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囲碁

囲碁いごとは、交互に盤上にを置いて行き自分の石で囲んだ領域の広さを競う、2人で行うボードゲームの一種。単にとも呼ばれる。

概要

2人のプレイヤーが、碁石と呼ばれる白黒の石を、通常19×19の格子が描かれた碁盤と呼ばれる板へ交互に配置する。一度置かれた石は、相手の石に全周を取り囲まれない限り、取り除いたり移動させたりすることはできない(対角線上に囲っても取り除けない)。ゲームの目的は、自分の色の石によって盤面のより広い領域(地)を確保する(囲う)ことである。

アブストラクトゲームボードゲームの一種で、ゲーム理論の言葉で言えば二人零和有限確定完全情報ゲームである[注 1]。勝敗は、より大きなを確保することで決定される(#勝敗に関するルール)。ゲームの終了は、将棋チェスと同じように、一方が負けを認めること(投了という)もしくは双方の「もう打つべきところがない」という合意によって行われる。ほかのボードゲームと比較した場合の特異な特徴は、ルール上の制約がきわめて少ないこと、パスが認められていることが挙げられる。

発祥は中国と考えられており、2000年以上前から東アジアを中心に親しまれてきた。そうした文化・歴史の中で爛柯(らんか)等さまざまな別称を持つ(#囲碁の別称とその意味)。日本でも平安時代から広く親しまれ、枕草子源氏物語といった古典作品にも数多く登場する。戦国期には武将のたしなみでもあり、庶民にも広く普及した。江戸時代には家元四家を中心としたプロ組織もでき、興隆の時期を迎えた。明治以降も引き続き広く親しまれ、近年ではインターネットを経由して対戦するネット碁も盛んである。日本では駄目布石捨て石定石など、数多くの囲碁用語は日本語の慣用句としても定着している(#囲碁に由来する慣用表現)。

西洋的な価値観からはチェスなどと同様マインドスポーツ(つまり競技)でもあり、国際囲碁連盟国際オリンピック委員会が承認する国際スポーツ団体総連合に加盟し、五輪競技としての採用を目指している。中国広州で開催される2010年アジア競技大会では競技種目として採用された。

日本語では「囲碁を打つ」と表現するが、なぜこの表現が使われるのかはよく分かっていない[1]

歴史

「碁」という字は、本来は「棋・棊」の異体字で意味も発音も同じだった。中国では「囲棋」(新字体による代用表記。圍棋 / 围棋)と書く。日本漢字音での「ゴ」と「キ」の音の違いは呉音漢音の違いに由来する。

少なくとも春秋時代には成立していたようで、『論語』や『孟子』の中には碁の話題が出てくる。中国碁は前漢時代には17路盤が使われていたと考えられている[2]。伝統的な中国碁は、盤上に多くの石を載せたほうが勝ちというルールであった。

 
の碁盤

初期の碁石は、期のものが残っている。その後、5世紀には朝鮮へ、7世紀頃に日本に伝わったとされる。その時代から日本の貴族を中心に広く遊ばれ、正倉院には碁盤と碁石が収められている。清少納言紫式部も碁をよく打ったとされ、枕草子源氏物語中にも囲碁と思われるものが登場する。現在確認されている「囲碁を打つ」という表現の最も古い例は、古今和歌集に収録された紀友則の詞書である[1]

室町時代末期からは碁打ちが公家や武将に招かれるなどの専業化も進むとともに、それまでの事前置石制から自由布石への移行も起こった。戦国時代には戦国武将たちに好まれ、織田信長日海(本因坊算砂)が名人の称号を許されたと言われる[注 2]江戸時代には幕府から家禄を受ける家元制度が成立し、囲碁の技術が飛躍的に向上するとともに、将軍御目見えによる御城碁が行われたり、碁会所が生まれるなど庶民の娯楽としても定着した。

