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鉛の同位体

(Pb)の同位体(なまりのどういたい)のうち、204Pb、206Pb、207Pb、208Pbの4種類は、一般に安定同位体(安定核種)とされている。長い間安定核種と信じられてきた209Biは、実は安定核種でなかったことが確認されたため、鉛は安定同位体を持つ既知の元素の中では最も重い(陽子の数が多い)とされるようになり、208Pbが最も重い安定核種とされている。しかし、ビスマスと同様に、実は鉛も安定核種を1つも持っていないのではないかという可能性が示唆されている(後述)。

地球上に現存する鉛の同位体

現在の地球上に存在する鉛の同位体の多くは、一般に安定同位体とされている、204Pb、206Pb、207Pb、208Pbの4種類である。ただし、地球には長い半減期を持つウラントリウムが現存していて、それらの崩壊の過程で幾つかの鉛の同位体が生成されるため、ごく微量ながらこれ以外の同位体も存在している。まず、238Uを親核種とするウラン系列によって、半減期26分強の214Pb、半減期22年強の210Pbが生成され続けている。また、235Uを親核種とするアクチニウム系列によって、半減期36分強の211Pbが生成され続けている。なお、このアクチニウム系列によって生成され続けている223Raは、クラスタ崩壊を起こして209Pbとなることがあるので、半減期3時間強の209Pbも生成され続けている。さらに、232Thを親核種とするトリウム系列によって、半減期10時間強の212Pbが生成され続けている。これらのために、238U、235U、232Thが残っている限り、209Pb、210Pb、211Pb、212Pb、214Pbの5種類の放射性同位体も無くならない。なお、ウラン系列、アクチニウム系列、トリウム系列が存在するため、地球上のおける鉛の同位体の存在比率は変化し続けている。したがって標準原子量も不変ではないが、現在の鉛の標準原子量は207.2uである。

鉛の同位体の別名

鉛の同位体のうち、アクチニウム系列、ウラン系列(ラジウム系列)、トリウム系列に属する同位体は以下の別名でも知られている。

  • ラジウムB (radium B) - 214Pbの別名。
ウラン系列(ラジウム系列)に属している。
  • ラジウムD (radium D) - 210Pbの別名。
ウラン系列(ラジウム系列)に属している。
  • ラジウムG (radium G) - 206Pbの別名。
一般に206Pbは、238Uからのウラン系列(ラジウム系列)の最終生成物とされている。
  • アクチニウムB (actinium B) - 211Pbの別名。
アクチニウム系列に属している。
  • アクチニウムD (actinium D) - 207Pbの別名。
一般に207Pbは、235Uからのアクチニウム系列の最終生成物とされている。
  • トリウムB (thorium B) - 212Pbの別名。
トリウム系列に属している。
  • トリウムD (thorium D) - 208Pbの別名。
一般に208Pbは、232Thからのトリウム系列の最終生成物とされている。

鉛に安定同位体が1つも存在しない可能性

鉛よりも1つ陽子の数が多いビスマスの同位体のうち209Biは、長い間安定核種だと考えられていたものの、実際には半減期1.9×1019年の長い寿命を持つ放射性核種であったことが確認され、これによってビスマスは1つも安定核種を持たない元素であることが明らかとなった。それと同様に、まだ一般には安定核種であると説明されることの多い、204Pb、206Pb、207Pb、208Pbの4つも、実は全て長い寿命を持った放射性核種ではないかという可能性が指摘されている。まず、204Pbは、1.4×1017年以上の半減期を持った放射性核種だと見られていて、α崩壊を起こして200Hgになって安定すると考えられてきている。さらに、206Pbは、実はウラン系列(ラジウム系列)の最終生成物ではなく、あくまでウラン系列に属する途中の生成物であって、実際はα崩壊して202Hgになって初めて安定するのではないかとの指摘がある。同様に、207Pbはアクチニウム系列の最終生成物ではなく、あくまでアクチニウム系列に属する途中の生成物であって、実際はα崩壊して半減期約46日強の203Hgとなり、これがβ崩壊して203Tlとなって初めて安定するのではないかとの指摘がある。同じく、208Pbはトリウム系列の最終生成物ではなく、あくまでトリウム系列に属する途中の生成物であって、実際は2×1019年以上の半減期を持った放射性核種だと見られていて、これはα崩壊して204Hgになって初めて安定すると考えられてきている。これらが全て正しいとすると、実は鉛も1つも安定同位体を持たない元素だということになり、既知の元素の中で最も陽子の数の多い安定な元素の座を譲ることとなる。ここまでの内容については、今後の研究が待たれる部分である。

