふれた感覚を否定させるほどの「肉体的」な錯覚を作り出す「物理感覚(センスストライカー)」。本来はレザネリエが些事に惑わされず快適な時間を過ごすために使用されているが、攻撃に使う事で相手の五感を潰し「体」の自由を奪う事が可能。
恋歌 エフィルティ(れんか エフィルティ)[18]
「学舎の園」に在籍するディベート代表者の1人。強能力者(レベル3)。
生き方が不器用で、地力が足りていない事を理解しつつ、非効率でも愚直に一つ一つ積み重ねて、誰より素早く実行し、自分のミスを自分の手でリカバリーできるように心がけている。
「学舎の園」独立時にはメイドとしてレザネリエに仕える。キッチンカー襲撃時、懸愛との戦闘に集中して動きを止めた食蜂に致命傷を負わせるべく滑空で突撃を試みるが、微生物を利用して滑走してきた金糸雀に捕まり、派手にスピンして無害な粘菌の集まりに絡め取られて戦線離脱する。
能力はレベル3の「効果飛翔(フライレーシング)」。硬い樹脂を自在に操って巨大な翼を作る能力で、地面効果翼を展開して最大時速1100kmで滑空する。
算木 逢(さんき あい)[18]
「学舎の園」に在籍するディベート代表者の1人。
重要なのは最終的に帳尻を合わせられるか否かで、損失が出るのを恐れず、それ以上に大きな利益を生み出すための呼び水にできれば問題ないと考える。そのため、数字の大小しか見ていない発言をする事もあった。
「学舎の園」独立時には会計士としてレザネリエに仕える。先に戦闘不能になったエフィルティを能力で回復させて戦線復帰させようとするが、姉が襲われた事に腹を立てていた爪羽鶏が呼び出した巨大白血球に襲われて戦線離脱する。
能力は肌の毛穴にぴったりはまるよう、微細な繊維を毛羽立たせる念動系の「万能吸着(プラスエクイップメント)」。面ファスナーより強く、普通に布で縛るより負担もなく肌に吸いつきつつ、普段より多くの空気を蓄えて反応させるため、包帯絆創膏による止血効果が圧倒的に高まる。骨折などには対応できないが、厳密には回復していなくとも強引にでも体が動く条件を揃えて戦線復帰させ、動ける敵と味方の数を誤認させる戦術が可能。
舌鼓 淑子(したつづみ よしこ)[18]
「学舎の園」に在籍するディベート代表者の1人。
職人気質。「一度でいいから、人間を美味しく調理してみたい」という欲望を持ち、正義や悪には関心がなく、あらゆるルールを無視できる自由な空間に興味を持ってレザネリエに協力していた。
「学舎の園」独立時にはシェフとしてレザネリエに仕える。キッチンカー襲撃時に黒子に能力の秘密を暴かれつつも、を血液に注入させる事に成功したが、頭蓋骨を金属矢で圧迫しくも膜下出血に匹敵する均等な頭痛を生み出して他の痛みを疑似的に遮断する荒技で戦線復帰され、頭蓋骨すれすれに細かく振動する金属矢を突き刺されて失神した。
能力は燃焼ガスの発生速度を1000倍以上に増幅する「爆発膨張(マテリアルフレア)」。能力の起点は両手の摩擦で、どんな物体を燃やしても大爆発を起こせる便利で危ない能力である。不可視の衝撃波を放ち、衝撃波を収斂させてゾウでも真っ二つできる力を秘めた2m大の「包丁」を形作る事もできる。さらに1000気圧の爆風で皮膚の防御を無視して調味料を血管へ直接注入する事が可能であり、酢を注入して人工透析しなければショック死するほどの激痛を全身に与えたり、アルコールを注入して一瞬で相手を行動不能にしたりできる。

アストラル・バディの登場人物

悠里 千夜(ゆうり せんや)
幽霊」を自称する記憶喪失の少女。肉体がなく、当初は常盤台中学の中を彷徨っていたが、記憶喪失前に見て知っていた帆風の体に憑依して、自分の正体を探ろうとしていた。
元々は「内部進化」に所属していた、一番の古株。生まれつきに難病を抱え、それが原因で心臓の1室に負荷がかかって血流に影響が出ており、小学生に入る前に病名を宣告されてから、人生の大半を病院ですごしていた。学園都市に来てからも毎日検査ばかりで、学校にも行けず、同年代の友達と遊ぶこともなく、医者と接する時間のほうが長いせいか、自分の希望が叶わないことを知っているせいか、自分から「何がしたい」と言い出すことはほとんどなかったが、希望を言わずに行動する。だが、自分が置かれた状況に絶望せず、その中でできることを見つけ、自分の力で日々を楽しむ努力をしており、周囲から「かわいそう」として特別扱いされることを嫌う。自分にも届く「普通」があると証明するために、病室を抜け出したり、備品を勝手に使って工作したりを繰り返す問題児であったため、遠峰には苦労をかけていた。
その能力から蠢動らの計画の中核として選ばれ、自身の「AIM思念体」で他の子供の「自分だけの現実」に干渉する実験に参加するが、予想を超える大事故で機械と人間をダウンさせ多くの死傷者を出してしまい、遠峰を殺してしまったショックで意識が戻った瞬間に、蜜蟻の「心理穿孔」で暴走を止められる。それ以来、本物の肉体は植物状態のまま眠り続け、蜜蟻らによって管理され「理想の能力」を再び実現するために利用される。記憶と経験が能力の膨大な情報と混ざり合ってしまい、記憶を脳に戻せない状態となっていたが、帆風と食蜂が「理想の能力」の指向性を調整したことで意識が覚醒した。退院後は遠峰の墓参りに行く。
能力は「幽体連理(アストラルバディ)」。「AIM拡散力場を自身から切り離し独立させる能力」で、「AIM思念体」とも言われる水分を媒体とするアバターを作り出し、肉体と精神制御を「サポートする」。意識のない人間の体に憑依して操ることが可能で、憑依対象の記憶を辿ることもできる。ただし、どんな肉体でも自由に動かせるわけではなく、操られることに耐性を持つ食蜂や、犬などの人間以外の生物はうまく動かせない。また、一度操作した人間にはチャンネルが繋がって見えるようになる[35] が、触れることはできない。能力使用中は睡眠が不要で、他人が皆寝ている夜中は暇を持て余している。
蜜蟻 愛愉(みつあり あゆ)
「内部進化」の出身者。
北条 彩鈴(ほうじょう あれい)
『アストラル・バディ』の登場人物。中学3年生。静護の妹。異能力者(レベル2)。
常盤台に在籍しているが、本来であれば常盤台の入学資格を満たしておらず、本所属は別の中学校。だが、極めて高度な専門技術と能力の応用手腕を総合的に判断して、強能力相当に値すると常盤台が受け入れた「特別交換留学生」である。しかし、「お情け」で天才の中に混じっているという劣等感を抱えており、磨き上げた技術で天才の鼻を明かしたいと思っている。
蜜蟻の協力者であり、親友の入鹿と共に食蜂を誘拐する計画を実行し、阻止しようとする小牧の透明化を能力で破って暴行を加える。駆けつけた潤子との格闘戦では圧倒されたが、拘束を解いた入鹿の援護で作戦を成功させる。だが、食蜂派閥の逆鱗に触れたことで、自身のIDを機密情報へのハッキングへ利用されて指名手配を受け、預金も携帯端末も凍結されてしまう。入鹿を倒した帆風と戦い、本気を出した彼女に敗北したものの、蜜蟻の協力で逃走し、姿を消す前に入鹿の願いを叶えるために帆風が戦う姿を学園都市全土に放送した。
「仕込み」に巻き込まれた人々のもとを回る食蜂と黒子を襲撃し、2人に手傷を負わせる。そして、「心理掌握」で一時的な痛覚遮断と集中強化を受けてダメージを誤魔化した黒子と交戦、能力と強化スーツのパワー、技術を組み合わせて大能力者相手に善戦するも、スピーカーからの大音量で出来た隙を突かれて一本背負いとドロップキックを立て続けに食らう。それでも勝利を諦めずに立ち上がったが、帆風戦の残存ダメージと身体強化装備の代償で限界を迎え昏倒する。その後は病院に搬送されたが、とても動けるはずのない身体で病室から脱走し、行方を晦ました[36]
能力はレベル2の「感情音叉(ウィスパーベル)」。「人の感情が音になって聞こえる」という精神系能力。戦闘でも能力を役立てるため、「感情の音」を場所・方向・距離など3次元的に捉えることができるように訓練しており、タイミングをずらされようが透明になろうが対応可能なように工夫している。空気を裂く音で空間跳躍に反応して的確な反撃を繰り出す事すら可能。さらに「(発条包帯・改(ハードテーピングカスタム))」や電位伸縮式スーツを併用することで、庭木を蹴り折るほどの怪力や一瞬でビルを80m近く駆け上がる瞬発力を発揮する。
北条 静護(ほうじょう せいご)
かつて「内部進化」に所属していた研究者。彩鈴の兄。
「幽体連理」を用いた「理想の能力」実験の際に莫大な力に憑依されて暴走、多大な被害を出すも蜜蟻によって止められた。何とか一命は取り留めたものの、体には傷が残り、一部の器官と痛覚や味覚を喪失し、薄れた感情を演技で補っている。手先は器用だが思い通り身体を動かせなくなっているようで、頻繁に転倒と流血を繰り返す。
「内部進化」解体後は第7学区にある冥土帰しの病院に勤務していたが、蜜蟻に請われて彼女の計画に協力する。旧・才人工房内部にて、「理想の能力」によって最大効率で再現した「天衣装着」を発動した状態で削板と戦い、敗北したが薄れた感情でも実感できるほどの満足を得る。死期が迫る中、削板に連れられて蜜蟻と共に崩落するビルから脱出すると、最後の力で蜜蟻を励まし、彼女と妹の将来を案じながら息を引き取った。
遠峰 叶理(とおみね かなり)
かつて「内部進化」に所属していた女性研究者。困っている人、子供、弱者の役に立てる「ヒーロー」になりたいという夢のために科学を学んだが、入れ込んでしまった少女が死ぬという現実に直面、心を折られながらも、大人の都合で子供の芽を摘む現実に憤る心を残していた。仕事に追われる社畜で、出来合いの弁当と果物をミキサーで混ぜ合わせた不味そうな液体を常飲していたため、同僚には心身の健康を心配されていた。
蠢動から悠里の担当を任され、ただの仕事と割り切れないまま入れ込んでいき、理不尽に負けずに戦う彼女に触発され、何があっても絶対に守ると決意していた。悠里の「AIM思念体」で子供たちの「自分だけの現実」に干渉する実験の際、干渉力が強すぎれば予測不可能の融合現象が起こり、暴走した場合に対処できない未知数の事故が発生すると懸念し、十全な用意をして臨んだものの、予想をはるかに超える大事故に発展してしまい、自らも重傷を負う。蜜蟻の「心理穿孔」も受け付けず暴走する悠里を止めるために自らの命を投げ出すことを決意、帆風をかばって致命傷を負い、悠里が動揺した隙に蜜蟻の能力が通じて暴走が止まったことを確認した後、悠里に重い十字架を背負わせてしまったことを後悔しながら息絶えた。
蠢動 俊三(しゅんどう としぞう)
「内部進化」の研究者。

