薬院(やくいん)は、福岡県福岡市中央区の地名。現行の行政地名は、薬院一丁目から四丁目まで(住居表示実施区域)、薬院伊福町(やくいんいふくまち・住居表示未実施区域)及び大字薬院(おおあざやくいん・住居表示未実施区域)[1]。面積は52.21ヘクタール[2]。2023年2月末現在の人口は15,872人[3]。郵便番号は薬院一丁目から四丁目までが810-0022、薬院伊福町が810-0025。
地理
薬院は、福岡市の都心部とされる中央区天神の南南西約1キロメートルに位置しており、福岡市の都心の一部を形成する地域である。幹線道路を挟んで北東が一丁目、北西が二丁目、南東が三丁目、南西が四丁目である。南西端には薬院伊福町がある。大字薬院は飛地として一部の公有地に残るのみである[4][注釈 1]。北で
地区中央部の薬院大通交差点付近には福岡銀行、西日本シティ銀行、福岡信用金庫の支店があり、一箇所に銀行の支店が集中している。広義的に見た場合の薬院エリアには中央区渡辺通二丁目及び中央区白金一丁目付近が含まれることがある。これは、白金一丁目に西鉄薬院駅及び地下鉄七隈線の薬院駅が立地していることに起因する。広義の薬院エリアには城南線沿いを中心にオフィスビルが多く立地しており、近接する渡辺通エリアとともに福岡市の中心業務地区を形成している。
歴史
薬院村の集落は、もともとは福岡城下(天神二丁目、大名一丁目)にあったが、城下建設にともなって現在の地域に移転した。かつて、奈良時代に吉備真備が太宰府に赴任した際に、この辺りに薬草園を開き、施薬院(薬草を使って治療をするところ)をつくったことから薬院と呼ばれるようになったという(続風土記)。[5]薬院村は、戦国期には「薬井村」とも書いた。
人口
薬院一丁目から四丁目まで及び薬院伊福町の人口の推移を福岡市の住民基本台帳(公称町別)[3]に基づき示す(単位:人)。集計時点は各年9月末現在である。
- 2001年(平成13年):9,004
- 2002年(平成14年):9,541
- 2003年(平成15年):10,365
- 2004年(平成16年):11,278
- 2005年(平成17年):11,502
- 2006年(平成18年):11,763
- 2007年(平成19年):12,101
- 2008年(平成20年):12,294
- 2009年(平成21年):12,362
- 2010年(平成22年):12,456
- 2011年(平成23年):12,528
- 2012年(平成24年):12,747
- 2013年(平成25年):13,081
- 2014年(平成26年):13,325
- 2015年(平成27年):13,854
- 2016年(平成28年):14,175
- 2017年(平成29年):14,483
- 2018年(平成30年):14,815
- 2019年(令和元年):15,118
- 2020年(令和2年):15,265
- 2021年(令和3年):15,336
- 2022年(令和4年):15,836
校区
交通
鉄道
- 西鉄天神大牟田線
- 福岡市営地下鉄七隈線
- 薬院駅
- 薬院大通駅
先述の通り、薬院駅は白金地区に所在する。
薬院駅は西鉄天神大牟田線と福岡市営地下鉄七隈線の相互の乗り換えに便利なため、交通の要所ともなっている。西鉄天神大牟田線の特急停車駅でもある。
また、かつては地域内を西鉄福岡市内線(路面電車)が通っていたが、1975年に廃止された。
薬院駅
道路
南北に福岡県道31号福岡筑紫野線、東西には城南線が通っており、薬院大通交差点で交差している。福岡県道31号福岡筑紫野線のうち薬院大通交差点以北は大正通り、以南は高宮通りの通称名で呼ばれる。城南線の薬院大通交差点の約100メートル北東にある交差点から浄水通り(市道薬院南公園線と一部重複)が南西へ通っている。
城南線・大正通り・浄水通りでは西鉄バスの路線があるが、薬院大通バス停は6箇所にあり、それぞれ行き先が違うので注意が必要。
主な施設
公共公益施設
- 薬院大通センタービル
- 中央警察署薬院交番(所属警察署:福岡県警察中央警察署 (福岡県))[注釈 2]
薬院交番
医療施設
- 福岡中央病院
- 薬院ひ尿器科
かつて存在した施設
- 福岡女学校(現在、南区曰佐にある福岡女学院中学校・高等学校)[注釈 3]
