国際音楽コンクール世界連盟(こくさいおんがくコンクールせかいれんめい、英: The World Federation of International Music Competitions; WFIMC、仏: La Fédération Mondiale de Concours Internationaux de Musique; FMCIM)とは、1957年に世界各地の国際音楽コンクールによって結成された連盟。スイスのジュネーヴに本部がある。
概要
2021年2月現在115のコンクールが加盟している。当初は11のコンクールのみが加盟した小規模な集まりであった。国際コンクールの世界的なネットワークを構築することを目的とする。ユネスコ(国際音楽評議会)のメンバーである。1996年のブダペストにおいて、加盟メンバーに対する勧告書を発行した。国際音楽コンクールの水準を維持するために、公募方法・審査規定・運営組織としての条件・賞・顕彰・上位のコンクールへの出場権など、コンクール主催者への最低限の要求事項などを明文化した。もしもコンテスタントが自己の経歴詐称を行った場合は、直ちにこの連盟に報告される。
近年は連盟を脱退する国際音楽コンクールも見られる[1]。
特徴
規約を満たさない国際コンクールは、即座に連盟から除名される。賞金の支払いを怠ると休会扱いにされる事がある。この点は大変に厳しく、1957年から一定の評価を受けている要因である。連盟への登録料を払い込むことのできないコンクールは、加盟できない。
そのため、登録されているコンクールはピアノやヴァイオリンなどの楽器に著しく偏っている。逆を言えば審査員を著名にして登録料さえ支払えばすぐ加盟できるといった側面も否定できず、2010年代に入ると歴史の浅いコンクールの加盟が殺到している。その反動として、長い歴史と伝統を携えて加盟するケースも決して少なくない。
休会中のコンクールは連盟への維持費を捻出さえしていれば、連盟脱退は免れる。2019年度Year Bookに長らく行われていないコンクールの名がみられるのは、このためである。2010年代以降は、Berio国際のように一回開催しただけで即世界連盟申請といったケースも珍しくない。
国際音楽コンクール世界連盟Yearbookには、予定中のデータのままで憶測が書き込まれることが多くあり、正確なコンクールの概要は各自公式webで確認することが望まれる。
加盟中の有力なコンクール
ヨーロッパで開催される国際コンクール
- ミュンヘン国際音楽コンクール(ドイツ、ミュンヘン)
- パガニーニ国際コンクール(イタリア、ジェノヴァ)
- ヴィオッティ国際音楽コンクール(イタリア、ヴェルチェッリ)
- ブゾーニ国際ピアノコンクール(イタリア、ボルツァーノ)
- ジュネーヴ国際音楽コンクール(スイス、ジュネーヴ)
- プラハの春国際音楽コンクール(チェコ、プラハ)
- エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー、ブリュッセル)
- ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド・ワルシャワ)
- ロン=ティボー国際コンクール(フランス・パリ)
- カール・ニールセン国際音楽コンクール(デンマーク・オーゼンセ)
- マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール(スペイン、バルセロナ)
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクール(ドイツ、ライプツィヒ)
- リーズ国際ピアノ・コンクール(イギリス、リーズ)
- (ルチアーノ・ベリオ国際作曲コンクール)(イタリア、ローマ[2])
北アメリカで開催される国際コンクール
- (The Gurwitz)(アメリカ合衆国、テキサス)
- (プリムローズ国際ヴィオラコンクール)(アメリカ合衆国、ロサンゼルス)
- モントリオール国際音楽コンクール(カナダ、モントリオール)
- (クリーブランド国際ピアノコンクール)(アメリカ合衆国、クリーブランド)
- (ホーネンス国際ピアノコンクール)(カナダ、カルガリー)
- ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(アメリカ合衆国、フォートワース)
日本で開催される国際コンクール
- 仙台国際音楽コンクール(宮城県仙台市)
- 浜松国際ピアノコンクール(静岡県浜松市)
- 大阪国際室内楽コンクール(大阪府大阪市)
- 神戸国際フルートコンクール(兵庫県神戸市)
- 高松国際ピアノコンクール(香川県高松市)
- 東京国際音楽コンクール<指揮>(東京都新宿区)
- 静岡国際オペラコンクール(静岡県浜松市)
- (武蔵野市国際オルガンコンクール)(東京都武蔵野市)
脚注
外部リンク
- 公式サイト