この記事には複数の問題があります。改善や(ノートページ)での議論にご協力ください。
|
この項目のページサイズが大きくなっております(650KB以上)。 |
『盾の勇者の成り上がり』(たてのゆうしゃのなりあがり、英:The Rising of the Shield Hero)は、アネコユサギによる日本のライトノベル。イラストは(弥南せいら)。2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中。また、2013年からMFブックス(発行:KADOKAWA、企画:フロンティアワークス)より書籍化されている。書籍はWEB小説を元とした物語となっているが、大幅に加筆・修正を加えており、話の流れや展開が大きく変わっている[注 1]。2022年2月時点でシリーズ累計部数は1100万部を突破している[3]。
盾の勇者の成り上がり | |||
---|---|---|---|
ジャンル | 異世界ファンタジー | ||
小説 | |||
著者 | アネコユサギ | ||
イラスト | 弥南せいら | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載サイト | 小説家になろう | ||
レーベル | MFブックス | ||
連載期間 | 2012年10月29日 - | ||
刊行期間 | 2013年8月23日 - | ||
巻数 | 既刊22巻(2019年6月現在) | ||
小説:槍の勇者のやり直し | |||
著者 | アネコユサギ | ||
イラスト | 弥南せいら | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載サイト | 小説家になろう | ||
レーベル | MFブックス | ||
連載期間 | 2014年4月1日 - | ||
刊行期間 | 2017年9月25日 - | ||
巻数 | 既刊3巻(2018年8月現在) | ||
漫画:盾の勇者の成り上がり | |||
原作・原案など | アネコユサギ(原作) 弥南せいら(キャラクター原案) | ||
作画 | 藍屋球 | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載誌 | コミックフラッパー | ||
レーベル | MFコミックス フラッパーシリーズ | ||
発表号 | 2014年3月号 - | ||
巻数 | 既刊22巻(2022年12月現在) | ||
漫画:槍の勇者のやり直し | |||
原作・原案など | アネコユサギ(原作) 弥南せいら(キャラクター原案) | ||
作画 | にぃと | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
| |||
掲載サイト | ComicWalker ニコニコ静画 | ||
レーベル | MFC | ||
発表期間 | 2017年8月21日 - 2023年1月26日 | ||
巻数 | 全11巻 | ||
話数 | 全55話 | ||
漫画:盾の勇者のとある一日 | |||
原作・原案など | アネコユサギ(原作) 弥南せいら(キャラクター原案) | ||
作画 | 赤樫 | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載誌 | コミック電撃だいおうじ | ||
レーベル | 電撃コミックスNEXT | ||
発表号 | VOL.61 - VOL.82 | ||
巻数 | 全3巻 | ||
漫画:盾の勇者のおしながき | |||
原作・原案など | アネコユサギ(原作) 弥南せいら(キャラクター原案) | ||
作画 | 赤野天道 | ||
出版社 | KADOKAWA | ||
掲載サイト | ComicWalker | ||
レーベル | MFC | ||
発表期間 | 2019年8月21日 - | ||
巻数 | 既刊6巻(2023年2月現在) | ||
漫画:盾の勇者の成り上がり 〜ガールズサイドストーリー〜 | |||
原作・原案など | アネコユサギ(原作) 弥南せいら(キャラクター原案) 錬金王(シナリオ) | ||
作画 | 城咲綾 | ||
出版社 | フロンティアワークス | ||
掲載サイト | FWコミックス | ||
レーベル | FWコミックス | ||
発表期間 | 2021年8月1日 - | ||
巻数 | 既刊2巻(2022年12月現在) | ||
(テンプレート) - (ノート) | |||
プロジェクト | ライトノベル・漫画 | ||
ポータル | (文学)・(漫画) |
『コミックフラッパー』 (KADOKAWA) 2014年3月号から、藍屋球による漫画版が連載されている[4]。また、2014年4月からは外伝『槍の勇者のやり直し』が「小説家になろう」にて連載されており、2017年7月に書籍化とコミカライズが決定され、12月に書籍化。コミカライズは8月からComicWalkerとニコニコ静画にて、にぃとによって連載されている[5]。
あらすじ
『盾の勇者の成り上がり』
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
図書館で四勇者について書かれた本を手にとった大学生の岩谷尚文は、盾の勇者として異世界にある国家メルロマルクに召喚された。そこには、剣の勇者天木錬、弓の勇者川澄樹、槍の勇者北村元康も召喚されていた。次元の亀裂から魔物が大量に湧き出すという波から世界を守ることを国王から命じられ、それぞれの武器を鍛えるために仲間を連れて旅をすることになる。
だが、盾は攻撃ができず人気が全くなかったため、盾の勇者である尚文の仲間になったのは、女従者マインのみであった。しかし、マインは尚文を裏切って全財産を盗み取っただけでなく、尚文に婦女暴行の冤罪をかける。勇者としての名声や金銭や信用を失い、異世界の人々に絶望して人間と組まないで旅に出ることを決めた尚文は、パーティーの攻撃役として奴隷商人から亜人の少女ラフタリアを買い、2人での旅を始める。
当初は契約による主従という関係でしかなかった尚文とラフタリアも旅を続けていくうちに信頼し合う関係になっていく。召喚されてから最初(メルロマルクでは2回目)の波を経て、ゲーム感覚で行動する他の勇者をよそに、波によって被害を受ける民を助ける尚文は鳥型の魔物であるフィロリアルのフィーロを加えて正体を隠しながら行商を始め、「神鳥の聖人」と呼ばれるようになる。再び起きた波ではグラスという、勇者と対立する存在とぶつかる。メルロマルクからは度々妨害や迫害をうける尚文だが行商や人助けを重ねていく内に、国ではなく民のレベルで尚文と他の勇者の評価が逆転していく。尚文の評判が高まっていくと今度はメルロマルクの国教であり、元々盾の勇者を否定していた三勇教が身勝手な理屈から尚文どころか信仰対象であるはずの三勇者の排除を画策する。
尚文は第2王女であるメルティの暗殺未遂・誘拐の嫌疑を掛けられ、妹に奪われた王位継承権1位を狙うマインとそれに踊らされる勇者との戦いを経て、伝説の武器の複製を持ち出した三勇教教皇を呪われた武器で倒す。ほぼ同時に帰国していたメルロマルク本来の王であるメルティの母ミレリアによって尚文の冤罪は晴らされ、名誉回復と共に迫害の音頭を取っていた国王オルトクレイと第1王女マルティは王族としての資格を剥奪される。
呪いによるケガから回復した尚文は、女王からの提案もあって他の勇者との連携や情報の共有を行うが、元康・錬・樹の3人は互いの情報を秘匿し本音を見せない。それでも聞き出せた強化方法を「他の勇者ではなく、“盾を信じる”」という形で実践し、成功すると、それぞれの勇者が信じる情報の齟齬による落とし穴を危惧していく。
取得する経験値が増加する活性化現象が確認されたカルミラ島の情報を得て勇者たちが現地へ向かう途中、尚文たちはラルクベルクとテリス=アレキサンドライトと名乗る男女2人と知り合う。尚文は気のいいラルクとテリスに好感をもつが、カルミラ島で起きた波で彼らは尚文たちとは対立する立場であることが明かされる。
『槍の勇者のやり直し』
この作品記事は(あらすじの作成)が望まれています。 |
2周目 - 4周目
愛の狩人である槍の勇者 北村元康は気が付くと異世界に召喚されたその日に戻っていた。突然のループに驚きつつも、冤罪事件の際に尚文を救出。フィロリアルの「クロちゃん」を育成し、尚文のレベリングも行う。その後、シルトヴェルトの使者に尚文を預けるが、2日後に見覚えのないアイコンが現れたと認識した瞬間、元康は再び召喚初日にループする。
四つのアイコンの内、盾のアイコンが暗くなっていたことと、錬と樹を召喚直後に殺したら再び召喚直後に戻ったことから、この時点では「四聖の内、誰かが死ぬとループする」という事実に気付く。
5周目 シルトヴェルト編
召喚初日にメルロマルク側の陰謀を暴露するが、口封じされかける。落とし穴の途中から入り込んだ地下牢でエクレールを救出。シルトヴェルト行きに擬装されて殺害されそうになった尚文を救出。シルトヴェルトに向かう。メルロマルク北東の国境砦を破壊。
中途でフィロリアル「ユキ」「サクラ」「コウ」を購入。三勇教の妨害を撃破しつつ尚文とエクレールのレベリングをしながらの旅をする。シルトヴェルトに到着するも尚文に対するハニートラップやフィロリアルたちを邪魔者と害そうとする妨害が起きる。なんとか自国の利益に関しては「波という世界の危機を解決してから」とことを収めるが、ツメの勇者に化けたトゥリナ殺害を切っ掛けにタクト一派との戦闘に突入。鳳凰戦の記憶が蘇った元康に戮殺される。さらにクズとマインに率いられたメルロマルク軍が攻め込んでくる。樹は参加していないという情報からタクト派閥の残党狩りを優先する。生き残ったタクト派閥であるネリシェンが支配するシルドフリーデンからも航空部隊が投入され、それらの対処のため尚文と共に元康は大嫌いな飛竜に乗って迎撃する。シルドフリーデンと同時にメルロマルクも軍を進めてきた。その中には複製聖武器を使う三勇教教皇もいた。シルドフリーデン軍はシルトヴェルト軍に任せ、尚文たちはメルロマルク軍に向かう。
タクトを扇動したことや自分たちのやっていることは聖戦だと語り、亜人に対する蔑視を隠しもしない身勝手に尚文も堪忍袋の緒が切れ、代表として担がれた樹が姿を見せる。戦っている最中に敵の援軍と思われたのが女王に会ったエクレールに率いられた「本物のメルロマルク軍」だった。名目上「偽メルロマルク軍」とされたことで勢いを失くした敵軍を畳みかけ、教皇と逃げようとしたマインを元康が処分するが、戦闘不能にした樹が手のひらを返したマルドに殺害されループする。
6周目 メルロマルク編
初日に4人での相談時に未来から来たことをカミングアウトする。だが事前情報の無い尚文はともかく、錬と樹からは怪しまれ、元康が言葉足らずに語る未来に関することで、むしろ話がこじれてしまって失敗する。スキルでの隠密偵察中に見かけたマルドを暗殺。仲間選びにおいて未来と同じくハブられて赤豚が付いた尚文を心配しつつもポータルで牧場に飛び、ユキ・コウ・サクラを購入しておき、サクラは尚文専任として尚文に登録してもらうことにする。冤罪騒ぎでは盗品の登録証明確認を提言するが、既に改竄されてしまっていた。結局は茶番が過ぎるので場をぶち壊して尚文を救出する。樹はマルティに篭絡され、錬はメルロマルクを怪しみつつもノータッチ。
エルハルトの店で、尚文にループに関する事情を説明。サクラの登録を済ませてから、基本的な武器の機能を確認する。奴隷として購入したキールを入れて尚文とフィロリアルのレベリングを行う。前回の反省から、シルトヴェルトには向かわず、メルロマルク内で潜伏しながら1周目と同様の行商を始め、バイオプラントによる食糧や薬の販売を中心に「神鳥の聖人」として名声を得る。この際に、商家である実家から営業に来たエレナ(怠け豚)が仲間になる。
錬によるガエリオン討伐後のおこぼれ騒ぎでウィンディアとガエリオン(メス)が仲間になる。
登場人物
声優は特記がない限りアニメ版。
メインキャラクター
- 岩谷 尚文(いわたに なおふみ)
- 声 - 石川界人[6][7] / 鈴木達央(ドラマCD)[8]
- 本作の主人公で物語の語り手。四聖勇者の一人、盾の勇者。
- 20歳の大学生。オタク趣味で、某ネットゲームでは3番目に大きい複合ギルドの首脳陣をしている[9]。高校生の弟がいる[10]。図書館で「四聖武器書」を読んでいた時に、盾の勇者として召喚される[10]。
- 波に備えてそれぞれの武器を鍛えるために国が用意した仲間とともに旅立つがその翌日(召喚から3日目)に実は盾の勇者を嫌う国メルロマルクの王女だった仲間「マイン/マルティ」に裏切られ、冤罪で強姦魔の烙印を押されてしまう[11][12][13]。味覚をなくすほど人間不信に陥ったが[14]、攻撃力がない盾の勇者ではソロでの限界を感じて奴隷商から捨て値で売られていた少女ラフタリアを購入する[15]。メルロマルク2回目(勇者召喚後1回目)の波の後にラフタリアの解放を求めて無理矢理元康と決闘をさせられ[16]、攻撃力がないながら善戦するもマルティの横やりで敗北[17]。マルティの不正も姫の立場を利用し封殺され、カースシリーズが解放されるほどの怒りと不信感にのまれるが、 奴隷から解放されたラフタリアが自分の意思で尚文の元に戻ってきたことで救われ、失われていた味覚も戻る[18][19][20]。
- その後は盾の勇者の身分を隠し、フィロリアルのフィーロが馬車を引いて、調合した薬や彫金したアクセサリーを売り歩く行商を始め、(有償ではあるが)困っている人々に品物を届ける「神鳥の聖人」として名を馳せる[21][22][23][24]。盾の勇者を悪魔として迫害した三勇教の主導で迫害が続くも同様に見限られた勇者らと共に教皇を倒し[25][26][27]、メルロマルクの女王の帰還で名誉回復がなされる[28][29]。
- 名誉回復後もメルロマルクを中心に活動し、四霊 霊亀討伐の恩賞でラフタリアの故郷の領地と伯爵の地位を貰う[30]。元ルロロナ村の住人を中心に奴隷を集め、村の復興と四霊 鳳凰に向けて私兵の育成を行う[30]。また、霊亀のエネルギーを持ち逃げしたキョウを追って異世界に渡った際には、別の異世界の四聖 風山絆と知り合い、キョウと戦う過程でそれまでは対立していた異世界の眷属器の勇者グラス、ラルクとも和解する[31]。タクト戦後、功績を認められ大公の地位を与えられている[32]。
- エスノバルトの要請で再び絆の担当世界に渡った際、敵の妨害で盾の機能が封じられたため以前助けた鏡の眷属器の力を借りて、一時的に「鏡の勇者」になる[注 2]。
- 戦闘スタイルはその名の通り盾役。群を抜いて高い防御力とスキルで敵の前面に立ち味方を守り敵の動きを阻害する。その代わり攻撃力はほぼなく、関節技も使えない[33][34]。ただし変化させた盾のカウンター機能によって相手に反撃を与えることはできる[17]。奴隷や魔物など魔法契約した相手に対しての能力・成長に関する補正効果のある盾を活用している[21][35]。また某人物には劣るがマルチタスクに優れており、扱いが難しいフロート系スキルを二つ操作しながら戦い、さらに周囲の会話も聞いたりできる。
- 魔法適性は回復と援護[36]。こちらも攻撃能力は一切ない。勇者専用魔法は味方の全ての能力を上昇させる「オーラ」。カースシリーズは「憤怒」が発現しており、高い防御力と他の盾にない攻撃手段も得ることができるが、呪いの代償で精神汚染や長期間ステータスダウンがかかる。
- 冤罪事件の前はお調子者で、人並に女性への興味も持っていた[37][11]が、事件後はやさぐれて口も悪くなり、疑り深い性格となる。敵に対して容赦がなく、必ず報復を与えようとする[38]。その相手が苦しんでいる様子を見て喜ぶなど、時には邪道な行為も躊躇いなく行う。元康の手に渡った鎖帷子は強姦冤罪に根差すトラウマの象徴となり、その鎖帷子を勧められると嫌悪感も露わに拒絶する[39][40][41]ため、事情を知るエルハルトは癒えない傷痕に心を痛めており、名誉回復後に知り合った絆は思わぬ逆鱗に困惑する。本人曰く「鬼門」とのこと。鎖帷子を見ることすら嫌がる。Web版では女王により元康の手に渡った鎖帷子が盗品だと明かされ、マインに寝ている隙に剥ぎ取られた召喚時の私服を返却されると共にエルハルトが無実を明かそうと働きかけてくれたことを知る[Web 1]。また、そこまで親しくない相手や、名前を知らない相手には適当な仇名を付けることが多い[42][43][注 3]。
