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黒色火薬

黒色火薬(こくしょくかやく : black powder)は、可燃物としての木炭硫黄酸化剤としての硝酸カリウム硝石)の混合物からなる火薬の一種である[1][2]。この3成分の配合比率は品種によって異なり、硫黄を含まない2成分黒色火薬もある。反応時にはかなり大量の火薬滓と白煙を発生させる。

黒色火薬

歴史

  • 火薬の中では最も古い歴史を持っており、中国で7世紀から9世紀ごろに発明されたと言われており、三大発明の一つである。中国で黒色火薬が発明されたのは、中国で黒色火薬の成分の一つである硝酸カリウムが産出されるためであり、天然硝酸カリウムは世界中でも限られた地域にしか存在しない[3]
  • 14世紀中期には鉄砲装薬として使用されるようになる。
  • 1627年にはスロヴァキアバンスカー・シュチャヴニツァ鉱山で初めての発破が行われた。
  • 反応は燃焼よりも爆轟であるため、性状は火薬というより爆薬に近く、燃焼ガスの圧力で弾を圧し出す火器の装薬には余り向いていない。このため改良品として、燃焼反応速度を緩和させた褐色火薬が発明されている。
  • 19世紀末には無煙火薬の発明により軍事用途ではあまり使用されなくなっている。
  • 日本では20世紀中盤以降は専ら花火の装薬や、消防士消防団員が用いる信号拳銃(索投銃)、あるいは火縄銃の実演射撃に用いられる程度となっており、銃器用途での使用は極度に減少している。朝日新聞(1988年3月15日付朝刊)が日本の警察の捜査資料を通じて報じたところでは、赤報隊事件が発生した1980年代末の時点で全国の猟銃所持者約20万人のうち、火縄銃村田銃を用いているとみられる猟用黒色火薬購入者は、全国でも約300人(0.15%程度)にまで減少していた。

種類

標準的な比率(化学量論的組成比)は質量比で硝酸カリウム:硫黄:木炭=75:10:15。

種類
種類 硝酸カリウム(%) 硫黄(%) 木炭(%) 粒の直径・性状 用途
黒色粉火薬 58 - 70 16 - 26 10 - 20 0.1mm以下、微粉末状 導火線
黒色鉱山火薬 65 - 70 10 - 20 10 - 20 3 - 7mmの球状、黒鉛光沢 砕石
狩猟用黒色火薬 73 - 79 8 - 12 10 - 17 0.4 - 1.2mm以下、黒鉛光沢 狩猟
黒色小粒火薬 73 - 79 8 - 12 10 - 17 0.4 - 1.2mm以下、黒鉛光沢なし 煙火

[4]

性質

外観は黒い粉末であり、化学的に安定で自然分解の心配がなく、また吸湿性もないので永年の貯蔵に耐える[5]

なお、玩具用花火に使用されている火薬は硝酸カリウムの代わりに過塩素酸カリウムが使われているものが多く、過塩素酸カリウムは吸湿性が高いため、玩具用花火を湿気の多い場所で保管すると湿気てしまう。

黒色火薬に含まれている硫黄は着火温度を下げ、炎を大きくし、ガス発生量を増す作用があるが、特に反応の途中で生成される硫化水素や酸化窒素の触媒効果によって、有害な一酸化炭素や青酸ガスの生成をおさえる作用がある[3][6]

炎に対して敏感で、衝撃や摩擦静電気、火花に対しても敏感である。燃焼速度は混合比や粒の大きさなどの条件によって大きく異なり5cm/s - 400cm/sまでと幅広く、爆発熱は約3MJ/kg(700 - 750kcal/kg)。

黒色火薬の燃焼は以下の反応で行われると推定されている[7]

 
 

爆発すると、固体物質が約55%、気体が約45%、発生する[3]

よく「硝煙の臭い」などと表現される臭いは硫化カリウムが空気と反応して出来た硫化水素などのイオウ化合物の臭いである[7]。このため、黒色火薬時代の大砲などの砲煙を吸い込むと中毒症状が出ることが多かった。なお、黒色火薬の黒色とは、木炭を混ぜたパウダーの色に由来するもので反応煙の色ではない。爆発時に黒煙は出さず、実際の煙は白色である

製法

  • 材料の例
    • 硝酸カリウム 純度99.5%以上、塩化物0.03%以下、水分0.2%以下
    • 硫黄 純度99.5%以上
    • 木炭 やわらかくて灰分の少ない物
  • 製造手順の例
  1. 木炭を乳鉢(すり鉢)ですり潰す。
  2. 硫黄を加えて混合する。
  3. 木炭と硫黄の混合物を内側が皮張りの容器に移して硝酸カリウムを加える。この時に水分を加えて水分量が4.5 - 6.5%になるようにする。
  4. 樫の木の棒でよくすり潰す。これによって密度が大きく、燃焼性が均一になり薬勢がよくなる。
  5. 火薬を綿布で包んで鉄板で挟み60 - 120Kgf/cm2で圧搾して比重を高める。
  6. 所望の粒度になるように破砕する。この時に水分が所定量以下にならないように注意する。
  7. 60度以下の温風で水分が1%以下になるまでゆっくりと乾燥させる。

脚注

  1. ^ 日本国防衛省. “防衛省規格 弾薬用語”. 2017年11月24日閲覧。
  2. ^ カヤク・ジャパン株式会社. “黒色火薬”. 2017年11月24日閲覧。
  3. ^ a b c 『新編火薬学概論』産業図書株式会社、2014年4月10日。 
  4. ^ VOYAGE MARKETING, Inc.. “黒色火薬とは - コトバンク”. 2021年10月13日閲覧。
  5. ^ 『一般火薬学』日本火薬工業会、平成3年4月1日、24頁。 
  6. ^ 『火薬工学』森北出版株式会社、2001年7月20日。 
  7. ^ a b 瀧本真徳、硫黄と私たちの生活(身近な元素の世界) 化学と教育 2014年 62巻 1号 p.30-33, doi:10.20665/kakyoshi.62.1_30

関連項目

外部リンク

  • 板垣英治、「五箇山の塩硝」 大学教育開放センター紀要 (1998) 第18号, p.31-42, hdl:(2297/1467)
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