Bochs(ボックス)は、PC/AT互換機のエミュレータである。2000年3月以降、GNU LGPLに基づくオープンソースとなっている。
特徴
BIOS等を除く大部分は標準によって実装されており、移植性に優れる。x86プロセッサの命令実行をエミュレートするために、x86以外のコンピュータでもPC/AT互換機エミュレーションを実現できる。そのため、Linux、FreeBSD、macOS、Windows用など非x86環境を含む様々なプラットフォーム用のバージョンが存在している。
QEMUも同様のエミュレーション手法を採用しており、どちらも実行環境およびエミュレーション対象を柔軟に選択できるためOS開発や動作テストには有用である。その反面、VMwareやXenなどユーザモード命令をそのままプロセッサに実行させる方式に比べると実行速度が劣るため、仮想マシン環境をサービスとして利用するには不向きである。
エミュレートするハードウェア
- CPU
- 標準構成では、インテル Pentium III 相当のユニプロセッサである。コンパイルオプションを変更することで、386、486、Pentium、Pentium II、または Pentium 4 相当にしたり、8プロセッサまでのマルチプロセッサ環境にすることが可能である。
その他にも次のようなチップセット、インターフェース、周辺機器のエミュレーションをサポートする。
Class | Device |
---|---|
ビデオカード | Cirrus Logic CL-GD5430 ISA |
Cirrus Logic (PCI) | |
3dfx Interactive Voodoo Banshee / (Voodoo3) | |
サウンドカード | Sound Blaster16 (ISA、 非プラグアンドプレイ)、 (ES1370) (PCI)、 Basic Sound Device |
Ethernet ネットワークカード | (NE2000) (ISA/PCI) Ethernet or Intel(R) 82540EM Gigabit Ethernet adapter (PCI)[1] |
ハードディスクドライブ | IDE |
CD-ROM/DVD-ROMドライブ | (ATAPI) |
フロッピーディスクドライブ | |
チップセット | (Intel 430FX) PCI、 Intel 440FX PCI and Intel 440BX AGP (ノースブリッジ)、 (PIIX3) and (PIIX4) (サウスブリッジ) |
USB | Root hub、マウス(オプション)、タブレット、キーパッド、ディスク |
Enhanced BIOS or (SeaBIOS) | (ElTorito)、 (EDD)、 APM、 (PCIBIOS)、 (PCI) interrupt routing table、 プラグアンドプレイ、 ACPI、 (SMM)、 (MPS) and VBE. |
References
- ^ “Bochs User Manual - Features”. 2016年4月6日閲覧。
外部リンク
- Bochs Development Homepage
- dev-j