- 一方で本質的な優しさは失われておらず、奴隷たちに対して、戦いを嫌がった場合は奴隷紋を発動し強要はするものの、それ以外で扱いを悪くしたりはせず、むしろ丁重にめんどうを見ており、戦いでも怪我をしないように立ち回っている[45][46][18]。そのため奴隷や仲間たちから強い信頼を寄せられている[18]。疑り深く人間不信になった反面、ラフタリアやエルハルトなど、自分を信じ、親切にしてくれた相手に対しては、信頼する気持ちが強く、受けた恩を返そうとする[20][47]。また、敵対関係となっていた者(三勇者やグラスたち、クズら)でも、相手がきちんと反省している、改心している場合は、和解し受け入れるだけの器もある[31][48][49][50]。しかし、尚文本人は奴隷を行使し、悪行を平然とする悪人だと思っており、時に奴隷たちに対して罪悪感を感じることがある[51][52]。
- 良い意味でも悪い意味でも「やられたらやり返す性格」であり、相手を映す鏡のような性分から鏡の眷属器に選ばれる要因となる[38][53][注 4]。
- 冤罪事件で女性にハメられたトラウマで女性に対して一定の距離を置いており、性的嗜好が一切なくなっている。仲間に女性も多く、ラフタリアをはじめとして、思いを寄せているが恋愛関係は考えておらず、煩わしいので平和になるまで村で恋愛を禁止している[55]。弟がいるせいか年下と認識した相手は子ども扱いするところもある。また、悪人の自分が所帯をもつのはあり得ないとも思っている。ラフタリアに関しては波と戦う使命優先で恋愛を嫌っていると思っていたが、後に女性不信のトラウマからそう思いたかっただけだったと独白している[18][56]。アトラの戦死後は、遺言により多少寛容となり、自身に好意をもつ女性の思いを答えるようにしたいと考え直す[57][58][59]。ただし悪人の自分が恋人をもつ資格があるのかという思い自体は僅かにあるらしい[60]。冤罪に対しては他人事でも見過ごせず、リーシアの冤罪も我が事のように怒っている[34]。
- 特技は料理。尚文自身は料理上手の自覚はなく、元の世界でも趣味程度だったと言っているが、一度食べた物を再現したり、満腹でも食欲を促進させる料理チート。気を習得した際はその応用によりさらに技術を向上させる。鏡の眷属器の強化方法が料理を食べる・食べさせることと判明した際には仲間たちが恐れおののくほどの御馳走攻めにしている[61]。フィーロや村の奴隷たちからはご飯を作ってとせがまれるが、普段はめんどうなので極力避けている。「盾が鍋の蓋に見える」「飯の勇者」「鏡がトレイに見える」など言われるが、本人はそのように呼ばれるのを嫌う[62][63]。周りに勘違いされがちだが、尚文自身は美食家ではなく、食べられるならなんでもいいと思っている[64][注 5]。
- 他にもクラフト技術が非常に優れており、盾の技能系ボーナスや薬屋とアクセサリー商から教わったこともあって薬調合や宝石の加工によるアクセサリーの制作技術も身に付け、行商や冒険の備えに役立てている。アクセサリーはテリスから「名工」と絶賛されているが、尚文は素材が良かっただけでイミアの方が良いものが作れると自己評価している。アクセサリーの制作技術を習得した頃(グラス戦の直前)、感謝の印にとラフタリアに翡翠のブレスレット、フィーロには琥珀のヘアピンを作りプレゼントした[66][67]。
- 召喚以前から乗り物や酒で酔ったことがなく、乗り心地が最悪と評判のフィーロの引く馬車の中でも調合を行い、強力な酒の素であり普通の人なら1粒食べたら卒倒するという「ルコルの実(後述)」を平然と食べ続けるほど酒に強い[68][69]。ただし尚文自身は付き合いで飲むことはあるが、自分以外の相手が酔っぱらうと会話が成り立たなくなって疎外感を感じてしまうため、酒はあまり好きではない[12][70]。異能力のあった世界から来た樹からは酔い無効(C - Dクラス)の能力者だと推察されている[71]。また、動物や魔物に懐かれやすく、アニマルフレンズ(動物に自然と好かれる)のダブルスキルとも言われている[72][73][71]。尚文本人も動物や獣人形態の亜人を愛でる傾向があり、ラフちゃんやラフ種がお気に入りでラフタリアもルフトのように獣人化しないかと考えている[74][75]。ただ、弊害として高Lvになっても魔物とのエンカウント率が高いという一面がある。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、強姦容疑の際に元康に助けられる。常に元康に信頼を置かれているのでやさぐれず、口調も穏やか。奴隷を使役することにも強い抵抗を覚えるなど本編の尚文とはまるで別人である。ただし悪意を以て敵対してくる者に対しての容赦のなさは元からあったようであり、卑劣な悪人やコウのように窘めても行いを改めない者に対しては本編のような冷酷さや徹底した仕置をしてみせる[76][77]。2周目ではメルロマルク側に謀殺されるが、その後のループでも最終的には元康を信頼しつつもその突飛な行動に頭を痛める立場になり、ループに入る元康にやるべきこと、やってはいけないことを指示して送り出している。また、日本にいたころの知り合いに変わった食材を持ち込まれては、色々工夫していたことも明かされている。
- 本能的にも弱い者を守ろうとする尚文は、実は守ってくれる相手に弱いという弱点を持っている[78][注 6]。
- ラフタリア
- 声 - 瀬戸麻沙美[6][7] / 堀江由衣(ドラマCD)[8]
- 本作のメインヒロイン。異世界の眷属器、刀の勇者。クテンロウの天命(王族)。
- 若干カールした紅茶色の背中まであるロングヘア(8巻では栗色の髪[79])と澄んだ紅茶色の瞳、芸術的に整った容貌[20][80]であり、元康が美少女ランキングに入れるほどの逸材[81][79]。
- タヌキ系の亜人。ラクーン種と言われているが実際は異なる[注 7]。尚文が最初に購入した奴隷。メルロマルクのルロロナ村で生活していたが、メルロマルクの最初の波に巻き込まれ両親を亡くし[82]、奴隷に身を窶していた[83]。購入した当初は10歳の少女だったが、亜人はLv上昇に合わせて急成長するため外見年齢は18歳くらいの美少女に育っている[注 8]。アニメでは成長がなだらかになっており、3話では14歳くらいの外見となっており、4話で18歳くらいの外見となっている[85][86]。
- 購入当初は波のトラウマで夜泣きが激しく、さらに奴隷時代の拷問や親友の死などの辛い経験で心身共に弱っていた。尚文に対しても怯えており、戦いも嫌がっていた。しかしちゃんとした食事や薬を与えられ、夜泣きの際も一晩中抱き抱えあやし続けるといった尚文の不器用ながらの優しさによって心を開いていく。両親を殺した魔物と似た双頭黒犬との戦いでトラウマを再発するが、尚文の言葉を聞き、共に倒したことで克服する。そして自分たちと同じような境遇のものを出さないために尚文と共に戦う決意をする[87][83]。
- 尚文に対しては、当初は「ご主人様」と呼んでいたが、双頭黒犬との戦い後、初めて名前を訊ねて知った後は「ナオフミ様」と呼ぶようになる[87][注 9]。性格は真面目で、度々露悪的にあくどいことや変なことをする尚文に対するツッコミ役となっている。しかし、尚文の影響を受け過ぎて、ふざける尚文に笑顔で脅すように威圧する[39][注 10]、尚文にアクセサリーを作ってもらった際にデザインより効果を気にする[66][67][注 11]、果ては尚文直伝のあざとい商取引術をラルクたちの前で披露する[89]など、年頃の女の子としては質実剛健過ぎる性格になっており、尚文や他の人物から唖然とされることがある[90]。尚文に異性として好意を持っているが、当の尚文は冤罪のトラウマで女性不信で性的関係を嫌悪しており、あまつさえ娘扱いされているので進展がない[20][91]。それどころか波と戦う使命優先で恋愛を嫌っているとすら思われている。「処女」という言葉を知っているなど、それなりに性知識を知っているような描写がある[21]が、TVアニメ版では、実年齢相応の性的知識しか無くキスで子供が出来ると思っている[92]。
- 絆の異世界に渡った際、カズキ(クズ二号)を嫌って(あるいは正体を知って)逃げ出してきた刀の眷属器に見出され刀の勇者になり、勇者になったことで奴隷紋は消える[93][42]。当初は立場的に尚文たちと敵対してしまうため嫌がっていた[42]が、グラスたちと和解したことや帰還の際に刀の眷属器がキョウの尚文たちの異世界に対して行った蛮行に責任を取ろうと離れようとしなかったため、そのまま元の世界に持ち帰る[94]。
- 本人は知らされていなかったが、東方のクテンロウの天命(王族)にして勇者の調停者の末裔[95]。王族衣装である巫女服がかなり似合っており、絆の異世界で着た際に尚文に気に入られる[93][96]。尚文の趣味で巫女服を着せたことで革命の意思ありと判断され襲撃を受ける[95]。怒った尚文が安全確保のため仲間を引き連れてクテンロウを制圧し、天命に就任する。本人は巫女服に関して尚文が褒めてくれることは嬉しく思っているが、尚文やクテンロウの民にあまりに大きな反応をされることは理解できず、ややうんざりしている[95][97]。アニメではカズキから逃亡中に、刀の勇者に代々仕えてきた一族の巫女から匿ってもらった際に譲り受けたものとなっている。また、クテンロウの統治者である天命就任に関してはあまり乗り気ではなく、尚文の剣でルロロナ村の村娘で充分であると語っている[98][99]。
- 魔法適性は光と闇[36]。幻惑魔法が得意でまた同様に見破ることも可能[100][101]。剣を武器としており、魔法剣も習得する。堅実な戦いと幻惑魔法によるトリッキーな遊撃を担当している[34]。刀の勇者になった以降はスキルを主体とした戦闘スタイルとなっている[102]。剣術はエルハルトに基礎を教わり、その後エクレールや変幻無双流のエルラスラに本格的に教わり、強力な技を身に着ける。刀の勇者になった後は、剣と同じように扱い、不慣れな面をサディナに指摘される。またサディナからはレプワダツミ流、ラルヴァからはクテンオウカ流といった刀の剣術を教わり、技術を磨く。その一方、魔法の向上を疎かになってしまい、過去の天命から注意を受ける[102]。また、別の世界の眷属器を所持した影響で龍脈法の加護を得ることができなくなっていたが、後に魔竜によって解消してもらった[70]。就任の儀式を受けた後に、過去の天命との戦いで天命の技を身に着ける[103][102]。
- 元康からの呼称は「狸豚」改め「(フィーロたんの)お姉さん」。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、元康による尚文への説明で度々話題に挙げているが、尚文自身が奴隷を使うことに難色を示したことがあったり、元康がラフタリアのことを詳しく説明しないことがあり、なかなか巡り合えない。web版では尚文とサディナの願いから、リファナと共に奴隷拷問されているところを救出される周回がある。レベルアップによる外見は14,15歳。本編のように強制されることが無いのもあって戦闘には消極的で後方支援担当、武器は杖。リファナが生きていたことでトラウマは軽いが、両親を亡くした際にするようになった「こわばった笑顔」が中々治らない。
- ラフちゃん
- 声 - 瀬戸麻沙美 / 堀江由衣(ドラマCD)[8]
- 絆の世界でラフタリアの毛髪と尚文の血を媒体にエスノバルトに生成された尚文の式神。外見は狸やアライグマのような姿。鳴き声は「ラフー」[注 12]。
- ラフタリアを動物化したような外見とノリのよい性格から尚文にかなり気に入れられている。一方、ラフタリアからはそのことで苦手意識を持たれている。かなり賢く気が利き、フィーロをアホ毛を通して誘導しようとしていたフィトリアに対して(フィーロの翻訳では)理にかなった言葉で諭した[注 13][104]。その一方、尚文やサディナなどの悪ノリするお調子者な面もある[105][44]。
- 魔法適正はラフタリアと同じく光と闇で幻惑魔法を得意とする。幻惑で敵を惑わせたり、ラフタリアの魔法補助などのサポートを行う。また、頭に乗ることでその人物は魂が見えたり、幻惑を見破れるようになる。尚文とラフタリアと魔力で繋がっているため離れていても二人の様子がわかり、何かあった際には知らせることができるため連絡係となることもある。ラトの助言を受けた尚文により能力項目の変異性が上がって以降は今までなかったLvの項目が出るなど徐々に進化をし始め、体を大きくするなど様々な能力を身に着ける。直接攻撃することは少なく、誕生した当初は攻撃力が低かったが、砦でのトゥリナ戦では、鳳凰剣を使い、過去の天命との連携攻撃で大ダメージを与えている。また魂に攻撃を行うことができ、転生者の魂に止めを刺したことがある。過去の天命の魂の残滓を使って、だふちゃんとしてラフ種に転生させたり、朱雀に取り込まれたフィロリアの魂のサルベージを行えるなど、死者の蘇生に近いことまでできる(尚文は体が魂で出来たスピリットがいる世界で生まれたからできると予想している)。
- 村の魔物たちのクラスアップの際には、同じような姿の魔物となる特殊なクラスアップができるようになり、その魔物たちは「ラフ種」と名付けられ、本格的に新種の魔物扱いされるようになる。Lv100越えの儀式をガエリオンから受けた後は、やり方を覚えたのかできるようになった。
- web版は誕生の経緯が全く異なる。書籍では名付け親は尚文だが、web版はサディナが名付けており、ラフタリアの関係者でとある人物であることが示唆されている。
- アニメではEDクレジットに名前がないため声優は不明であったが、ラジオにて明らかとなった。
- フィーロ
- 声 - 日高里菜[106][7] / 井口裕香(ドラマCD)[8]
- 白と桜色を基調としたフィロリアル・クイーン。アリア種。人型の時は光沢を放つ艶やかな金髪、透き通った海のような碧い瞳、雪のように白い肌。海外の子役アイドルも裸足で逃げ出すレベルの完成された幼女[107]。尚文のことは「ごしゅじんさま」と呼ぶ。
- 奴隷商(魔物商)のところで魔物の卵くじで購入した卵から孵化した鳥型の魔物フィロリアル。四聖勇者である尚文に育てられたことで上位種のフィロリアル・クイーンになり、金髪で背中には羽を生やした天使を彷彿とさせる少女に変身できるようになる。現女王のフィトリアから次期女王候補とされている。人間形態時の服は魔力で作られたものであり、フィロリアル形態の際は消えてリボンは首輪となる。洋裁屋に「変身すると肉に食い込む」と脅されて以来、それがトラウマとなって魔法鉄を選んだ時も鎧を避けたり[108]、尚文がアクセサリーを作ってくれると言われ肉に食い込むのを嫌がってヘアピンを頼んだ[66]。奴隷商に駄羽同士の銀貨50枚の食肉用の安物だと言われたことを気にしており、尚文にそれ以上の価値があると認めてほしいと思っている[51][109]。
- 食欲旺盛でフィロリアルの特性上、馬車を引くことが大好き。行商の馬車を引いてメルロマルク各地を回っていた際には神鳥と呼ばれている。また、歌うことも好きであり、人々を魅了する腕前を持ち、後にアイドル活動もするようになる。普段は遊ぶことと食べることしか考えていないが、魔法や異世界の言葉を感覚的に覚えて使いこなすセンスがある(TVアニメ版では魔法屋に魔法の適性を見てもらい「フィーロは風属性、敵はみんな吹っ飛ばす〜。」と歌っていた[110])。
- 当初は我が儘で舐めた口調で尚文の言うことを拒否し魔物紋を発動させても魔法を飛ばして解除してしまったが、高度な魔物紋を施しても言うことを聞こうとしなかったため、奴隷商に売り渡すと尚文が痛む良心をこらえて心を鬼にして躾けたことにより言いつけを守るようになった[91][111]。かなり食いしん坊で腐ったドラゴンの肉を見た際も美味しそうと言っている。ただ尚文の美味しい料理を食べ続けたことで舌が肥えており好き嫌いはしないが、味の感想を聞かれると尚文の料理以外は「ごしゅじんさまのより美味しくない」と答えている[64]。
- 育ての親である尚文に対しては実の子供のように懐いているが、尚文にどれくらい好きかと聞かれた際は番(つがい)の相手になってほしいくらい好きと答えている。メルティとは親友で、彼女が危機的状況の時はすぐに助けようとする。また、自分の身が危険な時はこの二人に助けを呼んでいる。元康のことは普通のフィロリアルだったころに馬鹿にされたことで嫌っていて、会う度に蹴飛ばしている。仲間に裏切られ落ち込んでいる元康を気まぐれに慰めたせいで、壊れた元康から「フィーロたん」と呼ばれてストーカーのごとく追い回されたことでさらに嫌うようになる。
- 魔法適正は風。フィロリアル形態と人型形態のどちらでも戦闘が可能。俊敏で高い攻撃力をもつメインアタッカー[34]。当初は常にフィロリアル形態で戦っていたが、フィトリアから大柄で的が大きいため使い分けて戦うように言われ、人型形態の戦い方も教わり、以降は基本的に魔物や大柄の人間にはフィロリアル形態、人間相手には人型形態で戦うようになる[112]。また、フィトリアとの稽古で気を使えるようになる。武器は爪を使っており、フィロリアル形態は足、人型形態は手に装備する。ゼルドブルで当たると火柱が出るモーニングスターを手に入れ、隠し武器として扱う。後にロミナによってボーラに改造される[113][114]。
