秋月 康夫(あきづき やすお、1902年8月23日 - 1984年7月11日)は、日本の数学者。京都大学名誉教授[3]。
人物
和歌山県出身[3]。1926年(京都帝国大学)理学部数学科卒。第三高等学校教授を経て、1948年京都大学教授。退官後、1951年から東京教育大学教授を兼ね、京都大学数理解析研究所の設立[4]に尽力[3]。1967年群馬大学学長。
業績
ヴォルフガング・クルル、オスカー・ザリスキ、永田雅宜に並び、可換環論の初期の基本的かつ重要な仕事をしたことで有名である。特に有名なのはアルティン環はネーター環であることを示したことであろう(1935)。
また一年の苦闘の末彼が得た、整閉包が有限加群とならないネーター整域の例はその後多くの反例の手本となった。
デデキント環に関するクルル-秋月の定理にもその名を残す。
著書
単著
- 『数学:教養課程』裳華房、1952年。
- 『調和積分論』岩波書店〈現代数学 16a, 16b〉、1955年。
- 『輓近代数学の展望』ダイヤモンド社、1970年、(全国書誌番号):(69004778)[6]。のち改版、筑摩書房〈ちくま学芸文庫 (ア-29-1)〉2009年、ISBN (9784480092540)。
- 『現代数学概観』筑摩書房〈筑摩市民大学〉1970年、(全国書誌番号):(69001607)[6]
- 『小学校しんさんすう』大日本図書、1974年。改訂版。NCID BA68995943
『中学校新数学』大日本図書、1974年。改訂 (見本版)。NCID BA83810238
- 『数学の窓』学生社〈科学随筆文庫 1〉1978年。
- 『大学数学入門:現代数学への招待』現代数学社〈BASIC数学:別冊〉1980年。
共著
- 鈴木通夫『高等代數學』岩波書店〈岩波全書 168,206〉1952年。
- 滝沢精二『射影幾何学』共立出版〈現代数学講座17, 11-B〉1957年。
- 稲垣武、竹之内脩、富田稔、永田雅宜『集合論 . 抽象代数学』〈数学演習講座/ 秋月康夫ほか編11〉共立出版、1957年。
- 楠幸男『Number theory : algebraic geometry and commutative algebra : in honor of Yasuo Akizuki』紀伊国屋書店、1973年。
- 柴田敏男『幾何:高校数学への提唱』紀伊国屋書店、1980年。
翻訳
- (ギュスタヴ・ショケ)『初等幾何学』公田蔵(共訳)、岩波書店、1971年。
- ウォーレン・ウィーバー『やさしい確率論 : レイディ・ラック物語』渡辺寿夫(共訳)、河出書房新社〈現代の科学 18〉1969年。
- (カート・オット・フリードリックス)『ピタゴラスからアインシュタインまで』、河出書房新社〈SMSG新数学双書 3〉1970年。
参考文献
脚注
注釈
出典
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