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野島 康三(のじま やすぞう、1889年2月12日 - 1964年8月14日)は、日本の戦前期を代表する写真家のひとり。埼玉県浦和市(現:さいたま市)生まれ。特に、ポートレイトやヌード写真に長ける。 初期のピクトリアリスムの重厚な絵画的な作品から、のちにストレートな表現に移行した。
経歴
1889年2月12日に埼玉県浦和宿(のち浦和市)の銀行家の家系に生まれる。慶應義塾大学卒業。 岸田劉生、梅原龍三郎などの美術コレクターでもあり、1919年に東京神田神保町に「兜屋画廊」を開廊し、各種展覧会(旧フュウザン会、日本創作版画協会の作家など)を開催(同画廊閉廊後は、自邸にて)するとともに、美術家たちへの資金的な援助も行った。
東京写真研究会でも活躍。
1932年に中山岩太、木村伊兵衛とともに雑誌『光画』創刊。1939年には国画会に福原信三とともに写真部創設などの活動を行う。
代表作
仏手柑
1930年作[1]。果物の仏手柑を写した静物写真[2]。172mmx275mm、ブロムオイルプリント[1]。本作品の影響の元に、森村泰昌氏が作品((フィンガー・シュトロン(ノジマ)1-4))を作成している[3]。
細川ちかこ氏
1932年作。極めて大胆なトリミングにより、顔の右半分と頭を断ち切り、むしろ、顔に当てた左手を中心に据えたようなポートレイト。
出典
主要参考文献
- 河本信治、光田由里 編『野島康三とその周辺』京都国立近代美術館、渋谷区立松濤美術館、1991年。ISBN (4876421293)。
- 「野島康三とレディス・カメラ・クラブ」展図録/渋谷区立松濤美術館/1993年
- アルフレッド・スティーグリッツと野島康三」展図録/東京国立近代美術館/1997年
- 野島康三(日本の写真家・第4巻)/岩波書店/1998年
- 渋谷区立松濤美術館所蔵 野島康三と資料集(渋谷区立松濤美術館、2009年)
- 野島康三写真集(赤々舎、2009年)
- 池澤茉莉、河本信治、牧口千夏、永田絵里 編『マイ・フェイバリット-とある美術の検索目録/所蔵作品から』京都国立近代美術館、2010年。ISBN (978-4876421916)。
主要展覧会
- 生誕120年 野島康三展 ある写真家が見た日本近代(京都国立近代美術館・2009年7月28日(火)~8月23日(日))
- 生誕120年 野島康三−肖像の核心展(渋谷区立松濤美術館・2009年9月29日(火)~11月15日(日))