- 絆の異世界に渡るとフィロリアルからハミングフェーリーという魔物に変化する。空を飛ぶようになり魔法を中心に戦い、歌で援護する。魔竜の四天王の一人、風のクーフィリカが除名された後に、魔竜に以前取り込んだ借りを返すとして強引に四天王の一人「風のフィーロ」に任命され[注 14]、四天王の能力やフィロリアル形態での飛行能力を獲得する。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、尚文と並んで元康の最優先保護対象となっているが、巡り合えていない。
- フィーロが盾本編と同じになる条件が作者活動報告『槍の勇者、完結について。』であげられている。盾が主であること、盾の隣に外見が大人の女性がいる、次元ノキメラの肉を食べる、自己主張しないと欲しい物が手に入らないと思わせる、があげられている。
- メルティ=メルロマルク(メルティ=Q=メルロマルク)
- 声 - 内田真礼[106][7]
- メルロマルク第二王女。王位継承権第一位。フィーロからは「メルちゃん」、フィトリアからは「メルたん」と呼ばれている。濃い色合いの青い髪(当初は紺色[115]と尚文に評されたが、書籍版4巻以降は藍色の髪[116]。)のツインテールで、年齢は十代前半。
- 姉にまったく似ず王族としての責任感があり、友達を大切にする性格。そのため、王位継承権は姉より上。見聞を広めるために女王の下で学んでいた。フィロリアルが大好きでフィロリアルに関する知識量も高く、元康からフィーロの婚約者として扱われる。
- マルティに唆されて顔が見たいというオルトクレイの頼みに不審を抱いたミレリアに護衛をつけられ、オルトクレイの盾の勇者に対する差別をやめさせるよう命を受け帰国した。王都に向かう途中、普通のフィロリアルに化けていたフィトリアと会い、仲良くなろうと追いかけているうちに護衛とはぐれる[117]。その後、偶然尚文一行と出会い、フィーロと仲良くなり親友となる。
- 尚文とオルトクレイとの間に和解のための話し合いの場を設けようとするが、尚文からはオルトクレイの娘でありマルティの妹ということでろくに話を聞いてもらえず、さらに父親であるオルトクレイを罵倒したため、尚文が父と姉により陥れられた冤罪事件を知らずに激怒する。謝らせようと追いかけたが、さも味方のように装い同行した三勇教信者の近衛騎士に暗殺されそうになったところを尚文一行に助けられ同行することになる。
- 三勇教の教皇を倒し、尚文の冤罪が晴れてからは、尚文たちとの旅の最中、メルロマルクの貴族の亜人奴隷に対する残酷な仕打ちを見たことで、メルロマルクを人間と亜人が仲良くできる場所にしたいと決意する。霊亀事件後は領主となったエクレールの補佐をしていたが復興事業などほとんど任せきりとなっている。
- 助けてくれた尚文のことは異性として意識しているが、尚文からは子ども扱いされたり名前で呼ばれないなど、ややぞんざいな扱いを受けており、その度に「何ですって!?」と怒りを露わにする。しかし、実際は自分が元の世界に帰った後、フィーロを預けたいと思うほど強く信頼されている。ミレリアが亡くなった後は悲しみつつも気丈に振舞っている。フォーブレイの戦争後は母同様に若くして女王に即位する[32]が、責任感はあっても権勢欲はないため、視察の名目で尚文の村を訪れては仕事の多さを愚痴りつつも寛いでいる。からかわれた仕返しとして、尚文に大公の位を授与するが、それが尚文を自らの婚約者であると正式に認めたことになるとオルトクレイに指摘されるまで気づかないなど、まだまだ年相応に抜けた一面もある[32]。
- ルロロナ村で起こった時間転移に巻き込まれ、守がいた過去に飛ばされた際は、シルトランの手伝いや敵対国のピエンサに対する情報戦など外交や政治活動で尚文たちをサポートし、その厄介さからピエンサからは母親と同じ「女狐」と呼ばれるようになる。しかしそのことで目を付けられてしまい、ピエンサと組んだ神を僭称する者に馬車の眷属器と共に連れ去られてしまう。
- 魔法適性は水と土。特に髪の色に出ているように水属性の資質が高い。尚文たちと出会った当初は、Lvは低かったものの技術を磨いていたためかそれなりに強い魔法を使っていた。魔竜との戦いの後は、力不足でLvを上げたいとは言った際には尚文によって半ば強引にLv上げの旅にフィーロやラフちゃんと一緒に行かされる。その際フィトリアと再会し、鞭の強化で資質を上げてもらったことと、訓練でより強くなる。変幻無双流は習得していないが、体に魔力を循環させて能力を上げている。フォーブレイとの戦争ではLv130のナナを相手がLv以外未熟だったとはいえ捕らえており、リーシアによるとエクレールより強いと言われている。
- 元康からの呼称は「青い子豚」改め「(フィーロたんの)婚約者」。『槍の勇者のやり直し』においては、勝手にフィーロの婚約者扱いしてライバル視してくる元康の言動・行動を理解できず、ぞんざいに扱っている。ある周回ではヤサグレていない尚文に助けられたことで素直に恋慕している。
- 漫画版とアニメ版では、教皇戦で尚文がラースシールドによって暴走しかかっていた所を呪いの炎を受けながらもラフタリアとフィーロと共に止めたり[118][119]、アニメのカルミラ島の波にも参加し、ラルクたちとの戦いにも加勢したり[120]と尚文たちの仲間としての立ち位置が強くなっている。
- Web版では尚文がオルトクレイと衝突してメルロマルク国を見限り王城を去る際、女王の影武者に扮した影と共におり、尚文との出会いは書籍版・漫画版より遅い。オルトクレイの所業を知らずに「父上にひどいことをした」と激怒して追いかけて暗殺されそうになり尚文に保護される。女王に教育を施されるも周囲の影響で「盾の勇者だから尚文は極悪人」と思いこんでいた[Web 3]。
- アトラ
- 声 - 三上枝織(ドラマCD)[8]
- ハクコ種の亜人。フォウルの妹。シルトヴェルトの王族の末裔だが、人族との混血で迫害される。亡き母ルシアに瓜二つの外見。
- 尚文たちと出会った時は、身体中に火傷のような跡があり、遺伝性の病を患って目も見えず歩けなかったが、尚文が最高クラスの治療薬のイグドラシル薬剤を飲ませたことと盾の力で完治し、病弱であったことが嘘であったかのように元気になる。自身を救った尚文を心底慕っており何度も寝込みを襲おうとして、フォウルとラフタリアに阻まれている。病弱なころからフォウルから守られたこともあり、守ることに憧れを持っており、尚文の盾として守りたいと思っている。尚文の剣であるラフタリアとはライバル関係となっており、よく言い争いや実戦さながらの稽古を行っているが、互いに認め合っている。人の本質を見抜くなど聡い性格ではあるが、尚文を第一に考えているため、かなり過激な言動をとっている。兄のフォウルに対しては兄として大切に思ってはいるものの、元気になってからはややぞんざいに扱っている。
- 目は見えないままだが気の流れを読み行動し、平然と歩き、戦闘をこなすことができる。類いまれなる武術の才能を持っており、気の流れを見て的確に急所を突いたり、変幻無双流を見聞きしただけで再現するなど、尚文に兄貴より強いと言わしめる。ただ、なぜかLvが上がっても肉体が成長している様子がない。また、元々病弱で全身痛んでいたことから痛みに慣れており、奴隷紋の痛みを受けても平然としている。
- 鳳凰戦でタクトの横槍による鳳凰の自爆攻撃から、尚文と村の奴隷たちを庇い下半身を焼失する致命傷を負う。兄のフォウルには村の奴隷たちを自分と同等に扱うこと、尚文にはラフタリアをはじめとした女性陣の恋心に気付くよう遺言を残し、最後のわがままとして尚文のファーストキスを奪い死亡する。遺体は本人の遺言により尚文の盾に吸収される。
- その後、タクトに深手を負わされ、意識を失い、武器の精神世界に来た尚文の前にオストとともに盾の精霊として現れる[58]。尚文に助言と励ましの言葉をかけ、盾の中から見守っていると語り見送る[58][注 15]。
- 元康からの呼称は「虎娘」。フォウルとまとめて「虎兄妹」とも。元康からも鳳凰戦での活躍は高く評価されていることが外伝で語られており、オルトクレイを無力化するための重要人物として見做されるようになる。
四聖勇者
異世界において最高位の聖武器4つに選ばれた勇者たち。本来は「四聖教」という宗教で神格化されているが、数百年前に召喚された先代の盾の勇者が亜人を擁護して人間との仲を取り持とうとしたため、メルロマルクでは四聖教から分派して他3人の勇者を神格化した「三勇教」により盾の勇者の伝説は抹消されて盾の勇者だけは一段低くみられ、実際はそれならまだましな方で、極端な三勇教関係者からは「盾の悪魔」呼ばわりすらされている始末である。行商により尚文が「神鳥の聖人」と呼ばれるようになり評判が高まって権威が揺らぎ、「四聖勇者」全員の抹殺と国家転覆を企んだため、女王により討伐されメルロマルクの国教は「四聖教」となり盾の勇者も等しく崇拝されることとなった。
今代の勇者はいずれも、それぞれ似て非なる歴史を歩んだパラレルワールドの現代日本から召喚された。尚文以外の3人は元の世界で近似した設定のゲームをプレイしていたためゲーム感覚で、スキルにばかり頼って地道な訓練を嫌がり、自身のもつ常識に固執して互いに重要な情報を明かさないなど信頼関係が最初からなかった。4人で召喚された時のことを話した際、尚文が本を読んでいたらと言った途端、3人で彼を見下すようになり、彼らが弱職・負け組と蔑む尚文に「現実に向き合え! この世界はゲームなんかじゃない!!」と幾度となく言われてもまったく聞く耳を持たずにいた。 また、元康はマインにより、錬と樹はギルド経由で情報操作されて尚文に対する宗教的迫害に気づかず、冤罪事件はそれを真に受けて誹謗中傷した自分たちも同罪だと理解できず、尚文の名誉回復後も彼に謝罪することは無く自分たちには責任のないことだと考えている。鍛錬を怠り、その必要性を認識できずに弱いままだったため、別の異世界から来たラルクたちから見ると勇者と呼べる存在は尚文だけであり、他の勇者は弱すぎて「勇者を騙る偽者」と看做した。
尚文がカースシリーズの武器の使用や3人の強化方法を信じて実践し、尚文以外の3人との力の差が出始めたことで反発するようになり、優秀な素材目当てで霊亀に挑むが、これも彼らがプレイしたゲームでは手軽なクエストだったことが仇となり敗北、キョウに捕らわれ、尚文たちに救出されるも評価が地に落ち、雲隠れしてしまう。その後尚文たちに見つけ出されたが、介入してきた人物のせいでカースシリーズが発動するほどのトラウマに苦しみ、説得は難航するも最終的に和解、全員が「尚文の村(旧ルロロナ村)」で暮らすようになる。
- 岩谷 尚文(いわたに なおふみ)
- 四聖勇者の一人、盾の勇者。
- 北村 元康(きたむら もとやす)
- 声 - 高橋信[6][7]
- 四聖勇者の一人、槍の勇者。
- 21歳の大学生で、四聖の中では最年長。若干茶色の入った髪[80](TVアニメ版では金髪)をポニーテールにしている。尚文とは異なる日本から召喚された。二股をしていたことが原因で、女性二人[注 16]にナイフで刺された後に召喚されている[37]。この異世界に良く似たネットゲーム「エメラルドオンライン」をプレイしていて、ゲームの世界に来たと思っている[37]。
- 性格は猪突猛進。フェミニストで女の子は皆天使だと思っており、見境なくナンパをして女性の仲間を増やしている[注 17]。好みは『魔界大地』という作品のキャラクター「フレオン」に似た天使のような幼女の姿のフィーロ。リユート村の統治権を巡るレースの直前に股間を思いっきり蹴り上げられて以来[68]、その鳥と飼い主の尚文に恨みを抱く。フィーロと自身を蹴ったフィロリアルが同一だと知らずに尚文に酷使される奴隷の女の子だと思いこみ、蹴られた恨みを晴らすこととフィーロを救おうと暴走、民衆を巻き込んで尚文に往来で襲い掛かりエイクたちに制止されメルティにも叱責される。装備が豪華になるも蹴られてトラウマとなり股間にファールカップを装着して尚文の失笑を買うが、フィーロの真の姿を見てショックを受けた直後に蹴られてしまう[122]。
- 元の世界で刺されたことを教訓に女の子を信じ抜こうとしているが、リーシアのように病的に思いつめるタイプは無理心中の件で苦手としており、Web版でルコルの実を食べさせられそうになっているマインを助けようとするが、それを阻止しようと尚文に「私だけのものにしたいと刃物を研いでいたぞ」と囁かれた途端、硬直して放心状態になってしまう[Web 1]。ただし、基本的には女の子と楽しく過ごす主義。そのため、尚文の強姦疑惑もオルトクレイ同様にマインの嘘を疑おうとせず、いいように利用された。尚文に問いただされた鎖帷子は彼のものであり、マインが奪った盗品だとも知らずに着こんでいるが[123]、真相が明らかになっても何故か鎖帷子のことは誰にも言及されなかった。Web版でのみ、カルミラ諸島から王都に戻った際、女王に盗品だと突きつけられた[Web 1]。マインと肉体関係を持ち彼女の「処女」という芝居に騙され、女王とマインの会話で彼女が処女ではないことを知りショックを受ける。三勇者の間でも自身が贔屓されていることに気づかず、他の2人が不満をため込んでいることを知らなかった[20][28]。当初は主にマインとエレナとレスティをパーティを組んでいたがパーティメンバーは入れ替わりが激しかったそうで、挨拶も言伝もなく姿を消した者が多く、エレナによればパーティメンバーとして真っ当に働こうとする者や、マインの行動に疑問を持った者をマルティがイビったりハメたりして追い出したり、ライノのように売り飛ばしたりしていたが、肝心の元康はそれに気づくことはなかった[124]。アニメでは(表面上は)入れ替わりが起こっておらず、最初のパーティメンバーの魔導士(声 - 市ノ瀬加那)とダンサー(声 - 西田望見)とエレナらしき女性のままで固定されており、レスティが未登場となっている。
- 当初はゲームの知識を活かしてギルドの依頼をこなしつつ、ハーレムを形成するべく行動を開始、女の仲間は援護と声援だけで一切戦闘に参加させず、敵は元康だけで倒すワンマンプレイ[124]で、仲間に王女もいたため、勇者の中でも特に贔屓されていた。とある村の食糧難に失敗作として封印されていた植物を警告の注意書きを読まずに与えてしまい、大暴走した末に魔物まで生み出し、人間まで侵食する騒ぎを起こしてしまう[54]。錬と同様にメルロマルク3回目とカルミラ島の波でグラスらに敗北し、霊亀で挽回を図るも敗北[62]、仲間からは見捨てられ絶望して無気力になっていた所をフィーロに励まされる[62][125][126]。このことが切っ掛けで「フィーロたん」とフィロリアルをこよなく愛する自称「愛の狩人」になる。その後フィーロの馬車を持ち去って姿を眩ませ、強化方法の共有や文字の修得を行ったほか、自身でもフィロリアルを育成し、クー、マリン、みどりと峠で走り屋をする。峠での勝負で尚文とフィーロに負けて走り屋を止め、(フィトリアも警戒するほど)多数のフィロリアルを連れて尚文の村に居候になる[注 18]。
- 最愛のフィーロの育て親である尚文を「お義父さん」と慕うようになり、絶対服従を誓う。しかし、フィーロからは嫌われており、尚文も疎ましく感じている。また、全ての女性を豚としか認識できなくなっており、外見の区別どころか言葉も通じなくなっている[注 19]。例外としてフィロリアル・クイーンの人間形態、女性の獣人、フィーロの関係者(例:ラフタリアはフィーロのお姉さん)は豚にはならず会話も通じる。口調も語尾に「〜ですぞ」と付くようになっている[注 20]。TVアニメ版最終回ではファンサービスなのか、最後に「〜ですぞ」としゃべり、直後不思議そうにしていた[127]
- 魔法適性は火と回復[71]。勇者専用魔法は敵の魔法を無効化して吸い取れる「アブソーブ」[71]。カースシリーズは「色欲」と「嫉妬」が発現しており、呪いの代償はこの二つの感情。しかし元康は色欲が突き抜けているため目に見えた変化はなく、元康自身は代償に気付いていない[71]。また、鳳凰戦後に「憤怒」も発現しているが、尚文やフィーロが悲しむ姿を見て思いとどまり、使用していない。
- 外伝『槍の勇者のやり直し』では主人公兼語り部をつとめる。本編側で偶然入手してしまった龍刻の長針の能力である「時間遡行」で、「四聖の誰かが死ぬ」「世界を覆う結界が完成する」「自身が死亡した時間に到達する」のどれかの条件を満たすと、異世界召喚初日に戻される。物語本編終盤(これを「1周目」と数える)から時間遡行しており、記憶(一部混濁有り)やステータスは引き継がれている。所謂「強くてニューゲーム状態」なのだが、元康の行動理念が「フィーロたんの飼い主になること」と、「お義父さん(尚文)を助けること」であって、判断基準が非常に偏っている上、味方であっても中々会話が成立しない、女性関連がほぼ全員「豚」に見えてしまって会話すら不可能[128]になっているなど、常軌を逸した行動も多い。
