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肉体の門 (1988年の映画)

肉体の門』(にくたいのもん)は、1988年公開の日本映画。主演:かたせ梨乃、監督:五社英雄東映京都撮影所製作、東映配給。

肉体の門
監督 五社英雄
脚本 笠原和夫
原作 田村泰次郎
出演者 かたせ梨乃
加納みゆき
山咲千里
音楽 (泉盛望文)
撮影 森田富士郎
編集 市田勇
製作会社 東映京都[1]
配給 東映
公開 1988年4月9日
上映時間 119分
製作国 日本
言語 日本語
(テンプレートを表示)

田村泰次郎の小説『肉体の門』5回目の映画化[2][3]

かたせ梨乃や西川峰子ら、女優たちの潔い脱ぎっぷり、裸での絡みシーンも多く、五社映画らしい女同士の争いと男女の絡みシーンが話題となった[4][5]

1990年代後半に地上波の放送コードが規制されるまではゴールデンタイムにも放送されていた。

あらすじ

時代は日本敗戦直後。東京・有楽町の廃墟ビルに住むパンパングループ、浅田せんたちは、米兵とは絶対に寝ないという掟のもとに結束していた。彼女たちの夢は、金を溜めてダンスホールを開業することである。仲間の町子の裏切りや、特攻隊の生き残り・新太郎の看病、せんのライバルであるお澄の米兵への復讐の手伝いなどを経て、女たちはそれぞれの道を歩むことになる。

スタッフ

出演

  • 浅田せん - かたせ梨乃
    通称『関東小政(かんとうこまさ)』
    彫留に左足の太ももに「関東小政」の文字と赤いバラの模様の刺青を入れてもらった。戦後ひとりぼっちになって、食べていくために仕方なく娼婦になった。自身は娼婦の仕事について、「持ってあと3年だろう」と見切りをつけている。
    彫留によるとせんは、「3月10日の東京大空襲により家や家族を亡くし、自身は川崎の工場にいたため助かった。焼け野原で何日もお腹をすかせていた所、復員兵から白飯をもらいお礼に処女を捧げたその相手が後に伊吹だったことがわかった」とのこと。加えて女学校を卒業しているとも語られている。
    初めての男である伊吹に恋心を抱いている。戦争を始めた男たちや敵国であるアメリカ人を激しく憎んでいる。
  • 彫留 - 芦田伸介
    入れ墨の彫り師。タバコの販売も行っている。せんたちのアジトそばの川に停泊させた小さな木造船を住居兼仕事場にしている。ちなみに作中では橋が壊れているため、この船の甲板を橋代わりに使われている。せんからは、「留さん」と呼ばれて慕われており、自身は父親のように見守っている。
  • 伊吹新太郎 - 渡瀬恒彦
    通称『コルトの新』
    元陸軍上等兵。瀕死の状態でせんたちのアジトに倒れていたところを助けてもらった。戦時中はボルネオ島で戦い、人差し指を撃たれた。その影響で神経がやられたため、中指と薬指でタバコを持って吸っている。袴田とは若い頃に現在の袴田組のシマ辺りで、暴れまわった仲。普段はドスの利いた感情を抑えた話し方だが、生きた牛を盗んできてせんたちと食べるためにビルから突き落として死なせるなど時に豪快で荒い性格も見せる。

せんの仲間たち

  • 菅マヤ - 加納みゆき
    通称『ボルネオマヤ』
    義理人情に厚く心優しい性格。戦争で兄をボルネオ島で亡くしている。瀕死だった伊吹を介抱してあげようと言い出したり、仲間からのリンチに遭う町子などを助けようとしている。「パラダイス」を作ることを提案した人物。
  • 安井花江 - 山咲千里
    通称『フーテンのろく』
    仲間になり始めた頃から町子のことがあまり気に入っていなかった。せんのことを「兄貴」と呼んでいる。
  • 乾美乃 - 長谷直美
    通称『ジープのみの』
    アメリカ人に対してせんほど憎しみを持ってはおらず、爆発する可能性のあるビルに怯えながら仕事を続けるより、戦争花嫁としてアメリカに行くことも悪くないとの考えを持っている。
  • 本庄光代 - 芦川よしみ
    通称『きすぐれ(泥酔、酒飲みなどの意味)のミッチ』
    将来的には「パラダイス」を作り、娼婦を辞めてみんなでダンスホールの仕事をするのが夢。
  • 柴田幸子 - 松岡知重
    通称『ベイビー』
    口が不自由で話せず、手話で意思表示している。ただし耳は聞こえるようで、せんたちの指示で動いている。
  • 菊間町子 - 西川峰子
    せんたちが娼婦の取り締まりから逃げている時に偶然出会ったモンペ姿の女。せんたちの仲間になると明るい色使いの着物を着て体を売るようになった。当初、陸軍中尉の夫を戦争で亡くした、大人しい未亡人を演じていた。しかし実際は気性の激しい女で後に袴田の妾になったり、せんたちを裏切る。

らくちょう一家

  • きたがわ澄子 - 名取裕子
    通称『らくちょうのお澄』
    らくちょう一家のリーダー。廃車のバスをアジトにしている。白や黒を基調としたドレスとつばの広い帽子と白手袋などのシックなファッションに身を包んでいる。お澄は洋装だが妹分たちの多くは和装で仕事をしている。ピアノが弾けるようで作中では『A列車で行こう』を弾くシーンがある。せんと会った頃は敵対していたが、タイマン(1対1の決闘)を経て、同士のような存在になる。
    作中では「元は郵便局で働いていたが、戦後サージャン専門の娼婦になった」と語っている(詳しくはロバートの欄)。
  • 大森銀子 - 松居一代
    通称『血桜お銀』
    お澄の妹分。仲間のテリーがせんたちにシメられたため、お澄の命令のもとケジメを付けさせるためにマヤのところへやって来た。
  • ビッグママお京 - マッハ文朱
    お澄の妹分。長身で力が強い。テリーを痛めつけたマヤとタイマンで闘い、激しいケンカを繰り広げた。
お澄の妹分。せんたちのシマで体を売った(勝手に商売をした)ためにシメられた。