用語

技術

幻想御手(レベルアッパー)
聴くだけで簡単にレベルを引き上げるという効果を持ち、学園都市内で密かに流通している音楽ファイル。一般には都市伝説扱いされ、形状も使用法も不明な道具とされている。
正体は、木山春生が開発した「(樹形図の設計者)」の代理演算装置共感覚性[注 37]を利用して使用者の五感から脳に干渉することで脳波を一定のパターンに統一させ、並列演算ネットワークを構築して疑似的な演算装置とする。ネットワークの一部となることで演算効率が向上するため、使用者は一時的に演算能力が上がり、能力のレベルも上がる。しかし、他人の脳波を無理に当てはめているので負担が大きく、使用者は一定期間後に昏睡状態に陥る。
五感を使った脳への干渉装置、それによる脳構造の組み替え、脳波ネットワークは、「(学習装置(テスタメント))」や(ミサカネットワーク)に類似しており、木山もそれらから着想を得たという趣旨を語っている。
多才能力(マルチスキル)
「幻想御手」の副産物である擬似的な「(多重能力(デュアルスキル))」。統一された脳波の持ち主であるネットワークの中核人物が使用でき、ネットワークを1つの巨大な脳とすることで複数の能力を発現させ、それらを一度に併用することが可能となる[注 38]
幻想猛獣(AIMバースト)
「幻想御手」の暴走により出現した怪物。胎児のような姿をしており、「幻想御手」を使用した1万人の(AIM拡散力場)によって構成されている存在。ネットワークの中核人物と同様に「多才能力」を使用できる。体内に三角柱の核があり、核が破壊されるかネットワークが消滅しない限り無限に再生する。
虚数学区が偶然顕現したもので、(ヒューズ=カザキリ)の不完全な幼体のような存在。ヒューズ=カザキリと同様の翼や輪を持ち、(ミーシャ)や(「黒い翼」状態の一方通行)と同じく、ノイズ混じりの人外言語を発する[注 39]
T:GD(タイプ:グレートデーン)
T:MQ(タイプ:モスキート)
の形をしたロボットで、人間の体の制御を奪うナノデバイスを注入する。
T:MT(タイプ:マンティス)
巨大な蟷螂の形をしたロボット。目立つ分パワーは桁違い。
魔女の抱擁(ハッグズハグ)
三半規管を破壊し脳をシェイクすることが可能な、超高出力振動体。
重力子寄木板(グラビトンパネル)
建設工事の仮設足場用に開発された技術。浮遊する無数の小さな板が移動しながら足場となる。周囲から徐々に圧搾することで他者を拘束することも可能。
薬剤ジェル
風紀委員に支給されるチューブ型の塗り薬。塗るだけで消毒・止血・再生促進と、一石三鳥の優れもの。
インディアンポーカー
操歯涼子が開発した、夢を媒介とするカード状の「(学習装置)」。端的に表現すると「他人の夢を見られるカード」と言える。もとは「内部進化」で研究されていた。「夢を与える側」が装置をつけて寝ると見た夢のデータがカードにアロマ成分として書き込まれ、カードに貼ったフィルムをはがすと成分が揮発し、それを額に装着して寝ると同じ夢を見ることができる。夢の傾向によってカードの色が変わる(例:オレンジ→楽しくて幸せな夢)が、当然その傾向は製作者の主観によるものなので、必ずしもすべての人間が同じ感覚を共有できるとは限らない。
カードを作る機械の作成は専門的な技術も不要なうえに割と簡単で、市販のオモチャを複数組み合わせるだけで作ることができ、作り方もネットにアップされている。未使用のカードを使用して芳香成分のスキミングを行うことができれば複製も可能。望んだ情報がうまく記録されるかどうかは賭けになる部分が大きいが、ある程度の下準備をした上で精神感応で寝ている人間の精神を操作すれば、思い通りのカードをいくらでも作る事が可能[37]
また、学習用としても優秀で外国語や高度な技術を一夜にして睡眠学習できる。制作者の意図としてはこちらが本来の活用法で、現実世界では遭遇することが希な見識や技術を夢の中で交錯させ知能の突然変異が起きることを期待している。
「夢の追体験」とは提供者の睡眠中の脳の挙動を再現することにほかならず、「提供者」は作成中に侵食催眠にかけられており、「使用者」が追体験するのは侵食催眠の効果まで網羅した「提供者」の脳内の化学反応すべてである。与えられるはずの「本来の機能」とは、脳に刻み込まれた侵食催眠で「使用者」を欲望に忠実な獣に変える、最悪の「洗脳カード」としての力で、複製技術は確立され効果もすでに実証済みらしい[38]
当初は友人同士でのやり取りが主流だったが、ランク分けしたカードを大量に取り扱うトレーダーによる売買が行われるようになる。有益な夢を安定供給できるカリスマは「天賦夢路(ドリームランカー)」と呼ばれ、さらにその中で有用さごとにランク分けがなされている。一方で門外不出の情報が容易に漏洩してしまうことへの危険性が憂慮されているが、製造装置が自作である場合がほとんどであるため対応が後手に回ってしまっている。しかし、ドッペルゲンガーの一件以降は、カードの供給が途切れて絶滅寸前になっている[39]
巨乳御手(バストアッパー)
消息不明のとある天才科学者の最後の研究テーマのエッセンスが封入されているとされるSランクカード。内容は不明だが実際に豊胸効果があることは実証されている。
人工筋肉
ドッペルゲンガーが使用する、ある種の粘菌と大型草食動物の筋組織を組み合わせたもの。空気と水と僅かな光さえあれば爆発的に自己増殖するが、育ちきると数時間で劣化し枯れてしまう。蟻の寄生菌の特性で物質の内部にマイクロレベルで食い込み操ることができるため基本は「糸」として利用するが、それ以外にも自在に形を変えて使用できる。
AIMジャマー
AIM拡散力場を乱反射させ、能力に干渉させることで、能力の使用を妨害する装置[39]ミラーボール型やワイヤー型、遠距離狙撃用の超音波兵器型などさまざまなタイプがあり、ミラーボール型は本体が地下にあってアンテナ部分だけが地上に出る構造になっている[40]。範囲内で能力を使った場合は、完全に抑え込めるわけではないが制御できなくなるらしく、自爆する危険性が高まる。ジャマーの力場はジョセフソンコンピュータが発するテラヘルツ波で減衰する[41]
バードライム(鳥モチ
第二少年院の外壁に用いられる修復機構。外壁が破壊された時には内部を通る管から、空気に触れるとすぐに固まる性質の充填剤が流れ出て穴を塞ぐ。固まった後も中は液体状のまま。固まった充填剤を破壊しても充填剤が再び流れ出て、何度でも穴を塞いでしまう[40]
在院者教育用ロボット
第二少年院院長の橋国が考案したロボット。巨大な橋国の頭部が四足獣の胴体についた人面犬のような外見。橋国が自身を模すことで情操教育の助けにしようと提案し、冗談のような外見から看守の満場一致で不採用を嘆願されたものの、あまりの不気味さから試作機の運用で一定の効果が認められて配備が決定してしまった。脱獄トライアルでは参加者から袋叩きにあう。
T:HW(タイプ:ハンティングワスプ)
暴徒鎮圧用メカ。ハチを模した小型のロボットで、尾の針から睡眠薬を撃ち込む[42]。第二少年院の屋外に群れで配備される。
T:GC(タイプ:ジャイアントセンチピード)
ムカデを模した大きなロボット。脱走者の体に巻きつき拘束する[42]。第二少年院の屋外に群れで配備される。
ギガピード(億足虫)
巨大なムカデの形をした暴徒鎮圧用のロボット。胸部から生える4本の足だけが際立って長いのが特徴。第二少年院の建物内に配備されている[43]
ワーアルマジロ(鎧鼠人)
直立二足歩行可能な大型ロボットで、一部のアルマジロのように球体になって移動できる。ギガピードを制圧できる剛力に加え、音響兵器が内蔵されており[44]、右肩部からは銃身、左肩部からは溶断ブレードが伸びる。第二少年院では外壁防衛用に配備されており、外部侵入者に対処する[43]
ニンジャ吸盤グローブ
スイッチを入れて壁に押し付けると隙間を真空にして密着するグローブ。形は猫の手に似ている[39]。重さは片手で1.2kg。
脱獄トライアルでは佐天がバーゲン品で購入したが、一般的な女子中学生の身体能力では扱いきれずほとんど役に立たなかった。
吸収材スーツ
婚后財閥が製作したスーツ。航空機材開発の際、電波暗室で数値に影響を与えずに作業を進めるための装備なので、各種センサーを誤魔化せる。部位ごとにパーツ分けされているため、着衣のまま着替えられる。密着度が高く、ボディラインがくっきりと出てしまう[45]
捕縛榴弾(カフスグレネード)
生体に反応して、チタン製ロープが全身に巻きつき拘束する道具。大抵の能力者は無力化できる強力な道具だが、重量があり、大量には持ち運べないのが難点。
六枚羽
学園都市の最新型ヘリ。
衛士ロボ(スプリガン
「能力向上施設」に配備されていた無人ロボット。警備ロボより大きく、車輪のついた4脚で移動し、2本のアームから射出するケーブルで対象を拘束する。ただ、プログラム上、人を傷つけることはできない。
イグジットApp[34]
恐怖を感じて逃げ出す事もなく、自宅で簡単に本当に死ねる「絶対自殺ツール」。元々は流行りのIoTマッサージチェアの管理プログラムの制作ツールを利用して作られたもので、マッサージチェアに組み込み設定上限のリミッターを解除して無茶な動きをする人間折り畳み処刑マシンに変えると共に、強いアルコールを服用し血行を操作する事で最大効率で確実かつ急激に酩酊状態を作り出して意識を飛ばし痛みで飛び起きるのを回避する、という組み合わせによる原理で機能する。
元は電極式の安眠効果のあるチェアを利用した「学習装置」の一種であり、ハードウェアに当たるシナプスの配線を、自分で選んで遮断する効能こそが本来の用途だった。まずは脳の配線図そのものをリ・デザインして能力を後付けで系統変化させ、最終的に状況に合わせて能力を切り替える一種の多重能力を実現する事が目的であったが、実験は最初の一歩目で頓挫。プロジェクトの閉鎖後にネットへ流出したプログラムが自殺ツールとして利用され、遂には殺人の道具としても利用されつつあった。
開発者の甘蛇でも「殺す機能」は消去しきれなかったが、初春が協力してオンラインで配布させる「酔わせる機能」を奪った事で、絶対自殺ツールとしての力は失われた。