- その中で、裁縫の才能があることや、ギャルゲーのような人生を歩んでいたことが判明[注 21]するが、前述の通り、元康自身の優先順位から外れている(覚えていない)者は放置されたりしている。周回のひとつでゼルトブルに滞在した際には仮面闘士「フィロリアルマスク(掛け声は「クエエエーッですぞ!」)」として戦っている。
- しかし、この龍刻の長針の能力である「時間遡行」は実際には幻のような物であり、本来は「存在しえない」ということが明らかとなる。「フィーロたんに出会う」という目的を達成し、ラフタリアによって現実世界へと帰還した。
- 外伝の続編である『真・槍の勇者のやり直し』では、「龍刻の長針」が「真・竜刻の長針」へと変化し、「時間遡行」が起きたのだが、今回は幻ではなく現実であり、前回のループする際の時間軸に戻っていくが、基本行動は変わっていない。
- 明らかに物語に登場していないフィロリアルの事や出来事を思い出したりしている事から、どれだけ周回を重ねているのか正確には不明である。
- 天木 錬(あまき れん)
- 声 - 松岡禎丞[6][7]
- 四聖勇者の一人、剣の勇者。
- 16歳の高校生。黒髪(1巻では若干茶色が混ざっているとある[129]。)で一見するとクールな印象の少年。VRMMOが存在する日本から召喚された[37]。巷を騒がす殺人事件に運悪く遭遇して一緒に居た幼馴染を助けようとして脇腹を刺された所で召喚されている[37]。この異世界に良く似たVRMMO「ブレイブスターオンライン」をプレイしていたため、死んでゲームの世界に来たと思っている[37]。立てる程度の浅瀬でも身体が固まって溺れてしまう程のカナヅチである[9]。
- 一匹狼というよりも人付き合いが苦手な性格で初期は仲間とは別行動のソロプレイが多く、ゲーム感覚で経験値稼ぎや討伐クエストを行っていたが、元康や樹と比べると多少は理性的に物事を判断する傾向はあった[130][131]。しかしプライドが高く、少々蔑んだ態度を取っていた[注 22]。そのため、紹介された時のラフタリアや勇者の指南役となったエクレールに対して見下す発言をしていた[130][133]。東の村で狩ったドラゴンの二次災害[注 23]を聞いた時は、自分のせいで大きな被害を出してしまったことに素直に謝罪する一方、自身がカナヅチであることやエクレールとの決闘でルールを破って反則負けした際は認めようとしなかったりと、自身の見栄に関して意地になる傾向がある[135][9][133]。メルロマルク3回目とカルミラ島の波でグラスらに敗北。パワーアップのため、ゲームでは弱かった霊亀に挑み仲間が全滅する[136]。
- 霊亀での失敗を認められずにいた所に尚文から説得を受けるが、その直後にマイン(後述)に唆され、尚文と対立・逃亡する。その後マインに全財産を奪われて絶望の末、盗賊に身を窶す[125]。エクレールとの二度目の決闘の末に自らの過ちを諭されて敗北する。尚文と和解した後は尚文の村で修行するようになり、仲間を重視するようになる[48]。そのためか仲間を強く信頼することで出る「仲間の剣[注 24]」という武器を発現させる[71]。また、元々武器に興味があったこともあり、エルハルトたちの鍛冶を手伝うようになる。助けて貰ったエクレールのことが好きであり、また義理の父親であるガエリオンを殺してしまったウィンディアに責任を取りたいとも思っている。
- 尚文たちが絆たちの異世界に行った際、後を託されるが、責任感の強い性格になったことや元康やガエリオンといったフリーダムかつはた迷惑な連中に振り回され、その重圧と疲労によって倒れてしまった。そして村で療養している際に尚文たちと共に村ごと過去に飛ばされてしまう。
- 当初はVRMMOの経験から剣は多少使い慣れていたが、実戦での技術はあまりなく、最初の決闘の際、エクレールからも呆れられていた[133]。しかし真面目に鍛錬し始めてからは、技術がかなり上がってきており、ラフタリアからも「単純な技術で相手になるかわからない」と言わせるほど成長している。集中力もかなりあり、一対一では強いが、その分相手にしか注意が向かず、不意打ちなどに対応できないという欠点をもつ。
- 魔法適正は水と援護[71]。勇者専用魔法は味方や敵の魔法を付与できる魔法剣「マジックエンチャント」[71]。カースシリーズは「暴食」と「強欲」が発現している。呪いの代償は暴食が経験値が入らず、強欲が触れた物を劣化させる。Web版では、鳳凰戦での出来事が原因で「憤怒」も発現していることを尚文に明かしている[Web 5]。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、4周目や7周目で槍の効果確認や前のループの原因となったことからの憂さ晴らしで召喚直後に殺されたり、5周目では元康・尚文がメルロマルクから消え、樹が優遇されるため1人冷遇されるなど扱いが悪く、メルロマルクへの疑心が高まった結果ゼルトブルに移る。
- 同作者がWEB連載をしている魔獣戦記ブレイブスター(仮)でもサブキャラとして登場する。なお同作主人公からは、召喚前は「ソロ思考のちょっと痛くて、あんまり強くなかったけど。現在では一皮むけたようで人間的にも成長して強くなっている。」と思われている。
- 川澄 樹(かわすみ いつき)
- 声 - 山谷祥生[6][7]
- 四聖勇者の一人、弓の勇者。
- 17歳の高校生。一見すると育ちの良さそうな巻き毛の少年。尚文とは異なり異能力のある日本から召喚された。ダンプカーに撥ねられた所を召喚されている[37][137]。この異世界に良く似たコンシューマーゲーム「ディメンションウェーブ」をプレイしていて、ゲームの世界に来たと思っている[37]。命中の能力者(Eクラス)で高精度で狙撃ができる[71]。異能力のランクが低いことにコンプレックスを持ち、さらに周囲からも見下されていたため現実を忘れるためにゲームにのめり込んでいた[137][71]。
- 正義感が人一倍強く、初期はメルロマルク内で正体を隠しながら悪人を潰して回っている。一方で、自分の活躍への顕示欲は人一倍強く、性質の悪い自己陶酔に陥っている。また勇者という立場を明かさない上、被害者側の言い分しか聞いていないため根本的な解決にはならず、被害が悪化した案件もある[注 25]。強姦魔の冤罪を受けた尚文に対しても、悪と決めつけて糾弾していた。それらの件に関しては、自分とは関係がないと言うなど、無責任なところがある。経験値稼ぎの狩りの際にもコンシューマーゲームの感覚で横取り行為をして自身の非を認めない所があった。Web版では、仲間を自分の引き立て役として見ている節があり、「ピンチを颯爽と助けるかっこいい自分」を演出するため、仲間の危機的状況を作り出すべくわざと手を抜いたり、嘘をつく悪癖があることが明かされている[Web 6][注 26]。リーシアに対する仲間内での陰湿なイジメにも同調し、ついには「弱いから」という理由[注 27]で冤罪にかけて追放しており、それが原因で尚文と対立し、元康よりも軽蔑されるようになる[34]。
- 錬と同様に霊亀に挑み敗北し、仲間に縛られて逃げられる。尚文やリーシアたちに助け出された後、マルドたち元仲間やマイン(後述)に唆されてゼルトブルのコロシアムでパーフェクト=ハイド=ジャスティスというリングネームで賞金稼ぎをしていたが、稼いだ賞金は豪遊に使われ借金を置いて逃げられる。コロシアムでリーシアとの一騎打ちの末に敗れ、その後、マインに逃げられたことを知り絶望するも、見捨てたはずのリーシアから諭され説得を受ける。尚文からも借金を肩代わりしてもらい、尚文の村でリーシアの介護を受けて生活する。リーシアに対して、カースの代償を受けている中、少しだけ元の表情に戻り、今までのことに対して涙ながら謝罪する。それ以降は、以前のような傲慢さや自己弁護がなくなり、宮地に対して悪事を働く理由を問いただすなど、精神的に成長する。絆たちの異世界での宮地との戦いの後、尚文に自身が既に呪いを脱して完全に元に戻った状態となっていることを明かす[注 28]。そして波が終わっても異世界に残り、これまでのことを償い続け、みんなの力になれるように頑張りたいと語った。しかし裏切り者のマルドを拷問して痛めつけるなどといった容赦のなさも出てきてしまっており、リーシアを困惑させている。
- 異能力がある世界なため評価されてなかったが、音楽の才能があり一度聞いた音楽なら再現可能で、異世界の知らない楽器でも即興で弾くことができる。尚文に同行して絆たちの異世界に渡るも敵の妨害で弓の機能が封じられた際には一時的に楽器の勇者になる。
- 魔法適正は風と土[71]。勇者専用魔法は敵の全ての能力を低下させる「ダウン」[71]。また、音楽の才能から絆たちの世界の高度な演奏魔法をすぐに習得し、草笛で楽器の眷属器をもつ宮地と渡り合えるほどの実力をみせた。カースシリーズは「傲慢」が発現しており、呪いの代償は意思の欠落、無表情となり、相手の言うことを何でも聞いてしまうなど、決断力が低下してしまう[注 29]。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、3周目や7周目で槍の効果確認や前のループの原因となったことからの憂さ晴らしで召喚直後に殺されたり、シルトヴェルト編(5周目)でもマインに唆される本編の元康ポジションに収まっているためメルロマルクからの扱いは良いが、仲間のマルドに裏切られ殺されるなど扱いが悪い[注 30]。
七星勇者
- リーシア=アイヴィレッド
- 声 - 原奈津子[7]
- 七星勇者、投擲具の勇者。
- メルロマルク北部の没落貴族の娘。見た目は緑色の髪を三つ編みにした14歳前後に見える少女。童顔だが、実年齢は17歳。悪徳貴族によって身売りされそうになったところを樹の正義の世直しで助けられ、感銘を受け彼の仲間になる[注 31]が、いくらレベルを上げても弱かったこととカルミラ島の波で活躍したことで樹とその仲間から冤罪をかけられ解雇される[34]。自殺を図るが尚文に諭され樹に認めて貰えるほど強くなるため尚文の仲間になる[34]。カルミラ島で手に入れた「着ぐるみ装備(後述)」を気に入っている。小説版では助けられた後、樹にお礼を言っている所を尚文たちが目撃するが、漫画版、アニメ版ではカットされている。
- 性格は気弱で何かあると「ふぇええ」と情けない声を上げる。一方で鋼のように真っ直ぐな精神があり、樹のパーティ内で使い走りにされたり、冷遇されても樹のために頑張ろうとしたほど。助けてもらった樹に対して一途に思っており、解雇の際に冷たく突き放され、尚文の仲間になった後もその思いは変わらなかった。そして正義感はかなり強く、卑劣な悪人に対して怒り、隠された力を覚醒し、普段とは見違えるほど勇敢に戦うようになる。
- 波が来るまでフォーブレイの学校に通っていた。頭もかなり良く、別の異世界の言語も数日勉強して完全に覚えたほど。謎であった霊亀の使い魔の正体をつかんだり、波の秘密が書かれた文書の解読を任されたりと知識面でも活躍する。
- コロシアムで賞金稼ぎをしていた樹と対峙して、弓の聖武器に認められ投擲具の眷属器に選ばれる[注 32]。その後は呪いの後遺症を患った樹の世話係になる。
- 魔法適正は火、水、風、土[34]。本来は後衛型の適性を持っていたが、前衛を欲していた樹によってクラスアップで近接の資質を上げたことで中途半端なステータスになってしまう[141]。尚文の仲間になった時点でLvは「68」だが、ステータスは「Lv1桁時のキール」より少し上と尚文に同情されるほど低い。ただ、変幻無双流のエルラスラからは体外から集めた気を体内に留める資質が人一倍高く、100年に1人の逸材と言われているほど才能があり、卑劣な悪人と対峙した際には覚醒して低ステータスとは思えない活躍を見せる。ステータスに関しては大器晩成型で、2つの世界を合算した際のステータスは同Lv帯のフィーロを上回ること、後にLv71以降にステータスが伸び始めると判明する。変幻無双流の習得と投擲具に選ばれたことで遠近をこなせる万能型となった。投擲具に選ばれる前は剣を武器にしていた。
- 元康からの呼称は(樹の)「ストーカー豚」。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、シルトヴェルト編(5周目)で他国に逃亡した尚文たちの罪をでっち上げる生贄として殺されたり、メルロマルク編(6周目)で樹の評価が落ちた際に実家に呼び戻されている。
- オルトクレイ=メルロマルク32世
- 声 - 仲野裕[142]
- 七星勇者、杖の勇者。
- メルロマルク国女王ミレリアの夫(王配)。四聖召喚時の王であり民衆にも「王様」と呼ばれるが、入り婿でありメルロマルクは女王制のため、不在時の代理の王。32世という名前の由来は不明だが、尚文は「メルロマルク女王と結婚し、王家に婿入りした32人目」ではないかと想像している。
- 三勇教と共謀して四聖召喚を行い、敵対国シルトヴェルトが神と崇める盾の勇者の尚文を嫌っており、様々な迫害に加担する。娘たちを溺愛しており、マルティに良いように利用されている。
- 若い頃に両親と親族がシルトヴェルトのハクコ種に皆殺しにされており、亜人とその神である盾の勇者を憎んでいる。故国が政治的な理由でシルトヴェルトに責任を求めなかったため、出奔して亜人と敵対関係にあったメルロマルクにて頭角を表し、七星の杖に選ばれて「英知の賢王」として名を馳せたほどの逸材。たった一人残った妹ルシアを失った辺りから陰りを見せ始め、現在はその面影がないほどに落ちぶれ、尚文にしてきたような愚かな蛮行をするようになってしまう。そういった言動により杖に半ば見放されて勇者の力を使えなくなってしまい、名ばかりの無力な七星勇者に成り下がっている。TVアニメ版ではグラス戦後に衝突して尚文が去った後、ミレリアの依頼もあり「盾の勇者との和解を」と進言するメルティに対し、我を忘れて声を荒げるほどにその恨みは深く、再び家族を失うことを恐れている様子も描写されている[143]。世界会議の決定を無視して「四聖勇者を各国が1人ずつ召喚する」という協定を破り独占を図ったことでメルロマルク国を波の前に戦争で滅ぼしかける大罪を犯し、私怨で「盾の勇者」を迫害して知らずに次期女王暗殺未遂に加担してしまったにも関わらず、親族を殺したシルトヴェルトのハクコ種を憎むあまり亜人を擁護した先代「盾の勇者」を悪魔と看做し、尚文をも災いを齎す(もたらす)悪魔だと決めつけて迫害したことを弾劾裁判でも家族とメルロマルクを守る行為だと信じて疑わない[144]。
- 本名は「ルージュ=ランサーズ=フォブレイ[注 33]で、フォーブレイの王位継承権第30位の元王子。メルロマルクにとっては英雄であり、過去の業績を知るものからは敵国を油断させる演技だと考えられている面もあるが、尚文からは影武者が成り済ましていると思われている。私的な面においては妻であり女王のミレリアのことも深く愛しているなど、落ちぶれてしまった現在でも家族思いの性格。
- 女王ミレリアの帰還後は尚文による改名と代理国王の地位剥奪に処される。改名後も相変わらず盾の尚文に反抗心を持ち続け、波や守護獣の戦いでも加勢しようとせず勇者と発覚した後も杖の強化方法を尚文に教えようとしなかったが、亡くなった妹ルシアに瓜二つのアトラを見て沈静化する。アトラが感じる気配は「分裂した」と勘違いするほどフォウルと似ている。
- 妹の忘れ形見である姪アトラが戦死し、さらにマインが取り入ったタクトに最愛の妻のミレリアが殺され、完全に意気消沈してしまうが、精霊から頼まれていた尚文に叱咤され闘うことを決意する。尚文にこれまでのことを謝罪・和解し杖の勇者、そして英知の賢王として復活する。タクトとの戦争では尚文に杖を託しつつ、英知の賢王としての頭脳を発揮しフォーブレイ軍の全滅に貢献する。
- 英知の賢王として復活した後は、これまでとは打って変わった、好々爺となる[注 34]。尚文に敬意を払い、メルティの婚約者として認めたり、宿敵であったシルトヴェルトとのわだかまりもなくなっている[32]。また、これまでの蛮行からクズを名乗り続けることを決意している[注 35]。マインに対しては、尚文に「チャンスがあれば息の根を止めろ」と伝言するほどに愛想を尽かしているが、溺愛していたこともあり「(自分では)手心を加えてしまうかもしれない」と懸念しており、後述のライノが属する組織にはマインに関しては全権を委任している。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、ループした元康に企みをすべて見破られていることからか、本編より強引な手に出ることが多い。元康からは尚文零落の元凶の一人としてマインと同等に憎悪・警戒されているが、殺すと厄介なことになるのでほとんどの周回で生かされており、本編と同じように女王によって無力化される展開が多い。元康によってアトラに引き合わされてある程度改心したりもする。
