長野原草津口駅(ながのはらくさつぐちえき)は、群馬県吾妻郡長野原町大字長野原にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)吾妻線の駅である[1]。
概要
特急「草津・四万」の発着駅、および長野原町の中心駅で、草津温泉の最寄り駅となっている。
隣の川原湯温泉駅の東方に建設された八ッ場ダムの本体工事に伴い、2014年10月1日から岩島駅 - 当駅間のルートが切り替えられた(旧線は吾妻川の左岸を通っていたが、切替により右岸を通るようになった)。当駅は水没地域に含まれず位置も変わらないが、ダム関連工事が進むにつれて従前から駅前にあった施設(建物)が移転し、現在の駅周辺は水没地域の代替地としての開発段階にある。
なお、八ッ場ダム問題に直面する長野原町の生活再建策の一つとして、群馬県とJR東日本は2011年度から長野原草津口駅を改築する方針を固めた。従来の駅舎の西側に新駅舎が建設され、2013年(平成25年)7月27日に新駅舎の完成式典が行われた後、8月1日から新駅舎で業務が開始となった。1階に改札口とホームが設けられ、バス・タクシー乗り場も駅舎に隣接して設けられている。ホームから改札までは、段差を無くしバリアフリー化した。3年計画で総事業費は14 - 15億円[2]。
歴史
- 1945年(昭和20年)1月2日:長野原線・渋川 - 当駅間開業の際に貨物駅として開設(日本鋼管群馬鉄山専用線・当駅 - 太子間も同時開業)[3]。当時の駅名は長野原駅(ながのはらえき)[3]。
- 1946年(昭和21年)4月20日:旅客営業を開始[3]。貨物駅から(一般駅)に変更[3]。
- 1952年(昭和27年)10月1日:日本鋼管専用線を移管し、当駅 - 太子間の貨物支線が開業。
- 1954年(昭和29年)6月21日:当駅 - 太子間の旅客営業を開始。
- 1967年(昭和42年)6月10日:渋川 - 当駅間を電化。
- 1970年(昭和45年)11月1日:当駅 - 太子間が休止。
- 1971年(昭和46年)
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物扱い廃止[3]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる[3]。
- 1991年(平成3年)12月1日:長野原草津口駅に改称[6]。
- 2006年(平成18年)3月5日:みどりの窓口を廃止、「もしもし券売機Kaeruくん」を設置[7]。
- 2011年(平成23年)6月25日:駅構内改築工事の初段階として、1番線を行き止まり方式とし、ホームと駅舎を結ぶ跨線橋を廃止。駅業務を1階に移設し、改札口などを地平に設ける。
- 2012年(平成24年)2月13日:「もしもし券売機Kaeruくん」営業終了[8]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)10月1日:(東京近郊区間)に編入され、ICカード「Suica」が利用可能となる[10]。
- 2015年(平成27年)8月2日:駅前広場の西側に、「長野原・草津・六合ステーション」が開業。食堂と土産物店が営業開始[11][12] 。
旧駅舎
旧駅舎入口(1階・改札、2階・待合室)(2012年8月)
画面中央が閉鎖された跨線橋。左側が駅舎への通路(2012年8月)
長野原草津口駅旧バスターミナル。後方に旧駅舎からの通路が見える。
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅[1]で、駅舎は3階建てである。駅構内には留置線が設けられている。2011年6月25日より、新駅舎の建設のため、1番線を行き止まり方式として通路を新設し、駅舎とホームが直接結ばれ跨線橋は撤去された。このため1番線は折り返し専用ホームとなった[* 1]。旧駅舎の2階にあった改札口・自動券売機・売店は新駅舎の地平部分に移設、2階の自動販売機・待合室・コインロッカー・トイレはそのまま存置され、タクシー会社の事務所が入居したが、旧駅舎は2013年度中に解体された。
(直営駅)(駅長配置)であり、(管理駅)として川原湯温泉駅 - 大前駅間の各駅を管理している。改札口には簡易Suica改札機が設置されている。2006年にみどりの窓口が廃止され、その代替として「もしもし券売機Kaeruくん」が設置されたが、2012年2月13日をもって営業終了し撤去された。現在は(指定席券売機)が設置されている。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 特急「草津・四万」は基本的に1番線から発車する。以前の万座・鹿沢口駅発着の臨時列車は2番線を使用していた。
- 高崎方面への当駅始発・折り返し列車も基本的に1番線からの発車だが、1番線に特急が停車中の場合は2番線で高崎方面へ折り返す。
- 夜間滞泊が設定されている。
改札口(2021年7月)
ホーム(2021年7月)
利用状況
JR東日本によると、2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員は550人である[利用客数 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 | 出典 |
2000年(平成12年) | 921 | [利用客数 2] |
2001年(平成13年) | 923 | [利用客数 3] |
2002年(平成14年) | 917 | [利用客数 4] |
2003年(平成15年) | 896 | [利用客数 5] |
2004年(平成16年) | 869 | [利用客数 6] |
2005年(平成17年) | 850 | [利用客数 7] |
2006年(平成18年) | 832 | [利用客数 8] |
2007年(平成19年) | 792 | [利用客数 9] |
2008年(平成20年) | 794 | [利用客数 10] |
2009年(平成21年) | 743 | [利用客数 11] |
2010年(平成22年) | 691 | [利用客数 12] |
2011年(平成23年) | 645 | [利用客数 13] |