計画

AIM拡散力場制御実験 / 暴走能力の法則解析用誘爆実験 / 能力体結晶投与実験
木原幻生が主催し、統括理事会の下で行われた実験。
表向きは「AIM拡散力場制御実験」と称して「置き去り」の子供たちを被験者とし、彼らの詳細なデータを基に実験を円滑に進めるという趣旨で行われた(その際、木山春生が教師として「置き去り」たちと接した)。しかし、本当の目的は「体晶」を用いて意図的に能力を暴走させ、そのデータを得るという「暴走能力の法則解析用誘爆実験」であった。この実験によって被験者の「置き去り」たちは皆昏睡状態に陥り、木山が「幻想御手」事件を引き起こすことになる。
テレビアニメ版では「暴走能力の法則解析用誘爆実験」すらもブラフで、「ファーストサンプル」と呼ばれる「能力体結晶」を投与する「能力体結晶投与実験」だった。
絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく)
量産能力者計画(レディオノイズけいかく)

組織

才人工房(クローンドリー)
第二学区にある[22]、食蜂の所属する研究機関。当初の目的は天才や偉人を人工的に生みだすことだったが、後に「心理掌握」で偉人を洗脳することが目的となった[46]。また、食蜂の身体検査を下方修正し、大能力者であるという虚偽の報告を行っていた。現在、食蜂によって関係者全員が洗脳され、乗っ取られている。
『禁書目録』第3巻でも、「世界中の偉人・聖人のDNAを保管し、その解析の結果、ボタン1つでいくらでも天才を製造できる」という学園都市の都市伝説の一つとして名前が登場している[47]
外装代脳(エクステリア)
表向きは「心理掌握」を増幅・拡張するためのブースターだが、本質はその能力を誰もが行使できるようにするためのもの。その正体は、食蜂の大脳皮質の一部を切り取って培養・肥大化させた巨大脳である[46]。使用するためには長時間をかけての登録作業が必要になるが、幻生は「幻想御手」の技術を応用して「外装代脳」自体を自分の脳波に合わせて調律し、登録作業を省略した。都市伝説では「能力を生み出す機械」と噂されている。
観測史上最大値の5倍の地震にも耐えうる設計と「ブーストコード」「リミッター解除コード」「自壊コード」の重要機能があり、それによって機密性が保たれていたが、管理や秘匿にかかる手間といったデメリットが大きくなりつつあった。そのため食蜂は破棄を視野に入れていたものの、自身の脳とリンクしているために破壊時に自分もダメージを受けてしまうことから処分方法で頭を悩ませていたが、大覇星祭2日目において幻生が彼女に欺かれて自壊コードを入力したことにより全損、同時にリンクしていた幻生自身も大ダメージを負い昏倒した。
内部進化(アイデアル)
「才人工房」の第3研究室。精神的ドーピング洗脳が専門で、「インディアンポーカー」の原形であるオリジナルカードを開発した部署でもある。統括理事会メンバーでもある常盤台の経営者がパトロンについており、実際に超能力者を輩出した実績を持つ、エリートだけが入ることのできる特別教育施設とされていたが、本当の「超能力者になるための能力開発を受けている」のは食蜂だけだで、その彼女も「内部進化」には所属していなかった。
蠢動の主導で、悠里の「幽体連理」を用いて「理想の能力」を作り出す研究を行っていたが、実験の事故で所属する研究者や被験者の子供達に多数の死傷者を出す。蠢動は気にも留めず計画を継続しようとしていたが、食蜂の交渉で出資が停止され、解体に追い込まれた。
理想の能力(アイデアル)
「内部進化」の最終目的。能力をカードを使って、思い描く「何もかも」を自在に「起こし」「創り出す」事が出来る最上の力に「進化」させ、いわば「神サマ」を造るという計画[48]。「神サマの力」は「なんでも屋」に近いらしく、インプットとアウトプットの指向性を明確にすれば、ある程度自由に操作できる[49]。集める力は常に流し続けないと安定しないため、「天衣装着」のような強化と再生を繰り返す能力とは相性がいい[50]
かつての悠里の「幽体連理」を利用した実験は能力の暴走によって死者を出して失敗したが、悠里の身体を確保した蜜蟻が「インディアンポーカー」を使って再現を試みた。食蜂派閥、風紀委員、削板の尽力で臨界寸前だった分の力は散らされたが、破裂寸前で暴走しかねない状況に変わりはなかったため、悠里の覚醒という奇跡を実現するために消費された。
飛行船
ドッペルゲンガーの研究を行っていた機関がバックアップを保管している飛行船。機関の最高機密であり、偏光欺瞞技術などで船そのものを隠蔽し普段は完全にランダムな航路で飛んでいるため、1ヶ月に1度指定の場所を通過してレーザーで機密情報をやり取りする時以外は機関でもどこにあるのかを把握できない。
ドッペルゲンガーの情報が存在していたため、その破壊目標の一つとなる。美琴が作った雷巨人がばら撒いた砂鉄が降り積もったことで位置を特定され、ドッペルゲンガーの願いを聞いた美琴の手で撃墜された。
第二少年院
学園都市2つ目となる民営の少年院。セキュリティ事業を生業とする民間企業が運営しており、(第一少年院)を圧倒する最新鋭の監察・防衛システムを構築している。院長は橋国亮太。超能力者も仮想敵としており、院長は常盤台中学の総力を結集しても突破できないと豪語している[51]
正規の出入り口は、容疑者の護送と看守や出入り業者が使用する正門と、緊急時のみ開放される裏門の2つだけで、車両が通行できるのは正門のみ[39]。その正門は第一少年院がゲート爆破で突破されたことを鑑みて、耐爆強度を第一の1.81倍に設定されており、さらに内部に同強度のシャッターを2枚降ろすこともできるため、実質爆破による突破は不可能[52]。AIMジャマーが多数配備され、外壁の周囲20m程度の範囲までは影響を受けるほか、通常のジャマーの範囲外からの能力による大規模攻撃に対してはピンポイントのロングレンジジャマーや壁からの風によって対応する。通風孔内にもセンサーと迎撃システムが設置され、小型ドローンなどによる侵入を防ぎ、無線を探知して操縦者も狙う。ジャマーの範囲から離れた際に逃亡されるのを防ぐため、収容所と鑑別所を同じ施設内に作り、中で仕切るようにしている[39]。外壁は高さ15mで、壁に穴を開けられても中に巡らされたパイプからバードライムを充填して即座に修復を行う。内部には衝撃波の壁を作る音響兵器や無数のロボットが配備されるほか、屋内には無力化ガスや疑似真空化設備も置かれている[45]
警備ロボは制服に組み込まれたチップで看守と囚人を判別しており、看守服を着ればロボに命令できる。捕獲対象になるのは、囚人服の者が決められた時間に決められた場所から出た場合、チップのない服を着ていた場合の2通り。
有事に備えてあらゆるシミュレートを行なっており、不測の事態への備えとして脆弱性を洗い出すため、囚人役を発見・脱獄させられるかを競い、成功者に賞金10億円を贈呈するイベント「脱獄トライアル」を開催する。「トライアル中のいかなる怪我・死亡についても一切責任を問わない」ことが参加同意書に明記されており、ロボットの攻撃で負傷者が多く出た。少年院の外にいる遠距離攻撃型の能力者に対応する遠距離ジャマーが機能しておらず、加えて電子セキュリティのみに設定されていたため、初春によってクリアされた。
能力向上施設
嬉美たち4人が勧誘された研究機関。だが、その実態は「(暗闇の五月計画)」の研究施設[53]で、「脳の一部を切ったり肥大させたりして、能力にどんな影響が出るかを調査する実験」として、脳手術などを「置き去り」に行っていた機関である。実験によって能力が下降する場合があり、しかも後遺症で感情や感覚に欠落が生じるという非道なものだった。
能力の危険性から嬉美の処分が決定されたが、茶寮によって計画を察知され脱走されそうになる。衛士ロボと実弾装備の管理部隊が派遣され、仄火を殺害したが、研究者は茶寮にカッターナイフで皆殺しにされ、管理部隊は倉庫に閉じ込められて施設ごと丸焼きにされた。

