西谷 弘(にしたに ひろし、1962年2月12日 - )は、フジテレビドラマ制作センターゼネラルディレクター、テレビドラマ演出家である。東京都出身。
来歴・人物
共同テレビジョン入社後、CM部を経てドラマ部へ異動。2006年、フジテレビに移籍。2005年『県庁の星』で映画監督デビュー。
2009年『アマルフィ 女神の報酬』を監督した。この映画では脚本も自身で担当したが、脚本家として自身の名前を出さないばかりか「脚本」のクレジット抜きで公開したため、「脚本家軽視の疑いがあり、これは前代未聞の異常事態」として日本シナリオ作家協会から抗議を受けた[1][2][3]。
西谷の演出について、織田裕二は「何も言わずにすぐNG。芝居としてはOKなんですけどね」と評している。『アマルフィ 女神の報酬』の撮影中も、イタリア人俳優の日本語の台詞が気に入らず11回もNGを出したが、その理由を説明しないため、織田が「何度もダメ出しが出るので、自分が悪いのかと思った」と語っている。
『アマルフィ 女神の報酬』では、シーンとシーンの合間で本編中に複数回、映像と音声を突然カットで切って黒味にする編集を行った。この編集方法については批判もあり、映画公開中は一部劇場で「途中で映像が途切れる部分がありますが、演出によるものです」といった注意書きを劇場内に掲示させた。
『ガリレオ』シリーズの劇場版の『容疑者Xの献身』は第32回日本アカデミー賞優秀作品賞や話題賞(作品部門)を受賞、『真夏の方程式』は第37回日本アカデミー賞話題賞(作品部門)を受賞しており高い評価を受けている。従来のテレビドラマの劇場版とは異なり、既存の視聴者に向けた作風ではなく映画単体でも楽しめることを意識した作りとなっている。これは『任侠ヘルパー』『昼顔』などにも共通しており、監督の西谷がドラマはエンタメ、映画は人間ドラマを意識付けて作っているためである。
その一方で、『沈黙のパレード』ではテレビドラマ的な演出が用いられているが、これは監督の西谷が原作にあった東野圭吾のファンサービスに刺激されたこと、読者の反応から見ても『ガリレオ』シリーズはすでに独り歩きを始めており、コミック的も映画的も共に『ガリレオ』シリーズの一部として捉えて、その垣根を取っ払ったためである。
作品
テレビドラマ
演出
★ メイン作品。特記のないドラマはフジテレビ作品。
1996年
- TOKYO23区の女
1997年
- 木曜の怪談ファイナル タイムキーパーズ
- それが答えだ!
1998年
1999年
2000年
- モーニング娘。のへそ モーニング娘。の愛物語(テレビ東京)
- 世にも奇妙な物語・春の特別編「記憶リセット」
- 催眠(TBSテレビ)★
- サラリーマン刑事3
2001年
- ココだけの話 #1-C「私の中の別人」(テレビ朝日、土曜ナイトドラマ)
- 女子アナ。★
- 世にも奇妙な物語・秋の特別編「奇跡の女」
- 鬼子母神 特別企画・第1回ホラーサスペンス大賞特別賞記念作品(テレビ朝日、土曜ワイド劇場)
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2009年
2010年
2011年
- 任侠ヘルパースペシャル
2013年
- ガリレオXX 内海薫 最後の事件★
2014年
2016年
2017年
- (刑事ゆがみ)★
2018年
2019年
2023年
演出補
- お金がない!(1994年)
協力プロデュース
- 外交官・黒田康作(2011年)
映画
- (県庁の星)(2006年、監督・脚本)
- (容疑者Xの献身)(2008年、監督)
- アマルフィ 女神の報酬(2009年、監督・脚本) - 脚本も担当したがクレジットなし
- アンダルシア 女神の報復(2011年、監督)
- (任侠ヘルパー)(2012年、監督)
- (真夏の方程式)(2013年、監督)
- (昼顔)(2017年、監督)
- (マチネの終わりに)(2019年、監督)
- バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(2022年、監督・脚本)
- 沈黙のパレード(2022年、監督)
携帯動画
- アマルフィ ビギンズ(2009年、監修)
受賞歴
1997年
- 第14回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 監督賞(若松節朗と共に)(『それが答えだ!』)
2008年
2017年
- 第10回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 作品賞 (『刑事ゆがみ』)