住江織物株式会社（すみのえおりもの、英: Suminoe Textile Co., Ltd.[3]）は、大阪府大阪市中央区南船場に本社を置く、主にカーペット、床材、カーテン、壁装材などを扱う内装材会社である。「スミノエ」の商標で知られる。
| 住江織物本社ビル | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
| 市場情報 | 東証プライム 3501 1990年4月4日上場 大証1部（廃止） 3501 2013年7月12日上場廃止 |
| 略称 | 住江織 |
| 本社所在地 | 日本 〒542-8504 大阪府大阪市中央区南船場三丁目11番20号 北緯34度40分35.2秒 東経135度30分2.9秒 / 北緯34.676444度 東経135.500806度座標: 北緯34度40分35.2秒 東経135度30分2.9秒 / 北緯34.676444度 東経135.500806度 |
| 設立 | 1913年（大正2年）12月25日 （住江織物合資会社） |
| 業種 | (繊維製品) |
| 法人番号 | 3120001082312 |
| 事業内容 | 各種繊維製品ならびに原料の企画、製造、加工および販売 他 |
| 代表者 | 永田鉄平（代表取締役社長） 薄木宏明（代表取締役常務） |
| 資本金 | 95億5400万円 （2022年5月31日現在）[2] |
| 発行済株式総数 | 768万2162株 （2022年5月31日現在）[2] |
| 売上高 | 連結: 817億1300万円 単独: 150億900万円 （2022年5月期）[2] |
| 営業利益 | 連結: 1億1000万円 単独: －6億6100万円 （2022年5月期）[2] |
| 経常利益 | 連結: 9億5000万円 単独: 4億4200万円 （2022年5月期）[2] |
| 純利益 | 連結: 2億8100万円 単独: 9億700万円 （2022年5月期）[2] |
| 純資産 | 連結: 334億4800万円 単独: 216億7100万円 （2022年5月31日現在）[2] |
| 総資産 | 連結: 848億100万円 単独: 637億7300万円 （2022年5月31日現在）[2] |
| 従業員数 | 連結: 2,640人 単独: 256人 （2022年5月31日現在）[2] |
| 決算期 | 5月31日 |
| 会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人[2] |
| 主要株主 | 株式会社髙島屋 14.61% 日本生命保険相互会社 7.53% 丸紅株式会社 5.79% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社（信託口） 5.10% 林テレンプホールディングス株式会社 3.68% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社（退職給付信託ユニチカ口） 2.82% 住江織物共栄会 2.46% 住江織物従業員持株会 2.37% 東レ株式会社 2.05% 明治安田生命保険相互会社 1.82% （2022年5月31日現在）[2] |
| 主要子会社 | 株式会社スミノエ 100.0% ルノン株式会社 100.0% スミノエ テイジン テクノ株式会社 50.1%[2] |
| 外部リンク | https://suminoe.co.jp/ |
概要
インテリア業界有数の大手メーカーとしてその名を知られる。カーペットのシェアでは、長年にわたって首位を独走しており、日本の国会議事堂の赤絨毯は同社の特注品である。インテリア部門ではカーペットやカーテンのほかに椅子張地、人工芝など、その他壁装材や袱紗や風呂敷など美術工芸品も扱っている。1896年、日本初の手織りによるシートモケットの製造に成功し、1899年、国鉄のシート表皮材に採用され、それ以降、JR、私鉄、公営交通に納入し、1世紀以上にわたりトップシェアを誇っている。また、すべての日系自動車メーカーに内装材を納入しており、近年は自動車や公共交通（鉄道・バス・航空機・船舶）などの輸送機械向けの内装材のシェアを伸ばしている[4]。
