金子大輝(かねこたいき、1989年4月26日 - )は、日本のノスタルジック イラストレーター。愛知県西尾市出身。A型。愛知県立西尾高等学校、名古屋芸術大学 デザイン学部イラストレーションコース卒業。愛知県在住。
人物
平成元年生まれ。幼少期を昭和リバイバルブームの中で過ごす。 父親の借りてきたレンタルビデオの仮面ライダーやウルトラセブン、当時のなつかし系特集番組等を観たことがきっかけで 昭和の特撮作品やアニメーション作品を好きになり、それらに影響を受けたレトロな作風を得意としている。柔道家の父の影響と仮面ライダーになりたいという理由から、3歳から柔道を習い始め、高校二年生で弐段を取得。 高校三年生で部活動を引退し大学受験シーズンになると、幼少期から絵を描くことが好きだったという理由で美大を目指すようになるが浪人。河合塾美術研究所に入り、基礎技術を学び翌年名古屋芸術大学デザイン学部に入学。大学入学後はSNSを活用し特撮 ジャンルの ファンアートを数多く投稿。東京の昭和 特撮イベントへ通い、俳優の荒木しげるをはじめ、特撮 ヒーローを演じた俳優、スタッフに額装した自身のイラストをプレゼントしたり、懇親会にポートフォリオを持ち込み往年のファンから意見をもらう等をして、徐々に交友関係を増やしていった。 趣味は絵を描くこと、カラオケ、形態模写、声帯模写、得意なものまねのレパートリーは藤岡弘、、ウルトラマンAの動き。
眼鏡とウルトラセブン
生まれつき視力が悪く、3歳までアイパッチで矯正していた。4歳になり保育園に入園する際に眼鏡に変わったが、その異物感に馴染めず嫌がる金子に対し母親が機転を利かせ「これは大輝の(ウルトラ・アイ)だよ、変身してごらん?」と手渡すと、モロボシ・ダンになりきって毎朝ウルトラセブンに変身し、保育園へ通うようになった。 当時は弱視で、起床と共に眼鏡を装着していないと眼が疲労して視力が悪くなってしまう不安定な時期。今現在イラストレーターとしての自分があるのは、幼少期に母親とウルトラセブンに眼を守ってもらったからと金子は語っている。
アイデンティティに悩んだ学生時代
3歳から柔道を習い、小中学校時代には市の大会で優勝する実力がありながら、中学三年生の春に体育の跳び箱の授業で前方倒立回転跳びを失敗し、右足首の複雑脱臼骨折靱帯断裂で三年生最後の部活動の大会に出場できなかった。半年間のリハビリ生活を経て、愛知県立西尾高等学校へ入学し柔道部へ入り柔道に復帰するが、小中学校時代のような活躍は難しかった。この時「小さい頃から柔道が得意な自分」というアイデンティティが失われてしまったと感じ、三年生の引退と共に自分自身は何者なのかと悩み、幼少期からずっと絵を描くことが好きだったことを思い出す。幼少期から絵を描くことが得意で、小学校五年生の「絵を描く会」では六年生を差し置いて市長賞を受賞したこともあり、常に美術の成績も良かった。まだ自分には「小さい頃から絵が得意な自分」というアイデンティティが残っていたことに気付き、得意分野を活かそうと美大受験を決意し地元の絵画教室に通い始める。しかしこれまで美術部に入らず、我流で過ごしてきた為、美大受験における専門的な知識も技術も知らずデッサン課題に苦しめられ浪人してしまう。河合塾美術研究所に入り基礎から学び直すものの、東京藝術大学や武蔵野美術大学を目指す周囲と素人同然の自分とのギャップにまたもアイデンティティを失ってしまい、次第に河合塾から足が遠ざかり街を徘徊する程精神的に追い込まれる。そんな時に、高校時代からSNSに仮面ライダー等のファンアートを投稿していたことから、受験のことは一度忘れ「自分の好きなヒーローをもっとかっこよく描くために絵を学ぶ」と思考を切り替え河合塾に復帰、無事に名古屋芸術大学に合格する。
来歴
2012年 9月26日 名古屋芸術大学在学中に ビクターエンタテインメント『もしアニソンがすべて昭和のロボットアニメ風だったら』CDジャケットイラスト制作、キャラクターデザイン、ロゴデザインを担当しイラストレーターとしてメジャーデビューする。
2014年、(株式会社メディコム・トイ)の『東映レトロソフビコレクションM仮面ライダー』タグイラストを担当し、以降同シリーズの各パッケージイラストを担当し続けており、自身のライフワークとなっている。
2015年、速水亮のファンクラブイベントのフライヤーを担当する。年二回開催されており、ファンクラブ立ち上げ以降担当し続けている。金子は学生時代に親交の深かった荒木しげるの晩年のイベント活動をサポートできなかったことを悔やんでおり、それを知った荒木と親交の深い速水がファンクラブ立ち上げ時に金子に声をかけた。
2016年、フィギュア造形作家の寒河江弘が原案、企画、デザイン、造形をした(ご当地怪獣)と「特撮を愛し、特撮を奏で、特撮を広める」バンド『(科楽特奏隊)』がコラボレーションしたオリジナル楽曲『(ご当地怪獣)のテーマ』のCDジャケットイラスト、レーベルデザインを担当。往年のレコードやソノシートのジャケットイラストを彷彿とさせる作品となった。
2017年、(株式会社円谷プロダクション)『ウルトラセブン放送開始50年記念~モロボシ・ダンの名をかりて~』のメインビジュアルを担当した。今イベントは髙島屋主催で、京都、大阪、横浜の三店舗で開催された。