東アジア以外にも北アメリカ南アメリカヨーロッパなどでも行われている。今日、囲碁は世界80か国以上で打たれており、世界選手権も行われている。

用具・囲碁用語

 
碁盤
 
碁笥に入った碁石
碁盤
板の上に、直交する縦横それぞれ同じ本数の線分を引いたもの。碁石を置くのは縦線と横線の交点である[3]。一般に、縦横19本ずつの19路盤が使われる。初心者向け、お好み対局向けに13路盤9路盤7路盤6路盤もある。古来使用されたものには17路盤も存在した。
線は、もっとも外側にあるものから順に第1線、第2線、第3線……のように呼ぶ。また第4線の交点や辺の中間、碁盤の中心にある黒点をと呼び、19路盤の場合、9つある(右図参照)。碁盤の中央にある星を特に天元という[3]
碁盤の交点座標は、先手の黒から見て、横の座標を左から右に1から19の算用数字で、縦の座標を上から下に一から十九の漢数字で表すことが多く、これは数学直交座標系における第四象限と考えるとわかりやすい。この場合、右上隅の星は「16の四」、天元は「10の十」と表現する。
座標については、上述の表記がもっとも伝統的なものであり新聞や雑誌でももっぱらこの表記法が用いられるが、海外の囲碁ファンの増加などもあり算用数字とアルファベットで座標を表現することもある。ただし、その表現方法は統一されていない。横の座標はアルファベット、縦の座標は算用数字を用いるが、「数字の1とアルファベットのIの混合を避けるために、Iを用いないかどうか」、「数字の0とアルファベットのOの混合も避けるために、Oも用いないかどうか」、「縦の座標を上から下にとる(直交座標系における第四象限)か、下から上にとるか(同じく第一象限)」は場合によってまちまちである。
碁石
単にともいう。黒・白の2色あり、合わせて碁盤を埋め尽くせる数(黒181、白180[4])だけ用意される(グリーン碁石と呼ばれる、濃い緑と薄い緑の2色のものもある[5])。碁石を入れる器を碁笥(ごけ)と言う[3]。盤上の碁石を数えるときの単位は「(もく)」であり、一つを一子(いちもく)、二つを二子(にもく)などと表す[6]。しかしながら、囲碁特有の読み方であるため、「子」が「し」と読まれることもある。「子(もく)」ではなく「目(もく)」の字を当てることもある。

ルール

囲碁のルールには、いわゆる日本ルールと(中国ルール)、中国ルールを元に台湾で考案された計点制ルールなどがある。いずれもゲームの進め方や勝敗の判定に大きな違いはないが、細かい違いはある。以下は日本ルール(日本棋院と関西棋院による日本囲碁規約)を元に説明する。

主なルールは5つ。

  1. 碁盤の線の交差部分に黒と白が交互に打つ。
  2. (自分の領域)の多いほうが勝利。
  3. 相手の石は上下左右を囲うと取れる。
  4. 着手禁止点(自殺手)
  5. コウ

着手に関するルール

  • 黒、白の対局者が交互に自分の石を盤上の交互に着手する権利を持つ[7][注 3]。着手した石は、取られない限りそこから動かせず、盤上の石が何らかの事情で動いた場合は元の位置に戻して対局を続行する[8]
  • 相手の石に縦横に隙間なく取り囲まれると、その石は盤上に存在できなくなる[9]。一方の着手により他方の石が盤上に存在できなくなった場合、それらの石はハマとして取りあげる[10]。盤面から取り除いた時点で着手の完了とする[10]。下図の場合、黒がそれぞれ1と打った場合、△の白が取り上げられる。取られる1手前の状態を「アタリ」と言い、下図の白石はそれぞれアタリの状態である[11]
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
  • 自殺手は禁止(自ら取り囲まれた状態にする手の禁止)。たとえば下図で白が左上aや右上bに打つのは反則となる(黒からは打ってよい[12])。このときのaやbの地点を、白からみて着手禁止点と呼ぶ。ただし、その石を打った時点で相手の石を取ることができる場合は例外である。左下cや右下dに打てば▲の黒が取れるため、ここに白が打つのは反則にならない。[13]
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 

石を取るルールと自殺手の禁止のルールによって、囲碁では下図のような石の配置には決してなり得ない。

                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
  • 自分が打つことによって、相手が打った直前の局面に戻してはならない。下図の形で、黒がaに打てば△の白石を取り上げることができる。
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 