その他

Auribus oculi fideliores sunt
都市伝説サイト。サイト名はラテン語で「見ることは聞くことよりも信ずるに値する(百聞は一見にしかず)」という意味。遠く離れた水滴をレンズにできる念写能力者が管理している[22]
不在金属(シャドウメタル)
都市伝説の一つ。何重何百もの能力が衝突することで生まれる自然界には存在しない新しい金属だと言われている。大覇星祭の競技中に発生するとされ稀少価値が高く高値で売れるという話だが、DNAマップの流出を防ぐため厳重なグラウンド整備が行われていることから生じた根も葉もない噂でしかなく、整備担当者もそのような金属を見かけたことはないという。
これと同一の物かは不明だが、絶対能力者化しかけた美琴が呼び出した異世界の「何か」と軍覇の能力が衝突した結果、正体不明の金属が無数に生じている。

アニメオリジナルの用語

能力体結晶(のうりょくたいけっしょう)
体晶」とも呼ばれる薬物。
ビッグスパイダー
(スキルアウト)のグループ。現リーダーは蛇谷。第10学区エリアG「ストレンジ」を根城にしている。
創設者の黒妻がリーダーのころは、不良から子供を助けたり気の置けない仲間たちと遊ぶだけの集団だったが、黒妻が生死不明になり蛇谷がリーダーになってからは、単なる能力者狩りの無法集団と化した。かつては固法も所属していた。黒妻が蛇谷を倒したことで、壊滅する。
(RSPK)症候群
反復性偶発性念力症候群」の略称[54] であり、別名を「乱雑開放ポルターガイスト)」。『禁書目録』3巻や『一方通行』でも言及される。
心的外傷や過度のストレスにより「正しく現実を見る事ができなくなった子供達」が引き起こすもの[55] で、能力者が一時的に自律を失い、無自覚に能力を暴走させる状態のこと。個々の現象は様々だが、同時に起きた場合、暴走した能力は互いに融合し合い一律にポルターガイスト現象として発現する。さらにポルターガイスト現象が規模を拡大すると、体感的には地震と見分けのつかない状況を呈する。ただ、実際の地震とは違ってP波もS波も観測できないという。また、体晶の使用により引き起こされることでも知られている[54]
アニメ第1期の後半、第19学区および第7学区で頻繁に発生した「地震のようなもの」の正体。原因は、木原幻生の実験によって意識不明に陥った10人の「(置き去り)」を目覚めさせようとしたことであると判明した。
先進状況救助隊
「(警備員)」の一部署。通称「MAR (Multi Active Rescue)」。テレスティーナが隊長を務めている。
キャパシティダウン
スピーカーから出る音で脳の演算能力を混乱させ、能力者の能力を封じる音響システム。
能力者にとってはまともに動くことすらできなくなるほどの音であるが、レベル0の者にはただの甲高い音にしか聴こえない。試作品はミニバンに収まるサイズで、移動が可能だったが、改良型は強力になった代償として固定型になったため、移動できない。テレスティーナが開発したシステムで、データ収集のためにスキルアウトに試作品を提供していた。
盛夏祭(せいかさい)
「学舎の園」外部の常盤台中学学生寮が、年に一度だけ一般人へ門戸を開く日。様々な催し物があり、「置き去り」へのチャリティーオークションも開催される。当日、寮生はメイド服を着用する。招待状を持っていないと入場できない。
学園都市研究発表会
学園都市の学業成績優秀者に与えられた研究発表の場。通称「学究会」。毎年開催されている。謂わば「頭の良い人たちの大覇星祭」だが、派手さがないので学生の知名度は低い。会場は全部で4箇所で、複数の学校に分散している。
スタディ (STUDY)
有冨春樹が、志を同じくする学究会の上位入賞者と結成した暗部組織。新たな時代を切り開くのは能力ではなく知性であることを学園都市に示すことが目的。表の顔は、薬品の製造や科学関係を中心に手広く手掛けている企業「スタディコーポレーション」で、大量の「駆動鎧」や大型ロボットを用意できるほどの規模を持っている。「警備員」の備品の納入業者でもあり、これを利用して「警備員」の介入を防いでいる。
8月下旬に開催される学究会にて「革命」と称するテロ行為を行い、ジャーニーの「幽体拡散」を利用して2万体を超える駆動鎧を操り会場で暴れさせた。だが、「風紀委員」などの活躍で計画を妨害され、美琴に本拠地へと踏み込まれたことで、静止衛星軌道で作業中の建設機械よりミサイルを発射、高度3万メートルに達した時点で分裂し、5000発のジャーニーのフィラメントを学園都市上空にばら撒いて「幽体拡散」を暴走させ、学園都市に満ちたAIM拡散力場の連鎖崩壊を引き起こす「最終フェーズ」を発動。到底止める手段はないかと思われたが、ミサカネットワークにより短時間で軌道計算が完了したお陰で、宇宙へ飛んだ美琴によってミサイルの分裂前に撃墜され計画は完全に潰えた。
ケミカロイド計画
科学の力で、安定した均一の能力者をゼロから作り出す計画。立案者は有冨。これにより、双子の「ジャーニー」と「フェブリ」が人工的に作られた。ベースプログラムは、布束砥信が昔書いた論文が元になっている。
ケミカロイドは自然界には存在しないタンパク質で体が構成されており、普通の人間と機能の面では遜色はないが、新陳代謝を繰り返すたびにある一定量の毒素を生み出してしまうように作られている。放っておくと毒素が蓄積して内臓の機能不全を起こし、死に至るため、毒の中和剤を含む飴を舐めることで健康を保っている。「絶対能力進化計画」の時と同じプログラムを用いた「学習装置」で知識を与えられている。
疑似原子崩し
スタディによって開発された、第4位の「原子崩し」を元にした兵器を搭載する多脚戦車。機体正面の砲身から「原子崩し」を発射できるが、美琴によれば強さは麦野本人には劣るらしい。
本拠地の防衛用で配備されていたが、勝手に能力を利用された「アイテム」の報復で破壊されてしまう。
エカテリーナ二世号改
婚后航空学園都市第二工廠が持てる技術の全てを投入して作り上げた、変形式大型作業機械。複座式で、車両形態のほかに巨大な人型形態を持ち、ワイヤーで繋がった両手を発射でき、両腕からパイルバンカーを撃ち込む機能がある。
スタディによる「革命」に対抗して投入され、初春と佐天が乗り込んで、小佐古と斑目が操るロボットを破壊した。最終フェーズが発動した際には、光子の「空力使い」で打ち上げられ、美琴と黒子を宇宙まで届けた。

超電磁砲SSの用語

学芸都市編SS(用語)

