概要
風力発電所の設置、運営に関する事業を展開する企業である。日立製作所の系列に属しており、茨城県日立市に本社を置く[2]。日本国内においては、青森県五所川原市の(市浦風力発電所)[3][4]、千葉県銚子市の(くろしお風力発電所)[5]、および、(椎柴風力発電所)[5]、静岡県掛川市の(浜野風力発電所)[2][6]、および、遠州掛川風力発電所[2][6]、などの発電施設を稼動させている。
特徴
日本で初めて「出力変動緩和型風力発電所」を設置した事業者である[3]。市浦風力発電所においては、風力発電施設に鉛蓄電池を組み合わせることで、出力に極端な変動が生じないよう抑制している[3]。また、風力発電の場合は遠隔操作による監視・運用が一般的だが、くろしお風力発電の場合は(浜野風力発電所)や遠州掛川風力発電所の周辺にサービス拠点の設置を計画している[2]。なお、風力発電施設に設置する風車は、エネルコンの製品を導入することが多い[5][7][8][9][10]。
風力発電施設を設置したことにより、周辺の一部地域でテレビ等の受信障害が生じることがある。この問題を回避するために、(市浦風力発電所)では市浦上脇元中継局と市浦下脇元中継局[11][12] のギャップフィラー中継局を設置し、難視聴を補償している。中継局の設置者となったことによりくろしお風力発電は特定地上基幹放送事業者となった[13]。
事業展開
秋田県能代市、および、由利本荘市での風力発電が計画されている[14]。また、静岡県での風力発電については、社長の前川聡が「本当に高い値段で買い取ってもらえたら、さらに立地が広がる」[2] と表明しており、売電価格によってはさらなる増設も計画されている。
設置する発電所
設置する中継局
脚注
- ^ a b くろしお風力発電株式会社 第17期決算公告
- ^ a b c d e 後藤隆行「掛川の風力『1万世帯分』――今秋、民間発電所が全面稼働」『中日新聞:掛川の風力「1万世帯分」 今秋、民間発電所が全面稼働:静岡(CHUNICHI Web)』中日新聞社、2011年11月25日。
- ^ a b c 日立エンジニアリング・アンド・サービス・新神戸電機『国内初出力変動緩和型風力発電所が運転開始――長寿命鉛蓄電池併設型大型風力発電所の完成』2010年4月2日、1頁。
- ^ 日立エンジニアリング・アンド・サービス・新神戸電機『国内初出力変動緩和型風力発電所が運転開始――長寿命鉛蓄電池併設型大型風力発電所の完成』2010年4月2日、4頁。
- ^ a b c 『日本における風力発電設備・導入実績』2009年3月。
- ^ a b 「新エネルギーに期待――遠州掛川風力発電所――完工式典」『新エネルギーに期待 遠州掛川風力発電所 完工式典 | 静岡新聞』静岡新聞社・静岡放送、2011年11月26日。
- ^ NEDO技術開発機構『日本における風力発電設備・導入実績(2010年3月末現在)』2010年4月。
- ^ 「静岡県」『NEDO新エネルギー部:[日本における風力発電設備・導入実績] | 都道府県別導入事例』新エネルギー・産業技術総合開発機構。
- ^ 「製造者別風車基数(稼働中)」『日本一の風力発電先進地域へ|風力発電のこと』21あおもり産業総合支援センター。
- ^ 「発電事業者別風車基数(稼働中)」『日本一の風力発電先進地域へ|風力発電のこと』21あおもり産業総合支援センター。
- ^ 受信障害対策中継放送を行う放送局に免許―青森県内初、岩手県内2番目のギャップフィラー開局による地デジ難視聴の解消 東北総合通信局報道資料 2011年2月15日
- ^ 市浦上脇元中継局(地上デジタルテレビ放送)市浦下脇元中継局(地上デジタルテレビ放送)の概要及び放送エリア図 (PDF) 同局同上別紙1 同日
- ^ 東北管内の受信障害対策中継放送を行う放送局の免許状況 (PDF) 同局報道資料参考 2011年8月17日
- ^ 「5市町に風車28基整備、県内5事業者――東北電力、風力発電買い入れへ」『5市町に風車28基整備、県内5事業者 東北電力、風力発電買い入れへ|さきがけonTheWeb』秋田魁新報社、2011年11月12日。