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西条柿

西条柿(さいじょうがき)は、広島県西条(現在の東広島市西条町寺家発祥の渋品種である[1][2][3][4][5]。今日、各地に植えられている西条柿の原木がこの地にあったことから「西条柿発祥の地」として東広島市の(市史跡)に指定されており、重要文化財仏像群も安置されている[1]戦国時代には武田信玄甲斐国一円に栽培を奨励し、峡中八珍の一つとして世に聞こえたといわれる[4]。発祥は約800年前とされ、古くから名高い柿である[1][2][4][6][7]

特徴

果実の外観が他の主要品種と大きく異なり[8]果皮淡黄色で形状は縦長の卵形[2]、側面に4本のへこみが現れる独特な形を持つ[8][9][10][11][12][13]。このため干し柿を作る際にも機械ではなく、ひとつひとつ手作業で皮むきをする必要がある[14]ドライアイス脱渋果は肉質が緻密で、糖度風味ともに優れ、食味が良い[8][10][14][15]。柿の平均糖度は16度だが、一般的な西条柿は約18度となる[14]。5月下旬~6月上旬頃に花を咲かせ、10月上旬頃から11月中頃まで収穫が行われる。食べ頃の旬は10月中旬から11月上旬頃[6]。干し柿としては最高級原料とされているが[14]、脱渋後数日で果肉が軟らかくなり、果皮の黒変が始まり、日持ちが悪いという欠点がある[6][10]

歴史

江戸時代初期に書かれたと推定される 『長補寺縁起』に「延応元年(1239年)、安芸国賀茂郡西条(現在の広島県東広島市西条町寺家)にある長福寺の良信が、()の境内にある薬師如来霊夢のお告げにより、弟子常信を鎌倉永福寺に遣わし、零柿種子を求めさせ、これを堂の側に蒔き、苗木を植栽したところ7年目に結実したことに始まった」と書かれている[1][4][8][16]。良信はこれを干し柿として将軍と、永福寺に献じたが、以来寺は年々献上することを例とした[4]鎌倉幕府第4代将軍藤原頼経の子が疱瘡を患った際に、長福寺から献じられた西条柿を食したところ病いが完治したことから、長福寺に寺領が寄進され、以降代々の将軍に毎年西条柿を献上したと伝えられている[1][8]。当初は長福寺のカキだけが『西条柿』という固有名詞で呼ばれ[1]、他の接ぎ木した樹は単に『渋柿』または『つるし柿』と呼ばれていたとされる[8]。干し柿としての名声は近隣に広がり[8]、吉工実村・御薗宇村・寺西村・川上村・原村・郷田村・造賀村(全て現在の東広島市)などに渡って栽植され、西条柿の名声を高めた[4]。繁殖法として接ぎ木が一般化されてからは、広島県西条を中心に中四国地方に伝播されていった[8]。なお長福寺の原木は江戸時代後期、文政末期(1829年)に樹齢583年で枯死しており現存しない[1][8]

戦国時代に当地の武将毛利元就も愛したとされ[15]室町時代末期の毛利氏尼子氏の対決時代には、尼子攻めに来た毛利の軍勢が、西条柿を安芸地方から石見国島根県西部)に持ち込んだとされ[8][14]、両者の古戦場跡地や旧街道筋、お寺等には樹齢500年を超える西条柿の古木が多数点在している[8][14][17]。今日島根県の栽培面積は100haを超え[6]、全国一である[10][18]

また武田信玄甲斐国一円に西条柿の栽培を奨励し、峡中八珍の一つとして世に聞こえたといわれる[4]天正年間1573年1592年)に甲斐2万()を領した浅野長政がこれに目を付け、その子浅野長晟元和5年(1619年)、紀州国守から広島43万石に転封となったおり[4]、甲斐の柿苗を移植し以後、西条柿の栽培が盛んになったともいう説もある[4]。干し柿は16世紀頃の戦国時代には、保存食として珍重された[14]。西条柿が古文書などに記されるようになるのは江戸時代に入ってからで[8]、江戸時代にはでも毛利の殿様に献上された[15]