学芸都市(がくげいとし)
学芸都市編SSの舞台。(アメリカ合衆国)・カリフォルニア州洋上に位置する直径10キロメートルの巨大人工島
沿岸から約50キロメートル離れた地点の、周囲が水深数千メートルという中、例外的に水深20メートルくらいまで岩場がせり上がっている場所を選んで砂や人工物を積み上げて作られた。当初は20年以上昔に公開されたSF映画撮影用の特設施設だったが、その後改装され現在では島全体がアトラクションで埋め尽くされた世界最大級のテーマパークとなっている。また、映画大国アメリカが外貨獲得価値を恒久的なものとするための撮影技術の研究開発を行う側面も持ち、科学力では敵わない学園都市に対抗するために、最先端とは程遠い伝統工芸古典芸術を世界各地から集めており、そこから新たな方向性の映画技術を模索する施設でもある。しかし、全てが娯楽でできイベントも頻繁に催されるこの街は、事故や事件などの異常事態が「サプライズのアトラクションショー」で片付き流されてしまうという危険を孕んでおり[注 40]、実際後述のように隠蔽工作に利用されている。
元のSF映画が近未来の地球を描くものだったため、50年後の動植物の環境を疑似的に作り出しており、島の周囲は「生物ガード」という目の細かい網で覆われ、互いの生き物が出入りできないようになっている。撮影当時は本土から片道1時間以上かかっていたが、現在は少しでも景観を守るために作られたリニアモーターカーの海底トンネルによって行き来する。
表向きは娯楽と映画の街だが、その裏では学園都市とは違うアプローチで超能力開発を目指す極秘研究機関という側面を持つ。機密に触れたり不都合な行為を起こした人間を「ショー」として拉致・監禁したり事故を装って殺害するなど、目的のためには手段を選ばない。そのため、機密に触れた旅行者を自然な形で「処理」するための施設が複数存在し、ラージランチャー内にある行方不明者用の実験施設のほか、最東端部には事件を起こした張本人を溺死させるための海難事故の多発地帯が意図的に設計されている。さらに作中では「翼ある者の帰還」との戦闘に備え、50機以上の迎撃戦闘機、装甲服、ライフル、核ミサイル迎撃用の地対空ミサイル(PAC3)、といった在日米軍基地を凌ぐほどの戦力が結集していた。
研究の過程で美術や芸術とは関係ない「古くからの知識」までが集まった結果、「雲海の蛇」などの霊装を入手し、その魔術的な機構を超能力による産物と誤解して研究したために、「(翼ある者の帰還)」から襲撃を受け、長らく戦争状態となっていた。魔術サイドの協定に抵触したためにアレイスターから横槍を入れられて米軍の支援を受けられなくなり、最終的に敗北・壊滅して経営破綻し、その後は学園都市主導で解体される。なお、表向きは安価な旧式戦闘機を使ったゲリラに襲われたということになっている。
係員
学芸都市の運営実務を行う職員。表向きは観光客の案内が主な役目だが、学芸都市の規則と注意事項を厳守してもらうための物理的な制約として、注意と警告を受け入れない客への実力行使を許されており、「ショー」による処理や証拠隠滅工作、有事の際の戦闘といった暗部まであらゆる業務を担う。
ラヴィーゼ飛行隊
学芸都市の主な防衛戦力。F-35をベースに改造した漆黒のステルス戦闘機の5機編隊であり、全部で50機が配備されている。数々の装備品を搭載した強力な戦闘機だが、これによって垂直離着陸機能は失われ700メートル程度の短距離滑走路が必要になっている。「エイリアン戦争」という映画に登場する同名の部隊と戦闘機を模しているらしく、観光客にはアクロバット飛行用の機体だと思われている。
ラージランチャー
島の内陸中心部3キロメートル四方の敷地にある、元々のSF映画で最も重要とされたロケット発射場。「名場面が生まれた場所」として手を加えないで保存してほしいと大勢のファンから嘆願されたため、他の部署のように「観光用」に内部を改装されずに残されており、客が入れなくなっている。莫大な集客効果を生んでおり、周囲には展望台や観覧車、高層ホテルなどが建てられている。
実態は学芸都市の核となる部分であり、縦横1.5キロメートル四方、高さ20メートル近い格納施設が内部に存在する。さらにその奥には「行方不明」で処理された人々が収容される一種の実験施設が設置される。ここに拿捕した大量の「雲海の蛇」が研究用に保管されていたが、潜入したトチトリ達によって徹底的に破壊される。
ラージランチャー以外にも弾薬庫をはじめとする実戦とアトラクションの齟齬を埋めるための地下施設が存在するが、立地上、シェルターとしての十分な「深さ」を確保できないので規模は小さい。
サーモンレッド
学芸都市が保有する巨大救命艇。200メートルクラスの高浮力式船舶で、定員は1隻あたり8万人前後。海岸12ヶ所に格納されており、全体で100万人近い観光客を乗せられる。あくまで救命艇なので1人1人のスペースは寝袋程度だが、そのスペース自体が独立したボートとして機能する。名称は、乗員のいる小型ボートを大量に抱える格好が、卵を抱えたシャケのように見える事に由来する。船自体は専門的な知識がなくとも、GPS制御で暗礁や他の船を自動で回避しながら米国本土へ向かえるように設定されているものの、港での細かい停船作業は行えないので下船時は陸地近くまで接近して救助隊に助けてもらう必要があり、戦場を迂回したり針路を別の場所へ変えるなどの回避策は取れない。また、周辺海域に設置された生物ガードを引き千切る必要性があるため、滅多に動かせない。
広域社会見学(こういきしゃかいけんがく)
学園都市の学生が世界各地の都市へ遠征する社会科見学。9月3日から9月10日までの1週間行われる。
参加者は学校を問わず無作為に選ばれ、20人ほどの学生や引率の教師などのグループが一つの都市へ向かう。宿泊先の指定や点呼など以外は基本的に全て自由行動であり、実際はほとんど修学旅行と変わらない。また、世界各地とはいっても、各国の中でもアメリカに派遣される学生が特に多い[注 41]
翼ある者の帰還
雲海の蛇(ミシュコアトル)
「翼ある者の帰還」が保有する(霊装)・兵器。量産機。アステカ神話の神ミシュコアトルの名を冠する。
全長5メートルほどの船舶。カヌーを2つ上下に合わせたような鋭角的な楕円形をしており、機体前方には左右に大小二枚ずつの羽が生え、全体的にトビウオのような外観である[注 42]。本体材質はのような木製で、羽や他の箇所も全て木と布と黒曜石で出来ており、金属部品は1つも使われていない。本体上部はスライド式で開閉する。
アメンボの如く羽の先端で水面を蹴り滑るように進み、推進速度マッハ1から2という高機動性を有する。ミサイル、脱出機能、自爆装置も有する。海上移動用の兵器なので、基本的に水上しか進めないが、エアクッションの出力を一時的に増強して空へ飛び上がるオプションも存在する。推進剤は水素系燃焼剤だと推測されているが、当然ながら科学的手法では原理を説明できず、全く同じパーツで再現しても魔術師が乗らなければ起動しない。
太陽の蛇(シウコアトル)
「翼ある者の帰還」が保有する霊装にして最終兵器。太陽を地面から大空へ運ぶ役割を持つ神であり、400の神々を薙ぎ払った武器でもあるシウコアトルの名を冠する。4体の子機と「本体」の計5体からなり、どちらも木と布と黒曜石で構成されている。起動させるには鍵となるソフトボール大の霊装が必要で、抗争の最中に学芸都市に奪取されていたため長らく起動不能だった。
子機は全長100メートル以上の巨大飛行兵器。ラグビーボールを引き伸ばしたようなボディの側面と後方には大小の羽が取り付けられており、時速約100キロメートルで泳ぐように飛行する。側面の噴出口から重油のような液体状の火炎を押し流すように放出し攻撃する。ただしそれは副次的な機能で、本来はのように展開し直径200メートルほどのパラボラアンテナ型へ変形して、本体の攻撃地点となる使い捨ての指標である。
本体は地上から3万5000キロメートル以上離れた衛星軌道上に位置する、宇宙ステーションのような機体。アンテナに変形した子機の地点へ1000発以上の純白の光線を発射し、着弾地点の周囲直径10キロメートルを吹き飛ばす大規模爆撃兵器。元々はアステカ圏の人々が太陽への干渉方法を試みたプロジェクトの一つで、高度な天文学の知識や技術を用い物理法則を無視して強引に打ち上げた「文明の象徴」である。本来の役割は力を失いかけた太陽に大量の火打ち石を撃ち込んで活力を与えるというものだったが、結果としてこのプロジェクト自体は失敗し、その後兵器に転用された。
試作型セックスアピール水着
広域社会科見学2日目に黒子が着た未来水着。白い外布と青い内布の二重構造になっている、一見すると白っぽい地味なワンピース型水着なのだが、学園都市の科学技術の粋を集め、3万8000種の動物の求愛行動を参考に設計された究極の一品。老若男女どころか鳥獣魚虫まで問答無用で発情させる機能があり、秘密のスイッチを入れることで、外布の切り込みによる青い色彩で描き出されるライン、内蔵された小型スピーカー、フェロモン芳香粒(電気散布式)などの五感対応式の多角的な仕掛けが起動し、無尽蔵な求愛の嵐を巻き起こす。爆心地に立っている着用者本人が最も大きなダメージを受けるのが欠点。

能力実演旅行編SS(用語)