2017年、怪獣酒場新橋蒸溜所の店内壁絵を担当。怪獣による蒸留酒の制作工程を説明した絵となっており、それぞれ乾燥・発酵はゼットン、蒸溜はケムール人、熟成・貯蔵はレッドキング・ブラックキングが描かれている。各怪獣の選出も金子自らが行った。
2017年、バンダイ『メカコレクション仮面ライダーシリーズ』のボックスアートを担当。
2018年、大阪府 池田市制施行80周年『ひよこちゃんVSウォンバット~池田の大決闘~』メインビジュアルを担当。今企画は池田市と日清食品がコラボレーションしており、PR動画制作において劇メーションが採用され、金子のイラストを怪獣映画的な演出で動かした。また動画内のひよこちゃんと初めて遭遇し悲鳴を上げる一般観光客は金子本人。これは切迫した作業の中でキャラクターデザインが思い付かず、怪獣映画のエキストラ感覚で自分を描いて提出したところ、折角なら本人に声も担当してほしいと依頼され出演することになった。今PR動画はBOVA2019広告主部門グランプリ、第3回ものづくりアワード2019銅賞・丸山正雄賞(特別賞)、50th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSフィルム部門シルバー賞をそれぞれ受賞している。
2019年、RAPID PROGRESS『SFX巨人伝説ライン30周年記念シングル』サンプルCDジャケットイラストを担当。イベント限定配布用の非売品ではあるが、作曲家の渡辺宙明による平成最後のシングルとなった。後に発売された販促版の『SFX巨人伝説ライン30周年記念アルバム』にはCDジャケットの裏側にイラストが採用された。(表側は開田裕治が担当)
2019年、 講談社週刊少年マガジン創刊60周年を記念してカーリングシトーンズとコラボレーションした『壮年マガジン』のシトーン6大怪獣のイラストを担当。
2020年、『特撮のDNA~ウルトラマン Genealogy』 開田裕治、西川伸司と共に描き下ろし複製原画を担当。当時最新作のウルトラマンZをはじめ、ウルトラセブンから続く『セブン一門』の雄姿を描いている。
2020年、SUNPURO『冷暖革命』信州ローカルCM、キャラクターデザイン、動画素材担当。往年の長浜ロマンロボシリーズを彷彿とさせるデザイン、アニメーションは信州民を驚かせた。信濃毎日新聞とSUNPUROがコラボした際には、田中しょうの描く四コマ漫画『あんずちゃん』に金子のデザインしたキャラクターが登場した。
2021年、花王ヘルシア×仮面ライダー50周年コラボレーション企画『歩ランティア』のメインビジュアルを担当、仮面ライダー1号とヘルシアポリス・ 柳沢慎吾の共演、共闘が描かれた。今企画用に新規で制作された動画のアイキャッチにも金子のイラストが使用されている。メインビジュアルに描かれている一般市民は、かつて仮面ライダーでスーツアクターを担当した、大野剣友会の岡田勝、中屋敷哲也、中村文弥、がそれぞれモチーフとなっている。
2021年、KUDEN by TAKAHIRO SATO『アニメ・漫画・イラストの力を借りて障がい福祉事業所に仕事を創るチャリティー』に参加。キャラクターデザイン4点。
2022年、株式会社スリーワイ『怪描狂騒曲』ポスタービジュアル担当。往年の銀幕ポスターを彷彿とさせる質感、構成でノスタルジックイラストレーターとしての手腕を発揮した。今作品は、作曲家の渡辺宙明による遺作となった。
2022年8月11日~8月28日『特撮のDNA (平成ガメラ)3部作展 東京タワーにギャオス飛来!』にて、描き下ろしイラストが展示される。当初は展示のみであったが、会期中の反響が大きく翌月9月10日~10月10日東急ハンズ梅田店で開催された『特撮のDNA (平成ガメラ)3部作展』では同イラストの展示以外にも、クリアファイルや缶バッジ等のグッズ展開が実現した。
2022年10月15日~10月30日、特撮のDNAがプロデュースする『聖地降臨 (平成ガメラ)POP-UP SHOP』では、(平成ガメラ)の聖地に関連し、東急ハンズ博多店にG1ガメラ、東急ハンズ仙台店にG2ガメラ、東急ハンズ新宿店にG3ガメラ をモチーフにした描き下ろしイラストが展示され、これらをまとめたポストカードセットが版売された。また今イラストは、特撮のDNAの展示物や(黒龍工房)のガメラバストアップ等、ガメラの「造形」に強くインスパイアされた作品となった。
2022年11月26日、池袋HUMAXシネマズにて小高恵美デビュー35周年を記念した「小高恵美記念祭」が開催。金子はメインビジュアル、ロゴ、グッズイラストを担当する。
2022年11月26日~11月27日、『特撮(FILM)フェスティバル2022』のメインビジュアルを担当する。メインビジュアルには、イベントゲスト出演者、上映作品出演者の森次晃嗣、田口清隆、須賀貴匡、松田悟志、鈴村展弘、高野八誠、伊藤和典、(大橋 明)、青柳尊哉が一同に描かれており、特撮関係者の作品を超えた共演が実現した。
外部リンク
- 金子の画廊 - 公式サイト
- 金子大輝/Taiki Kaneko (@taikikaneko1989) - Twitter
参考文献
は列挙するだけでなく、(脚注)などを用いてしてください。 |
- 『ウルトラセブン』放送開始50年記念~モロボシ・ダンの名をかりて~