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虹彩異色症(こうさいいしょくしょう、heterochromia iridis)は、左右の眼で虹彩の色が異なる、もしくは、一方の瞳の虹彩の一部が変色する形質のこと。
概要
バイアイ(bi-eye、片青眼)やオッドアイ (odd-eyed) も虹彩異色を表す言葉として使われることがあり、特に動物に対して使われることが多い。また、名称だけでなく発症割合としても、ヒトよりもイヌやネコが発症する場合が多い(ネコについては別項「オッドアイ (ネコ)」を参照のこと)。
異色症(Heterochromia、ヘテロクロミア)だけでも虹彩の異常を指す場合がある。
ネコの場合、日本では、一方が黄色(銅の色)、他方が青色の虹彩を持つ場合、金目銀目とも呼ばれる。白猫に多く発症し、青色の側に聴覚障害を併発している場合もある。タイ王国では「白い宝石」を意味する「カオマニー (Kaomani)」の名で呼ばれ、瞳については特に「ダイヤモンドの瞳」と称される。なお、イヌの場合、シベリアンハスキーに限っては虹彩異常ではない。
ヒトの場合は、先天的な特徴として現れるほか、ワールデンブルグ症候群、(まだら症)・(ぶち症)等の遺伝子疾患、後天的にはホルネル症候群、虹彩毛様体炎、緑内障、または、虹彩萎縮や、放射線などによる虹彩の損傷等の要因によって現れる。また、先天性虹彩異色は白人に多いという傾向が指摘されている。また、虹彩異色毛様体炎等によっても、両方の虹彩の色が異なったりする。
虹彩異色症の著名人一覧
生まれの早い者から順に記載する。英語版「List of people with heterochromia」も参照のこと。
- 近世以前
- 近代以降
- (ルイ・エミール・ジャヴァール)(眼科医学者) - フランス人。
- 橋本明(ジャーナリスト、評論家) - 後天性(眼の一部の病変による)。日本人。
- (レス・マリー)(詩人) - オーストラリア人。
- クリストファー・ウォーケン(男優) - アメリカ人。
- デヴィッド・ボウイ(ミュージシャン、男優) - 先天性。右眼は(ブルー(青色))、左眼は(ヘーゼル(淡褐色))。イギリス人。
- ジェーン・シーモア(女優) - 先天性。イギリス生まれ。
- ダン・エイクロイド(コメディアン、男優、ほか) - 先天性。カナダ生まれ。
- マイケル・フラットレー(ダンサー) - アメリカ人。
- デヴィッド・フィンチャー(映画監督) - アメリカ人。
- キーファー・サザーランド(男優、プロデューサー) - イギリス生まれ。
- エリザベス・バークレー(女優) - 先天性。アメリカ人。
- ジェンス・パルヴァー(総合格闘家) - アメリカ人。
- ベネディクト・カンバーバッチ(男優) - 先天性。イギリス人。
- (ティム・マクイルラス)(ロック歌手) - アメリカ人。
- 奥菜恵(女優) - 先天性。日本人。
- アリス・イヴ(女優) - イギリス人。
- ケイト・ボスワース(女優) - 先天性。アメリカ人。
- フランク・リベリー(サッカー選手) - フランス人。
- ミラ・クニス(女優) - ウクライナ生まれ。
- マックス・シャーザー((メジャーリーガー)) - 先天性。アメリカ人。
創作作品における描写
サブカルチャーの創作作品(小説、漫画、アニメ、ゲーム等々のフィクション作品)では、登場人物[注 1]の身体的特徴として、虹彩異色症、あるいはそれに似た、左右の眼で虹彩の色が異なる容姿を与えられることがある。現実のヒトには稀な症例であるが、このようなキャラクター設定はしばしば好んで用いられる傾向にあり[4]、多くの作品に登場している。
このようなキャラクター設定は頻用されるあまり、「オリジナリティの無い設定の一例」とみなされることもある。例えば2001年開催の第6回スニーカー大賞の文学賞では、応募作品のうち5篇に1篇は左右の瞳の色が異なる人物が登場する作品であったとされ、これに関して編集部からの批判的なコメントが寄せられている[5]。一方で、漫画原作者でもある評論家・大塚英志は、自著でこうした批判に反論し[4]、このような人気のある設定は、物語上不可欠な要素として活かせているか否かを批評の争点にすべきだと主張している[6][注 2]。
脚注
注釈
出典
- ^ Popovic, John J.. “Alexander The Great” (英語). 2011年11月1日閲覧。 “Arrian describes Alexander: the strong, handsome commander with one eye dark as the night and one blue as the sky, always leading his army on his faithful Bucephalus.”
- ^ Ashrafian H. "The death of Alexander the Great--a spinal twist of fate." J Hist Neurosci. 2004 Jun;13(2):138-42. (PMID 15370319).
- ^ Pearce, John M. S., "Fragments of Neurological History". Imperial College Press: 2003, p. 248. (ISBN 978-1-8609-4338-6)
- ^ a b 大塚 2006, p. 49
- ^ 大塚 2006, pp. 28, 33–34, 49
- ^ 大塚 2006, pp. 28–34, 49–55
- ^ 大塚 2006, pp. 53–54
参考文献
関連項目
外部リンク
- - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)