「赤道小町ドキッ」(せきどうこまちドキッ)は、1982年4月1日にアルバム『抱きしめてオンリィ・ユー』と同時に、日本コロムビアからリリースされた山下久美子の6枚目のシングル。同年夏のカネボウ化粧品キャンペーンイメージソング。
作品概要
- 1980年に『バスルームから愛をこめて』でデビューした山下にとって、初の大ヒット曲となった。
- 当時隆盛を極めていた、化粧品会社による季節キャンペーンCMのイメージソングに抜擢されたことから、大きなヒットに繋がった。
- リリース当初のタイトルは単に『赤道小町』だった。
- スタジオ・アルバム未収録で、1991年に発売されたベスト・アルバム『Chronologic Singles Side:A Collection』にて初収録且つ初CD化された。
エピソード
- 松本隆と細野晴臣が後にインタビューで語ったところによると、この曲は詞先行で作られ、早い段階で詞は完成していたものの、曲部分はレコーディング当日になっても完成していなかった。CMソングになることが決まっていたため、レコーディングの延期は出来ない状態の中、細野がスタジオで曲の骨格を作り、レコーディングでドラムスを担当した高橋幸宏、ギターとアレンジを担当した大村憲司の3人で何とか完成にこぎつけた[3]。
- 当時山下のディレクターだった福岡智彦が「『赤道小町ドキッ』がこれまでの山下の方向性とギャップがあり過ぎる」と判断したため同時発売されたアルバム『抱きしめてオンリィ・ユー』にはあえて収録せず[4]、代わりにB面曲である『トラブル99』が収録された。
- のちに、福岡は「(『赤道小町ドキッ』を)普通は入れますよね。ヒットの可能性が高いシングルなんだから、アルバムの売上を引っ張ることを目論むのが当然。今思うと、よくコロムビアが許しましたね」と懐古し、「アルバムもある程度は売れましたが、『赤道小町ドキッ』が入っていたら、たぶんもっと売れたんでしょうね」と語っている[4]。
- 曲のヒットを受け、山下は当時多くの歌謡番組に出演した[注 1]。TBSテレビ『ザ・ベストテン』には、1982年5月27日に「今週のスポットライト」で初出場、のち10位以内にランクインを果たす[2]。また、1982年7月8日放送時に最高位の第3位にランクされた際、本物の象の背に跨り歌を披露したこともあり、『ザ・ベストテン』のスタッフが、原始人のような奇抜な衣装を着てきた山下にヒントを得て、2週間かけて手配したという[5]。山下はのちに「あのころはわけもなく突っ走っていた。自分が楽しくないと、人も楽しませられないってね」と語っている[5]。
収録曲
カバー
脚注
注釈
脚注
- ^ a b オリコンランキング情報サービス「you大樹」
- ^ a b c d 角川インタラクティブ・メディア「別冊ザ・テレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る! 80'sポップスHITヒストリー〜」2004年12月、(ISBN 978-4-0489-4453-3)
- ^ 「テクノ歌謡マニアクス」(コイデヒロカズ編)、松本隆インタビュー、など
- ^ a b “アナログシンセの卓越したセンス「赤道小町ドキッ」レコーディング篇”. Re:minder. 2020年4月4日閲覧。
- ^ a b “【1982年6月】赤道小町ドキッ/“総立ちの久美子”も驚きギリギリで完成したヒット曲”. スポニチ Sponichi Annex 芸能 (2011年6月1日). 2020年12月26日閲覧。
- ^ “Kumiko Yamashita - 赤道小町 ドキッ”. Discogs. 2020年3月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 赤道小町ドキッ - 歌ネット