鈴木 優花(すずき ゆうか、1999年9月14日 - )は、日本の陸上競技選手、長距離走。2019年夏季ユニバーシアードハーフマラソン個人・団体金メダリスト。マラソン女子日本学生記録保持者。
経歴・人物
秋田県大仙市出身。(大仙市立中仙中学校)[1]時代に陸上競技とバスケットボールの二刀流でスポーツに打ち込む[2]。また中学校時代には東北電力主催の中学生作文コンクールで佳作入選を果たした経歴を持つ[3]。
秋田県立大曲高等学校に進学後は陸上競技一本に専念し、本格的に競技に打ち込む[2]。高校時代は3年時の平成29年度全国高等学校総合体育大会(山形県総合運動公園陸上競技場)女子3000m予選に出場、同組で走った田中希実(兵庫県立西脇工業高等学校)、大西ひかり(須磨学園高等学校)らに大きく水を開けられて12位で予選落ちした[4]。
2018年に大東文化大学スポーツ・健康科学部スポーツ科へ入学すると、入学直後の6月に出場した2018年日本学生陸上競技個人選手権大会(平塚競技場)では女子5000mで鍋島莉奈(鹿屋体育大学)が2012年に記録した15分52秒95を更新する15分46秒84の大会新記録で優勝して注目を集めた[5]。同年の全日本大学女子駅伝(宮城県仙台市)では2区を走り、13位で襷を受けて12人を抜き去り3区にトップで繫ぎ、自らも区間賞を獲得するという快走を見せた[6]。大学女子選抜(富士山女子)駅伝では過酷な山上りの7区で区間新を出した。
2019年、ユニバーシアードのハーフマラソンで加世田梨花(名城大学)を終盤で振り切り、個人・団体で金メダルを獲得、年末の実業団記録会では10000m学生歴代2位の記録を出す。全日本大学女子駅伝では3区を走り、先行する和田有菜(名城大学)に追いつき並走し最後に振り切られたものの区間賞を獲得した。続く大学女子選抜(富士山女子)駅伝7区でも先行する和田有菜(名城大学)を追い大幅に差を詰めたが逆転はできず、大東文化大学チームの目標である大学女子駅伝の初制覇は2020年以降に持ち越された。 趣味は絵を描く事、部員の誕生日には似顔絵を描いて贈っている。また、寮内でめざまし時計をセットしたにも関わらず起きるのは別の同僚で自分は全く起きないという強心臓ぶりを発揮している。同世代には強力なライバルが特に多く、2020年の全国女子駅伝の中継で、田中希実((豊田自動織機TC))や廣中璃梨佳(日本郵政グループ)の活躍には刺激を受けていると語ったことが紹介された。近々マラソンに挑戦し、パリオリンピックを目指すことも明らかにしている。
さらにコロナ禍の2020年シーズン、夏場に腓骨疲労骨折し、日本インカレは欠場したが、全日本大学女子駅伝に出場。最終区間の6区で名城大学の高松智美ムセンビを抑え区間新でチームを3位から2位にあげた。 年末の富士山女子駅伝では初のエース区間となる5区で名城大学のエース加世田らを抑え区間賞を獲得、大東大の準優勝に貢献した。
2021年は最上級生となり、春先より前年の怪我の影響でなかなか調子が上がらない時期を過ごしたが、夏合宿を機に調子を取り戻し、9月の日本インカレ10000mでは、32分04秒の大会新記録でライバル大学の選手らを大きく突き放して優勝した。全日本大学女子駅伝では最長区間の5区で出走。拓殖大学の不破聖衣来に敗れて同大会4年連続区間賞を逃したが、5位で受けた襷を2位まで上げチームの準優勝に貢献した。富士山女子駅伝では、5区で再び不破聖衣来に敗れて区間2位ながら従来の区間記録を1分以上更新し、13位から10人抜きで3位までチーム順位を押し上げる走りを見せた。
2022年3月13日 初マラソンとなる名古屋ウィメンズマラソンで女子日本学生記録となる2時間25分02秒で5位に入り、2024年パリオリンピックの出場権を争うマラソングランドチャンピオンシップ出場権を獲得した。
主な記録
年 | 大会 | 種目 | 順位 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
2016年 | 岡山インターハイ2016 | 3000m | 14位[7] | ||
2017年 | 全国女子駅伝 | 2区 | 区間9位 | 秋田県22位[8] | |
2018年 | 日本学生個人 | 5000m | 優勝 | 大会記録[9] | |
日本インカレ | 5000m | 5位[10] | |||
全日本大学女子駅伝 | 2区 | 区間賞 | 大東文化大2位[11] | ||
大学女子選抜(富士山女子)駅伝 | 7区 | 区間新 | 大東文化大2位[12] | ||
