i8(アイ エイト)は、ドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売していたプラグインハイブリッド方式のスーパーカールックのスポーツカー[1]である。I12はクーペ、I15はロードスターのモデルコードである。
初代 I12/I15 (2013年 - 2020年)
BMW・i8 I12/I15 | |
---|---|
クーペ(I12) | |
ロードスター(I15) | |
概要 | |
製造国 | ドイツ ライプツィヒ[2] |
販売期間 | 2014年 - 2020年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2+2(I12) 2(I15) |
ボディタイプ | 2ドアクーペ 2ドアロードスター |
駆動方式 | 四輪駆動 |
(パワートレイン) | |
エンジン | 1.5L直列3気筒ガソリンエンジン+PHEV |
変速機 | 6速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,800mm |
全長 | 4,690mm |
全幅 | 1,940mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 1,500kg(ロードスター1595kg) |
概要
この車両はコンセプト面で関連のあるi3等と同じくドイツ・ライプツィヒにある工場で完成するものの、i8向けのCFRP部品に関しては同国ランツフート工場が製造を担当する[2]。また、乗降ドアにはBMW車で初となる(バタフライドア)も採用された。
CFRP製ボディの基礎となるシャーシフレームには(バックボーン構造)が採用され、バッテリーケースを兼ねると同時にアルミ合金製とした事から軽量・高剛性化も実現している[3]。
よって、シャーシとボディが一体ではない「セパレートフレーム」で、一般的な乗用車にみられる(モノコック構造)ではない。
カテゴリー
i8はスーパーカーのようなデザインの車ではあるが、エンジンは1500ccと小さくエコタイヤを履く燃費を重視したプラグインハイブリッドカーである。乗り味は普通の乗用車であり、初心者でも簡単に街乗りで使える車となっている。デザインに見合うスポーツカー的な演出として、アクセルを開けると6気筒エンジン風の電子音が室内のスピーカーから流され、車体下にあるスピーカーからも周りの人にも聞こえる仕掛けがついている。
パワートレイン
パワートレインは基礎構造が(MINI)と共通である1.5L直列3気筒(ターボ)の新世代モジュラーエンジンをリアミッドシップに載せており、フロントには電気モーターを配置するプラグインハイブリッドシステムが搭載された。
これに6速ATが組み合わされ、システムトータル出力は362ps、トルクは58.1kgmを発生、4.4秒(ロードスター4.6秒)で100km/hに達する。また、最高速は250km/h(リミッター作動)。モーターのみで最大35kmを走行可能としている。
沿革
- 2013年9月、BMW i8の市販モデルを正式発表し、フランクフルトモーターショーで初公開された[4]。
- 2020年4月、生産終了。
仕様
I12/I15(2013年 - 2020年) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
i8 | B38K15A | 1,498 | 直列3気筒DOHCターボ | 231/5,800 (システムトータル: 362) | 32.6/3,700 (システムトータル: 58.1) | 6速AT | 四輪駆動 |
画像ギャラリー
全面的にカーボン製とされたボディ
BMW・i8 日本仕様(フロント)
BMW・i8 日本仕様(リア)
東京マラソン2014先導車
レッドエディション
標準装備のバタフライドア
フォーミュラEセーフティカー仕様
フォーミュラEセーフティカー仕様 リア
コンセプトモデル
この車両の市販化にあたってはコンセプトカーが2度披露され、市販型のi8もおおむね外形を踏襲している。
BMW Vision Efficient Dynamics (2009年)
最初のコンセプトモデルは「BMW Vision Efficient Dynamics」として、2009年9月に開催されたフランクフルトモーターショーにおいて発表された。パワートレインには、3気筒ディーゼルターボエンジンとフロント用・リヤ用の計2つのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載。エンジンはリアアクスル前方、いわゆるミッドシップに搭載し、システムトータルでの出力は356ps、トルクは800Nmと案内された[9]。ポリカーボネート製のガルウィングドアを採用している。
BMW i8 Concept (2011年)
2011年、「BMW Vision Efficient Dynamics」を元により市販仕様に近づけたコンセプトモデルとして、「BMW i8 Concept」が発表された[10]。アルミニウム製のシャシーにカーボン製のキャビンを組み合わせ、ガルウィングドアを採用。前輪はモーターで駆動し、後輪はミッドシップに搭載された1.5Lの3気筒エンジンで駆動するプラグインハイブリッドとなっている。2011年9月に開催のフランクフルトモーターショー、次いで12月の東京モーターショーに出展された。
関連項目
- BMW
- i3
- 8シリーズ
- 東京マラソン2014 - フルマラソン先導車として用いられた。
- フォーミュラE - セーフティカーとして供給。
参考文献
- ^ “カーマニア人間国宝への道 第124回:買い物には言い訳が必要だ”. webcg.net (2019年2月19日). 2021年9月2日閲覧。
- ^ a b SUSTAINABLE MANUFACTURING. BMW iの生産 -持続可能なモノづくり- 24ページ目
- ^ WebCG BMW i8(4WD/6AT)【試乗記】 3ページ目
- ^ “BMW環境対応の切り札、i8 市販モデル発表…PHVスポーツ”2013年11月11日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : BMWグループが提案する持続可能な次世代モビリティ「BMW i3」および「BMW i8」を発表”2016年3月26日閲覧。
- ^ ドバイ警察が「BMW i8」をパトカーに採用! Idea Web Tools | 自動車とテクノロジーのニュースブログ
- ^ BMW i8 にレッドカラーの特別限定車、創立100周年記念モデル第7弾…2200万円 レスポンス
- ^ “レスター会長、大盤振る舞い! 選手たちにBMWをプレゼント - フットボールチャンネル”2016年8月6日閲覧。
- ^ “(ドイツ本国発表)BMW ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス”2016年3月26日閲覧。
- ^ “BMW、ハイブリッド・スーパーカー「i8」を発表! - Autoblog 日本版”2016年3月26日閲覧。
外部リンク
- Official BMW i8
- BMW Japan BMW i8