概要
英国のハードロックバンド「レインボー」のセカンド・アルバム。オリジナルタイトルは『Rainbow Rising(レインボー・ライジング)』か[3]、単に『Rising(ライジング)』かでメディアの解釈により混在している。
リッチー・ブラックモアズ・レインボー(Ritchie Blackmore's Rainbow)名義でデビューした前作は主宰者リッチー・ブラックモアのソロ作品という体裁であり、今作から『レインボー(Rainbow)』というバンド名義でリリースした初のアルバムではあるが、この2ndアルバムに限りブラックモアズ・レインボーが正式名である。録音は1976年2月14日から10日間にわたり、前作と同じくミュンヘンのミュージックランド・スタジオで行われている[4]。
前作からベース、ドラムス、キーボードのメンバーが変更になった。中でもドラマーのコージー・パウエルはジェフ・ベック・グループなどで既にある程度の名声とキャリアを有しており、ギターのブラックモアとボーカルのロニー・ディオ、そしてパウエルの三人が特にフォーカスされ『三頭政治[5]』などと評された。ベースのジミー・ベインとキーボードのトニー・カレイは、スタジオアルバムではこの一作限りでレインボーを解雇されている。
「New York Mix」と「Los Angeles Mix」
このアルバムは、New York Mix(オリジナルLP盤、1999年リマスター盤)と、Los Angeles Mix(初CD化盤)という2種のミックス盤が流通した。CD化する際、どちらのマスターテープを音源にしたかによりサウンドに差異がでている。例としては、5曲目「スターゲイザー」でNew York Mixにあったシンセサイザーのエフェクト音が、Los Angeles Mixでは削除されている。
そして2011年、両音源を収録した『Rising Deluxe Edition』がリリースされた[6]。これには完成前のデモ音源Rough Mixも収録されており、本来あるはずだった「スターゲイザー」のイントロ部分を聴くことができる。
収録曲
- タロット・ウーマン Tarot Woman - 5:58
- ラン・ウィズ・ザ・ウルフ Run with the Wolf - 3:48
- スターストラック Starstruck - 4:06
- ドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズ Do You Close Your Eyes - 2:58
- スターゲイザー Stargazer - 8:26
- ア・ライト・イン・ザ・ブラック A Light in the Black - 8:12
※ 当初LP盤でリリースされた時は、トラック1-4がA面、トラック5-6がB面に収録されていた。
メンバー
- ロニー・ジェイムス・ディオ - ボーカル
- リッチー・ブラックモア - ギター
- トニー・カレイ - キーボード
- ジミー・ベイン - ベース
- コージー・パウエル - ドラムス
- マーティン・バーチ - プロデュース
- ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 - オーケストレーション(スターゲイザー)
カバー
- Starstruck
脚注
- ^ ChartArchive - Ritchie Blackmore's Rainbow
- ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/(ISBN 4-87131-025-6))p.318
- ^ “レインボー『Rainbow Rising / 虹を翔ける覇者』“史上最高のメタル・アルバム”と評された傑作”. Udiscovermusic.jp (2020年6月5日). 2023年2月24日閲覧。
- ^ シンコーミュージック刊『リッチー・ブラックモア レインボー編』 (ISBN 4401612027) より。
- ^ この表現は当時の音楽マスコミでも頻用され、現在もLive in Munich 1977の国内盤ライナーノーツ解説などに記載されている。
- ^ https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2013/10/10/045127
- ^ “ポール・ギルバートによるディオ・トリビュート・アルバム『The Dio Album』 ストリーミング配信開始”. amass.jp. 2023年5月7日閲覧。