株式会社NMK(エヌエムケイ)はかつて存在した日本のゲームメーカー。 アーケードゲーム開発の下請けで知られており、当初はジャレコ、UPL等から発売されていたが、後に自社ブランドでの販売も行った。 前述のように、下請けとして名前が出ない活動を行っていたため、実際は他社開発のゲームであっても、「NMK開発である」と誤解されている作品が見られる。例として、シティコネクション・サイバトラー(以上ジャレコ)・宇宙戦艦ゴモラ(UPL)など[注釈 1]。
歴史
1985年5月、ユニバーサルの開発部長だった琴寄幸雄が、前身である日本マイコン開発を創業[1]。
作曲家の(坂本慎一)はこうべみせとのインタビューの中で、琴寄に請われてテーカンから移籍した際、琴寄と、中里民雄(プログラマ)、 牧洋資(ハード設計者)の3人しかおらず、ソフト開発は中里一人だけだったと振り返っている[2]。 また、坂本はこの時点でジャレコから開発費の提供があったとも話す一方、そのジャレコからはインカムを上げるために難易度を高くしてくれという指示が出されたとも述べており、当初はそうではない作品を作りたいと思っていたものの、開発を進めるうちに難しさの感覚がマヒしてしまったとも振り返っている。 そして、1986年、NMKが初めて開発した『アーガス』が正式に稼働した。この作品のハードを手掛けたのは牧であり、彼が以前所属していたカプコンの『戦場の狼』(1985年稼働)に似たスペックの基版が用いられていた。この当時のパソコンはビデオゲームの基板よりもスペックが低かったため、基板側にCGエディットプログラムを入れたうえで、ジョイスティックを用いてドットを描き、それからEPROMにコピーし、それを製品でも使うという手法がとられていた。坂本はこのやり方はテーカン[注釈 2]と違うもののこれはこれでありだと思っていたと振り返っている。また、同作は坂本にとって初めてFM音源を用いた作品であり、模索する中でヤマハのMSX機器・YISシリーズにFM音源ユニットを挿してシーケンスを組む方法をとった。 その後、坂本は燃え尽き症候群に陥り、1987年の『サイキック5』を最後に退社した[2][3] その2年後の1989年には、創業者3人の頭文字をとり、株式会社エヌエムケイとして法人化した。
1991年の『(はちゃめちゃファイター)』からは自社販売も行なった[注釈 3]。1996年以降、ビデオゲームの開発から撤退し、エレメカの開発に注力した[1]。
1999年8月6日に開かれた臨時株主総会で解散が決定され、琴寄自身が清算人となり任意整理が進められていた[1]が、清算中の資金不足から同年9月16日に不渡りを出し倒産した。
特許公報によれば、後身として「NMKトレーディング株式会社」なる企業[注釈 4]が確認されている。
作品
- 1986年
- 1987年
- 1988年
- 1989年
- (浦島まあじゃん)
- [注釈 5]
- タスクフォースハリアー[1]
- 天聖龍
- (麻雀大霊界)
- 1990年
- (ガンディーラー)
- (麻雀ちゃんねる ズームイン)
- (YAM!YAM!?)
- USAAF ムスタング
- 1991年
- 1992年
- 1993年
- (ガンネイル)
- (クイズぱにくるふぁんたじ〜)
- サンダードラゴン2
- (超時空要塞マクロスII)
- (ボンジャックツイン)
- 1994年
- 1995年
- P-47 ACES
- (湾岸戦争)
脚注
注釈
- ^ ただし「宇宙戦艦ゴモラ」や「鋼鉄要塞シュトラール」等のUPL自社開発作品のハードウェアの提供や倒産後のアフターサポートを受け持っている。
- ^ テーカンではPC-8001を改造して色数を増やしてからドットを描き、仕事の進捗報告もかねてROMに記録していた。その際、不具合に備え、複数のROMに記録していた。
- ^ 元々はUPL販売でNMKも社名を併記する形でリリースされる予定であったが、直前になってUPLが倒産した為、NMK単独併記でのリリースになった。
- ^ 1991年2月設立。当初は台東区に本店を置いていたが、後にNMK本店と同住所に移転した。NMK解散後に移転、千葉県稲毛区を経て、2005年より、株式会社タクト(UPL関連の版権を持ち、サウンドトラックに著作権表示がある)と同住所の、栃木県小山市に本店を置いている。代表取締役は琴寄幸雄(2002年より)
- ^ アーケード版は国内未発売。
- ^ 開発はフェイス。
- ^ ファミリーコンピュータ用RPG作品。
- ^ 読み方は「オペレーションラグナロク」。販売はSNK。表記はMVSカセット本体、インストカード、および梱包材に準じる。タイトル画面では「作戦名“ラグナロク”」と表記されている。
出典
- ^ a b c d e 「会社解散し NMKが内整理 95年までTVゲーム開発を」『ゲームマシン』第596号、1999年10月1日、1面。2023年3月21日閲覧。
- ^ a b c “アーケードゲームが輝いていた時代を駆け抜けた男! 坂本慎一氏インタビュー 中編”. ゲーム文化保存研究所 (2019年2月8日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ a b “アーケードゲームが輝いていた時代を駆け抜けた男! 坂本慎一氏インタビュー 中編(2ページ目)”. ゲーム文化保存研究所 (2019年2月8日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ 『作戦名ラグナロク』や『はちゃめちゃファイター』など、ハムスターがNMKの権利を取得
関連項目
外部リンク
- うんちくマニア アーケードゲーム基板館 - NMKに関するデータ
- 『サンダードラゴン2』『作戦名ラグナロク』などの作曲者、並木学(さんたるる)のTwitterアカウント