- 九州エネルギー館
- 福岡市九電記念体育館
- 福岡郵便貯金会館(メルパルク福岡)[注釈 4]
名所・旧跡
- セーラー服発祥の地[注釈 5]
セーラー服発祥の地(浄水通りに立てられた歴史案内板)
脚注
注釈
- ^ 大字薬院は一般的な地図には記載されていない(FYR, Map of Ōaza-yakuin, 【参考】大字薬院の地図)。
- ^ 所在地:福岡市中央区薬院四丁目17番1号北緯33度34分43.8秒 東経130度23分44.33秒 / 北緯33.578833度 東経130.3956472度、管轄地区:薬院三丁目、薬院四丁目、
平尾 ()一丁目から五丁目まで、桜坂 ()三丁目1番から4番まで、山荘通 ()三丁目、古小烏町 ()、御所ケ谷 ()、薬院伊福町 ()、浄水通 ()、平尾浄水町 ()、平丘町 ()、南公園 ()、大字平尾及び大字薬院[8] - ^ 当時の所在地:薬院北緯33度34分37.4秒 東経130度23分44.5秒 / 北緯33.577056度 東経130.395694度、期間:1919年(大正8年)から1960年(昭和35年)まで[9][10]
- ^ 当時の所在地:薬院四丁目14番52号北緯33度34分34.8秒 東経130度23分43秒 / 北緯33.576333度 東経130.39528度、敷地面積:6,238.7平方メートル、開業年月:1979年(昭和54年)3月、廃止年月:2007年(平成19年)3月[11]
- ^ 現在の住居表示:福岡市中央区薬院四丁目(福岡女学校跡)、位置:北緯33度34分36.95秒 東経130度23分41.85秒 / 北緯33.5769306度 東経130.3949583度[12][13]
出典
- ^ 福岡市. “福岡市区の設置等に関する条例”. 2022年8月20日閲覧。→別表第1
- ^ 福岡市総務企画局企画調整部統計調査課 (2020年10月1日). “令和2年(2020年)国勢調査”. 福岡市. 2023年3月31日閲覧。→1-11/参考/面積、人口密度、人口及び世帯数-公称町別(令和5年1月31日)
- ^ a b 福岡市統計調査課. “登録人口(公称町別)- 住民基本台帳(日本人)男女別人口及び世帯数”. 福岡市. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 福岡市. “福岡市Webまっぷ/字図情報”. 2023年4月3日閲覧。→
- ^ “博多の豆知識 vol.134”. 福岡市. 2022年6月21日閲覧。
- ^ 福岡市教育委員会. “福岡市通学区域”. 福岡市. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 福岡県. “通学できる福岡県立高等学校を検索する(学区別の市区町村一覧表)/福岡県”. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 福岡県警察. “福岡県警察”. 2022年11月6日閲覧。→福岡県警察について→あなたの街の警察署→中央警察署→警察署・交番案内→薬院交番
- ^ 福岡県立図書館. “近代福岡市街地図”. 2023年4月28日閲覧。→市街地図→資料名:(15)最新福岡市街及郊外地図(『帝国都会地図』9)、発行年:1926年(大正15年)、縮尺:1:15000、編集者:大淵善吉、発行者:駸々堂旅行案内部
- ^ 福岡女学院中学校・高等学校. “福岡女学院中学校・高等学校”. 2023年4月28日閲覧。→学校案内→女学院の歴史
- ^ “メルパルク等の施設概要一覧/簡易生命保険の加入者福祉施設等の譲渡等に関する会計検査の結果について”. 2023年4月29日閲覧。→【日本郵政公社時(平成15年度から平成19年度まで)に廃止された郵便貯金周知宣伝施設】
- ^ ハカタ・リバイバル・プラン. “はかた博物館”. 2023年4月29日閲覧。→はかた博物館→電柱番号順portal-siteへ→電柱_109-118→110
- ^ 地域づくりネットワーク福岡県協議会. “地域づくりネットワーク福岡県協議会”. 2023年4月29日閲覧。→地域づくり団体の紹介→ハカタ・リバイバル・プラン