高浜市やきものの里かわら美術館(たかはましやきもののさとかわらびじゅつかん)は、愛知県高浜市青木町9丁目6番地18にある公立美術館。高浜市は三州瓦などの窯業が盛んであり、瓦をテーマとしている。瓦を主題とする日本唯一の美術館であり、国際的にも珍しいとされる。1995年(平成7年)10月7日に開館した。通称はかわら美術館。
高浜市やきものの里かわら美術館 Kawara Museum of Takahama city, a Hometown Ceramics | |
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施設情報 | |
専門分野 | 瓦 |
事業主体 | 高浜市 |
管理運営 | 乃村工藝社・NTTファシリティーズ美術館運営共同事業体(指定管理者) |
建物設計 | 内井昭蔵建築設計事務所[1] |
延床面積 | 4,669.48m2 |
開館 | 1995年(平成7年)10月7日[2] |
所在地 | 〒444-1325 愛知県高浜市青木町9丁目6番地18 |
位置 | 北緯34度55分23.54秒 東経136度58分54.17秒 / 北緯34.9232056度 東経136.9817139度座標: 北緯34度55分23.54秒 東経136度58分54.17秒 / 北緯34.9232056度 東経136.9817139度 |
外部リンク | 公式ウェブサイト(日本語) |
プロジェクト:GLAM |
歴史
高浜市は「日本三大瓦」のひとつである三州瓦の主産地である。1988年(昭和63年)に「やきものの里構想」について住民から陳情を受けたことで、高浜市は瓦をテーマとする美術館の建設を計画し、1995年(平成7年)10月7日に高浜市やきものの里かわら美術館が開館した[3]。初代館長は考古学者の(稲垣晋也)(皇学館大学教授)[3]。1996年(平成8年)2月27日には博物館法における登録博物館となった[3]。1996年(平成8年)には第4回愛知まちなみ建築賞を受賞した[4]。
新世紀エヴァンゲリオンのキャラクターデザインで知られるアニメーターの貞本義行は、漫画家のたかはまこと結婚して高浜市に居住している。2002年(平成14年)にはかわら美術館で「新世紀エヴァンゲリオンのクリエーター 貞本義行の仕事展」が開催された。2005年(平成17年)4月1日には考古学者の(井口喜晴)(大正大学教授)が館長に就任した[3]。2008年(平成20年)10月1日には指定管理者制度を導入し、乃村工藝社・NTTファシリティーズ美術館運営共同事業体が指定管理者となった[3]。
2016年(平成28年)12月1日には開館からの延べ来館者数が100万人を達成した[3][5]。2018年(平成30年)4月1日には乃村工藝社の若松文人が館長に就任した[3]。2018年(平成30年)以降には歌人の萩原慎一郎による歌集『滑走路』が異例のヒットを記録したが、2019年(令和元年)1月27日には思想家の姜尚中を講師とする講演会を主催するなど[6]、文学に関するイベントも行っている[7]。
施設
高浜市やきものの里かわら美術館 | |
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情報 | |
設計者 | 内井昭蔵建築設計事務所[1] |
施工 | 株式会社錢高組名古屋支店[1] |
構造形式 | 鉄筋コンクリート造[1] |
敷地面積 | 2,802.93 m² [1] |
建築面積 | 1,681.04 m² [1] |
延床面積 | 4,669.48 m² [1] |
階数 | 地上4階、地下1階[1] |
建物の設計は内井昭蔵建築設計事務所[1]。かつてはすぐ近くの衣浦湾から瓦を日本各地に運搬しており、三州瓦を運んだ千石船をイメージしてデザインされている[8][9]。
ろくろや手びねりで作陶体験を行う陶芸創作室があり[9]、定期的に陶芸教室が開催されている。ホール・スタジオ・会議室もある[9]。家庭フランス料理のレストラン「Omi」を併設している。
かわら美術館の入口前には雌雄の鯱(しゃちほこ)があり、「日本で一番大きな鯱瓦」とされる[9]。かわら美術館の北側には(森前公園)があり、瓦製の魚や亀の彫刻、あるいは鬼瓦などを用いて海の風景を表現した瓦庭がある[9]。森前公園には(塩焼瓦)窯「赤窯」や復元された(だるま窯)があり、「赤窯」は高浜市指定有形文化財に指定されている[9]。かわら美術館や森前公園は、1996年(平成8年)以降に整備された散策路である三州高浜鬼みちに含まれている。
所蔵・展示
常設展示は瓦そのものやその歴史が主体であり、三州瓦に限らず広く瓦文化全体が概観できる展示がなされている。7世紀の日本で製造された白鳳文化期の瓦や、紀元前11世紀の中国で製造されたアジア最古の瓦なども所蔵している[9]。年4回の頻度で企画展が開催されており[9]、瓦ではなく陶芸・写真・絵本の原画などをテーマにした企画展も開催されている。
利用案内
開館時間
- 10:00 - 21:00(展示の観覧は17:00まで)
休館日
- 毎週月曜日と火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料
- 企画展 - 高校生以上は展示により異なる、中学生以下は無料
- 常設展 - 無料
アクセス
ギャラリー
かわら美術館
建物前にある雌雄のしゃちほこ
建物前にある瓦を用いた郵便ポスト
レストラン「Omi」
速水史郎『祖』
森前公園
森前公園の全景
ヒラメの彫刻
猿の彫刻
オブジェ「創造の泉」
だるま窯と塩焼瓦窯「赤窯」
森前渡船場跡
脚注
- ^ a b c d e f g h i “第4回愛知まちなみ建築賞”. 愛知県. 2017年2月2日閲覧。
- ^ “平成26年度年報” (PDF). 高浜市やきものの里かわら美術館. 2017年2月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g “沿革”. 高浜市やきものの里かわら美術館. 2020年4月22日閲覧。
- ^ “第4回愛知まちなみ建築賞”. 愛知県 都市整備局 都市基盤部 公園緑地課. 2019年12月9日閲覧。
- ^ “高浜市やきものの里かわら美術館:入館者100万人を突破”. 毎日新聞 (2016年12月2日). 2017年2月2日閲覧。
- ^ “歌集『滑走路』を読む 社会の詩学”. Internet Museum. 2020年4月22日閲覧。
- ^ 『武蔵野樹林』角川文化振興財団、第2号、2019年
- ^ “森前公園について”. 高浜市やきものの里かわら美術館. 2020年4月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 野村綾乃. “三州瓦の産地・愛知県高浜市で、瓦への想いを訊く② ~かわら美術館~”. LIFULL. 2020年4月22日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト (日本語)
- 高浜市やきものの里かわら美術館 (kawara.museum) - Facebook (日本語)