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赤旗(あかはた、せっき、英: red flag)とは、赤色の旗で、フランス革命以降は政治的には革命あるいは革命思想である、社会主義や共産主義を象徴する旗である。特に共産主義やレーニン主義を表す「鎌と槌」や赤い星の図案と組み合わせて使用される。
社会主義・共産主義の意味を持つ赤旗
起源・沿革
本来はフランス王国において戒厳令が発動されていることを示す旗だったが、1791年、フランス革命において革命派の内部で急進派[1]をラファイエットが軍隊を率いて弾圧したシャン・ド・マルスの虐殺事件を契機に、これに対する抗議として戒厳令旗である赤旗を革命旗に採用したとされる。この後も赤旗は革命を象徴する旗とされ、フランス革命の階級闘争の側面を引き継ぐことを自称する社会主義や共産主義団体、特に社会主義国家が団体旗や国旗に採用している。また、労働組合においても、資本家と労働者の階級闘争のシンボルとして赤旗が採用される。さらに国際主義から肌の色を問わない全人類の血を象徴するともされた。
主な例
社会主義・共産主義の意味合いでの赤地の国旗を採用した例は、ソビエト連邦の国旗が代表的である。ソビエト連邦を構成していた各共和国の旗は、ソビエト連邦の国旗を基本に、下や左右の端に赤以外の色や民族特有の模様などをあしらったものが用いられた。
現在用いられている国旗では、中華人民共和国の国旗、ベトナムの国旗などがある。また、ラトビアでは1918年の独立以来、海老茶地に白で線のシルエットが描かれた国旗が用いられているが、ソビエト連邦占領時代これにラトビア・ソビエト社会主義共和国の国旗(1940年 - 1990年)を描き加えたものが用いられた。 また、アルバニアでは1912年の独立以来、赤地に黒で双頭の鷲のシルエットが描かれた国旗が用いられているが、アルバニア労働党政権下では、これに鎌と槌(1944年 - 1946年)、赤い星(1946年 - 1992年)を描き加えたものが用いられた。この時期には地色の赤にも社会主義・共産主義の意味合いが付加されていた可能性がある。[2]又、ソビエト連邦(1991年末日解体)やユーゴスラビア社会主義連邦共和国(1992年4月27日解体)は解体され、分離独立したキルギスの国旗やマケドニア共和国の国旗では赤地の旗を使用し続けていた。
マケドニア共和国現在の国旗
社会主義・共産主義の意味を持つ赤旗
ソビエト連邦の国旗(1980年 - 1991年)
?アルバニア民主政府の国旗(1944年 - 1946年)
アルバニアの国旗(1946年 - 1992年)
マケドニア人民共和国やマケドニア社会主義共和国の国旗(1943年 - 1990年)
コンゴ人民共和国の国旗(1970年 - 1991年)
民主カンボジアの国旗
カンプチア人民共和国の国旗
経済相互援助会議(コメコン)の旗
ドイツ共産党の党旗
チェコスロバキア共産党の党旗
チリ共産党の党旗
?ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の軍艦用国籍旗
ボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国の国旗(1945年 - 1992年)
カンボジア共産党の党旗
中国共産党の党旗
(労働連盟 (レバノン))の旗
マケドニア人民解放反ファシスト会議が制定したマケドニア国家の旗(1944年-1946年)
中華ソビエト共和国(1931年 - 1934年)の国旗
中国工農紅軍の旗
日本共産党の党旗
ベトナム共産党の党旗
インド共産党の党旗 (1)
インド共産党の党旗 (2)
インド共産党毛沢東主義派の党旗
ネパール統一共産党の党旗
アフガニスタン民主共和国の国旗(1978年 - 1980年)
アフガニスタン人民民主党の党旗(麦の穂と歯車の組み合わせは、農民と労働者の団結と共産主義を表す)
トルコの(革命人民解放党) (en) の旗
ロシア連邦共産党の党旗
モザンビーク解放戦線の党旗(1997年 - 2004年)(鍬と槌の交差は、農民と労働者の団結と共産主義を表す)
ソビエト連邦共産党の党員バッジ
ソビエト連邦 (СССР) の労働赤旗勲章
(イタリアのパルチザン)の第63旅団の旗(1943年 - 1945年)
派生した旗
赤・黒2色旗
ロシア革命後、1920年代には無政府主義者が共産主義側に共感を覚え、無政府主義のシンボルカラーだった黒に、共産主義のシンボルカラーだった赤を組み合わせた無政府主義旗が生まれた。また第二次世界大戦後、アフリカやラテンアメリカで、社会主義と民族主義・独立運動を結びつけた運動理念を掲げる組織の旗標としても用いられた。
無政府主義の赤黒2色旗
チリの「(左翼革命運動)」旗
ニカラグアのサンディニスタ民族解放戦線の旗(1927年 - 1933年のアウグスト・セサル・サンディーノ将軍の軍旗に由来)
その他
社会主義や共産主義を意味する赤を部分的に使用した旗には以下がある。
香港特別行政区の旗(中華人民共和国の国旗を基本にデザインされ、赤地が中華人民共和国を、白い花の意匠が香港を表し、紅白の組み合わせで一国二制度を表している)
ベラルーシ国家のボリシェヴィキ党の党旗
南ベトナム解放民族戦線・南ベトナム共和国の旗(ベトナムの国旗(当時の「北ベトナム」)を基本に、下半分を青色にした)
国家ボリシェヴィキ党の党旗(国家社会主義ドイツ労働者党の党旗に酷似している)
ナーシの旗
その他の赤旗
社会主義や共産主義とは関係無い、主な赤地の旗には以下がある。
赤旗
ウォリス・フツナの旗
?ムハンマド・アリー朝の旗(1882年 - 1922年)
北イエメン(イエメン王国)の国旗 (1927年 - 1962年)
トルコの国旗(赤色は血の海など複数の伝説がある)
赤地に十字の旗
危険な状態を示す旗
英語でred flagは、危険、警戒、停止を示す信号である[3]。