- フォウル
- 声 - 増田俊樹(ドラマCD)[8]
- 七星勇者、小手の勇者[注 36]。
- ハクコ種の亜人/獣人。アトラの兄。シルトヴェルトの王族の末裔だが、人族との混血で迫害される。
- アトラの治療費を稼ぐためにコロシアムで戦っていたが、尚文にアトラ共々奴隷として買われる。極度のシスコンだが元気になったアトラには煙たがれ、手のひらに転がされているようなところがある。アトラに慕われている尚文に対して嫉妬しているが、アトラを救ってくれたことを感謝し認めているところもある。クテンロウでラフタリアにアトラに対する自分の考えの間違いを指摘され、以降ラフタリアの舎弟になり「姉貴」と呼ぶようになる[注 37]。 21巻での会話によると、過激な選択が多いアトラと違ってフォウル自身は実は穏健な性格。そのためか脳筋バトル型であるハクコの同族は苦手。
- 肉弾戦を得意としており当初は戦力として買われたが、才能を開花させたアトラの方が強くなってしまい、やや頼りない印象であった。しかしシルトヴェルトで父の仇に相対して獣人化に覚醒し、さらに盾の獣化補助で白虎に変身できるまで強くなる。変幻無双流の修行も行い、鳳凰戦前でアトラと互角に戦い引き分ける。精神的な未熟さから当初小手の眷属器を引抜くことができなかったが、鳳凰戦でアトラを喪い、何もできなかった自分を責めつつ、アトラの遺言から村や仲間たちをアトラと同じように扱い守る覚悟を決めたことで小手の勇者に選ばれる。同じく悲しみにくれ、自暴自棄になっていた尚文を一喝し、以降は尚文をアトラが慕う男として認め、「兄貴」と呼ぶようになる。
- 元康からの呼称は「虎男」。オルトクレイと並ぶとアトラが感じる気配は「分裂した」と勘違いするほどで、レベリング後の成長した姿も若いころのオルトクレイと似ているとはミレリアの弁。
- フィトリア
- 声 - 丹下桜
- 隠された七星勇者、馬車の勇者。
- 世界のフィロリアルを統括する女王。遥か昔に四聖勇者が育てた伝説のフィロリアル。白と空色を基調とした外見で、本来のフィロリアル体では全長は6mになる。空色の交じった銀髪のショートボブ、瞳の色は赤。人間体はフィーロと同程度の背格好[147]であり、その他に空のように青い普通のフィロリアルにも擬態できる[117][148]。クラスアップの際に干渉することで身体面を中心としたステータスを2倍近く上げることが出来る。
- フィロリアルの聖域に住み、人里離れた龍刻の砂時計を中心に波に対処しており、霊亀とタイマンで戦えるほど戦闘能力に優れている。
- クイーンになったフィーロの実力を知るためと勇者の内情を知るために封印から解かれた魔物タイラントドラゴンレックスと戦う尚文一行の前に現れる。四聖がいがみ合い、メルロマルク以外の各地の波を放置して居ることに呆れ果て、場合によっては現四聖を処分して新しい四聖を召喚させようと考える。フィーロの試練を終えた後は実力を認め、冠羽と祝福を与える[112]。そして現四聖処分を保留にし、尚文に他の勇者と和解し、協力し合うことを約束させる[52]。その後はフィーロの冠羽を介して監視と連絡を行う。あれやこれやと指示を出す割りに詳しい理由を聞いても「昔過ぎて覚えていない」と答えたり、断りもなくフィーロとラフタリアのクラスアップに干渉するなど、尚文からは今ひとつ信用されていない。
- 霊亀事件では、独断専行した他の勇者を追うために尚文が協力を求めるが、世界を守るために結界を張る霊亀の使命を知っていたので見殺しにすることは不本意だったが、好き勝手する勇者たちを見放してしまう。しかし、キョウによって霊亀が「世界の敵」と化して守護獣としての使命を果たせなくなったため、霊亀の足止めのために駆けつける。
- フィロリアルであるためドラゴンとは犬猿の仲であり、尚文にフィロリアルシリーズの武器を全解放させる素材を渡すも裏でドラゴン系統の武器にロックをかけている[注 38]ほか、聖域の巣には対ドラゴン用の武器・装備が貯め込まれている。
- 霊亀戦で馬車を変化させたり、資質上昇もできることから勇者と思われ、尚文からも指摘を受けるがなぜか話そうとしない[注 39]。後に馬車の眷属器の存在が明らかとなったため確定となった。
- 尚文たちが過去の世界に飛ばされた際、過去の本人と出会う。まだ魔物のフィロリアルではなく、守の鳥型の使い魔であり、現代よりもう少し幼い7歳くらいの人型の姿にもなれる。新しい魔物を生み出したいホルンによって改造されており、運搬に突出した能力をもつ。まだ自我がはっきりしてなく、尚文も「魂的な物がない」、「プロト・フィトリア」と語った。実は馬車の眷属器に、使い手になり得る魔物を生み出してほしいと頼まれたホルンがそのために改造されていたこと、未来のフィトリアは守とフィロリアの因子が魂に埋め込み、娘として生まれたものであることが明らかとなる[注 40]。フィトリアは大切なものを守るために、そして自分たちという存在を生み出すために馬車の勇者と守の娘となることを決め、守は悩んだ末に受け入れる。しかし儀式前に神を僭称する者に馬車を奪われてしまう。
- 元康からの呼称は「大きなフィロリアル様」。後に「フィトリアたん」。元康にフィーロの次に好きと言われるが、フィーロ同様に嫌っている。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、初対面時に飛び掛かられたため、嫌うというより怖がっている。
メルロマルク
王族
- ミレリア=Q=メルロマルク
- 声 - 井上喜久子[7]
- メルロマルク国の最高権力者である女王。メルロマルクは女王制の国で正統な王。紫色の髪をもち、10代後半の娘がいるとは思えない美女[注 41]。
- 世界を旅してきたこともあり、博識で広い視野で物事を見ており、人間至上国であるメルロマルクの統治者であるが、亜人に対しての差別意識はなく、亜人との共存政策を進めていた。他国からは「メルロマルクの雌狐」と呼ばれ、すさまじい交渉術を持ち、外交のためメルティと共に出張中にオルトクレイと三勇教の暴走による四聖勇者召喚を糾弾され、体調を崩して高熱に苛まれる上に食事も喉を通らないのを周囲に隠し、暗殺者を差し向けられるのを知っていたのは同行したメルティと影だけだったが、そうしてメルロマルクで四聖勇者全員が召喚された日、四聖勇者召喚に臨んだ本来の権利を有する大国フォーブレイの国王(クズの兄)や各国の首脳と渡り合って戦争を回避し四聖勇者全員を抱え込むことに成功した[117]。尚文たちの異世界で一応は戦争が起きないのは彼女の手腕によるところが大きい。ただ少々天然ボケめいた面もあり、尚文の「四聖勇者が協調しなければフィトリアに全員殺される」という、フィロリアルの聖域での出来事についての説明を目を輝かせつつ聴き「私もフィロリアルの女王に会ってみたかった」と残念がり、「重要なのはそこじゃないだろ」とツッコまれていた[149][注 42]。
- 娘のメルティのことは次期女王として期待しているが、マルティのことは全く信用していない。夫のオルトクレイは「英知の賢王」としての知略と強さに惚れていたが、今の落ちぶれた姿に幻滅している。しかし家族思いの性格でもあるため、マルティを改心させようとしたり、オルトクレイにかつての「英知の賢王」に戻ることを期待している。二人の処罰に関しても、尚文に遠回しな提案で命までは取らないよう頼んだ[注 43]。
- 帰還後、三勇教の教皇との戦いで助太刀し、勝利に貢献する[151]。尚文の意識が戻った後、オルトクレイとマルティを改名の処罰をし、尚文にこれまでの非礼を謝罪し、協力を約束する。四聖勇者に絶大な信頼を寄せ、金銭面や素材提供などでバックアップし、波や守護獣との戦いでは兵士の全体の指揮として戦いに参加している。
- 会議のために尚文たちとフォーブレイに訪れた際にマインに取り入られたタクトに致命傷を負わされる。撤退後に治療を行われるがクズ(オルトクレイ)に後を託す遺言を残し死亡する。
- 魔法適性は火と水。主に氷の魔法を使っている。頭脳は明晰で指揮能力も高いが、全盛期のオルトクレイには劣る模様。
- Web版でカルミラ諸島から帰還した尚文に「裸の王様」の如くマントと下着だけで城下町を歩かせたクズの姿を見せ、尚文が酔わないことをマイン(後にマイン)が知らないことを見抜き、それどころかルコルの実も平然と幾つも食べる尚文の姿を見せてマイン自身にルコルの実を食べさせる罰を与えた[注 44]。実は、マインが尚文の部屋の鍵を開けるのを宿屋の主人が目撃していたが、権力で口封じをしていたと尚文と元康に告げた。また、事件当初にエルハルトが尚文の濡れ衣を晴らそうとマインが盗んだ鎖帷子の管理番号証明を依頼したもののマルティとオルトクレイに握り潰されており、元康が我が物顔で着用する鎖帷子にもある銘と管理番号[注 45]が記載された紙を元康に確かめさせて盗品の現実を突きつけた。さらには、鎖帷子や金品共々に盗まれ、シルトフリーデンの好事家が送って来たという尚文が召喚された時に着用していた衣服を返却する。クズを裸で歩かせたのは冤罪事件当時、金品と防具を奪われインナー姿の半裸で放逐された尚文の屈辱を少しでも償うためだった[Web 1]。尚文が強姦冤罪を被った序盤を除き、書籍版・漫画版・TVアニメ版では鎖帷子の件は何故か一切触れられなかった。
- 外伝『槍の勇者のやり直し』のメルロマルク編で、第2子の王子がいたことが語られ、シルトヴェルト国と和睦を結ぼうと考えるが、来賓の少年により息子を毒殺されてしまう。少年も犯行を自供して恨み言を叫んでいたが、彼のつき添いとマインが似ており、証拠は掴めないもののマインの犯行を確信して下の娘のメルティを別個に育て守った。しかし、クズとはその事件を機に溝が出来てしまう[Web 7]。
- 漫画版ではシルエットながらドレス姿でフィロリアルに騎乗したが[118][152]、TVアニメ版では軍装に身を包み馬に変更された[119]。カルミラ諸島での海戦を指揮した時も軍装だった[120][127]。
- オルトクレイ=メルロマルク32世
- マイン・スフィア(マルティ=S=メルロマルク)
- 声 - ブリドカットセーラ恵美[142]
- メルロマルク第一王女。王位継承権第二位。
- 最初尚文の唯一の仲間「マイン・スフィア」として旅立つが、全財産と装備を奪い取った後、尚文を強姦魔にでっち上げた張本人[注 46]。その後、槍の勇者の仲間として旅立つ。度を越した贅沢と浪費を当然と考え、人を騙して陥れることを好み、最後は騙した相手に真実を告げて嘲笑うという性格[注 47]。女王から全く信頼されなかったため、第一王女だが王位継承権はメルティの方が上であり、三勇教の起こした事件ではメルティを心配するふりをしながら暗殺しようとした。父親であるオルトクレイとは違い、他者を憎み蔑む明確な理由があるわけでもないのにどんな罰を受けても行いを改めることのない筋金入りのエゴイスト。
- 女王の帰還後は王族の権利を剥奪された上、勝手な真似ができないように最上位の奴隷紋を刻まれるが、それでも自己保身のための嘘を吐き続けた。尚文に名前を改名させられる[29]。さらに魔女の意味も込めて「ヴィッチ」と命名される[125]。その後も全く反省せず尚文を逆恨みする。
- 霊亀戦までは元康に付いていたが、元康が負けて落ち目になると捨てて錬に取り入る[125]。その後、錬から金品を奪って捨てた後、樹に賞金稼ぎをさせて貢がせた後で借金を押し付けて姿を晦まし[注 48]、元々交遊のあったタクトに取り入って母親殺しの片棒を担ぎ奴隷紋を解除する。タクトが敗北すると追手の手が伸びる直前に姿を消す。いつのまにかセインの姉らと協力関係になっており、絆の異世界に渡り、尚文たちの前に現れる。魔竜の領地での戦いでは、鞭の眷属器を所持して応戦するが、スパイであり、かつて騙して見世物小屋に売ったライノ[124]の裏切りによって鞭を奪われ、復讐による報復を受けて死亡する。尚文たちによって魂も消されかけるも、船の眷属器を奪った者によって魂は回収される。
- 魔法適正は火と風。尚文と元康の決闘では風魔法で横やりを入れ、三勇教事件の際には火魔法でメルティを亡き者にしようとしていた。しかし尚文に簡単に詠唱妨害で無効化されたり自身が放った魔法を跳ね返されたりしており、技術はあまり高くない。父・母・妹と知的な家族が揃っている中でも悪知恵こそ働くが知能は低く、他人を陥れるくせに自身が騙されたり裏切られることは考慮していない。
- Web版では霊亀戦後の勇者たちを引っ掻き回した末に三勇教残党と結託してクーデターを起こすが、ラフタリアに敗北。フォーブレイ王に献上される罰を受けるが、タクトと示し合わせ、用意されたホムンクルスを身代わりにして逃亡。フォーブレイの敗戦後、自身は助命されると思い込んでタクトを罵倒する[注 49]が、火炙りの刑で殺された後、グラスの世界の処刑人が連れて来たソウルイーターに魂を食べられる[Web 8]。
- 裏切られ女性を豚としか認識できなくなった元康からの呼称は「赤豚」。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、元康の最優先抹殺対象となっており、ほとんどの周回で序盤の内に元康によって殺害されている。オルトクレイも殺害された周回では一度だけ亡霊として復活、指導層が尽く不在となったメルロマルクを死都に変えて裏から支配するも、元康のソウルイータースピアで消滅させられた[注 50]。
- メルティ=メルロマルク(メルティ=Q=メルロマルク)
- メルロマルク第二王女。王位継承権第一位の次期女王。
- シゼル=メルロマルク
- メルロマルクの第一王子。作中ではすでに故人となっている。
- マインの弟でメルティの兄。マインにウロボロスの劇毒を飲まされてウロボロスの使徒になり、父親であるオルトクレイ(当時)に討たれている。
セーアエット領
町
- エクレール=セーアエット
- 声 - 青木瑠璃子
- 女騎士。国内でも5本の指に入る達人であり、メルロマルクの剣術大会で上位入賞する猛者。(ストロベリーブロンド)のロングヘア。尚文曰く「男装の王子」が似合う[153]。
- 領主であった父親が波によって亡くなった後、ラフタリアたち生き残りの亜人を襲った正規兵の奴隷狩りを制止しようとして捕らえられ王城の牢獄に入れられて衰弱していたが、女王の帰還後に無罪放免で釈放された[153]。治療を終えた後、エクレール以外の上位者は三勇教に加担していたかどにより投獄されたか左遷されていたこともあり、勇者たちの稽古の戦闘顧問として尚文やラフタリアたちと出会う[153]。霊亀事件では尚文たちと共に行動し、共に戦った。
- 非常に生真面目で実直な性格だが、騎士道に邁進してきたためか政治はともかく経済には疎い。霊亀事件後、亡き父に代わり領主に就任するが、復興事業は上手くいっておらず派遣されてきたメルティに任せきりになっている。
- ラフタリアとは領地を守れなかったことを謝罪して以降(ラフタリア自身はしようがない事情があったと気にしていなかった)は共に剣の稽古をしたりと親しくなる[153]。尚文に対してはやや非道な言動に注意したり頭を抱えたりするが、尚文が受け持っている旧ルロロナ村の方が復興が進んでいると思っており、領主として(非道な行動は)必要なことなのかと思い悩んでいる[注 51]。
- 勇者たちの稽古の戦闘顧問となった際に、錬に見下され決闘となり、剣の技術で追い詰めるも禁止していたスキルを使われ敗北、錬の反則負けであったが、錬は認めようとせず、いちゃもんを付けられる[133]。霊亀事件後に、カースシリーズの武器により暴走した錬を止めるためと前回の決着をつけるために再び戦い、過ちを諭しながら勝利する。その後改心した錬と和解し、名前で呼び合うようになり、共に剣の稽古をするようになる[48]。錬にはこのことで好意を寄せられるようになるが、恋愛事に興味がなく、尚文に「錬が告白してもか」と聞かれ、当人の前で肯定してへこませている。
- 魔法適性は光と援護。ただし防御の光魔法と速度上昇しか使えない。魔法剣も使うことができ、変幻無双流のエルラスラの指導を受け変幻無双流も使えるようになる。
- 元康からの呼称は「エクレア[注 52]」。フィーロからも「エクレアお姉ちゃん」と呼ばれている。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、地下牢獄での投獄中に元康や他の四聖と出会ったことで助け出されて共に行動したり、助け出されずに放置された周回では獄死している。
- エルラスラ=ラグラロック[154]
- 声 - 伊沢磨紀
- 変幻無双流の伝承者。女王が招集した戦闘顧問。Web版では本編最終話前まで名前が明らかにされていなかった。書籍やアニメでも名前が明らかにされていないが、設定資料集で明らかにされた[154]。