袴田組

  • 袴田義男 - 根津甚八
    袴田組の親分。自分のシマの商店街を「袴田組マーケット」として取り仕切っている。せんたちのアジトであるビルがある場所は作中では将来的に一等地になるとされ、ここを狙っている。白いパナマ帽をかぶっている。自身のシマにある川から進駐軍の遺体が上がり、その刺し傷から袴田組に容疑がかかる。本人によると「戦時中はフィリピンの山の中で戦友の肉を食って生き延びた」と言っている。
  • 青木 - 汐路章
    袴田組の組員。下っ端の組員のまとめ役。
  • 大迫 - 志賀勝
    袴田組の組員。詳細は不明だが、なぜかカタコトの日本語を話す。
  • サブ - 光石研
    袴田組の組員。

その他

  • 上海お時 - 椎名友美
  • 新堀の愛子 - (久米朗子)
  • ガモスのお蝶 - (勇家寛子)
  • キヨミ - (福田直美)
  • ロバート - (ディック・バトルウォーサー)
    お澄の母と妹の仇。戦後進駐軍としてお澄の母と妹が営む散髪屋に仲間たちとやってきて、2人をレイプした後殺した。
  • キャプテンフォードオフィサー - クロード・チアリ

せんたちのグループについて

グループの3つの決まり事

  • 稼ぎは平等に分けること。
  • 稼ぎの一割は、「パラダイス」の資金に回すこと。
  • 稼ぎにならない色恋沙汰はしないこと。

この決まりを破った者は、皆に焼きを入れられて追い出される。

せんたちのアジトと「パラダイス」について

せんたちは戦争によってボロボロになったビルをアジトにしており、内部には2年前の戦争で落とされたが爆発しなかった不発弾の一トン爆弾がある。不発弾は細いロープで、かろうじて宙に浮いて不安定な状態に固定されている。振動や何かの衝撃で爆発する可能性があるので、袴田組もうかつに手出しできないでいる。せんたちは手作りの鳥居と共に「一トン神社の本尊」として守り神のように大事にしている。

作中に出てくる「パラダイス」とは、将来作ろうとしているダンスホールのことである。お金を貯めてアジトであるボロボロのビルをダンスホールに改装するつもりだと言っている。

製作

撮影

五社英雄の娘・五社巴が『(鬼龍院花子の生涯)』で名声を掴むまでは「五社にかかったら何をされるか分からない。間違いなく脱がされるだけと女優の間で敬遠されていた」と話しているように[6]、本作でも女優のヌードは勿論、2019年の今日ではコンプライアンス違反にあたると見られる危険な撮影が行われた[7]。壮絶なリンチシーンは皆、思いっ切り殴り蹴り[7]。巨大な不発弾の爆発シーンでは爆風で仁支川峰子の顔全体が激しく振動するが、このシーンは仁支川の顔の近くで(水素ボンベ)を噴射させたもので、仁支川は首の骨が折れるんじゃないかと思ったほどの衝撃だったと話している[7]。この他、東映京都撮影所で撮影中の1988年1月16日夜10時頃、マッハ文朱扮するビッグママお京が通り過ぎた直後に丸太小屋が崩れ落ちるシーンを撮影中、手違いでマッハの頭に長さ3m、直径20cmの丸太ん棒がドカーンと当たり、マッハは床のコンクリートに頭を強烈に打ち、2、3回バウンドし気を失い大怪我、そのまま入院した[1]。このマッハの大怪我があったばかりなのに、浅田せん(かたせ梨乃)ときたがわ澄子(名取裕子)の互いの腕をロープで繋ぎタイマンデスマッチをするシーンで、入念なリハーサルの後、五社が「おい、ドスを本物に取り替えろ」と指示した[8] 。棒切れで闘う名取は「刺される!」とド緊張し、何とか大事なく撮影を終えたが全員グッタリした[8]。1988年1月(クランクアップ)[2]

脚注

  1. ^ a b 「おさわがせスターの喜怒哀楽(秘)総チェック」『週刊明星』1988年2月4日号、集英社、185頁。 
  2. ^ a b 「製作ニュース東映『肉体の門』」『映画時報』1988年2月号、映画時報社、19頁。 
  3. ^ 「YOU GOTTA NEWS!! ごったにゅうす 女はやっぱり強い。『肉体の門』でそれを再確認しましょ」『週刊明星』1988年2月4日号、集英社、197頁。 
  4. ^ 俺たちが悶絶した「昭和のボイン」大博覧会(4)<映画通が語る銀幕を彩った女優たち>
  5. ^ 浅田美代子・仁支川峰子…大ヒット歌手の圧巻ベッド場面!(4)完熟の美女篇
  6. ^ 五社巴『さよならだけが人生さ ー五社英雄という生き方講談社、1995年、78-82頁。ISBN (4-06-20636-11)。 
  7. ^ a b c 石田伸也「演歌歌手から『情念の肉体派女優』に転身仁支川峰子インタビュー」『TOWN MOOK 戦後70年の芸能秘史 日本の『女神』烈伝』徳間書店、2015年、102-103頁。ISBN (9784197104147)。 
  8. ^ a b 「YOU GOTTA NEWS!! ごったにゅうす 『肉体の門』の決闘は本物のドス」『週刊明星』1988年3月24日号、集英社、199頁。 

関連項目

外部リンク

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