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複雑な動きをする台風

複雑な動きをする台風(ふくざつなうごきをするたいふう)は、複雑な動きをし、時に進路予報が難しいことのある台風である[1]迷走台風(めいそうたいふう)という呼び方もあるが、気象庁では「台風が迷走しているわけではないので用いない」用語としている[2][注 1]

概要

通常、台風は小笠原諸島南西諸島を除いて日本近辺では偏西風に乗って北東に進む。しかし、夏(近年は夏以外の季節も)は太平洋高気圧に覆われて偏西風も弱いため、台風の動きが遅く、時には大きく南下したりして、北部九州を1周するなど複雑な動きをすることもあるほか、通常の台風とは逆に東から西に進むことがある(このような台風は「逆走台風」とも呼ばれる場合もあり、2016年の台風10号や、2018年の台風12号などがその例である。)。また、2つ以上の台風や、台風と寒冷渦が近くに存在する場合、藤原の効果によって太平洋を南下したり、同じ場所に停滞するなどの複雑な進路をとることがある。このような台風は進路予想が困難となる。予報に反した進路を取りやすく、過去に日本列島を奇襲する形で接近・上陸したケースも多数あるため台風情報をこまめに確認することが重要である。

過去の「複雑な動きをする台風」の例

台風 進路図 解説
1924 沖縄台風 日本のはるか南方洋上を琉球列島に向かって西進し、沖縄本島を通過した後、進路を東寄りに急転し、再び沖縄本島を襲って北上し、東シナ海に入った。「沖縄台風」の名は非公式に付いたもの[4]
1950 (ヘリーン台風)   1950年に発生した台風9号である[5]。当時の日本はアメリカ軍の占領下にあって台風にもアメリカ女性名が付けられ、この台風はヘリーン(Helene)と呼ばれた[5]。台湾のはるか東で発生して北西に進み、九州に接近したが、台風10号との相互作用もあって複雑な動きをした。すなわち、九州の南と西の海上でループを描き、更に東シナ海をジグザグに蛇行しながら南下したものである。
1955 9号   日本の南東海上で発生し北西に進んだが、九州の南の海上に差しかかったところで、突如Uターンして、今度は本州の南を北東に進んだ。最初は日本に向かっているとみられた台風が、結果的に日本に上陸しなかった例である[6]
1956 17号  
1960 14号   日本の南を放物線を描いて進み、関東の東海上を東進したが、急に西に転向してもと来た経路を引き返し、関東地方に向かった後、再び進路を転じて(三陸沖)を北上した。
1963 19号   マリアナ諸島付近でループを描くように進み、その後北上して日本に接近したが、上陸はしなかった。
1964 14号   本州のはるか南東海上で発生、小型の台風として日本の南沖を西から西南西に進み、台風16号との相互作用によって沖縄南東海上で大きく円を描いて進みながら、台風16号を吸収して巨大な台風に成長した。その後ゆっくり北上して奄美大島付近で小さなループを描き、鹿児島県に上陸した。当時、関東地方では、太平洋高気圧に覆われて記録的な水不足となっていたが、この台風による雨で一息ついた。また、台風14号と16号が沖縄南東で互いの重心を回りあいながら運動した状況は、「藤原の効果」を実証した例として知られる。
1966 15号   沖縄付近の高緯度で発生後、しばらく複雑な動きをして停滞し、その後九州に上陸した。
16号   マリアナ諸島近海で発生後、当初は北に進んでいたが、突然円を描いて旋回し、西進をはじめる。その後中国大陸に上陸した。
1967 24号  