- 高齢からくる病気で死に瀕していたが、行商時代に尚文が届けたイグドラシル薬剤を尚文の補正も合わせて飲ませて治療したことで治癒。その経緯もあり尚文のことを「聖人様」と呼ぶが、あまりに元気になりすぎたため、尚文からは「ババア」と呼ばれている。メルロマルクの3回目の波が近隣の村で起こったため、戦闘に参加し尚文たちと共闘する[注 53]。昔の勘を取り戻すためカルミラ島の奥地で修行し、メルロマルク女王の要請で四聖勇者の戦闘顧問に就任する。四聖勇者とその仲間に変幻無双流を伝授するが、尚文を除く努力嫌いな他の勇者は逃亡。その後の霊亀戦では尚文の元で行動を共にする。
- 尚文が村の開拓を始めると、隣町でリーシアや村の奴隷たちの訓練を一任され、アトラなどの特殊な人員を除き変幻無双流を伝授する。尚文にも気の扱い方や修行方法の相談に乗るなど、戦闘顧問として大いに活躍し、尚文の要請で戦闘にも参加する。
- 尚文が二度目の絆の異世界に行く際は、変幻無双流の素質がある図書兎の存在を知り同行したいと思うも、修行のやる気を出した息子を優先して一度は断念するも、そのことを気にした息子が勧めたため、波で繋がった際に増援として加わり、絆の異世界の人員の戦力強化に貢献する[78]。また意気消沈していた自在珠玉流の師範代を勝負を通じて立ち直らせ、ライバル関係になる。尚文たちが一旦元の異世界に戻ろうとした際は絆たちを鍛えるため絆の異世界に残る。
- Web版ではフォーブレイでのタクトの襲撃の際に殿を務め、仲間を逃がすために残り、戦死する[Web 9]。書籍版ではラフタリアが残ったことで生き延びている。過去には武者修行も兼ねて傭兵やコロシアムの闘士をやっていたらしく、ゼルトブルのコロシアムなどでは「強すぎて賭けが成立しない」ためか、出禁になっている。
- エルラスラの息子
- 声 - 川原元幸
- 変幻無双流のエルラスラの息子だが、影が薄い[注 54]。
- 高齢で死に瀕していたエルラスラにイグドラシル薬剤を届ける道中で行商時代の尚文と出会い、そのまま送ってもらいエルラスラの命を救ってもらえた。元気になりすぎたエルラスラと比べると影が薄い。タクトの襲撃でエルラスラが追い詰められたことを知り、修行にやる気を出し、エルラスラが異世界に行きたがった際は、一人でも修行に専念すると言い背中を押した。
- エクレールの父
- セーアエット領の元領主。亜人保護地区として領地内にルロロナ村があり亜人からの人望も厚かった。内政も優秀で女王の右腕として補佐していたが、メルロマルク最初の波にて死亡。なお、彼の死と亜人保護区壊滅の報せは、丸一ヶ月もの間遅滞させられており、それが女王の耳に届いたのは、メルロマルクによる四聖勇者独占召喚の報せと同時であった。
尚文の村
尚文が霊亀戦後に領地として得た旧ルロロナ村の住民を中心とした奴隷たちの村。旧住民含めてラフタリアと同年代の子供が多く、尚文によるレベリングによって成長しているが人数が多いためかラフタリアほど肉体的には成長していない。また、旧ルロロナ村の住民はかつてのラフタリア同様に波で村を襲った魔物(双頭の犬型)に対してトラウマがある[155]。
- キール
- 声 - 藤原夏海
- ワーヌイ種の亜人/獣人。ラフタリアの幼馴染。
- 中性的な顔立ち、親の教育で自身が男だと思っているが実は女[注 55][Web 11][Web 12]。
- ラフタリアと同じくメルロマルクの最初の波の後、ラフタリアと同様に奴隷にされる。かつてラフタリアを虐待したイドルの屋敷の地下にとらわれていたが、尚文とラフタリアたちによって助け出される。ヴァンに保護された後、カルミラ島から帰った尚文一行と再会し、強くなり波と戦うために仲間になる。[注 56]霊亀事件では、一匹で飛んでいた霊亀の使い魔を一人で倒そうとして負傷してしまい、治療を受けることになり離脱する。治療を終え、尚文たちが絆たちの異世界から帰ってきた後は、波で戦うためと村の復興のためにLv上げと行商を行う。女と発覚後、尚文により、顔が良く物怖じしないため、行商には向いているとして女物の服を着せられて行商に力を入れさせられた結果、行商の売り上げは村で一番となる[注 57]。食いしん坊で甘いものが好きで、特にクレープが大好物。逆に辛いものは嫌いなのかカレーが苦手[64]。
- 武器は片手剣を使用している[156]。サディナに教えられ獣人化できるようになる。本人はかっこいいと思っているが、姿は小型のシベリアンハスキーであったため、周りからは可愛いと言われる。ふんどしを着用しているため、尚文から「ふんどし犬」と呼ばれることがある。とはいえ、獣人化することで能力が上がっているため戦闘力はある。獣属性の魔法が使え、遠吠えによって身体を強化させたりできる。なお元康は性別を偽っていても通常のキールを豚(女)と認識できるため、獣人化しないと会話が成立しない。
- 尚文の奴隷となってからは、従来の明るさを取り戻し、Lv上げで強くなったものの、過去の世界の魔物退治の際、かつてのラフタリアのように、村を壊滅させたケルベロスのような魔物に対するトラウマを持ち、まだ克服できていなかったことが発覚する[155]。ラトやラフタリアたちによる幻覚を用いた精神治療を受けるも、早くトラウマを乗り越えたいと焦った挙句、ラトの先祖のホルンに頼み改造手術を受けようとする。ラフタリアの説得にも耳を貸そうとせず、トラウマの原因であるケルベロスになって克服しようと思うも、可愛らしい姿[注 58]にしかどうしてもできず、他の改造案も本人が望んでいたようなかっこいい姿になれるものではなかったため、結局保留することとなる。その代わりに、合成スキルの要領で獣化する事で属性に合わせた変身ができるようになる。ピエンサの軍人や投擲具と杖の勇者との戦いでは、尚文の憤怒の力を宿した獣化で、回復低下の炎で攻撃したりと奮闘するも、戦闘後は力の反動で動けなくなり、戦線離脱した。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』のメルロマルク編(6周目)では、奴隷として尚文たちに購入された際に元康と会話が成立しないことで早々に女の子と発覚。行商時の売り子として可愛い服を着せられている。
- 原作では尚文と共にタイラントドラゴンレックスと戦おうとするラフタリアを引き止めていたが、TVアニメ版だと逆に励まして送り出している。他にも弱った奴隷の子供2人が救助された。
- サディナ
- 異世界の眷属器、銛の勇者。
- シャチ系の亜人/獣人。ルカ種と言われているがサカマタ種。23歳[157][注 59]。
- 一人称は「お姉さん」で口癖は「あらー」[注 60]。相手にはちゃん付けで呼ぶ。お酒が好きで陽気な掴み所がない性格。村では漁師とサルベージの仕事をしている。
- クテンロウの元水竜の巫女兼殺戮の巫女。ラフタリアの両親がクテンロウを離れる際に護衛として同行してメルロマルクのルロロナ村で生活をする。ラフタリアからは姉のように慕われている。最初の波では遠洋に出かけていたため村にはいなかった。その後ラフタリアを探すため、ゼルトブルのコロシアムで「ナディア」と偽名を使い、戦闘奴隷として賞金を稼ぎ、村出身の奴隷を集めていた。コロシアムの下見をしていた尚文と出会い、その後コロシアムで尚文一行と戦うもお互い目的が同じだったことがわかり協力し合うことになる[注 61]。ルロロナ村では常に獣人の姿で生活していたが、ゼルドブルでは亜人の姿をしていたため、当初ラフタリアから気付かれなかった。
- かなりの酒豪で、自分よりお酒が強い人を好む。ルコルの実を食べることができ、さらに村を復興しようとする尚文に惚れている[158]。尚文に積極的に迫るが疎まれている。しかし、尚文がアトラの望みをかなえるためにと迷走したまま関係を持とうとした際は、真面目な表情で窘めた。巡り合わせの運がなく、重要な時にその場にいなかったり、探し相手が見つからなかったりすることが多々ある[159][注 62]。
- クテンロウにいたころは幼いころから巫女の仕事をさせられ、すぐに急成長させられる。様々な武術の稽古を受け、恐れられるほどの強さを身に着けるが、神託の才能がなかったため、そのことを自分の両親や当時の天命に罵倒されており真面目に悩んでいた。そのこともあり、両親との関係は冷え切っている。殺戮の巫女としての罪人の処刑も決闘という形をとり、罪悪感を薄めていた。そんな中ラフタリアの父親に励まされており、国外逃亡した後もラフタリアの両親に親代わりをしてもらっていたため、二人やその子供のラフタリアを生きる意味というほど大切に思っている。
- 戦闘能力は非常に高く、銛を武器として扱い、水と水生亜人には珍しい雷魔法の資質をもつ。また、合唱魔法の指揮も上手い。水竜から加護を受けており龍脈法を使用する。絆の担当世界で魔法が封じられた際は、テリスに教わった宝石魔法を龍脈法で再現した。観察力も優れており、アルトが女であることに気付いたり(おそらくキールの性別も最初から知っていたと思われる)、見ただけで転生者を見抜くことができる。盾の獣化補助でシャチに変身する。銛の眷属器を不正所持していた転生者を戦闘技術において圧倒したことで資質を見出され、眷属器の解放後、銛の勇者に選ばれる。
- 元康からの呼称は「お姉さんのお姉さん」。『槍の勇者のやり直し』では、徐々にやり直し前の記憶を取り戻した元康から尚文に絡む重要人物の一人として見做されようになり、尚文一行の正式メンバーとして加わる展開が多い。8週目ではリファナとラフタリアを喪ったことで絶望して死を望むようになるが、それを身を挺した説得で思い留まらせた尚文と結ばれている。
- フォウル
- アトラ
- ウィンディア
- 犬系の亜人。竜帝のガエリオンに育てられたが、親ガエリオンは錬に討伐されて亡くなり、その後、洞窟を荒らす冒険者に捕まり、奴隷として売られる[134]。その後、ルロロナ村復興のために奴隷を欲した尚文に買われる。親の敵である錬のことを嫌っているが、錬が自分や自身の罪のことでネガティブな考えをすると活を入れたりしている。次第に保護者面されるのは嫌がるもののわだかまりがなくなり、20巻では名前で呼ぶようになっている[160][注 63]。魔物が好きで子ガエリオンを父親のように育てるのが目標。子ガエリオンの中に親ガエリオンの人格があることは、親ガエリオンの自立させる方針のため知らされていない。ドラゴンに育てられたためか、若干ドラゴンびいきしている。思考も魔物寄りで魔物は戦って強くさせるのが一番と考えており、ラトとは意見がぶつかるも、強くさせる方法を共に模索する同士関係であり、研究の手伝いをしている。しかし学が足りないため、ラトに遊ばれていることが多い。
- 村の皆で狩りをした際に見つけた魔物の巣から卵を失敬し、尚文に内緒でキャタピランドなどの魔物を飼育していた。そのことが尚文にばれた際、キャタピランドを庇おうとした言動から「谷子」という渾名を名付けられそうになる[注 64]。村の魔物の多くがラフ種になった際は若干嘆いていた。
- 竜帝のガエリオンに加護を受けており、龍脈法が使える。戦闘では龍脈法を使ったり、仲間と共に合唱魔法を行ったりする。また、ガエリオンに乗って戦闘を行ったりもする。
- 元康からの呼称は(ラトの)「助手」。外伝の『槍の勇者のやり直し』メルロマルク編(6周目)では、親が倒された直後に住処としていた洞窟を荒らす冒険者から、妹のガエリオン(メス)と共に尚文たちに保護されている。ドラゴン嫌いの元康には亜人以前にドラゴンの眷属(つまり魔物扱い)と見做されているため、認識・会話は成立するが仲が悪い。
- ラトティル=アンスレイア
- 通称「ラト」。錬金術師。
- かつてフォーブレイで強い魔物を創造して戦力として認めさせる研究をしていたが、タクトがライバルだった錬金術師の肩を持ち、また研究内容でぶつかっていたため追放される。霊亀を調べに来た所、尚文の村の魔物に興味を持ち村で研究を始める。研究のためなら奴隷になることも構わず、信用がなかったため奴隷となることを条件に村に滞在することを許可される。尚文に対しては尚文の地位(「伯爵」や「大公」)で呼んでいる。不意打ちとはいえ、注射器を使ってフィーロを容易く無力化するなど、意外に戦闘力が高い。回復と援護の魔法が使え、鳳凰との戦いでは治療師として同行している。
- バイオプラントや魔物の研究や育成で貢献しており、魔物は改造してこそ強くなると考え、ウィンディアと意見がぶつかるも、強くさせる方法を共に模索する同士関係である。ただし後先考えず検体を大事にしない研究を嫌っているなど、真っ当な倫理観を持っている。みーくんという魔物を大切にしており、いつか出られるようにして、最高の魔物にしたいという夢がある。ドラゴンに関しては、あらゆる生物と交配することで生態系が狂うため嫌っている。ラフちゃんを新種の魔物として定着したいと思っていた尚文に能力項目の変異性を上げることを助言し、後にラフ種を生み出すこととなる。ラフ種の健康診断も行い、彼らの異種変異のクラスアップによる後遺症を軽減させている[145]。
- 元康からの呼称は(フィーロたんの)「主治医」。
- イミア=リュスルン=リーセラ=テレティ=クーアリーズ
- ルーモ種の獣人。フルネームが長いため、通称「イミア」と呼ばれている。
- かつてはルーモ種の集落で暮らしていたが、ルロロナ村を襲ったのと同じ奴隷狩りに襲われ、目の前で両親(と母親のお腹にいた弟か妹)を目の前で殺され、自身は奴隷として売られる[155]。その後、奴隷商で売られていた所を尚文に買われる。かつて自分を買った貴族たちの虐待で傷を負っていたが尚文に治療される。
- 少々気弱な性格。集落を襲った奴隷狩りが元メルロマルクの兵士だったため、メルロマルクの兵士が苦手であったが克服している[注 65]。
- 手先が器用で主に行商用の服やアクセサリーを作っている。特に尚文に教わったアクセサリー作りに力を入れており、アクセサリー商の指導を受けたことで尚文以上の腕を身に着け、テリスをも驚嘆させるほどのアクセサリーを作り上げた。Web版では服飾関係に力を入れている。
- 戦闘奴隷ではなかったが、村の危機には村の奴隷たちと共に戦う。また過去の世界で尚文たちと一緒に魔物狩りに行ったりと戦闘することが増えてきている。ハンマーを武器にしており、また手先の器用さから、手に魔法を付与させて急所をつくといった攻撃を行う[156]。自身が掘った穴に敵を落としたり、土属性の魔法を使用する。
- 元康からの呼称は「モグラ」。
- トーリィネミア
- ルーモ種の獣人。イミアの叔父。通称「トーリィ」。
- 鍛冶師。エルハルトと一緒に鍛冶の修行をしていた。エルハルトと同じ師匠の下で修業し、免許皆伝の手前で実家にトラブルがあったらしく、途中で抜けて故郷で金物屋をしていた。
- ゼルドブルの奴隷地下市場で奴隷として売られていたところを尚文にイミアの叔父と判明したため同郷の者たちとともに買われた。その後、姪のイミアと再会し、修行仲間だったエルハルトの店で働くこととなった。
- 『槍の勇者のやり直し』では、エクレールの父親が用意した非常時に領内の亜人/獣人をメルロマルクから国外に逃がす洞窟を管理しているルーモ種の集落で、ルロロナ村を襲った奴隷狩りに襲われていたことが明らかになる。
- セイン=ロック
- 絆たちの世界とはまた別の異世界の眷属器、裁縫道具の勇者。
- 裁縫道具の勇者らしく裁縫が得意である。様々な世界を渡っており、絆たちの異世界にも行ったことがある[146]。ゼルトブルのコロシアムでマーダーピエロというリングネームで仮面を被り、傭兵として戦っていた。尚文一行とはコロシアムのエキシビションマッチでマーダーピエロとして戦う。その後、雇い主に解雇され、護衛として雇われるために素顔で村に訪れる。尚文の用心深さから一度は断られるも、宿敵勢力に襲われていたところを助けたことで仲間になる。平時はゼルドブルでお金を稼いでいる。細身ではあるが大食い。
- セインの世界は既に消滅しており、眷属器の機能が一部壊れている。翻訳機能が壊れているため言葉に雑音が混じってしまい会話が困難であった。後に倒した宿敵勢力が持っていた翻訳機能が付いたアクセサリーによって使い魔に通訳してもらうことで会話が可能となった。19巻でセインの姉が調べた結果、音飛びの原因はエネルギーの調整が間違っていたためらしく、再調整されたのか、姉が去った後は普通にしゃべることが出来るようになった。
- 自分の世界を滅ぼした宿敵勢力を恨んでおり、その勢力に寝返った自分の姉に対しても、対峙した際に強い怒りを露にした。自身の内情を話すとその相手が死んでしまうジンクスを恐れ、尚文に必要以上に自身のことを話そうとはしないが、別行動後に合流すると抱き着いて懐くなどしている。ルロロナ村で起こった異変で過去に飛ばされた際に先祖と思われるレインと出会い、自身が天神種という種族の末裔だと知り、光翼の使い方を教わり、習得に苦労するも、杖と投擲具の勇者戦には使えるようになる[161]。
