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フクジュソウ(福寿草、献歳菊、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。フクジュソウ(エダウチフクジュソウ)を指す場合と、下記の4種を総称する場合がある。別名、ガンジツソウ(元日草)。毒草である。1月1日、4月6日の誕生花。
特徴
日本ではフクジュソウ(エダウチフクジュソウともいう。Adonis ramosa)、ミチノクフクジュソウ(Adonis multiflora)、キタミフクジュソウ(Adonis amurensis)、シコクフクジュソウ(Adonis shikokuensis)の4種が自生する。キタミフクジュソウの種小名である amurensis は「アムール川流域の」という意味である。
フクジュソウ(エダウチフクジュソウ)は自生地が北海道から九州にかけてであり、茎が中実であることが特徴である。
キタミフクジュソウは自生地が北海道東部に限られ、多毛であり茎が中実で、一株に1輪しか花を付けない点が特徴である。
ミチノクフクジュソウは自生地が東北から九州にかけてであり、茎が中空で、萼が花弁の半分程度であることが特徴で、他種の萼と花弁の長さは同等程度なので見分けることができる(したがって、本項テンプレート掲載の写真はミチノクフクジュソウと判断できる)。
シコクフクジュソウは自生地が四国及び九州の一部に限られ、全草無毛であることや、茎が中空であることが特徴である。
花期は早春であり、3-4cmの黄色い花を咲かせる。当初は茎が伸びず、苞に包まれた短い茎の上に花だけがつくが次第に茎や葉が伸び、キタミフクジュソウ以外はいくつかの花を咲かせる。花は花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している。そのため、太陽光に応じて開閉する(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)。葉は細かく分かれる。夏になると地上部を枯らす。初春に花を咲かせ、夏までに光合成をおこない、それから春までを地下で過ごす。いずれの種も石灰岩質を好む。
毒性
根はゴボウのようなまっすぐで太いものを多数持っている。毒性(副作用)が強く、毒性・薬理作用共に(アドニン)という成分によるものと考えられているが、他にシマリンやアドニトキシンも検出されており、特にシマリンには調理残留研究報告[2]も存在するため、こちらの方が薬毒主体とも考えられる。強心作用や利尿作用があることから民間薬として使われることがあるが、素人の利用は死に至る危険な行為である。地面から芽を出したばかりの頃はフキノトウと間違えて誤食しやすいほか、若葉がヨモギの葉に似ている。症状は嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺などで、重症の場合は死亡する[3]。
文化
典型的なスプリング・エフェメラルであり、春を告げる花の代表である。そのため、元日草(がんじつそう)や朔日草(ついたちそう)の別名を持つ。福寿草という和名もまた新春を祝う意味があり、縁起物の植物として古くから栽培されてきた。江戸時代より多数の園芸品種も作られている古典園芸植物で、フクジュソウとミチノクフクジュソウをかけ合わせた「福寿海」をはじめ、緋色や緑色の花をつけるものなど多数の品種がある。
正月にはヤブコウジなどと寄せ植えにした植木鉢が販売される。ただし、フクジュソウは根がよく発達しているため、正月用の小さな化粧鉢にフクジュソウを植えようとすると根を大幅に切りつめる必要があり、開花後に衰弱してしまう。翌年も花を咲かせるためには、不格好でもなるべく大きく深い鉢に植えられたフクジュソウを購入する。露地植えでもよく育つ。
花言葉は永久の幸福、回想、思い出、幸福を招く、祝福。
参考画像
フクジュソウの鉢植え
野生の群落
花とつぼみ(2009年4月、弟子屈町にて)
脚注
関連項目
外部リンク
- 中毒事例報告のある有毒植物-フクジュソウ(東京都福祉保健局)