1954年2月までは当時の住江木工（現・住江工業）株式会社の親会社であった。髙島屋とは長らくの間業務・資本面で提携関係にあり、筆頭株主になっている。
沿革
- 1883年 - 創業者・(村田伝七)が大阪の住吉村にて手織り緞通の製造を始める。
- 1890年 - 初代村田伝七、日本初の絨毯を造る。
- 1891年 - 帝国議会議事堂にカーペットを納入
- 1892年7月 - 絨毯で特許を得て、倭織（やまとおり）と命名された。
- 1896年 - シート地として、日本で初めて手織りによるワナモケット製作に成功
- 1899年 - 日本初の国産シート地を、逓信省鉄道作業局に納品
- 1903年 - 本格的な製織設備をもった住吉工場を建設（墨江村殿辻）
- 1905年 - 5色柄ウイルトンカーペットを製作[5]
大阪市電のシート地モケットに市章の澪標をデザインして納品。これを契機として市章や社章を入れたモケットが流行した。 - 1913年12月 - 住江織物合資会社を設立
ドイツ・イギリスから技術及び力織機を導入、日本で初めて機械織りモケットの製造を始める。 - 1915年 - 帝国劇場に椅子張地を納入[6]
- 1916年 - 力織機によるカーペットの製造を開始
- 1924年 - 宝塚大劇場に椅子張地とカーペットを納入[6]
- 1930年12月 - 住江織物株式会社を設立
- 1931年 - 米国のフォード、ゼネラルモーターズが日本で組み立て生産をしていた自動車にカーペットとシート地を納入。
- 1936年 - 現在の国会議事堂の内装織物を受注し、「赤い絨毯」や本会議場の椅子張地を納入[6]
- 1937年 - 河内工場を新設、紡毛糸紡績を始める。
- 1949年5月 - 東京・大阪・京都証券取引所に株式上場
- 1954年 - アメリカからタフティングカーペット機を日本で初めて導入
- 1955年 - 国産軽自動車の草分け「フライング・フェザー」を、当時の子会社 住江製作所で製作・販売
- 1956年11月 - 昭和天皇・皇后が住吉工場を行幸啓。『日本カーペット工業史』によると、天皇・皇后が視察したことを記念し、11月1日は後に「カーペットの日」に定められた[7]。
- 1957年 - カーペット「タフトン」発売。オーダーメイド生産からレディメイド生産に変わる転機となり、カーペットの大衆化をもたらす[6]。
- 1958年 - 自動車用カーペット、自動車用ナイロンシート地の生産開始
- 1964年4月 - 東京証券取引所上場廃止。
- 1964年10月 - 0系新幹線の座席にモケットを納入
- 1971年 - 奈良工場（現住江テクノ㈱奈良工場）を新設、住吉工場廃止
- 1974年4月 - 迎賓館赤坂離宮に桜花柄緞通納入
- 1975年 - 自動車用モケットシート地の生産開始
- 1980年 - 国産初のタイルカーペット生産を奈良工場で開始
- 1985年5月 - 光建産業株式会社（後のルノン株式会社）を子会社化。
- 1987年 - 滋賀事業所を新設（甲賀町）
- 1989年 - 使用済みペットボトルから再生したポリエステル長繊維「スミトロン®」を開発
- 1990年4月 - 東京証券取引所に再上場。
- 1994年9月 - タイにT.C.H.Suminoe Co., Ltd.を合弁で設立
- 1998年10月 - 「トリプルフレッシュ®」消臭加工技術を開発
- 1998年12月 - 株式会社スミノエを設立
(京都美術工芸所)を設立、京都工場より古来織物技術を伝承 - 2003年4月 - 米国にSuminoe Textile of America Corporationを設立
- 2003年7月 - インドネシアにPT. Sinar Suminoe Indonesiaを合弁で設立
- 2003年9月 - 中国に蘇州住江小出汽車用品有限公司を合弁で設立
- 2004年7月 - カーペット生産工場である奈良工場を分社化、住江奈良株式会社を設立
- 2004年8月 - 住商エアバッグ・システムズ株式会社を合弁で設立（長崎県松浦市）
- 2005年10月 - 中国に住江互太（広州）汽車繊維製品有限公司を合弁で設立