- 戦闘では鋏で切りつけたり、糸で拘束したりする。変幻無双流にはない守りの気を使うことができ、尚文たちにも教えている。人形やぬいぐるみを使い魔として使役することができる。習得した光翼は蝶のような翅であり、能力の向上や飛行能力、さらに翅から小さな爆発を起こす鱗粉を出すこともできるようになる[161]。
- シルディナ
- 異世界の四聖勇者、札の勇者。
- シャチ系の亜人/獣人。サディナの妹で、クテンロウの現水竜の巫女。サディナも持っていない神託の才能をもつ。短めのセンテンスで区切りながらしゃべるのが癖。尚文からはサディナとまとめて「シャチ姉妹」とも呼ばれている。
- サディナがラフタリアの両親と共にクテンロウから出た後に後釜として生まれた。サディナに匹敵する強さにするために、地獄を見たと語るほどの仕打ちを受けている。そのためサディナを恨んでいたが、口癖が「あちゃー」で、本人も酒好き、お酒が強い異性が好みであるなど、姉に似ている面がある。極度の方向音痴で道に迷った末にあり得ない所に行ってしまうことがある。マキナの甘言に踊らされ、慕っていたが実際には陰で馬鹿にされていた。実年齢はラフタリアと大して変わらないなど、まだ幼いがLv上げによって成長させられている。
- 立場上、尚文たちとは敵対関係であったが、ラフタリアのパレードに下見目的で訪れ、道に迷っているところに尚文とセインに出会い、エルハルトの師匠によって飲み会をすることになる。その場では「ゾディア」と名乗り、尚文のルコルの実を平然と食べる強酒ぶりに惚れ込む。サディナとの決闘の際、切り札として過去の天命を降ろすも、体を乗っ取られてしまう。ラフタリアによって助けられた後に和解し、サディナと共に非道なことをした故郷の集落を襲撃する。
- その後はルフトと共にルロロナ村で暮らすようになる。サディナとはライバル意識は残しつつも、一緒に行動することが多くなり関係が改善される。性格は当初はやや不安定なところがあったが、尚文の仲間になって以降はサディナ同様に尚文に対して押しの強いアプローチを行っている。お気楽な調子のサディナと比べると冷静な考え方をする一方で、年齢相応な子供らしい一面ももつ。札遊びやカードゲームを好んでおり、同じ趣味をもつセインとは遊び友達のような関係となる。ルフトとは当初は主従を意識した話し方をしていたが、姉弟のような関係となり、話し方も砕けた感じになっている。
- 尚文が絆の世界へ救援に行く際は、村人たちの海でのLv上げのために留守の予定だったが、武器の精霊によって同行することとなる[146]。初めて絆の異世界に渡った際のラフタリアと同じく、肉体が実年齢相当に戻った際には尚文やサディナに遊ばれた[146]。実は札の聖武器の勇者の候補者[注 66]であり、札の聖武器を解放後、正式に四聖勇者に選ばれる[163]。四聖勇者になったため、波が解決するまで元の世界に戻れないかもしれないと言われた際は、かなり嫌がり札の聖武器を捨てようともしていたが、強引に呼びつけて勇者にしたためか例外処理があっさり通り普通に行き帰りができるようになる。
- サディナと同様に戦闘力は高く、水と風の魔法の資質をもつ。武器は刀を使用しているが、どちらかと言えば魔法がメインであるため使用頻度は少なめ。神託によって物の残留思念や魂を降ろすことができ、戦闘法や魔法を模倣できる。しかし、魂が修復されてからは力が弱くなる。魂人を宿すことができ、無理やり宿して力を吸収したり、同意の上なら強力な連携攻撃ができるようになる。グラスを宿した際は扇のスキルも使用できる。また、魂を見ることができるため、肉体と魂が異なる転生者を見抜くことができる。札の勇者の候補者であり、カードゲーム好きでもあるためか、絆たちの異世界の札魔法を気に入り、使用するようになる。短期間でかなりの使い手となっており、魔法を創作したり、適性外の雷や闇の魔法も使用できる[164][165][163]。
- ルフトミラ
- 元天命。ラフタリアの従兄弟。通称「ルフト」。
- マキナたちに傀儡として利用され、クテンロウの腐敗を招いてしまう。魔物が好きであり、魔物退治を罰する生類憐れみの令のような法を作ったり、封印されていた危険な魔物の封印を解いてしまう。
- マキナたちに利用されていたが、利発な性格をしており、尚文に自分がしてきたことで国民を苦しめていたことを告げられ、強い責任を感じている。そのため利用されていたこともあり、表向きは処刑にされたことにして国から追放される。そして償うためと見聞を広めるためにシルディナと共にルロロナ村に暮らし始める。尚文からはラフタリアがクテンロウの統治を嫌がった際の保険として統治者として育てたいと思っていたが、タクトによって尚文たちが傷つく状況を見て強くなりたいとも思うようになり、メルティやクズに統治者としての教育を受けながら、Lv上げにも積極的になる。
- 魔物の中ではフィロリアルが一番好きであったが、尚文のフィーロを使った罰と元康が育てたフィロリアルたちに尚文と共にもみくちゃにされたことでトラウマをもつようになる(ただしトラウマの発端となったフィーロに対しては、怖がりつつも普通に接する場面がある)。尚文にラフちゃんを紹介された際にとって代わるように気に入り、後に生まれるラフ種も嫌がるラフタリアとは異なり気に入る。そのため尚文とは、ラフちゃんとラフ種と語り合う友達同士になる。
- ラフタリア同様に魔法適性は光と闇で、幻覚の魔法を使うことができる。ラフちゃんによるクラスアップと施されたことで、ラフちゃんの獣人のような姿に変身できるようになる。変身中は魔法に敏感になり、合唱魔法が簡単に唱えられる。他にもラフ種の言葉もわかるようになり、メルロマルクの言葉もわかりやすくなる。力も強くなっており、敵兵から奪った斧で力強い攻撃を見せている。またクズから戦術も教わったことで、作戦を立案するなど、策士としての一面を見せる。メルティやクズの教育も教わったこと以上に覚えるほど優秀で、二人から一目置かれており、頭角を現してきている。
村の魔物
村の開拓や行商のために飼われている魔物。尚文のもつ成長補正によってかなり高い知能をもつようになり、村を守るために希望したクラスアップで大半が新種の魔物「ラフ種」に進化する。
- ガエリオン
- 村に寄贈された卵から孵ったオスのドラゴン。ウィル種。
- ウィンディアから父親と同じ名前を名付けられた。尚文が女の子の魔物のフィーロがいたため、オスとして生まれるようにした。飼い主の尚文や育ての親的存在のウィンディアに懐いている。かまってちゃんな性格で、尚文にかまってもらうためにいたずらをしたりする。尚文の飛行移動手段となっており、地上の移動手段でフィロリアルのフィーロとは仲が悪い。
- 尚文が所持していた腐竜(親ガエリオン)と魔竜の二つが合わさった核石を取り組んだことで暴走し、魔竜に意識を乗っ取られるも、自力で魔竜から脱出した後は、大きな姿と小さな姿に切り替えることができるようになる。
- 絆たちの異世界に救援に行く際のメンバー選びで、尚文たちの異世界に残った尚文の仲間に限界突破のクラスアップさせるために残されることになるも、そのことが不服で尚文が返却する予定だった魔竜の核石に自身の人格の上書きを企てる。プチ家出と称して(ご飯時まで)村の外で遊んでいることも多く、村が過去に飛ばされた時は村の外にいたため、置いてきぼりになった。
- 元康からの呼称は(フィーロたんの)「ライバル」。
- 親ガエリオン
- 声 - 大友龍三郎
- 核石の欠片をもつ「竜帝」の一体だが、戦闘力は最も低く、自ら「最弱の竜帝」と称する。ウィンディアとガエリオン(メス)の親。
- 他の竜帝の目を避けるために敢えて人里に近い平和な土地に隠れ住んでいた頃、錬に巣を発見されて退治され、亡骸は碌に処理もされずに放置されたが、死んだ後も竜帝の欠片に魂があり、怨念と亡骸の腐敗によってドラゴンゾンビとして復活、周囲に瘴気をまき散らして被害をもたらしていたが、最終的に尚文に退治・浄化されて完全に死亡した。当初欠片に魂が残っていることは尚文には気付かれておらず、しばらくは核石を食ったフィーロの体内に居たが、子ガエリオンが欠片を取り込んだことで同化、二重人格となっている。 元々人語を操る程度の知能を持っているが、ウィンディアの自立を促すため、尚文にだけそのことを明かし、親の意識があることを秘密にしている。子ガエリオンの鳴き声が「キュア!」なのに対し、親ガエリオンが表に出ているときは「ギャウ!」と鳴く。錬に倒されたことは根に持っていて今でも嫌っており、尚文がカースシリーズを発動させた際に錬が近くにいると干渉して暴走する原因にもなっていた[注 67]。
- 尚文らに龍脈法を授けて、タクトの仲間の竜帝の欠片を取り込んだことで世界で一番の竜帝に登りつめる。また、成長限界であるLv100の限界突破の方法を得たことで、尚文の仲間に限界突破のクラスアップを施している。
- 外伝(6周目や8周目)でも同様に欠片を継承したガエリオン(メス)の中に宿るが、元康やガエリオン(メス)の手によって倒されずに生き残っていることもある。
- ガエリオン(メス)
- 外伝で登場したメスのドラゴン。ガエリオン(親)の住む洞窟の中にいたウィンディアの義理の妹。鳴き声は「ガウ!」だが、十分な量の竜帝の欠片を継承するかLvを上げると人語を操るようになり、口癖は「なのー」。尚文のことは「なおふみ」と呼び、元康のことは「槍の勇者」と呼んでいる。
- メルロマルク編(6周目)で横暴な冒険者に殺されそうになった際に尚文たちに助けられ、ウィンディアと共に仲間になる。メスな分、よりストレートに尚文を狙っており、ドラゴン嫌いのフィロリアル組や元康とは仲が悪く、特にサクラとは尚文を巡る関係から度々張り合う。尚文に関してはループ前のヤサグレた方も、ループ後の優しい方も気に入っており、前者を「ワイルドなおふみ」後者を「マイルドなおふみ」と呼び分けている。
- あるループから槍の聖武器に自身の記憶を転写し、ループ先の自分自身やドラゴンに記憶を上書きする能力を得る。これは尚文を狙う以外にも、価値基準が偏っている(そのため思い出すことも限定的な)元康だけでは尚文の助けにならないという判断もある。また、この時に欠片から得た知識も残しているため、以降のループではレールディアの欠片を得なくともLv限界突破はできるようになる。さらに元康がフィロリアルや仲間をレベリングする際に得る経験値の一部や槍の力(ラストエンヴィースピアIV)が自身に流入するように細工しており「ラストドラゴン」に変化できる。副産物として元康の「フィロリアルに対する執着」も取り込んでしまい、自身を律していないとフィロリアル相手に本人も意図していないスキンシップをとって互いにダメージを受けている。
- 元康からの当初の呼称は「魔物」「ドラゴン」、尚文への献身を評価して以降は「ライバル」。
- ヒヨちゃん
- 薄紫色フィロリアル。フィーロの眷属第一号。尚文は「配下一号」と呼んでいたが、村の奴隷たちが付けた「ヒヨちゃん」が自然と定着した。尚文は語りでは「ヒヨちゃん」と呼ぶが、言葉に出して呼ぶ際は「ヒヨ」と呼んでいる。
- 当初は尚文の希望でフィーロによってクイーン化させないようにしていたが、元康が村に居ついてからはクイーン化しており、元康が連れて来たクー、マリン、みどり以外のフィロリアルの纏め役となっている。しゃべっている姿は尚文は見たことがない。元康によると、人間体は大人の女性の姿であるらしく、しゃべったり人化した姿を見せないのは尚文に気に入られるため。村が過去の世界に転移した際は、村にいなかったフィーロの代役として尚文の足として、共に戦ったり、行商の馬車を引いたりしている。
- 風魔法の他に毒の魔法が得意。
- キャタピランド
- 奴隷商より購入した芋虫型の魔物。馬車を引くが脚は遅いため、遠距離地域担当のフィロリアルに対して村近隣の行商を担当する他にも、増えすぎたバイオプラントの幹を倒して自分たちのエサにしている。尚文が購入した2匹のほかに村の子供たちが魔物の巣から採集してきた卵から生まれた個体もおり、その個体は特殊なクラスアップによって誕生したラフ種第1号となる。
- デューン
- 奴隷商より購入したミミズ型の魔物。バイオプラントの土壌整備を行う。村の魔物の中ではガエリオンによるドラゴン系クラスアップを望んでいる。
- みーくん
- ラトが大切にしている魔物。世話をしていた魔物がタクトに与する派閥に異端という理由で虐殺された際に唯一生き残るも、重傷で試験管の中から出られない状態となってしまう。ラト曰く「何をやってもダメダメだったけど頑張り屋で良い子」。ラトは最高の魔物にしたいという夢があるが、延命処置の影響で経験値を体が受けつかなくなっている。
- 皆のために戦いたいと思っており、ホルンに頼む込み、改造によってスライムのように身体が液状化している巨大なラフ種の姿となる。またナタリアと区別する機能を搭載されており(ホルンの外し忘れ)、なぜかラフタリアにだけ「ニセモノー」と鳴き、それ以外のルフトやラフちゃんには普通に鳴く。
- 身体が液状化しているため、物理攻撃は効きにくく、触手を生やして攻撃したり、分裂することができる。
- フウ
- 特典SS「もしもたまごガチャで選んだ卵から孵ったのがバルーンだったら……」に登場するバルーン。尚文がフィーロの卵ではなく、その隣にあった卵を選んだことで尚文の仲間となった[166]。黄色っぽいとあるため、イエローバルーンと思われる[33][166]。
- 当初は弱い普通のバルーンだったが、勇者である尚文とのLv上げによって大きく育ち、木箱を結んで中に乗った尚文とラフタリアを乗せて、気球のように空を飛べるようになった。風に乗っていたため、地上に降りられなくなったが、キングバルーンに出会い、王冠を貰ったことで伝説の魔物である「ヒンデンバルーン」になり、自力で地面に着地できるようになり、尚文たちの便利な移動手段となった[166]。この特別な成長はホルンによって仕込まれた事であり、キングバルーンもホルンが生み出したと思われる[167][168]。
- 本編ではルロロナ村の育てた魔物の中にバルーンがいるが、同個体がいるかは不明。この個体は進化途中の「アドバルーン」の段階で、ラフちゃんのクラスアップによってラフ種となった[167]。
旧ルロロナ村
- リファナ
- 声 - 岡咲美保
- イタチ系の亜人でンテ・ジムナ種。ラフタリアやキールの幼馴染。
- 将来は亜人を大切にした盾の勇者のような人と結婚したいと語っていた。メルロマルクの最初の波の後、ラフタリアと同様にイドルの奴隷にされ、拷問にかけられた末に衰弱死。遺体は屋敷の地下牢にそのまま放置されていたが、敵を取ったラフタリアによって回収され、ラフタリアの両親と同じ墓に埋葬された。書籍ではラフタリアによって埋葬されたが、漫画版とアニメ版では遺体を預かっていたヴァンに埋葬された[169][150]。
- アニメ版では死亡する前にラフタリアが奴隷商に売られたため、ラフタリアはすでに死んでいたとは知らず、屋敷の地下牢へ向かった際にそのことを知ってしまう。
- 元康からの呼称は「お姉さんの友人」。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、周回のひとつでラフタリアと一緒に救出されている。
- ラフタリアの父
- 声 - 手塚ヒロミチ
- クテンロウの次期天命候補だったが、次期天命争いに巻き込まれるのを恐れて、サディナを連れて国外に脱出しメルロマルクに流れつく。サディナによると責任感が強くて、利発で、常に周りに人がいるような人。風当たりが強かったサディナを励ましていた。お酒が強く、酒豪のサディナそれなりに飲み交わしていられた。メルロマルクの最初の波でラフタリアを庇って死亡。
- ラフタリアの母
- 声 - 松井恵理子
- 城で女中の仕事をしていた天命と遠縁のラクーン種。メルロマルクの最初の波でラフタリアを庇って死亡。
- サディナによると賢く家庭的な人物であり、ラフタリアの父の方が熱を上げて熱心に口説き落としたという。
城下町
- エルハルト
- 声 - 安元洋貴[142]
- メルロマルク城下で武器屋を営む男性。尚文からは「武器屋の親父」と呼ばれており、13巻で本名が明かされる。アニメではキャラ紹介やクレジットで、最初から明らかになっている。Web版では本編最終回前の話で明かされている。
- 強姦容疑をかけられた尚文の顔を見て冤罪であることを察し、味方をしてくれた数少ない存在[注 68]で心配もしてくれている[170]。尚文も親父の店を贔屓にし、ラフタリアの次に信用している。オーダーメイドの蛮族の鎧を作ったり、尚文が持ってくる様々な素材で盾や武器を作るなど、装備の面で尚文の大きな助けになった。師匠に「広い視野で武具の制作にあたれ」と言われたことから、どんな武具も作ることができる。しかし蛮族の鎧のデザインについては尚文にはあまり好まれていない。冒険者をしていたこともあり、Lvも87と腕っぷしはある程度自信があり、ラフタリアや錬、村の奴隷たちに剣の使い方を教えていた。
