『花の特攻隊 あゝ戦友よ』(はなのとっこうたい ああせんゆうよ)は、1970年5月16日公開の日本映画。監督:森永健次郎。配給:日活。当時『週刊明星』に連載されていた川内康範の小説『花の特攻隊』を原作とする戦争映画[1][2]。
ストーリー
昭和18年(1943年)、東京。軍の士官である父の戦死を知った大学生の浜村真吉は、学友とともに土浦海軍航空隊に入隊する。昭和19年(1944年)、苛烈な新兵教育を終え、海軍飛行少尉となった真吉は、鹿屋海軍航空隊に配属される。一方、海軍では「神風特別攻撃隊」を編成し始めていた。真吉も特攻隊に編入される。
昭和20年(1945年)。帰郷が許された真吉は、特攻隊配属という機密を明かせないまま母・ふみ や恋人の三保に別れを告げる。その後、ふみは敵の機銃掃射のために命を落とす。春、真吉に出撃命令が下るが、機体の故障のため離陸に失敗し、重傷を負う。傷が癒えた真吉は、大陸帰りのベテランパイロット・秋山が率いる新たな作戦部隊に編入される。部隊には予科を終えたばかりの三保の弟・昭夫も配属されてくる。その頃海軍は特攻兵器「桜花」と母機「一式陸上攻撃機」を開発し、零式艦上戦闘機に代わって特攻に導入することになった。
8月になり、相次ぐ空襲で身寄りを失った三保が真吉・昭夫を追って鹿屋にやって来るが、真吉は冷淡に追い返す。秋山隊は新型爆弾を積んだ敵の爆撃機を探索して、投下される前に先制するよう命令される。昭夫は機銃掃射に遭って腕に怪我を負い、作戦から外される。8月13日。秋山隊が一式陸攻で出撃した。一行は敵の航空母艦を発見し、真吉が乗り組んだ桜花が切り離され、銃弾の飛び交う空へ消えていった。燃料タンクを撃たれて帰還不能になった一式陸攻も真吉に続いた。鹿屋では泣き崩れる三保と昭夫の姿があった。
キャスト
クレジット順は作中のオープニングタイトルに従う。
- 浜村真吉:杉良太郎
- 斎藤:浜田光夫
- 内藤:藤竜也
- 山田:長谷川明男
- 大久保:川口恒
- 花沢:岡崎二朗
- 南田中尉(一式陸攻のパイロット):郷鍈治[4]
- 小野:沖雅也
- 小島分隊長:曽根晴美
- ふみ(真吉の母):中畑道子
- 花沢に買われた娼婦:梶芽衣子
- 朝井兵曹長:玉川良一
- 広田博士(桜花の開発者):森塚敏
- 冬子(斎藤の恋人):伊藤るり子
- 田川昭夫:三ツ木清隆
- 特攻基地飛行長:青木義朗
- 特攻基地司令:加藤嘉
- 土浦航空隊司令:(鴨田喜由)
- 木村(真吉を見舞う隊員):前野霜一郎
- 中村分隊士:(佐原新治)
- 特攻基地整備長:(菊田一郎)
- (原田君事)
- 女工:(椿麻里)
- ナレーター:芥川隆行
- 秋山少佐:南原宏治
- 塚原兵曹長(土浦の訓練教官):内田良平
- 田川三保:和泉雅子
- 大村司令:丹波哲郎