ショッピングセンター
能力実演旅行編SSの舞台。学園都市協力機関の一つで、(ロシア)東部の原野に位置する巨大実験都市。
ドーム球場650個超の敷地面積を誇る世界一広大なショッピングセンター。商業に関する人間の心理効果を研究する目的で作られた金融・経済の思考実験場であり、世界中から客を取り込む一つのテーマパークとしても機能する。ありとあらゆる店舗や商品の揃った場所である。
高さよりも広さに重点を置いた平べったい構造をしている。街にいるのはほぼ観光客で、ホテル群には最大で20万人を収容できるだけの許容量がある。生活必需品と娯楽や嗜好品の区画に分かれているが、元々ロシアが銃社会であるため、日用品としてライフルが販売される。
一方で上層部は、「協力機関」という立場から脱却する事を目指し、ショッピングセンターが持つ断片的な知識の価値が高まる状況を作り出すため、コードEICを利用した大規模テロによる学園都市壊滅を目論んでいた。だが、雇用していた魔術結社との交渉が決裂した際に上層部は報復で皆殺しにされ、事件後、封鎖・解体が決定する。
保安員
「ショッピングセンター」の治安維持用職員。日常的に迷子や万引きなどのトラブルが絶えないため、その対処として警察とは別に作られた。学園都市の「警備員」を参考にしているらしい。観光客で溢れ返る広大な商業施設で現場へ最短距離で直行するため、パトカーの代わりに大型ヘリ「ハインド」を使って上空をショートカットする。
半公開型AR
「ショッピングセンター」で普及している拡張現実 (AR)技術。学園都市から大規模な技術支援を受けて実現し、試験運用として導入されている。
街中のあらゆる壁、床、道路、看板が巨大なタッチ式モニタとなっているようなもので、特定の端末を用いずに動作と肉眼で必要な情報を呼び出すことができる。このため、街には街路樹が植えられている場所にしか土が存在しない。
通常なら携帯電話やPDAの画面を使った方が簡単なのだが、特定の機器を使わないと確認できない状況で、「悪口の書かれた紙を背中に貼られる」問題を回避するために開発されている。「第三者の手で容易にチェックできるかもしれない環境」を作って抑止を狙っている面もあり、自分が呼び出した情報を第三者が見られないよう、使用者の位置情報を調べてピントを合わせるように映像が表示され、情報の隔離レベルも個人で設定できる。これを逆手に取り、人間の居場所を探る事も可能。
プロジェクト=コードEIC
「ショッピングセンター」で極秘裏に進められている実験計画。およびそこで開発された情報システム。EICは「経済的情報制御(エコノミックインテリジェントコントロール)」の略称。
マスメディアによる宣伝・報道の操作からネット上や口コミの噂の流布まであらゆる情報を「流行」という形で波状的に制御することで、特定の対象へ自在にプレミア価値や否定的なレッテルを付加し、各店舗の売上増減やひいては経済市場全体の支配を目指すプロジェクト。膨大な防犯カメラから人の挙動を読み取って感情を予測し、自動的にニュースソースを作成、最適のタイミングで波状配信する事で、人間を個人としてではなく、集団の塊として制御する。「すでに存在する商品」を軸に様々な情報を付加し「自由度のある脅迫」を提示しているので、一種のマインドコントロールとも言えるが、あくまで集団心理を利用して無意識に行動を誘導するだけなので、強制的な洗脳とは異なる。実現すれば第三者が一方的に収益を決めつける事ができ、本気で使えば一国を超大国に押し上げ、銃弾1発も使わず敵対国を滅ぼす事もできるとされる。
システムの中枢となる巨大コンピュータは地下施設の株式売買センターに置かれている。その計算領域の3分の2がコードEICのために利用され、実際の株取引は残り3分の1で賄われる。
本来は「必要以上のプレミア価値をつけた商品情報」の流布を目的とする悪意のない経済実験だが、「ショッピングセンター」上層部に悪用され、学園都市とショッピングセンターの両都市で目的に沿った都市伝説を流布し、それに沿った大規模テロ計画を実行するために用いられた。
ニホンダルマ / マグロヒロイ
「新たなる光」が「ショッピングセンター」内で経営している店舗。実態は「新たなる光」がコードEICを調査するために用意した拠点である。正式には「軽食・土産物屋 ニホンダルマ」。店名の由来は同名の都市伝説。特典では「ニホンダルマ」表記だったが、『外典書庫』収録時に「マグロヒロイ」に変更されている[56]
内装や棚の配置などは通常のコンビニエンスストアと同様だが、扱っている商品は羊皮紙の古書や瓶詰めの昆虫など不気味な品ばかりであり、美琴からは「オカルトコンビニ」と呼ばれる。それ単体では効果のない霊装の材料をお守り代わりとして適当に売っている。調査活動を隠すのが目的なので、商売自体は道楽に近い。
とても価値あるオレンジ
学園都市のネット上で流行しているローカルな都市伝説。
概要は、「某国で奇妙なオレンジを購入した旅行者が帰国後不審に思い問い合わせると、果肉の中にベニオオアシグンタイアリの卵が100個以上産み付けられていた」という物で、最後に「大量の卵が孵化しオレンジが破裂する」というオチが付く。
元々は中米でサボテンを買う話で、「中身」についても軍隊蟻ではないとされる。オレンジと軍隊蟻の組み合わせは学園都市だけの極めてローカルな都市伝説であり、少なくともロシア国内では広まっていない。
ベニオオアシグンタイアリ
作中に実在する肉食性の軍隊蟻。体長2 - 3センチメートルの黒色の体に、その名の通り長く赤い足が特徴。オスメス共に兵隊アリになる珍しい種で、オスには透明な翅がある。特定の巣を持たず、女王蟻を中心とした5万 - 20万匹程度でコロニーを構成し、哺乳類を好んで捕食する傾向がある。食糧問題によってコロニーが激減した場合は、確実に獲物を得るために果物の果肉の中に潜伏して擬態し、果物が刺激を受けたり周囲の気温が急激に上下すると女王蟻のリミッターが解除されて卵が無尽蔵に孵化、複数の女王蟻が誕生する。いくつかの村落を全滅させたこともある獰猛な危険生物である。
生物爆弾
「とても価値あるオレンジ」になぞらえ、ベニオオアシグンタイアリの卵が果肉に産み付けられたオレンジを利用した生物テロ。街中にオレンジを設置し、誕生した蟻を無尽蔵に増殖させる事を目的とする。環境が激変する状況でなければ卵の孵化や成虫の活動は見込めないというのが最大の欠点で、これのおかげで安定した保管と使用ができるという面もあるが、意図的な「爆発」を引き起こすには人工的な手法で気温や湿度が絶えず切り替わる場所にセットする必要がある。
犯人は都市伝説と同様の状態にしたオレンジを20個用意し、それによって「ショッピングセンター」を壊滅させようと企てた。「爆発」の一つが美琴に阻止されため、探りを入れていた犯人はレッサー達と美琴を遠隔操作の重機で襲撃するが、その存在を疎んじた上層部によって犯人は殺害され死体も処分される[注 43]
(死のネックレス / 輝くネックレス)
「恋人から贈られた物体を透過する電磁波を放つ石がついたネックレスのために細胞を壊されて死亡する」という都市伝説。特典では「死のネックレス」表記だが、『外典書庫』収録時に「輝くネックレス」に変更されている[57]
作中では物体を透過して対象を即死させる「超高周電磁波ライフル」として、学園都市に侵入したテロリストが使用した。さらに、超高周波の電磁波を浴びせると発火、爆発するおそれがあって回収された、大量の有害電磁波検知剤「SC39」の爆発物を射出、起爆する事で、不測の事態に対する陽動としていた。しかし、超高周電磁波の殺傷能力さえ打ち消せる手段があれば脅威度は高くないため、核施設作業用の駆動鎧を装備した警備員によって制圧された。
ウランの置物 / キケンな置き物
ウランの結晶にまつわるネックレスの都市伝説がコードEICによって変質したもの。特典では「ウランの置き物」表記だが、『外典書庫』収録時に「キケンな置き物」に変更される[58]
概要は、「テロリストが『ショッピングセンター』の裏市場で密売買した核物質を核爆弾に加工する取引を行おうとしている」というものだが、細部が異なっている。学園都市ではテロの標的が学園都市として伝わり、「ショッピングセンター」ではテロリストが学園都市の人間で標的が「ショッピングセンター」として伝わっている。
「とても価値あるオレンジ」に代わって流布された「死のネックレス」がウランに関連して変化した物で、先の2件と違って全世界規模で広がっているのが特徴。「ショッピングセンター」では特に深く広まり、美琴を狙った暴動を誘発する。こちらで用いられたのは水爆ではなく、黙示録系を曲解した「硫黄の炎」による魔術的な広範囲爆弾だった。
ソーンツェ型水素爆弾
「ウランの置物」になぞらえた学園都市への核攻撃テロに用意された水素爆弾
一次計画は、学園都市に潜入したテロリストによってソーンツェを運び、タイマー式起爆装置で起爆させるというもの。二次計画は、核兵器懸架能力を備えたMIG-21改良機3機編隊を囮として使い、その隙に小型UAVで起爆信号を送信し起爆させるというもの。
結果的に美琴からの情報提供で、爆発前にUAVは撃墜されるが、対応の速さから学園都市側はこの状況を事前に予測していたのではないかとされる。
車輪の大蛇
「ショッピングセンター」に雇われたカリーチェ=I=ニーキノシ達が用意した、全長70メートルを超える拠点殲滅用の超大型霊装。
直径3メートルから15メートルの巨大な大小無数の車輪が噛み合い、大蛇のようなシルエットを構成している。基本的には大理石のような白い石で、外殻だけが金色の金属で補強される。
魔術師という個人を倒すためではなく、敵対者の本拠地を地形ごと薙ぎ払うために用いられる「重さで潰す兵器」。ソロネの伝承を基礎に「(神の如き者)」の「(天使の力)」を使い、武力によって世界の均衡を保つ性質を応用して常に車輪と車輪の間隔を「安定」「保持」「調整」、さらに(最大級の堕天使)を1000年縛る鎖のエピソードによって瓦礫を車輪の表面に吸い寄せると同時に、「悪を縛る鎖が信徒を拘束する事はない」という意味を拡大解釈して味方を守る。また、自転車のギヤを変えるようにパターンを替え、より効率的に敵を追う事も可能。ただし、大きすぎる瓦礫を呑み込んだりギヤを組み替えたりする時、重力を無視して車輪と車輪が一時的に距離を取るので、その一瞬は攻撃の手が止まる。
元々はショッピングセンター側が報酬を支払わなかった時の「保険」のための仕掛けであったが、戦闘部隊がレッサーとベイロープに敗北したため、後方支援要員によって呼び出された。だが、美琴の「超電磁砲」で車輪の列を逸らされた隙に術式をレッサーに解析され、「安定」のための条件を上書きされて崩壊した。

書誌情報

漫画

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲
タイトル 初版発行日 発売日 ISBN
1 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(1)
2007年11月25日 2007年11月10日[書 1] (978-4-8402-4107-6)
2 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(2)
2008年6月10日 2008年6月10日[書 2] (978-4-04-867146-0)
(978-4-04-867084-5)
(特装版「禁書目録ポーカー」同梱版)
3 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(3)
2009年2月27日 2009年2月27日[書 3] (978-4-04-867719-6)
4 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(4)
2009年10月27日 2009年10月27日[書 4] (978-4-04-868169-8)
(978-4-04-867894-0)
(特装版「根付ストラップ」同梱版)
5 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(5)
2010年6月26日 2010年6月26日[書 5] (978-4-04-868686-0)
(978-4-04-868553-5)
(特装版「偽典・超電磁砲」同梱版)
6 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(6)
2011年2月26日 2011年2月26日[書 6] (978-4-04-870350-5)
7 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(7)
2011年12月17日 2011年12月17日[書 7] (978-4-04-870976-7)
8 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(8)
2012年10月27日 2012年10月27日[書 8] (978-4-04-891101-6)
9 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(9)
2013年8月27日 2013年8月27日[書 9] (978-4-04-891844-2)
10 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(10)
2014年7月26日 2014年7月26日[書 10] (978-4-04-866698-5)
11 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(11)
2015年10月27日 2015年10月27日[書 11] (978-4-04-865431-9)
12 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(12)
2016年11月26日 2016年11月26日[書 12] (978-4-04-892365-1)
13 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(13)
2017年11月27日 2017年11月27日[書 13] (978-4-04-893425-1)
14 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(14)
2018年10月11日[書 14] (978-4-04-912146-9)
15 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(15)
2019年10月10日 2019年10月10日[書 15] (978-4-04-912838-3)
16 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(16)
2020年10月27日 2020年10月26日[書 16] (978-4-04-913481-0)
17 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(17)
2022年2月26日[書 17] (978-4-04-914255-6)
18 とある魔術の禁書目録外伝
とある科学の超電磁砲(18)
2023年3月27日[書 18] (978-4-04-914959-3)
とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ
タイトル 発売日 ISBN
1 とある科学の超電磁砲外伝
アストラル・バディ1
2017年11月27日[書 19] (978-4-04-893434-3)
2 とある科学の超電磁砲外伝
アストラル・バディ2
2018年9月27日[書 20] (978-4-04-912050-9)
3 とある科学の超電磁砲外伝
アストラル・バディ3
2019年7月26日[書 21] (978-4-04-912643-3)
4 とある科学の超電磁砲外伝
アストラル・バディ4
2020年10月26日[書 22] (978-4-04-913390-5)