しかしその直後、今度は下図のように▲の黒1子がアタリとなっている。白がbに打って黒石を取り返すと、上図の形に戻ってしまう。この形をコウ(劫)と呼ぶ[14]。これを繰り返すと永遠に対局が終わらないため、同一局面の反復は禁止とされている[注 4]。つまり上図で黒がaと取った直後に、白がbと取り返すのは反則となる[14]。詳しくはコウの項目を参照。

                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 

ハンディキャップ(コミ、置石)

囲碁は、先手の黒が有利な競技である。そのため、対等な条件にするために、「コミ」というルールがある。

ランダム(ニギリやジャンケンなど)によって手番が決められた場合に設定される。現在の日本ルールでは、6目半を先手の黒が負担しなければならない。後手の白の獲得した地よりも、7目以上多く獲得しないと、勝ちと認められない。0目から6目多く白より獲得しても、その場合は、後手の白の勝ちとなるため、引き分けも起こらない。このような設定の対局を、交替で先番が打てることから、「互先(たがいせん)」という。


また、ハンディキャップ戦として置碁がある[15]。指導目的の碁にも用いられる。

下手(したて)が黒を持ち、上手(うわて)が白を持ち、あらかじめ盤上に黒石を置いた状態でスタートするものである[15]

あらかじめ置かれた石を「置石」という。実力差によって、置石は一般的に2子(もく/し)から9子の範囲で調節される。棋力の差が大きければ、その分、置き石も多くなる。置石の場合、上手(うわて)の白から打ち始める。

下手(したて)が、置き石なしの状態で先に打つ場合は、「定先(じょうせん)」という。

コミのルールがつかないため、陣地の目数が同じ場合は、持碁(ジゴ)と呼ばれ、引き分けとなる(ルールによっては、勝敗を設定することもある)。

(詳しくは置碁の項目を参照)。

石の死活

先に述べた着手禁止点のルールから、2か所の離れた空間(眼と称する)を持った石は、決して取り上げることができないことになる。たとえば下図左上の黒は周辺をびっしりと白に囲まれているが、白からはaにもbにも打てないのでこの黒の一団を取り上げることができない。この場合、「黒は生きている」という言い方をする。すなわち、眼を2つ(二眼)作ることができればその石は生きになる。

なお、下図右下の黒は独立した2か所の眼を持っているわけではないため、白からcとdに打って取ることができる。これは二眼ではなく、黒は「死に」ということになる。

                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
  • 自分がどう打っても相手が正しく対応すれば二眼を作ることができない石の一団は「死に」である。終局後に、死んでいる石はハマに加えられる。
  • 特殊なケースとして、両方ともに二眼がないが、互いに手出しできない形がある。これは「セキ」と呼ばれ、双方とも生きとして扱われる。詳細はセキの項目を参照。

勝敗に関するルール

  • 一方の活き石のみの一団に囲まれた空点[注 5]のことをと呼ぶ(日本ルールでは石の数は勝敗に関係ない)[16]
  • 地の面積とハマの数の和の大小によって勝敗を争う。形勢判断などでは、この和の数値のことを地というため、たとえば、黒地○○目、白地○○目などというときは、この和のことを言う。下図は9路盤での終局図の一例。▲の黒石は生きられないため、「ハマ」として取り上げられ、黒地に埋められる。左上から左下に広がった黒地はこれを埋めて29目、右上から右下を占拠した白地は23目で、この場合「黒の盤面6目勝ち」となる。
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
  • ただし囲碁の互先では、先番の黒が有利であり、その分のハンディとして「コミ」が設定されている。現在、通常コミは6目半とされており、この分を白地に足して計算する[15]。つまり上図では白が29目半になるため、コミを入れて計算した場合「白の半目勝ち」ということになる。半目とは、0.5目と同じ意味である。
  • 以前のルールでは、これ以上は打っても得をする場所がないと双方が認めて合意すると「終局」となり、その後でダメ(打っても得をしない箇所)を埋めて互いの地を数えることとされていた[17]。しかし、ルールが改変され[17]、ダメしか残っていなくても、すべてダメを埋めてからでないと終局することができないとされた[18](インターネット対局では、双方がパスをすることによって終局とするケースが多い)。
  • 対局中に三コウ以上の多元コウ、長生循環コウが発生し、双方譲らず同型反復となった場合、対局は無勝負扱いとなる[19]。詳しくは「コウ」の項目を参照。