栽培

原産地の広島県他、中国地方全県等、西日本を中心に広く栽培され[2][8][19]2018年平成30年)の栽培面積は197.5haで、柿のランキングでは全国10位[10][20]、1.7%にあたる[10]。栽培面積は島根県が日本一で、当地の特産品となっている。特に島根県出雲市平田(旧平田市)平田地域は、日本一の西条柿産地と言われる[14]。原産地の東広島市では栽培が一時廃れたが、近年では「原産西条柿」と銘うち、約百数十軒の農家により約50haの産地が形成され、近在の市場を中心に出荷している[1][8]2012年(平成24年)の県別栽培面積は、島根県(101.2ha)、岡山県(65.0ha)、鳥取県(43.2ha)、山口県(38.0ha)、広島県(18.9ha)、香川県(8.4ha)、愛媛県(6.7ha)、大分県(5.0ha)、宮崎県(3.9ha)、福岡県(3.0ha)、その他(2.1ha)の順になっている[6]

用途

渋柿のため、長らく干し柿として食べられてきた[6]昭和に入りドライアイスを使った脱渋が行われるようになって渋抜きをして生でも食べるようになってから一気に広まったとされる[6]。脱渋して生で食するほか[2][11]、吊るしガキにして広島銘菓・柿ようかん等に使われる[5]。広島には同じ柿ようかんの原料として利用される(祇園坊柿)というやはり広島を原産とする柿の品種があり[4]、これを加工したものを祇園坊と呼ぶ[5][21][22]

海外展開

消費の大半は中国地方で[2][10]、他地方の消費は少量にとどまる[10]。販路が広がらないのは、前述のように日持ちが悪いこと、形状や色味が全国に流通する富有柿などと異なるため、他地域ではなじみがないことが主因とされている[10]2020年代より、栽培面積日本一の島根県JAしまねが、東アジア東南アジアに販路を拡大している[10][11]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h “”. 東広島市 (2010年10月1日). 2020年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。 “”. 東広島市 (2019年10月7日). 2022年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 西条柿 - コトバンク
  3. ^ . 中国新聞 (中国新聞社). (2021年10月8日). オリジナルの2022年6月9日時点におけるアーカイブ。. 2023年5月11日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i j 名産大事典 2010, p. 709,714.
  5. ^ a b c 田淵実夫「ふるさとの味 ≪広島県≫ あり過ぎるうまいもの」『週刊読売』1965年8月1日号、読売新聞社、48頁。 
  6. ^ a b c d e f g 「西条柿」『旬の食材百科』 2023年5月11日閲覧。
  7. ^ “”. 全国観光情報サイト 全国観るなび. 日本観光振興協会. 2022年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 持田圭介『カキ'西条'早生系統における生理的ならびに栽培的観点からの系統間比較と生理障害防止対策に関する研究』 (PDF) 鳥取大学 博士 (農学) 乙第77号 2009年 pp.1–57
  9. ^ “”. まいにちを豊かに りっち. 広島県庁 (2021年9月18日). 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月10日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h i j 長田真理 (2020年2月20日). “”. 未来開墾ビジネスファーム. 日経BP. 2020年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  11. ^ a b c 藤原康平 (2021年10月4日). . 山陰中央新報デジタル (山陰中央新報). オリジナルの2021年10月4日時点におけるアーカイブ。. 2023年5月11日閲覧。 
  12. ^ 広島県 広島とれたて元気市 – 全国農業協同組合連合会広島県本部
  13. ^ 野菜まるごと事典 2012, p. 189.
  14. ^ a b c d e f g h 西条柿(さいじょうがき)のこと
  15. ^ a b c “”. ぶちうまやまぐち推進課. 2021年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  16. ^ 日本地名大辞典 1987, p. 998.
  17. ^ 柿の食べ方あれこれ ふるさとの秋の味覚 柿 (PDF) 松江市立図書館 市立図書館だより ちどり No.97 2015年10月発行。
  18. ^ “”. 島根県庁. 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  19. ^ “”. SUN-TVニュース. サンテレビジョン (2022年10月26日). 2022年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  20. ^ 柿 カキ かき『旬の食材百科』2023年5月11日閲覧。
  21. ^ “”. ザ・広島ブランドトップ. 広島市 (2021年10月1日). 2020年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。 “”. 東広島市 (2019年10月7日). 2021年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月11日閲覧。
  22. ^ 祇園坊柿 - コトバンク

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 34 広島県、角川書店、1987年。 
  • 遠藤元男、児玉幸多宮本常一『全国名産大事典』日本図書センターISBN (9784284401357)。 
  • 猪股慶子監修・成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版ISBN (9784415309972)。 

関連項目

外部リンク

  • 「西条柿」『旬の食材百科』
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