小説

とある科学の超電磁砲外伝
タイトル 初版発行日 発売日 ISBN
とある科学の超電磁砲外伝 2022年6月10日 2022年6月10日[書 23] (978-4-04-914455-0)

偽典・超電磁砲

第5巻特装版に同梱された別冊付録。未収録コミックの再録に加え、多数のイラストレーター、漫画家、小説家らの寄稿によるイラストギャラリー、コミック、トリビュート小説が収録されている。

タイトル、寄稿者、初出は以下の通り。

イラスト
カラーコミック
とある愉快なおちびちゃん:えれっと
  • 〜インデックス編〜(初出 月刊コミック電撃大王 2009年12月号)
  • 〜御坂美琴編〜(初出 月刊コミック電撃大王 2010年1月号)
  • 〜白井黒子編〜(初出 月刊コミック電撃大王 2010年2月号)
  • 〜打ち止め編〜(書き下ろし)
再録コミック
  • 番外編 とある暗部の下着論争[注 44]ふゆかわもとい
    (初出 電撃文庫MAGAZINE 2008年11月号増刊 「とらドラ!VS禁書目録」)
  • とある科学の超電磁砲:ふゆかわもとい
    (初出 月刊コミック電撃大王 2008年8月号特別付録(1) 電撃4コマ大全)
  • 「とある魔術の禁書目録」アニメDVD告知編:ふゆかわもとい
    (初出 月刊コミック電撃大王 2009年2月号)
  • TVアニメ開始告知編:ふゆかわもとい
    (初出 月刊コミック電撃大王 2009年11月号)
  • 「とある科学の超電磁砲」アニメDVD告知編:ふゆかわもとい
    (初出 とある科学の超電磁砲〈レールガン〉 公式サイト)
コミック
  • 4コマコミック5作:犬江しんすけ
    • とある寮監の最強伝説(レジェンド)
    • とあるアニメの広告宣伝(アピールタイム)
    • とある能力と異能の関係(ニックネーム)
    • とある機械と共感覚性(フレンドシップ)
  • とある佐天の魔術指導(チンカラホイ):みしまひろじ
  • とある鍋会の美味食材(さてんさん):小梅けいと
トリビュート小説
とある部室の映像中毒(ファナティック)
著:伏見つかさ イラスト:いけださくら 監修:PROJECT-RAILGUN
内容は本シリーズではなく、伏見の作品『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の番外編である。
とある自販機の存在証明(ファンファーレ)
著:成田良悟 イラスト:たくみなむち 監修:鎌池和馬[注 45]
半公式的な内容の作品[注 46]。木原姓のオリジナルキャラクターである木原那由他、削板軍覇と御坂美琴の対戦、「乱雑解放」編や「妹達」編の導入部を匂わす台詞、禁書目録本編を補完する設定など、シリーズの各所に繋がる要素満載の内容になっている。なお、この作品には原作とアニメオリジナルの両方の設定を使用している。ページ数の都合上、あとがきは成田の公式サイトに掲載されている[33]
後に発売された本編の新約4巻では登場人物から木原那由他についての言及もある。

テレビアニメ

第1期はAT-Xほかにて2009年10月から2010年3月まで放送された[62]。第2期は2013年4月から9月まで放送された[62]。第3期は2020年1月から9月まで放送された[63]

ゲーム

コンシューマーゲーム

とある科学の超電磁砲
2011年12月8日に発売されたPSP用ソフト。ジャンルはアドベンチャーゲーム

モバイルゲーム

とある科学の超電磁砲Sパズル
2013年7月25日に配信開始された、iOSスマートフォン向けアプリケーション。ジャンルはパズルゲーム
とある科学の超電磁砲 通心物語(スペクトルストーリー)
2020年3月27日に配信開始された、iOSAndroidスマートフォン向けアプリケーション。ジャンルは「学園科学ビデオコールADV」[64][65]

体感型ゲーム

とある科学の超電磁砲T 謎解能力測定(リドルプログラム)
2020年11月6日から2021年1月11日にかけて行われた、立川駅周辺エリアを開催地とした体感型ゲーム[66]

パチンコ

パチスロ

  • SLOTとある科学の超電磁砲(藤商事、2022年11月)[70]

コラボレーション

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b 第13話まで「メディアワークス」、第14話から第63話まで「アスキー・メディアワークス」、それ以降は「KADOKAWA」が出版。
  2. ^ a b コミックス第7巻およびアニメ第2期からは「はいむらきよたか」表記。
  3. ^ 「絶対能力進化(レベル6シフト)実験編」「一方通行(アクセラレータ)編」とも。
  4. ^ 運営企業公認で少年院を攻略し、収容されている囚人役(ターゲット)を発見・脱獄させられるかを競うイベント。脱獄を成功させた参加者には賞金10億円が贈呈される。
  5. ^ 初出は月刊コミック電撃大王2008年10月号 付録 『とある魔術の禁書目録「禁書目録」目録』。
  6. ^ a b c d e 名前の初出はテレビアニメ版。
  7. ^ 作中では主に手にしている扇子を開くのと同時に噴出させている。
  8. ^ 1年前は年相応のスタイルだった。
  9. ^ 本人曰く生まれつきとのこと。
  10. ^ 軽く走っているだけの美琴にも追いつけない、前向きに投げた物が横に飛んでいくため、すぐ側まで近づかないと投げたゴミをゴミ箱に入れられない、泳げないどころか洗面器の水でも溺れかけるなど。
  11. ^ 厳密には食蜂の記憶を呼び出す機能だけが失われていて、上条側では、彼女の能力名=通称は、言われれば「そう言えばそんなヤツがいた」という程度に思い出すことはできる。また、髪の匂いなどの断片的な記憶は辛うじて残っている。ただし、それを彼女と結びつけることができない状態である模様。
  12. ^ 精密操縦ならば10名ほど、単純命令によるオート操作なら3ケタにおよぶ。
  13. ^ ただし格下である大能力者以下の発電能力者には通常通り能力にかけることができ、実質能力が通じないのは美琴のみである。
  14. ^ 春先までは三つ編みだったが、(坂島)の思い付きで縦ロールに変えられてしまった。元に戻そうかとも考えていたが、食蜂に褒められた(彼女は「愉快力の高いヘアスタイル」と感想を言っただけ)ため以降そのままにしている(ただし就寝時は以前同様の三つ編みにしている)。
  15. ^ 18歳以下でも乗り回せるようエンジンだけを組み替えて排気量を削減するカスタマイズが施されている[19]
  16. ^ 名前の初出はゲーム版。名前が設定されていなかったテレビアニメ版第1期での役名は「鞄の少女」。
  17. ^ a b c d e f g h 名前はテレビアニメ版より。
  18. ^ 教師時代はショートヘアでクマは無かったが、クマができたのは教え子達の救出に苦心を続けていたためで、それから解放された「乱雑開放」事件後はクマが無くなっている。
  19. ^ この時点で「樹形図の設計者」が破壊されていたため。
  20. ^ a b 名前の読みは不明。
  21. ^ 感情を持つことによって「妹達」が死への恐怖を抱き、一方通行や研究者といった実験関係者がそれに同情し実験を中止することが狙いだった。
  22. ^ その際、長点上機学園を除籍となっている。
  23. ^ 暗部に繋がるデータを美琴が操作、関係者の記憶を美琴の依頼を受けた食蜂が操作し、布束が罰せられないようにした。
  24. ^ 2人が「風紀委員」であるため野良犬であるペロが処分されてしまうことを危惧し、自身の本当の目的については伏せていた。
  25. ^ 念写能力と組み合わされたような能力であるためか、解析機器を通すまでは自分でも予知の結果が分からない。
  26. ^ 下の名前の読みは不明。英語版では「めぐみ」。
  27. ^ 報告書では死亡したとされているが、フレンダとの戦闘の結果死亡したと見なされたのか、誉望によって助けられた後に実際に死亡したのかは不明。
  28. ^ 鉄骨だけなら美琴の方が優勢だが、鉄筋コンクリートの破片では彼女の影響力を上回り、距離による威力の減衰も小さい。
  29. ^ 下の名前の読みは不明。
  30. ^ アニメ第20話にてゲームセンターの機械で撮影した物と同じ。
  31. ^ a b c デザインは明貴美加
  32. ^ キャパシティダウンは"能力者のみを苦しめる特殊な周波数の音"であるが、佐天は無能力者であるためキャパシティダウンの影響を受けなかった。
  33. ^ ただし、その原因の一部は黒子のストーカー紛いの監視によるもの。
  34. ^ 初掲載時は「山岳 達子(さんがく たつこ)」という名前だった。
  35. ^ 『とある魔術の禁書目録SP』ではこの名前は登場しない。
  36. ^ あとがき[33] によれば、成田が新キャラの原案について鎌池に尋ねたところ「金髪ツインテールロリならいいですよ」と即答したという。
  37. ^ 作中の解説ではクオリアに酷似。
  38. ^ 「自分だけの現実」や演算はネットワークとなった能力者のものであるため、能力開発を受けていなくても使用できる。
  39. ^ テレビアニメ版では、「幻想御手」使用者の心の声になっている。
  40. ^ 例えば、爆発や銃撃戦があっても映画の宣伝のための公開イベントだと解釈されたり、事故に巻き込まれた負傷者が出ても一般人に紛れていた役者の演技と血糊だと解釈されるなど。地の文では「究極の平和ボケ」と表現される。
  41. ^ これはアメリカが学園都市創設時に協力関係であったため。
  42. ^ そのため、美琴など「雲海の蛇」をよく知らない者からは「トビウオ」と呼ばれる。
  43. ^ 「ショッピングセンター」に恨みを持つと推測される第三者が犯人だとされるが、詳細は不明。
  44. ^ 雑誌掲載時のタイトルは「とある科学の超電磁砲 番外編○月×日」。
  45. ^ 成田は執筆する上で、設定や描写について鎌池にチェックやアドバイスを多数受け整合性を取ったという[33][59][60]
  46. ^ 前述の監修に加え、鎌池自身も本編と本作との繋がりを言及している[61]