対局の進行

序盤

通常、対局が始まるとしばらくは布石が行われる。大体の場合は碁盤の四隅に打つことから始まる。なお、初手を四隅に打つ場合は、白番(上手)が右手で打ちやすい隅を残すため、慣例的に右上隅に打つ。

近年では隅の着点は小目と星、三々がほとんどで、高目や目外しなどの位の高い着点はやや特殊な打ち方とされる。江戸時代には小目以外の着点はほとんど打たれていなかったが、20世紀に入って星、さらに近年の人工知能の発達によって三々の打ち方が増えてきている。これはその他の隅の占め方(打ち方)が、地に甘いとされているからである。

三々(さんさん)
碁盤の隅から3・3の位置のこと。地に対してもっとも堅い手であるが、中央への働きが弱い。
         
         
         
         
         
小目(こもく)
碁盤の隅から3・4あるいは4・3の位置のこと。古来から布石の基本とされる。
         
         
         
         
         
(ほし)
碁盤の隅から4・4の位置のこと。現在の布石の花形。また置碁ではこの位置に石を置いて打ち始める。
         
         
         
         
         
目外し(もくはずし)
碁盤の隅から3・5あるいは5・3の位置のこと。相手の作戦をくじくための物として打たれることが多い。
         
         
         
         
         
高目(たかもく)
碁盤の隅から4・5あるいは5・4の位置のこと。目外しと同じように使われるが、目外しより多少地に甘く(意識が低い)、中央重視の場合に打たれる。
         
         
         
         
         
五ノ五(ごのご)
碁盤の隅から5・5のこと。打たれる頻度はかなり低い。
         
         
         
         
         
大高目(おおたかもく)
碁盤の隅から4・6、あるいは6・4、あるいは6・6、あるいは15・15の位置のこと。
天元(てんげん)
碁盤の中心。中心に打つため四方すべての向きからのシチョウに有利とされるが、五の五・大高目とともにいまだあまり研究がなされていない。五の五同様、打たれる頻度はかなり低い。

以下は19路の布石の例である。

二連星(にれんせい)
隣接する2つの隅のを占める布石のことを指す。黒白問わずよく打たれている。
三連星(さんれんせい)
二連星の間の辺の星をさらに占めた布石。基本的に実利にとらわれず、中央を目指す碁になる。武宮正樹九段が愛用する布石。
中国流(ちゅうごくりゅう)
隅のと内側向きの小目に、さらにその間にある星脇(右上を、右下を小目とすると、右辺の星のひとつずつ右・下に位置するところ)(小目から見て五間ジマリ)に並べられた布石。打ち出したのは日本人だが、大会で中国の若手が一様に使用しこの名前がついたといわれる。お互いの応手により実利・厚みのどちらにも転換することが可能。ただし、戦いになると一本調子になるところがある。加藤正夫などが愛用した。
高中国流
話し言葉の上では「たかいちゅうごくりゅう」と呼ばれ、書き言葉では普通「高中国流」。中国流との違いは辺の石が第三線ではなく、第四線にあることである。そのため実利より戦いを求める布石になる。地に甘いため2000年以降は打たれることが少なくなっている。
ミニ中国流(ミニちゅうごくりゅう)
原型は本因坊道策の時代から打たれている。自分の小目の先にある相手の隅のに小ゲイマガカリして受けさせたあと、星脇にヒラく。この星脇の石と小目の位置関係が中国流と同じことからこの名前がついた。1990年代から日本・中国・韓国で主に研究され、流行している布石である。

中盤

中盤は死活の絡んだ戦いになる。互いに死活がはっきりしていない弱い石を意識しながら打ち進める。攻めサバキシノギの技量が問われる。

中盤は、もっとも作戦が富んだところである。基本的な構想をいくつか挙げると、

  • 自分の模様を広げる。模様に手を入れて地模様にする。
  • 相手の模様を制限する(模様を「値切る」という)。
  • 相手の模様に打ち込んで生きる。
  • 自分の弱い石を守る。
  • 相手の弱い石を攻撃することで利益を得る(相手の石を取る、相手の石をイジメながら別の石を取ったり、厚みを築いたり、確定地を作ったりする)。
  • 自分の石を捨てて(相手に取らせて)別のところで利益を得る(捨て石あるいはフリカワリ)。