2012年(平成24年) | 682 | [利用客数 14] |
2013年(平成25年) | 684 | [利用客数 15] |
2014年(平成26年) | 714 | [利用客数 16] |
2015年(平成27年) | 740 | [利用客数 17] |
2016年(平成28年) | 760 | [利用客数 18] |
2017年(平成29年) | 755 | [利用客数 19] |
2018年(平成30年) | 762 | [利用客数 20] |
2019年(令和元年) | 741 | [利用客数 21] |
2020年(令和 | 2年)465 | [利用客数 22] |
2021年(令和 | 3年)550 | [利用客数 1] |
駅周辺
- バスターミナルは駅舎から連絡通路で直結されていたが(旧駅舎写真の裏手にある)、2011年6月25日に駅舎改築工事が始まり、連絡通路は2階の待合室とトイレ、自販機コーナーを結ぶ通路となった。2階にはタクシー会社の事務所も入居した。2011年6月24日までは、駅の外へ出る通路よりも幅が広く、バスターミナルとほぼ一体化されていた。これは、鉄道 - バス(志賀草津高原線)の連携体制をサポートするための構造であった。2013年7月に新駅舎が完成し、8月1日から供用が開始された。バスターミナルとタクシー乗り場までは改札から段差を無くしたバリアフリー構造の通路で結ばれている。
- 長野原・草津・六合ステーション
- 駅前広場西側に2015年8月開業した施設。1階に食堂と土産物屋・2階に休憩所兼多目的スペースがある。営業時間 10:00 - 16:00。
- 国道145号
- 国道292号
- 国道406号
- 群馬県道378号長野原草津口停車場線
- 長野原合同庁舎
- 長野原町立東中学校
- 長野原郵便局
- 長野原町役場
- 群馬県立長野原高等学校
- ジェイアールバス関東長野原支店
- トヨタレンタリース長野原草津口駅前店
- 吾妻川を渡った対岸にある。万座・鹿沢口駅前店の移転扱いで2008年に開設。
温泉地・観光地
バス路線
- 高速バスのりば - 東京・新宿方面
- 「上州ゆめぐり号」バスタ新宿(新宿駅南口)行(JRバス関東)(上りは乗車のみ、下りは降車のみ)
- 「東京ゆめぐり号」東京駅日本橋口行(JRバス関東)(上りは乗車のみ、下りは降車のみ)
- 1番のりば - 急行・各駅停車 草津温泉バスターミナル行(JRバス関東)
- 2番のりば - 急行・各駅停車 草津温泉バスターミナル行(JRバス関東)
- 3番のりば - 急行 草津温泉バスターミナル行、急行 白根火山行(JRバス関東)
- 白根火山行は、4月末から11月初頭までの運行
- 4番のりば - 各駅停車 北軽井沢行(草軽交通)
- 5番のりば - 各駅停車 花敷温泉行、各駅停車 野反湖行(中之条町営バス、ローズクィーン交通に運行委託)
タクシー乗り場は大前方にある。
2013年8月1日より、長野原草津口駅の新駅舎供用に伴い、バスのりばとタクシー乗り場の配置が変更となっている。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 特急「草津・四万」発着駅
廃止路線
- 日本国有鉄道
- 吾妻線(太子支線)
- 長野原駅 - 太子駅
脚注
記事本文
注釈
出典
- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 12号 大宮駅・野辺山駅・川原湯温泉駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年10月28日、24頁。
- ^ 長野原草津口駅を改築へ・県とJR(47NEWS 2011年2月2日)
- ^ a b c d e f g 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、457頁。ISBN (978-4-533-02980-6)。
- ^ “吾妻線 長野原-大前間が開業”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1971年3月9日)
- ^ “長野原橋上新駅舎が完成”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1971年3月31日)
- ^ “吾妻線長野原など2駅改称 JR高崎支社12月1日から”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1991年9月21日)
- ^ “JR高崎支社 14駅に新型券売機”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2006年3月17日)
- ^ “” (PDF). 東日本旅客鉄道高崎支社. 2014年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月30日閲覧。
- ^ 「長野原草津口駅の新駅舎完成祝う 来月1日に利用開始」『朝日新聞』2013年7月28日33面(群馬)。
- ^ (PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2014年5月26日。 オリジナルの2019年6月29日時点におけるアーカイブ2020年5月24日閲覧。 。
- ^ 「長野原・草津・六合ステーション」 オープン! - 長野原町.2015年9月16日閲覧。
- ^ 西吾妻 観光の玄関口 長野原に「ステーション」 - 上毛新聞ニュース,2015年8月3日.2015年9月16日閲覧。
- ^ a b “駅構内図(長野原草津口駅)”. 東日本旅客鉄道. 2019年11月24日閲覧。
利用状況
- ^ a b “各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月12日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月17日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 駅の情報(長野原草津口駅):JR東日本