記録映画のマネージメントを務める傍ら、1968年文芸誌の新人賞に入選、しかし多忙のため作家活動に専念しなかった。1985年肝臓癌の手術を受けるが全摘ができないと分かると、生きた証として小説家活動に打ち込むと周囲に宣言し、1989年『ダブルオー・バック』にて本格的に小説家デビュー。1991年『ダック・コール』にて数々の賞を受賞し期待されるも、1994年わずか9冊を残して癌のため没した。
作品は自身の趣味であった猟銃の知識を生かしたハードボイルドな推理小説で、少年の視点・目線やニヒリズムを取り入れたものであった。
また、彼が書く短編の中には重い癌を患った主人公が度々登場する傾向があり著書の中に自己の投影が行われていた可能性も見られる。
年譜
- 1968年 「凍土のなかから」で第3回双葉推理賞(『(推理ストーリー)』開催)佳作第1席を受賞。
- 1985年 肝臓癌の手術を受ける。
- 1989年 『ダブルオー・バック』にて小説家デビュー。
- 1991年 『ダック・コール』にて第4回山本周五郎賞、第10回日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞を受賞。
- 1993年 「セント・メリーのリボン」にて第12回日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞を受賞。
- また“その全ての愛しき名作”に対し、第12回日本冒険小説協会大賞内藤陳特別賞が贈られた。
- 1994年 10年に渡る闘病生活の末、死去。享年63。
著作
- ギャビン・ライアル「もっとも危険なゲーム」を意識している。
- 『ダック・コール』(1991年2月早川書房より書き下ろし)のち文庫
- 『男は旗』新潮社 1994 のち文庫、光文社文庫
- 『花見川のハック』角川書店 1994 のち文庫
- 猟犬探偵シリーズ ※谷口ジローにより漫画化
- 『セント・メリーのリボン』新潮社 1993 のち文庫、光文社文庫 ※1999年2月26日「金曜エンタテイメント」にてドラマ化
- 『猟犬探偵』新潮社 1994 のち文庫、光文社文庫
- エッセイ
雑誌
- 「凍土のなかから」(『ミステリマガジン』1994年5月号)
内容
- 猟犬探偵
- トカチン、カラチン
- ギターと猟犬
- サイド・キック
- 悪役と鳩
- セント・メリーのリボン
- 焚火
- 花見川の要塞
- 麦畑のミッション
- 終着駅
- セント・メリーのリボン
- 『男は旗』
- 発端篇 (『小説新潮』)
- 石の鳥獣
- オクラホマ・キッド
- マリヤ
- 不良の旅立ち
- 花の下にて (『野性時代』1993年6月号)
- 花見川のハック (『野性時代』1994年1月号)
- 煙 (『野性時代』1994年3月号)
- シュー・シャイン (『野性時代』1994年4月号)
- 曠野 (『野性時代』1994年5月号)
- 鳥 (『野性時代』1994年5月号)
- 十円玉 (『野性時代』1994年5月号)
- 白熱 (『野性時代』1994年5月号)
- 森の生活 (『野性時代』1994年6月号)
- 栄光何するものぞ
- 男結び
随筆
- ガン・ロッカーのある書斎 (1983年『ミステリマガジン』連載)
- ミッドナイト・ガン・ブルー (1983~84年『モデルガン・チャレンジャー』連載)
- 帖の紐(1992~93年『産経新聞』連載)
- 利腕に鞭とペン (1992年11月刊『ディック・フランシス読本』)
共著
- 『孤愁』 (1994年 角川書店刊、「曠野」収録)
- 『ディック・フランシス読本』 (1992年11月早川書房刊、「利腕に鞭とペン」収録)
海外への翻訳
中国大陸(簡化字)
- 鸭哨 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-ダック・コール
- 猟犬探偵シリーズ
- 圣玛丽的蝴蝶结 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-セント・メリーのリボン