などがある。高等戦術の例として、自分の模様に隙を残しておいてあえて打ち込ませ、イジメながら各所で得を図ったり、序盤は地で先攻し(必然的に相手は厚みで対抗する)、相手の模様が完成する直前に打ち込みで荒らす手法などがある。

終盤

ヨセは双方共に死活の心配がなくなり、互いの地の境界線を確定させる段階を指す。ただしヨセは必ずしも終盤に起こるものではなく、局面によっては序盤・中盤のように手数が少ない場合でも大ヨセが打たれることがある。互いの地に、およそ20目以下10目以上の差がつくヨセを大ヨセ、およそ10目以下を小ヨセと呼ぶ。

序盤・中盤・終盤には明確な区別はなく、ほとんど序盤のないまま戦いに突入したり、ヨセに入ってからの駆け引きで中盤に逆戻りすることもある。

基本戦略

大まかに囲っている地域(これを模様という)と最終的な地との間には大きな違いがあり、ゲームの進行とともに、景色が大きく入れ替わる。相手が囲おうとしているところに石を突入させて(打ち込み)生きてしまえば、そこは自分の地となる。相手が地だと思って囲っている壁の一部を、国境を侵害するように切り取ってしまえば、地はそれだけ減ってしまう。逆に、相手が生きると思っている石を殺してしまえば、そこは自分の地となる。戦いの中で相手の地や石と自分の地や石を奪い合う、フリカワリという戦略もある。最終的に相手の石が生きることができず、かつ境界が破られないような領域が地となる。つまるところ、囲碁は石の効率を競い合うゲームといえる。

一般に、両者が最善を尽くしている状況では、相手の石の生きにくさ(地になりやすさ)と模様の広さ(大きな地になる可能性の大きさ)との間にはトレードオフの関係がある。相手の生きがほぼ見込めない領域のことを確定地と呼び、これを優先する考え方を実利重視という。これに対して、将来の利得を重視する考え方が、厚みである。経営における短期と長期のバランスに似て、この実利と厚みのバランスが囲碁の戦略できわめて困難なポイントである。とりわけ、厚みの形式的表現が極めて困難なことが、コンピュータ囲碁の最大の壁だった。

布石

基本的に序盤は隅から打ち進めるのが効率がよいといわれる。これはある一定の地を得るために必要な石数が、中央より辺、辺より隅の方が少なくて済むためであり、その分効率がよいとされるためである。近年のプロの対局では、第一手のほぼすべてが隅から始まっている。第一手を中央に打った対局も存在するが、多くの場合趣向と評される。

石の形

囲碁のルールは非常に単純であるが、そこから派生する効率のいいほぼ必然的な着手の仕方、つまり石の形を理解することである程度の棋力を得ることができる。効率のよい形を「好形」、悪い形を「愚形」「凝り形」などと呼ぶ。「空き三角は愚形」「二目の頭見ずハネよ」など、格言になっている石の形は多く存在する。

厚み

碁を打つうえで重要な要素として厚みがある。言い換えれば勢力のようなものである。例として三間ヒラキの真ん中に打ち込もうとする場合、ただの三間ヒラキに打ち込むより、ヒラキを成す一方の石が2石の連続した形(中央方向に立っている)である場合のほうが、より打ち込みは無謀と感じるだろう。これは打ち込まれた石を勢力に追い詰めることで、取ることができないにしても相当いじめられることが予想されるからである。これ以外にも有効に石を連続させておくことで大模様を形成できる、盤上で不意に発生したシチョウに対しシチョウあたりの効果を発揮するなど、あらゆる可能性をもっている。

石の働き

囲碁はお互いに着手する回数はほぼ同じなため、その中でいかに効率よく局面を進め、最終的により多くの地を獲得するかが重要になる。この石の効率のことを「石の働き」とも言い、効率がいい状態を「石の働きがいい」、効率が悪い状態を「石の働きが悪い」と言う。石の効率は石の形とも密接な関係にあり、愚形や凝り形と呼ばれる形は総じて石の働きが悪い形でもある。

また、石の働きの評価方法に「手割り計算」がある。局所において白黒双方の形が定まった時点で互いの働きのない石(不要な石)を除外していき、ど ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。