なお、この他の鉛の同位体は一般にも全て放射性同位体であると認識されている。比較的半減期の長い(寿命の長い)核種としては、次のような核種がある。

  • 205Pb - 半減期約1510万年。電子捕獲によって205Tlに変化して安定する。
  • 202Pb - 半減期約52500年。主に電子捕獲によって202Tlに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。ただし、1%程度はα崩壊によって198Hgに変化して安定する。
  • 210Pb - 半減期約22.6年。主にβ崩壊によって210Biに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。ただし、ごくごく一部はα崩壊によって206Hgに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 203Pb - 半減期約51.87時間。電子捕獲によって203Tlに変化して安定する。
  • 200Pb - 半減期約21.5時間。陽電子を放出して200Tlに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 212Pb - 半減期約10.64時間。β崩壊によって212Biに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 201Pb - 半減期約9.33時間。陽電子を放出して201Tlに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 209Pb - 半減期約3.25時間。β崩壊によって209Biに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 198Pb - 半減期約2.4時間。陽電子を放出して198Tlに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。
  • 199Pb - 半減期約90分で、陽電子を放出して199Tlに変化し、さらに崩壊を続けてゆく。

残りの核種は全て半減期が1時間以内である。

一覧

同位体核種 Z(p) N(n) 同位体質量 (u) 半減期 核スピン数 天然存在比 天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
178Pb 82 96 178.003830(26) 0.23(15) ms 0+
179Pb 82 97 179.00215(21)# 3# ms 5/2-#
180Pb 82 98 179.997918(22) 4.5(11) ms 0+
181Pb 82 99 180.99662(10) 45(20) ms 5/2-#
182Pb 82 100 181.992672(15) 60(40) ms [55(+40-35) ms] 0+
183Pb 82 101 182.99187(3) 535(30) ms (3/2-)
183mPb 94(8) keV 415(20) ms (13/2+)
184Pb 82 102 183.988142(15) 490(25) ms 0+
185Pb 82 103 184.987610(17) 6.3(4) s 3/2-
185mPb 60(40)# keV 4.07(15) s 13/2+
186Pb 82 104 185.984239(12) 4.82(3) s 0+
187Pb 82 105 186.983918(9) 15.2(3) s (3/2-)
187mPb 11(11) keV 18.3(3) s (13/2+)
188Pb 82 106 187.980874(11) 25.5(1) s 0+
188m1Pb 2578.2(7) keV 830(210) ns (8-)
188m2Pb 2800(50) keV 797(21) ns
189Pb 82 107 188.98081(4) 51(3) s (3/2-)
189mPb 40(30)# keV 1# min (13/2+)
190Pb 82 108 189.978082(13) 71(1) s 0+
190m1Pb 2614.8(8) keV 150 ns (10)+
190m2Pb 2618(20) keV 25 µs (12+)
190m3Pb 2658.2(8) keV 7.2(6) µs (11)-
191Pb 82 109 190.97827(4) 1.33(8) min (3/2-)
191mPb 20(50) keV 2.18(8) min 13/2(+)
192Pb 82 110 191.975785(14) 3.5(1) min 0+
192m1Pb 2581.1(1) keV 164(7) ns (10)+
192m2Pb 2625.1(11) keV 1.1(5) µs (12+)
192m3Pb 2743.5(4) keV 756(21) ns (11)-
193Pb 82 111 192.97617(5) 5# min (3/2-)
193m1Pb 130(80)# keV 5.8(2) min 13/2(+)
193m2Pb 2612.5(5)+X keV 135(+25-15) ns (33/2+)
194Pb 82 112 193.974012(19) 12.0(5) min 0+
195Pb 82 113 194.974542(25) ~15 min 3/2#-
195m1Pb 202.9(7) keV 15.0(12) min 13/2+
195m2Pb 1759.0(7) keV 10.0(7) µs 21/2-
196Pb 82 114 195.972774(15) 37(3) min 0+
196m1Pb 1049.20(9) keV <100 ns 2+
196m2Pb 1738.27(12) keV <1 µs 4+
196m3Pb 1797.51(14) keV 140(14) ns 5-
196m4Pb 2693.5(5) keV 270(4) ns (12+)
197Pb 82 115 196.973431(6) 8.1(17) min 3/2-
197m1Pb 319.31(11) keV 42.9(9) min 13/2+
197m2Pb 1914.10(25) keV 1.15(20) µs 21/2-
198Pb 82 116 197.972034(16) 2.4(1) h 0+