太平洋で発生後、北上し円を描いて旋回した後日本から北東にそれていった。その後消滅した。

1968 4号   マリアナ諸島付近で発生後、日本に向けて北上し、四国・九州を通過したが、九州付近で急にループを描くように進み、東へ進んだ。
7号   日本のはるか南東で発生後、しばらくは本州へ向けて北西に進むが、紀伊半島に接近した辺りでゆっくりと南西に進路を変えて徳之島に接近。速度を落として東シナ海で2日ほど停滞した。その後は進路を北東に転じ、対馬海峡を通って日本海へ抜けた後に、ロシアに上陸して温帯低気圧に変わる。
1971 32号   発生後、西進を続けていた台風だが、フィリピンのルソン島に上陸した後、一旦南シナ海に抜けると、Uターンするように旋回して進んで再度フィリピン北部を通過。その後沖縄の南東海上を北東に進んだ。
1972 7号   7月7日にマリアナ諸島の南で発生後、北西進しながら発達。しかし12日から14日にかけて、沖ノ鳥島の南西で動きを止め、反転して東北東に進む。この時に台風6号と藤原効果となる。その後は奄美大島の北を西進した後に、南に進み、沖縄の西海上にて4日間かけて大きな楕円を描くような不思議な進路を辿った。この影響で南西諸島は長期間暴風域に入り、影響も長引いた。なおこの台風は、当時としては最長となる19日間の台風期間を記録し、現在は統計開始以降第2位の長寿台風となっている。
1973 6号   1973年7月18日9時(JST)に日本のはるか南の海上で発生した台風6号は、発達しながら北上したが、紀伊半島の南に達した頃から勢力が衰え始め、22日3時に台風ではない低気圧へと降格した。低気圧は進路を西に転じて、九州を回り込むように進んだ。そして、熊本県の西に達した25日15時に再び台風となって、そのまま熊本県宇土半島に上陸。しかし、上陸後間もない26日3時に再度低気圧に降格した。そのまま九州を横断して四国付近を通過し、最初に低気圧に降格した地点に近い地点へと戻り、3度目の台風に昇格した。そして東海地方に接近した後に消滅した。結果として、2回も復活したこの台風は、以下のような3度もの台風期間を持つこととなった。
1974 14号   台風の勢力で西寄りに進んで中国華中に上陸。衰弱して「弱い熱帯低気圧(当時の用語)」となってから東進して海上へと進み、再発達して台風となり沖縄経由で東海地方に上陸する進路を取った。
1976 9号   九州付近で速度が落ち、長崎県近海から天草諸島付近を3日間に渡って複雑な動きをした。当初は熊本県宇土半島に上陸したと気象庁から発表されたが事後解析の結果、上陸は取り消された。
1978 6号   マリアナ諸島近海で大きく楕円を描いた後、奄美付近に進み一旦は温帯低気圧に変わるが、再び台風となって中国大陸に上陸した[6]
15号   マリアナ諸島の近海でぐるりと円を描くように旋回した後、北上して日本列島に接近した[7]
1984 25号  
1985 12号   1985年8月24日にマリアナ諸島の北西で発生した台風12号は、北上後に西寄りに進み、九州南部をかすめ東シナ海に達したが、急にUターンするような複雑な進路を辿り、北東進して九州に再び接近。長崎県五島列島から壱岐付近を通過した。