- 2009年12月 - 子会社スミノエ テイジン テクノ株式会社を、帝人ファイバー株式会社（後に吸収合併され、帝人フロンティア株式会社となる）と合弁で設立
- 2010年5月 - インドにSuminoe Teijin Techno Krishna India Pvt. Ltd.を合弁で設立
- 2010年10月 - 中国に住江織物商貿（上海）有限公司を設立
- 2011年7月 - 水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®（エコス）」を発売
- 2013年6月 - 住江奈良株式会社の事業を住江甲賀株式会社に譲渡し、住江テクノ株式会社へ商号変更
- 2013年11月 - メキシコにSuminoe Textile de Mexico, S.A. de C.V.を設立
- 2013年11月 - インドネシアにPT. Suminoe Surya Techno を設立
- 2013年12月 - 創立100周年（創業130周年）
- 2015年2月 - PT. Sinar Suminoe Indonesiaを連結子会社化
- 2015年6月 - 米国Bondtex, Inc.を買収、子会社化
- 2018年4月 - タイのSuminoe Koide (Thailand) Co.,Ltd.が事業開始
- 2019年8月 - ベトナムにSuminoe Textile Vietnam Co., Ltd.を設立
- 2020年8月 - 株式会社シーピーオーの株式を取得、子会社化
- 2022年1月 - 株式会社プレテリアテキスタイルの株式を取得、子会社化
- 2022年7月 - 関織物株式会社の株式を取得、子会社化
主な商品
- インテリア商品
- タイルカーペット
- ロールカーペット
- ラグカーペット
- 人工芝生
- カーテン・レース
- 壁紙
- 床材
- 美術工芸品（袱紗、風呂敷など）
- 産業資材
- 自動車関連部品（天井材、カーペット、カーシート表皮材、マットなど）
- 交通機関関連部品（バス、鉄道、航空機、船舶用シート表皮材、カーテン、床材、シートクッション材など）
- 機能資材
- 電気カーペット、消臭関連商材
ショールーム（2022年5月現在）
- 大阪ショールーム 本社と同じ
- 東京ショールーム 東京都品川区西五反田2-30-4 BR五反田ビル3F
- 札幌ショールーム 札幌市中央区北7条西13丁目9-1 塚本ビル7号館2階
- 仙台ショールーム 宮城県仙台市宮城野区扇町3-1-25
- 名古屋ショールーム 名古屋市昭和区明月町3-20
- 岡山ショールーム 岡山市南区西市115-7
- 広島ショールーム 広島市南区霞2-9-6
- 福岡ショールーム 福岡市博多区麦野5-20-3
主なグループ会社
- 株式会社スミノエ
- ルノン株式会社
- 株式会社シーピーオー
- 株式会社プレテリアテキスタイル
- 住江物流株式会社
- 株式会社スミノエワークス
- 株式会社ソーイング兵庫
- スミノエ テイジン テクノ株式会社
- 丸中装栄株式会社
- 関織物株式会社
- 住江テクノ株式会社
- 丹後テクスタイル株式会社
- 帝人テクロス株式会社
- 尾張整染株式会社
- 関西ラボラトリー株式会社
脚注
- ^ コーポレートガバナンス - 住江織物株式会社
- ^ a b c d e f g h i j k l 住江織物株式会社 (2022-08-30). 第133期（2021年6月1日 - 2022年5月31日）有価証券報告書 (Report).
- ^ 住江織物株式会社 定款 第1章第1条
- ^ “住江織物株式会社 CORPORATE PROFILE 2022-2023”. 2022年11月21日閲覧。
- ^ 『住江織物六十年史』住江織物株式会社社史編纂委員会、1975年
- ^ a b c d 『住江織物 創立100周年記念誌「住江物語り」』住江織物株式会社 100周年記念行事事務局、2013年。
- ^ 日本カーペット工業史編纂委員会編『日本カーペット工業史』日本カーペット工業組合、2008年、98ページ。
関連項目
外部リンク
- 住江織物株式会社