198m1Pb 2141.4(4) keV 4.19(10) µs (7)-
198m2Pb 2231.4(5) keV 137(10) ns (9)-
198m3Pb 2820.5(7) keV 212(4) ns (12)+
199Pb 82 117 198.972917(28) 90(10) min 3/2-
199m1Pb 429.5(27) keV 12.2(3) min (13/2+)
199m2Pb 2563.8(27) keV 10.1(2) µs (29/2-)
200Pb 82 118 199.971827(12) 21.5(4) h 0+
201Pb 82 119 200.972885(24) 9.33(3) h 5/2-
201m1Pb 629.14(17) keV 61(2) s 13/2+
201m2Pb 2718.5+X keV 508(5) ns (29/2-)
202Pb 82 120 201.972159(9) 52.5(28)E+3 a 0+
202m1Pb 2169.83(7) keV 3.53(1) h 9-
202m2Pb 4142.9(11) keV 110(5) ns (16+)
202m3Pb 5345.9(13) keV 107(5) ns (19-)
203Pb 82 121 202.973391(7) 51.873(9) h 5/2-
203m1Pb 825.20(9) keV 6.21(8) s 13/2+
203m2Pb 2949.47(22) keV 480(7) ms 29/2-
203m3Pb 2923.4+X keV 122(4) ns (25/2-)
204Pb 82 122 203.9730436(13) STABLE [>140E+15 a] 0+ 0.014(1) 0.0104-0.0165
204m1Pb 1274.00(4) keV 265(10) ns 4+
204m2Pb 2185.79(5) keV 67.2(3) min 9-
204m3Pb 2264.33(4) keV 0.45(+10-3) µs 7-
205Pb 82 123 204.9744818(13) 15.3(7)E+6 a 5/2-
205m1Pb 2.329(7) keV 24.2(4) µs 1/2-
205m2Pb 1013.839(13) keV 5.55(2) ms 13/2+
205m3Pb 3195.7(5) keV 217(5) ns 25/2-
206Pb 82 124 205.9744653(13) STABLE 0+ 0.241(1) 0.2084-0.2748
206m1Pb 2200.14(4) keV 125(2) µs 7-
206m2Pb 4027.3(7) keV 202(3) ns 12+
207Pb 82 125 206.9758969(13) STABLE 1/2- 0.221(1) 0.1762-0.2365
207mPb 1633.368(5) keV 806(6) ms 13/2+
208Pb 82 126 207.9766521(13) STABLE [>2E+19 a] 0+ 0.524(1) 0.5128-0.5621
208mPb 4895(2) keV 500(10) ns 10+
209Pb 82 127 208.9810901(19) 3.253(14) h 9/2+
210Pb 82 128 209.9841885(16) 22.20(22) a 0+
210mPb 1278(5) keV 201(17) ns 8+
211Pb 82 129 210.9887370(29) 36.1(2) min 9/2+
212Pb 82 130 211.9918975(24) 10.64(1) h 0+
212mPb 1335(10) keV 5(1) µs (8+)
213Pb 82 131 212.996581(8) 10.2(3) min (9/2+)
214Pb 82 132 213.9998054(26) 26.8(9) min 0+
215Pb 82 133 215.00481(44)# 36(1) s 5/2+#

参考文献

  • Isotope masses from Ame2003 Atomic Mass Evaluation by G. Audi, A.H. Wapstra, C. Thibault, J. Blachot and O. Bersillon in Nuclear Physics A729 (2003).
  • Isotopic compositions and standard atomic masses from Atomic weights of the elements. Review 2000 (IUPAC Technical Report). Pure Appl. Chem. Vol. 75, No. 6, pp. 683-800, (2003) and Atomic Weights Revised (2005).
  • Half-life, spin, and isomer data selected from these sources. Editing notes on this article's talk page.
    • Audi, Bersillon, Blachot, Wapstra. The Nubase2003 evaluation of nuclear and decay properties, Nuc. Phys. A 729, pp. 3-128 (2003).
    • National Nuclear Data Center, Brookhaven National Laboratory. Information extracted from the NuDat 2.1 database (retrieved Sept. 2005).
    • David R. Lide (ed.), Norman E. Holden in CRC Handbook of Chemistry and Physics, 85th Edition, online version. CRC Press. Boca Raton, Florida (2005). Section 11, Table of the Isotopes.
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