この台風は、8月28日に台風14号と、30日に台風13号と藤原の効果を起こし、相手の台風との中間にある点の周りを反時計回りに回転している。

13号   同年の台風12号14号とともに、藤原の効果により複雑な経路を見せた。8月26日に沖縄の南海上で発生後、反時計回りに回転するような進路を取って東へ進み、北上して31日に九州に上陸。その後は日本海と北海道を抜けた。
1986 14号   19日間以上にわたり南シナ海北部に居座って非常に複雑な動きをし、台湾やフィリピン、中国などに相次いで接近・上陸を繰り返す。現在、統計史上最も長い寿命(熱帯低気圧に降格していた期間を含む)を持つ台風である。
1990 11号   九州付近から日本の南へと南下した後、進路を転じて北上し、静岡県に上陸した[8]
1991 20号   台湾・フィリピンの近海及び南シナ海で、2週間以上にわたって複雑な動きをした後、中国大陸に上陸した。
1994 31号  
1996 12号[9]   8月6日に日本のはるか南で発生し、九州方面に北上した後、数日にわたり沖縄近海でゆっくりと複雑な進路を取り、14日に九州に上陸した。
25号   マナリア諸島付近から発生し、その後、フィリピン付近でループをし、タイ南部で消滅した
1997 9号   7月20日にフィリピンの東で発生後、発達しながら北上して26日徳島県に上陸した後、岡山県に再上陸して一旦は日本海へ抜けたが、28日になると、北陸地方西部から東海地方へと南下する変わった経路を示した。
2000 19号   北マリアナ諸島近海で発生した後、西進していた熱帯低気圧が、10月22日に台風となり、その後沖縄に接近。先島諸島付近で円を描くような複雑な経路を示し、27日に温帯低気圧に変わった。
2001 16号[9]   沖縄の南で発生し、約10日間に渡って沖縄付近で複雑な動きをした。沖縄では長時間にわたって暴風雨にさらされ、島のライフラインに影響が出るなどした。
2002 11号   日本のはるか南東で発生後、しばらくは西進していたが、沖縄の南東海上で楕円を描くような経路を示し、その後北上して、九州に接近した後に消滅した[10]
2003 18号   10月21日マリアナ諸島近海で発生した18号は約1週間かけて太平洋高気圧の縁を一周し、まるで円を描くような進路を取った。この進路は非常に珍しい進路で、前例もなかった。
2004 25号   11月17日に発生した25号は、フィリピンの東海上で複雑な動きをしながら勢力を強めた。その後フィリピンに上陸し、各地に被害をもたらした後、南シナ海を通ってベトナムタイなどに接近した。
2008 19号   熱帯低気圧としてフィリピンを通過後、南シナ海で台風となり、迷走して複雑な経路を見せた[11]
2009 17号   9月29日カロリン諸島で発生。その後、10月3日フィリピンルソン島に上陸した。いったんはバシー海峡に抜けたものの、台風18号との藤原効果で再びルソン島に上陸。その後も、退避・再上陸を経つつも、ルソン島付近に長く停滞し、10月10日南シナ海に抜けた。
2011 6号   7月12日南鳥島近海で発生。西に進み、途中で進路を北寄りに変え、本州へ向かう。7月20日に、一度徳島県南部に上陸するが、すぐに通過し、そのまま和歌山県潮岬を通過した後、今度は南下して日本列島の南東をさまよう。その後再度進路を北に転じ、本州の東の海上で温帯低気圧に変わった。この台風のように、一度日本に上陸した後、そのまま一気に北上することなく、一旦南下して再度北上するケースはかなり稀であった。
15号[9]   9月13日に日本の南で発生し、その後ゆっくりと発達しながら西に移動し、沖縄本島近海で停滞。その後北上かと思われた台風は、3日間かけて反時計回りの円を描いて一周迷走し、その後一時北に移動し、急激に速度を早め発達しながら、北東に進み、9月21日午後2時過ぎに静岡県浜松市付近に上陸。徐々に勢力を弱めたが、さらに速度を上げ、東海・関東・東北地方を縦断し。9月21日22時頃に太平洋に抜けた。その後も勢力を保ちながら、北海道道東を暴風域に巻き込み、9月22日午後3時頃千島近海で温帯低気圧に変わった。
2012 14号   8月19日にフィリピンの東の海上で発生し、その後、発達しながら北上。先島諸島の南で西向きに進路を変更。そのまま西へ進むかと思われた台風は、台湾の西の海上で東に進路を変え先島諸島に再接近。先島諸島を通過し、済州島朝鮮半島に上陸し、韓国に甚大な被害をもたらす。台風は、8月30日21時に朝鮮半島で消滅した。
21号   10月7日に日本のはるか南で発生後、西に進み、沖縄の南の海上で複雑な動きをして停滞。この影響で、沖縄地方では波が高い状態が続いた。
2016 10号   熱帯低気圧として北西方向に進み日本付近に接近したが、伊豆諸島付近で南西寄りの方向に進み、8月21日に四国沖で台風となった。その後南下を続けたが、8月26日に今度は北方向に進路を変え、結果的に日本の南の海上で反時計回りの円を描く進路を取った後、発達しながら8月30日に岩手県大船渡市付近に上陸。東北地方の太平洋側に台風が上陸したのは観測史上初めてのことであり、北日本の各地に大きな被害をもたらした。翌31日、日本海で温帯低気圧に変わった。
19号   10月3日にグアム島近海で熱帯低気圧として発生し、10月6日に台風に昇格。南シナ海で停滞し複雑な動きを見せ、10月10日に熱帯低気圧に降格し南下しつつ消滅した。
2017 5号   7月21日南鳥島近海で発生し[12]、(台風6号)の南で大きな楕円を描くように進み、小笠原諸島沖でいわゆる「迷走」をし[13]小笠原諸島に接近し[14]、その後、北西に進んだ[15]。台風は8月7日和歌山県北部に上陸した[16]後、8月9日に日本海で温帯低気圧に変わった[17]
2018 12号[4]   7月25日に発生し、一度東から西へと進んだもののその後太平洋沖から関東地方から北九州へと西へ進み、更には種子島付近へと南に進んだ後、2度ループを描くように進んだ。「トロコイダル運動」と呼ばれる[18]。日本付近を覆っていた太平洋高気圧とチベット高気圧が北日本・朝鮮半島に存在していた事により行く手を阻まれた上、日本の南海上に居座った寒冷渦の影響で反時計回りに移動したとされている[19][20]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 2006年までは「迷走台風」と呼ばれていたと記述しているサイトもあるが、2003年時点の気象庁のウェブサイト[3]で、既に「迷走台風」は「台風が迷走しているわけではないので用いない。」と解説され、言い換えとして「複雑な動きをする台風」が示されている。しかし、この「複雑な動きをする台風」も、マスメディアですら余り用いられず、さらに代替となる用語が求められている。

