地理
滑川町北部に位置し、滑川と(中堀川)に挟まれた(開析谷)の低地及び丘陵地にあたる[4]。北東で(土塩)、東で(山田)、南東で(羽尾)、南で(中尾)、南西で(伊古)、西で(和泉)・(菅田)、北西で熊谷市(小江川)と接する。滑川町内の行政区では「第1区(上福田)」と「第2区(下福田)」を合わせた地域が大字福田にあたる。東部は国営武蔵丘陵森林公園、西部は(高根カントリークラブ)のそれぞれ一部となる。地内ではかつて字大木で大谷石に似た荒粒の凝灰岩が切り出され、「(福田石)」として販売されていた[5]。この福田石は(淡緑色)の斜長流紋岩質凝灰岩で、比企丘陵を構成する第三紀・中新世の(福田層)に属する[5]。加工が容易なため石垣の切石や石燈籠などに用いられたが1971年(昭和46年)頃以降は採掘は中止されている[5][6]。現在採掘場跡は森林霊園の納骨堂として利用されている[5][6]。
河川
- 滑川
- (中堀川)
湖沼
周辺は埼玉県内でも溜め池の多い地域であり、福田地内にも多くの溜め池、湖沼が存在する。
- (福田大沼)
- (大久保沼)
- (長沼)
- (西沼)
- (山城沼)
- (金子沼)
- (笠沼)
- (中在家沼)
- (宮入沼)
- (下沼)
- (上沼)
- (皿型沼)
- (笹沼)
- (土井城入沼)
- (鼻田沼)
- (梅ヶ入沼)
- (新沼)
- (南谷沼) - 町内最後のミヤコタナゴ生息確認地。
また、以下の沼は国営武蔵丘陵森林公園内に位置する。
- (がっき沼)
- (紺屋前沼)
- (分山沼)
- (栗谷沼)
- (城口沼)
- 長沼[]
- (城沼)
- (新沼)
山岳
- (高根山) - 標高105m。(高根カントリークラブ)の裏山にあたる。
小字
- 第1区(上福田)
- 両表
- 大木
- 下向
- 下中郷
- 第2区(下福田)
- 馬場
- 小川谷
- 中在家
- 円正寺
歴史
縄文時代より集落が存在し、縄文中後期・古墳時代前後期の集落跡である馬場遺跡や、古墳前後期の集落跡である円正寺・中在家・古姓前・東両表・大木・小川谷・久保田遺跡、古墳後期の台原・矢崎・栗谷・粕沢古墳群が見られる[4]。戦国時代には既に比企郡に属し、明応4年(1495年)正月18日銘の真福寺鰐口に「奉寄進武州比企郡福田郷 別所真福寺鰐口(中略)檀那同所四郎太郎」との記述がみられ、また後北条氏の所領役帳である『小田原衆所領役帳』には小田原北条氏の家臣であり他国衆の上田案独斎の所領として「卅一貫六百卅七文 同 福田塩川分 同(比企郡 福田塩川分 卯検見)」とあり、弘治元年卯に検地を行ったことがわかる[4]。また江戸時代に書かれた『新編武蔵風土記稿』によれば、古くから(水房庄)((水房荘))・(松山領)に属したといわれる[8][4]。福田村は徳川家康が江戸入府の後は直轄領であったが文禄元年(1592年)より旗本酒井作右衛門重勝の知行として賜る[8]。以降代々作右衛門の知行となったが、天保14年(1843年)に天領となり、翌年の弘化元年(1844年)に一部が川越藩領になった。嘉永元年(1848年)より全域が川越藩領になったが、明治2年(1869年)には全域が上野前橋藩領となった[4]。「元禄郷帳」によれば(村高)は1,127石余[4]。幕末から明治初期の主な産品は米・大麦・絹・木綿・薪[4]。また、この頃の(小名)として両表・中郷・湯谷が挙げられる[4]。1889年(明治22年)4月1日町村制施行により福田村は近隣の(山田村)・(土塩村)・(和泉村)・(菅田村)と合併し新たに成立した福田村の大字福田となり、村役場が置かれた[9][4]。1954年(昭和29年)11月3日には福田村の宮前村との合併により、滑川村の大字に、1984年(昭和59年)11月3日には滑川村の町制施行により滑川町の大字となった。滑川の氾濫により1947年(昭和22年)のキャサリン台風、1949年のキティ台風、1966年(昭和41年)の台風4号・26号の際に被害を受けている[4]。
地名の由来
この地に土着した源義賢の家臣8人の子孫が13世紀前半の天福年間に義賢の霊を祀り、天福の福と田圃の田をとって「福田」と称したといわれる[4][8]。
沿革
世帯数と人口
小・中学校の学区
町立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[10]。
番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
全域 | (滑川町立福田小学校) | 滑川町立滑川中学校 |
交通
鉄道
地内に鉄道は引かれていない。
バス
この節の加筆が望まれています。 |
道路
- 埼玉県道47号深谷東松山線 - 一部は熊谷東松山道路(旧・熊谷東松山有料道路)
- 埼玉県道173号ときがわ熊谷線 - 一部は熊谷東松山道路(旧・熊谷東松山有料道路)
- 埼玉県道307号福田鴻巣線
寺社
施設
- 滑川町役場
- 滑川町立滑川中学校
- (滑川町立福田小学校)
- 国営武蔵丘陵森林公園 - 園内の西部を占める。
- 滑川福田郵便局
- 東松山警察署滑川福田駐在所
- (滑川町立図書館)
- (滑川町エコミュージアムセンター)
- (滑川町立体育館)
- (滑川町総合運動公園)
- 福田両表集会所
- 福田馬場集会所
- 福田下向古姓集会所
- 福田小川谷集会所
- 中在家集会所
- 福田円正寺集会所
- 滑川町シルバー人材センター
- 高根カントリークラブ
脚注
- ^ a b “統計資料<ひと>”. 滑川町. 2017年11月2日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2017年11月2日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2017年5月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1987年7月再版、PP748-749。
- ^ a b c d 『埼玉大百科事典 第四巻』埼玉新聞社、1975年3月、pp318-319。
- ^ a b 地学団体研究会埼玉支部日曜地学ハイキングの記録・第351回~第360回(2001年8月~2002年7月),2011-05-31閲覧。
- ^ 区長名簿-滑川町,2011-05-31閲覧。
- ^ a b c d e 『新編武蔵風土記稿巻之百九十四 比企郡之九』福田村の条。『大日本地誌大系(十)新編武蔵風土記稿 第十巻』、雄山閣、1957年11月所収。
- ^ 吉田東伍『大日本地名辞書 巻六 坂東』、冨山房、1992年9月新装第1刷、p464。
- ^ “小・中学校の通学区域について”. 滑川町. 2017年11月2日閲覧。
参考文献
関連項目
- 福田 (曖昧さ回避)
- (沼普請)
外部リンク
- 滑川町公式サイト