2019年 | 全国女子駅伝 | 1区 | 区間3位 | 秋田県26位[13] | |
日本学生女子(まつえレディース)ハーフマラソン | ハーフマラソン | 優勝[14] | |||
第30回夏季ユニバーシアード・ナポリ大会 | ハーフマラソン | 金メダル | 日本金メダル[15] | ||
日本インカレ | 10000m | 4位[16] | |||
全日本大学女子駅伝 | 3区 | 区間賞 | 大東文化大2位[17] | ||
セブンヒルズロードレース(オランダ) | 15㎞ | 4位 | |||
大学女子選抜(富士山女子)駅伝 | 7区 | 区間2位 | 大東文化大2位[18] | ||
2020年 | 全国女子駅伝 | 1区 | 4位 | 秋田県30位[19] | |
全日本大学女子駅伝 | 6区 | 区間新 | 大東文化大2位[20] | ||
大学女子選抜(富士山女子)駅伝 | 5区 | 区間賞 | 大東文化大2位[21] | ||
2021年 | 日本インカレ | 10000m | 優勝[22] | ||
全日本大学女子駅伝 | 5区 | 区間2位 | 大東文化大2位[23] | ||
大学女子選抜(富士山女子)駅伝 | 5区 | 区間2位 | 大東文化大2位[24] | ||
2022年 | 名古屋ウィメンズマラソン | マラソン | 5位 | 日本学生新記録[25] |
脚注
- ^ おら報パート176 (PDF) ドンパンふるさと中仙会
- ^ a b 大東大1年生エース鈴木、最終7区起用“山の女神”になる/富士山女子駅伝 サンケイスポーツ 2018年12月30日
- ^ "東北電力 第39回中学生作文コンクール 入賞者一覧" (PDF) 東北電力
- ^ 平成29年度全国高等学校総合体育大会 競技結果 (PDF) 日本陸上競技連盟
- ^ "1年生が大会新でV 大東大・鈴木「びっくりしている」/陸上" 1サンケイスポーツ 2018年6月16日
- ^ "大東大・鈴木優花、12人抜き区間賞…全日本大学女子駅伝 報知新聞 2018年10月28日"
- ^ “リザルト”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “競技結果”. jaaf. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “記録集”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “記録集”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “総合成績”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “大会結果”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “競技結果”. jaaf. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “大会の記録”. まつえレディースハーフマラソン実行委員会事務局. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “競技結果”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “記録集”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “総合成績”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “大会結果”. iuau. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “リザルト”. iaaf. 2020年2月8日閲覧。
- ^ “総合成績”. iuau. 2021年1月11日閲覧。
- ^ “大会結果”. iuau. 2021年1月11日閲覧。
- ^ “記録集”. iuau. 2021年12月11日閲覧。
- ^ “総合成績”. iuau. 2021年12月11日閲覧。
- ^ “大会結果”. iuau. 2021年12月30日閲覧。
- ^ “RESULT”. iuau. 2022年3月13日閲覧。
外部リンク
- 鈴木優花 - ワールドアスレティックスのプロフィール(英語)
- 女子長距離ブロック - 大東文化大学陸上競技部