出典

  1. ^ 気圧配置 台風に関する用語 気象庁
  2. ^ “複雑な動きをする台風について”. www.umikaisei.jp. 2020年3月25日閲覧。
  3. ^ - ウェイバックマシン(2003年9月23日アーカイブ分)気象庁
  4. ^ a b “異常な動きの台風12号、再び暴風域になる可能性も 過去にもあった、“迷走台風” (2018年8月1日)”. エキサイトニュース. 2020年3月25日閲覧。
  5. ^ a b “昭和25年のヘリーン台風 | 四国災害アーカイブス”. www.shikoku-saigai.com. 2020年4月5日閲覧。
  6. ^ a b “迷走台風10号 過去の複雑な動きの台風をピックアップ”. ウェザーニュース. 2020年3月25日閲覧。
  7. ^ “気象庁|台風経路図1978年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月9日閲覧。
  8. ^ “過去に例のない珍しいコース取りの台風10号、週明け日本列島を直撃か(杉江勇次) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 個人. 2020年8月4日閲覧。
  9. ^ a b c 九州南部・奄美地方の天候の特徴 コラム 台風 鹿児島地方気象台
  10. ^ “気象庁|台風経路図2002年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月9日閲覧。
  11. ^ “気象庁|台風経路図2008年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月9日閲覧。
  12. ^ “”. 気象庁 (2017年7月21日). 2017年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月21日閲覧。
  13. ^ 真崎裕史 (2017年8月3日). ““長寿台風” 高気圧遠く迷走 5号、移動促す風弱く”. 琉球新報. https://ryukyushimpo.jp/news/entry-547434.html 2017年8月7日閲覧。 
  14. ^ “台風5号 小笠原諸島の父島 暴風域に”. 日本気象協会 (2017年7月29日). 2017年8月7日閲覧。
  15. ^ “台風5号 各地の警戒時間と見通し”. 日本気象協会 (2017年8月6日). 2017年8月7日閲覧。
  16. ^ 毎日新聞社、2017年8月7日、2017年8月7日閲覧。2017年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  17. ^ “台風5号 温帯低気圧へ”. 日本気象協会 (2017年8月9日). 2017年8月9日閲覧。
  18. ^ 珍しく西進した台風12号のトロコイダル運動
  19. ^ “台風12号、異例コースで関東方面へ 原因は”寒冷渦””. ウェザーニューズ (2018年7月26日). 2018年7月29日閲覧。
  20. ^ “台風12号、西へ進む異例の逆走 高気圧と寒冷渦で複雑化”. ウェザーニューズ (2018年7月27日). 2018年7月29日閲覧。

関連項目

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