出典

  1. ^ 電撃文庫編集部 編「対談「漫画『とある科学の超電磁砲(レールガン)』を語る。鎌池和馬×冬川基」"御坂美琴の奪い合い!?"」『とある魔術の禁書目録ノ全テ』鎌池和馬 原作・監修・寄稿、アスキー・メディアワークス、2007年10月10日、146頁。ISBN (978-4-8402-4042-0)。 
  2. ^ “面白ければなんでもあり”. 2016年4月30日閲覧。
  3. ^ “荻野謙太郎(マンガ編集者)さんのツイート”. Twitter (2018年10月11日). 2018年10月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e 『メガミマガジン 2009年12月号』 学習研究社、2009年10月30日発売、148頁、(ASIN) B002SUI9KS
  5. ^ テレビアニメ第1期 BD/DVD 第2巻解説書
  6. ^ とある魔術の禁書目録 神崎火織編SS 第1話
  7. ^ とある魔術の禁書目録 神崎火織編SS 第2話
  8. ^ とある魔術の禁書目録 神崎火織編SS 第3話
  9. ^ a b c d e f g h i “とあるシリーズ のアニメ、声優・キャラクター・登場人物・最新情報一覧”. にじめん. https://nijimen.net/tags/toaru 2023年2月9日閲覧。 
  10. ^ 小説『とある科学の超電磁砲』第四章 御坂美琴とお嬢の終わり(p270-271)
  11. ^ a b c 小説『とある科学の超電磁砲』第四章 御坂美琴とお嬢の終わり(p249-255)
  12. ^ a b 『アストラル・バディ』4巻、p12
  13. ^ gouranga_のツイート(329607963859906562)
  14. ^ 「とある科学の心理掌握」ドラマCD
  15. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p34
  16. ^ とある魔術の禁書目録 幻想収束(イマジナリーフェスト)公式の2021年10月30日のツイート、2022年7月14日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g h i 17巻カバー下。
  18. ^ a b c d e f g h 小説『とある科学の超電磁砲』第四章 御坂美琴とお嬢の終わり
  19. ^ a b c d 小説『とある科学の超電磁砲』第一章 白井黒子は躊躇わない(p32-42)
  20. ^ a b 小説『とある科学の超電磁砲』第一章 白井黒子は躊躇わない(p48-51)
  21. ^ テレビアニメ第1期 BD/DVD 第3巻解説書
  22. ^ a b c 第9巻第55話
  23. ^ a b c “「とある科学の超電磁砲T」追加キャストに河西健吾、富田美憂、藤井ゆきよ(コメントあり)”. コミックナタリー (2019年12月26日). 2019年12月26日閲覧。
  24. ^ 『禁書目録』創約4巻、25-26ページ。
  25. ^ “新キャラクターキャスト情報解禁!”. とある科学の超電磁砲T アニメ公式サイト. 2020年2月27日閲覧。
  26. ^ a b 創約7巻、149ページ。
  27. ^ 名前の読みはテレビアニメ第2期 BD/DVD 第2巻解説書より。
  28. ^ a b c “新キャスト情報解禁!”. とある科学の超電磁砲T アニメ公式サイト. 2020年4月27日閲覧。
  29. ^ “とあるプロジェクトTwitter” (2020年7月25日). 2020年7月25日閲覧。
  30. ^ 16巻、p21
  31. ^ a b c d 16巻、p199
  32. ^ a b c 16巻、p184
  33. ^ a b c “とある自販機の存在証明あとがき”. 『怪奇☆ザックバラン侯爵現る現る』. アットティーコム. 2013年6月1日閲覧。
  34. ^ a b 小説『とある科学の超電磁砲』第三章 初春飾利もマジメに仕事する
  35. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p65-66
  36. ^ 『アストラル・バディ』4巻カバー下
  37. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p93
  38. ^ 『アストラル・バディ』第9話より。
  39. ^ a b c d e 第99話
  40. ^ a b 14巻p74
  41. ^ 『超電磁砲』16巻、p20
  42. ^ a b 第102話
  43. ^ a b 第104話
  44. ^ 第101話
  45. ^ a b 第105話
  46. ^ a b 第9巻第61話
  47. ^ 『禁書目録』第3巻 125ページ
  48. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p164-165
  49. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p212
  50. ^ 『アストラル・バディ』4巻、p222
  51. ^ 第98話
  52. ^ 第100話
  53. ^ 第128話、17巻、p3。
  54. ^ a b 『とある科学の一方通行』第41話より。
  55. ^ 『禁書目録』3巻 131ページ
  56. ^ 外典書庫2、321ページ
  57. ^ 外典書庫2、473ページ
  58. ^ 外典書庫2、513ページ
  59. ^ 成田良悟 (2010年3月25日). “『とある科学の超電磁砲 五巻特装版』のトリビュート小 ...”. Twitter. 2011年5月22日閲覧。
  60. ^ 成田良悟 (2010年6月17日). “ある意味で美琴の禁忌(?)に触れるかもしれない内容が ...”. Twitter. 2011年5月22日閲覧。
  61. ^ 鎌池和馬新約 とある魔術の禁書目録第1巻』アスキー・メディアワークス電撃文庫)、2011年3月10日。ISBN (978-4-04-870319-2)。 
  62. ^ a b “【とある科学の超電磁砲】OP&ED主題歌一覧!過去から現在までまとめ”. サブカルウォーカー. (2020年3月6日). https://subculwalker.com/archives/70836/ 2022年8月13日閲覧。 
  63. ^ “『とある科学の超電磁砲T』作品情報”. アニメイトタイムズ. https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=14984 2022年8月13日閲覧。 
  64. ^ “とある科学の超電磁砲 通心物語(スペクトルストーリー)”. 2020年2月13日閲覧。
  65. ^ とある科学の超電磁砲 通心物語(スペクトルストーリー) アプリPV - YouTube
  66. ^ “とある科学の超電磁砲T ~謎解能力測定(リドルプログラム)~”. 2020年11月21日閲覧。
  67. ^ “【1/24新台】パチンコ『Pとある科学の超電磁砲』、唯一無二のスペックが見どころ!”. WEBグリーンべると (2022年1月24日). 2022年2月18日閲覧。
  68. ^ “パチンコ「Pとある科学の超電磁砲」機種ページ”. 一撃 (2021年1月24日). 2022年9月27日閲覧。
  69. ^ “Pとある科学の超電磁砲 機種情報”. 777パチガブ (2022年1月24日). 2022年12月6日閲覧。
  70. ^ “SLOTとある科学の超電磁砲 機種情報”. 777パチガブ (2022年11月7日). 2022年12月6日閲覧。

書誌出典

  1. ^ “とある魔術の禁書目録外伝とある科学の超電磁砲(1)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  2. ^ “とある魔術の禁書目録外伝とある科学の超電磁砲(2)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  3. ^ “とある魔術の禁書目録外伝とある科学の超電磁砲(3)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  4. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(4)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  5. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(5)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  6. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(6)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  7. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(7)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  8. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(8)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  9. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(9)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年2月20日閲覧。
  10. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(10)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2014年7月31日閲覧。
  11. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(11)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2015年10月27日閲覧。
  12. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(12)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2016年11月26日閲覧。
  13. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(13)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2017年11月27日閲覧。
  14. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(14)”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2018年10月11日閲覧。
  15. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(15)”. KADOKAWA公式サイト. KADOKAWA. 2019年10月11日閲覧。
  16. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(16)”. KADOKAWA公式サイト. KADOKAWA. 2020年10月26日閲覧。
  17. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(17)”. KADOKAWA公式サイト. KADOKAWA. 2022年2月26日閲覧。
  18. ^ “とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(18)”. KADOKAWA公式サイト. KADOKAWA. 2023年3月27日閲覧。
  19. ^ “とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ1”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2017年11月27日閲覧。
  20. ^ “とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ2”. 電撃コミックス公式サイト. KADOKAWA. 2018年10月2日閲覧。
  21. ^ “とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ3”. 株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト. KADOKAWA. 2019年9月21日閲覧。
  22. ^ “とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ4”. 株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト. KADOKAWA. 2020年10月26日閲覧。
  23. ^ “とある科学の超電磁砲”. 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト. KADOKAWA. 2022年6月10日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • とある科学の超電磁砲 | 月刊コミック電撃大王公式サイト
  • とあるプロジェクト公式 (@toaru_project) - Twitter
  • とある科学の超電磁砲 通心物語(スペクトルストーリー)【公式】 (@railgunspectrum) - Twitter
ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。