- 鍛冶師としての見聞を広めるために、若かりしころは冒険者として色んな国を巡っていた。ある日立ち寄った武器屋で凄い武器を見て、その武器を作った後の師匠に弟子入りをした。イミアの叔父のトーリィネミアとはそのころからの修行仲間。師匠のダメっぷりに振り回されつつも修行し、半ば夜逃げに近い形だが免許皆伝を受けた。クテンロウで師匠と再会し、師匠に鍛冶の技術を鍛えてもらうと同時に、彼のお目付け役となる。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』のメルロマルク編(6周目)では、ゼルトブルに行かなければ手に入らない「隕鉄シリーズ」の試作品を作っていることなど、最初の世界では気付いていなかったエルハルトの腕前に元康が感心しており、最初の世界でも尚文や錬が彼の作った武器を(コピーした後も)大切にしていたことを語っている[171]。
- ベローカス
- 声 - 緒方賢一
- メルロマルク城下のサーカステントのような場所で奴隷の売買を行っている男。表向きは魔物商として魔物も取り扱っている。本編では本名が明かされておらず、「奴隷商」と呼ばれていたが、設定資料集で明かされた[172]。 語尾に「〜です、ハイ」をつけるのが口癖。
- 冤罪をかけられ、仲間が得られなかった尚文の前に現れ奴隷購入を勧める。尚文の商才を気に入り一目置いている。彼の元からラフタリアやフィーロの卵は買われ、ルロロナ村復興の際には奴隷にされた元村人たちの捜索や復興に必要な奴隷を売ったりと、上得意としているものの当の尚文からは言動のうさん臭さから苦手意識を持たれている。奴隷の売買という商売や色々とあくどい言動をとるなど善人とは呼べない人物であるが、本人は「話術で騙しても品物を詐称したりはしない」「(他の奴隷商人と比べて)健全に商売を行っている」と語っており、実際に拷問を受けてひどい状態で売られたラフタリアの姿に嘆く言葉を述べて薬と食べ物を分け与えており、このこともあり、ラフタリアも「確かにマシな方ではある」と語っている。
- 魔物商としては村の子供たちが拾ってきた魔物の卵の育て方を教えたり、成長させるために尚文名義で魔物紋を登録してやったりしている。またサーカス団なども行っている[173]。スピンオフ『とある一日』では実際にサーカス業を行っていた[109]。
- 薬屋
- 声 - 川原元幸
- メルロマルク城下で薬屋を営んでいる男
- いつも渋い顔をしているが口調は優しい人物。リユート村の親戚が波の際に尚文たちに助けられたことで、そのお礼として薬の中級レシピの本を与えた。尚文が気の修行に行き詰った際には、気を回復させる(それによって気を感知させやすくする)薬の「命力水」のレシピを教え、結果的にリーシアの気の修行に貢献した。
- けっこう顔は広く、ゼルトブルのアクセサリー商とも旧知の間柄。
- 魔法屋
- 声 - 川崎芽衣子
- メルロマルク城下で魔法を覚えるための本などを売っている中年女性。人当たりが良いが、実際は強かな商人。作中では炎の魔法や幻覚解除の魔法を使用していた。
- リユート村にいる孫が波の際に尚文たちに助けられたことで、そのお礼として尚文とラフタリアの魔法適正を診断し、初級魔法が載っている魔法書を与えた[注 69]。フィーロの服の問題の際には、変身の際に消え、人間に戻ると出現する魔力の糸を使った服のことを教え、その糸を作るための鉱石の取れる洞窟に尚文たちと同行し魔物との戦いでも加勢する。鉱石入手後は魔力の糸を作る作業を行った。
- 洋裁屋
- 声 - 松井恵理子
- メルロマルク城下で仕立て屋を営んでいる若い女性。スカーフを巻いて髪を纏めたメガネっ娘で、初対面で尚文は「同人誌でも作っていそう」という印象を感じている。フィーロのフィロリアル姿への変身を見ても取り乱さないなど、かなり豪胆。魔法屋で作った魔力糸を織って生地にしたのちフィーロの天使姿用のワンピースを仕立てた。尚文が村を作ってからは村の奴隷たちの服も仕立てている。
- 漫画版では未登場。TVアニメ版ではテンションが高く、フィーロの服作りに目にクマができるほど気合を入れて作ったり、服の説明をしたりとより濃い目のキャラとなっている。
- ビスカ=T=バルマス
- 声 - 菅生隆之
- 三勇教の教皇。メルロマルクの四人全員の四聖勇者召喚や盾の勇者の迫害に加担していた。
- 尚文がラフタリアの呪いを解くための聖水を購入するために教会に訪れた際に出会い、高品質を購入したのに、粗悪品の聖水を渡そうとしたシスターを窘めるなど、最初はまともな印象だったが、実際は教義のためには手段を選ばないばかりか、信仰対象であるはずの三勇者も思い通りに動かないというだけで手にかけようとし、あまつさえ王女たちを殺して教会が擁立する者を王位につかせようとすらしていた、過激かつ歪んだ狂信者。すぐに尚文を殺そうと動かず、尚且つ薬を普通に売ったのは余裕を見せるためと、その時は尚文を弱いと考えていたことから、ほどなく他の勇者によって倒されると思っていたため。メルロマルク三度目の波の後、他の三勇者が各地で問題を起こしたことで偽勇者として、神鳥の聖人として国内で評価が上がってきている盾の勇者の尚文と共に処分に乗り出した[注 70]。アニメでは尚文と元康の決闘の際に立ち会っており[86]、教会を訪れた尚文に(「盾でありながら」と嫌味にも聞こえる言葉だが)感銘を受けたと表面上では褒めていた[175]。
- 聖武器4つすべての能力をもつ複製品(後述)と儀式魔法による援護で「最大強化状態の四聖勇者の1/4」に匹敵するという当時としては規格外の戦闘力を獲得、上位スキルによる絶大な火力と信徒を身代わりにした幻覚に物を言わせて尚文ら四勇者をあわや殺害寸前まで追い詰めるが、帰国した女王の援護と尚文のカーススキルによって倒された。信仰のため複製品を盾には変えようとしなかったため、女王には「盾に変えていれば命だけは助かったかもしれないのに」と呆れられていた。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、尚文たちをあぶりだすために四聖教を騙って無関係な人間を人質にしたりしている(5周目)。元康からは優先抹殺対象の一人に選ばれており、どの周回でも悲惨な最期を遂げている。
- 原作では特に名前が設定されてなく、「(三勇教の)教皇」と呼ばれていたが、TVアニメ版や設定資料集で本名が明らかになった。(EDのクレジットでは教皇となっている)[176][177][178][119]。
その他
- 影
- メルロマルクの秘密警護部隊「影」。忍者のような存在で、王族の警護や暗殺、変装して影武者を演じることもある。隠密行動のプロであり、ラフタリアやラフ種などの気配に敏感すぎるもの以外には気配を悟らせない技術をもつ。
- 影の組織内も一枚岩ではなく、各国各組織で働く影が存在する。本編では女王派と三勇教派が存在する。三勇教事件後は主に女王派が登場する。
- 20巻のごじゃる口調の影によると、クテンロウの者たちと技術交換をしていたらしく、技術の精度を上げていた。
- 漫画版とアニメ版では姿が違っている。漫画版とTVアニメ版13話で尚文一行を岩陰から見つめる影は黒子のような姿をしており、TVアニメ版ではほとんどが仮面をつけたくノ一風の姿に変更された。外伝でのメンバー交換の際、元康によると影の半数は豚(女性)とのこと。
- ごじゃる口調の影
- 声 - 中尾衣里
- 尚文が主に相手にする影。ごじゃる口調でメルティに指名されてこの話し方をしている。他の影と同様に隠密行動のプロで、女王の影武者もしていた。しかし、変装は完璧だが、話し方が変わらないため、影武者としてはいささか問題がある。自身はメルティにこの口調で言わされていることに不服に感じている。また、隠密行動や戦闘では暗殺者らしい冷静な行動をとる一方で、メルティに口調に関して文句を言ったり尚文をからかったりと茶目っ気でコミカルな一面ももつ。闇属性の魔法を使え、相手の注意を誘導する魔法や斬り付けた相手の血を利用した魔法を使う。エルハルトが作った霊亀短刀を武器にしている。
- 女王の影武者をしていた時に尚文と横切る形で出会い、その後三勇教の事件の際に暗躍し、尚文一行を手助けした。霊亀事件では、他の影と共に、霊亀内部に侵入する尚文たちに連合軍の護衛として同行し、探索や霊亀の心臓への通路の確保などのサポートを行った。
- その後はしばらく登場しなかったが、20巻のルロロナ村が過去に転移した異変の際、メルティの護衛として潜伏していた所、相棒となっているラフ影とともに再登場する。異変の時に村にいた影は彼女(?)しかいなかったらしく、再び隠密行動で手助けする。ピエンサの偵察中に治療不可の武器によって攻撃されラフ影と共に瀕死の重傷を受ける。治す手段が見つからず、死を覚悟したが、尚文が目覚めた0の領域の回復魔法によって一命を取りとめた。その後、尚文たちとLv上げをしていた際に、自分たちを攻撃したピエンサの軍人と戦闘となり、お礼参りとばかりに怪我が治せない攻撃をするなど奮闘し屈辱を晴らす。
- Web版ではカルミラ島で「尚文の専属」になったと伝えており、マインの奴隷紋管理も女王から委任されている。
- TVアニメ版では女王ではなく異なる女性に扮してクズと衝突して城を去ろうとする尚文とすれ違いざまに三勇教のロザリオを見せて警告し、また、女王に会って欲しいと懇願した際も難民の変装は無く「影」として接触した。他にも、女王に報告する女王派の影(声 - 大津愛理)や王女誘拐の冤罪で追われて山を逃げる尚文一行を岩陰から見つめる影も登場した(この影は漫画版での影のデザインと同じとなっている。)。また漫画版とTVアニメ版では隠密としての冷静な性格のみ描かれており、茶目っ気な面はなくなっている。
- ラフ影
- ごじゃる口調の影の相棒となった忍び装束のラフ種。ラフ種の影であり、影同様に個体名ではなく集団としての名前。他のラフ種同様幻影魔法ができ、ごじゃる口調の影曰く、「一緒なら潜入できない所はない」というほど相性が良い。
- ピエンサの偵察中に治療不可の武器によって影と共に瀕死の重傷を受けるが、尚文の0の領域の回復魔法によって一命を取りとめた。尚文たちとLv上げ中に、尚文からラフ種専用装備の試作である茶釜を貰う。
- エレナ=ハーフェン
- 元康の元仲間。元康が冒険を始めてから1週間後に仲間になった[124]。騎士として働いている父親と商会を営む母親は揃って勤勉であり、実家にいると騎士団入りか商会の仕事を振られるかで居心地が悪かったため、何もしなくてもLv上げも贅沢も出来る元康のパーティに入った。
- 安楽な生活を好む怠け者だが、計算高く有能で、要領よく楽をすることに長ける。また、楽をするための根回しや最低限の努力を惜しまないだけの行動力はある。自身の利益のために本性を隠してマインや元康に合わせていた。
- 霊亀戦で元康が敗北すると「これ以上は危険すぎる」と判断。彼を見限って逃亡・帰国し、実家であるハーフェン商会に戻り嫌々ながら家業の商売を始める。消息不明となった元康をおびき寄せるために協力したが、会いに来た元康を身も蓋もない理屈で振っていた。当初尚文には「女1」と呼ばれて嫌悪されていたが、協力したことや怠け者なだけで他人を陥れるような真似は好まない分マインやレスティよりはマシ[注 71]なためか、この手の女性にしては珍しく名前を憶えられ、報いも受けずに済んでいる。
- Web版のカルミラ島で行われた「仲間交換」ではマインやレスティが尚文とケンカして帰ってしまった後も「元康に迷惑がかかるから」と予定された時間まで狩りに付き合っており、尚文からも仲間としては論外だが「予想よりはまとも」「商売相手としてなら信用できる」と評価されている。魔法も剣もバランスよく使う中衛型[Web 13]。
- 裏切られ壊れた後の元康からの呼称は「怠け豚」。外伝の『槍の勇者のやり直し』のメルロマルク編(6周目)では、行商を始めたことで「神鳥の聖人」として評判になった一行に「親の意向」で仲間入りを申し出てくる。行商で販売する食料用に改造したバイオプラントの栽培を実家で請け負った。
- レスティ
- 元康の元仲間。マインの学生時代の友達でエレナより後に入った[124]。尚文からは「女2」と呼ばれる。
- マインと一緒になってパーティメンバーを追い出していた。霊亀戦で元康が敗北してマインと逃亡し行動を共にする。その後、今週の敵(結界使いの転生者)の取り巻きとして登場し、尚文のせいで贅沢ができなくなったとお門違いも甚だしい逆怨みをぶつけるが、「何をいくら言っても負け犬の遠吠えだ」と言い返される。最後は尚文と魔竜によって焼き殺され、魔竜に魂を食われる。
- web版では、捕縛されてマイン同様フォーブレイ送りになることが、クーデター終息後に女王から報告され、貴族の生まれであることもこの時判明した。アニメでは上述のように未登場となっている。
- ライノ
- 元康の元仲間の冒険者。剣が武器で、回復と援護の魔法が使える。召喚から三週目で元康がナンパして仲間に入れるもマインらに騙されて見世物小屋に売られる[注 72][124]。その後、女王や影たちのお陰でどうにか助けられる[注 73]。
- マインへの復讐のため女王の命を受けた密偵となり、マインの仲間として潜伏し異世界に渡る。目的はおくびにも出さずマインをヨイショしていたが、魔竜の城での戦闘中にマインを後ろから刺し、操られた鞭の眷属器を奪い返した後、自分の名も覚えていなかったマインに更なる怒りを見せて嬲り殺し、魂には逃げられるものの本懐を遂げる。戦闘中はそのまま鞭を使用して尚文の味方として戦い[注 74]、戦闘後は尚文に鞭を献上した。「マインの被害を受けた者」という共通点もあって尚文と非常に気が合い、仲間として認識される[注 75]。また、シルディナが札の強化方法を尚文に教えた際に、鞭の強化方法も同じであることを伝える。
- Web版では未登場だが、同じような目にはあったらしく、メルロマルク革命騒動でマインが捕らえられ、フォーブレイに輸送される姿を見て鬱憤を晴らしたらしい[179]。
- 金髪の女性
- TVアニメ版で元康のパーティメンバー。エレナらしきショートヘアの女性。尚文一行と共に三勇教に襲われた18話では何故かいなくなっており、魔導士とダンサーの2人が原作や漫画でのエレナとレスティの立場となっていた[178]。尚文の名誉回復後、祝賀会の会場でダンサーや錬のパーティーメンバーの双剣使いと談笑していたため、仲間から外れたわけではなかったらしい。マルドが他の勇者のパーティーメンバーを罵倒したことに端を発した乱闘騒ぎの中、樹のパーティーメンバーの槍使いと切り結び、それほど険悪ではなかったはずの錬の仲間の女武闘家とも対峙していた[150]。
- 魔導士、ダンサー
- 声 - 市ノ瀬加那、西田望見
- TVアニメ版での元康のパーティーメンバー。エレナらしき金髪の女性と共に固定されている。
- 槍使い
- 声 - 織江珠生
- 樹の元仲間の女性。樹を崇拝するふりして報酬を横取りした腹黒いメンバーの1人だが、名前も「イツキ様親衛隊」内での序列何位であったかも不明。
- 樹と錬が自慢話と報酬や仕事の横取りされたことの不満を話している時、ギルドからの討伐依頼を伝えた[180]。メルロマルク三度目の「波」の際には、弓矢も使っていた[181]。祝賀会で他の勇者のパーティーメンバーをマルドが罵倒し乱闘に発展した際、エレナやラフタリアに襲いかかり、錬の仲間の双剣使いと対峙しており、事実上他の勇者のパーティーすべてに喧嘩を売る形となっていた[150]。
- マルド
- 声 - 楠大典
- 樹の元仲間。全身鎧を着たメルロマルクの貴族。「力無き正義は無力」という言葉を根本から履き違えており、異世界人や格下と判断した者を見下し、常に勝ち馬に乗ろうとする傲慢かつ独善的な性格。男ではあるが尻の軽さという点でマインの同類。それなりに腕は立つが、厳つい外見に反して相当な「痛がり」で自身が傷つくと情けなく泣き叫ぶ小悪党。全身鎧に身を固めているのも防御力以前に痛い思いをしたくないから。ラルクからは三勇教のデマとグラスの証言から盾の勇者と勘違いされていた。
- 尚文からは名前を憶えられておらず「鎧」と呼ばれている。最初は錬の仲間として同行していた[注 76]が、錬からは後述の4人と異なり忘れられている[48][Web 14]。その後、樹を崇拝しているかのように装っていたが、実際には「イツキ様親衛隊」などと称して仲間内で序列を作り、錬のパーティーから移るも初期メンバーを差し置いてその一位となり、最下位に置かれたリーシアをイジメている[注 77]など樹の思い上がりを助長していた[34]。霊亀に敗北した際には、手のひらを返して樹を縛り付けて逃走し、それ以降は偽物呼ばわりする。その後マインと共に行動し、ゼルトブルで樹を騙して裏切り、行方を晦ます。活躍により地位を向上して行く尚文を逆怨みしており、勝手な理屈をつけて悪魔や魔王呼ばわりし自らは正義の行いと称して敵対している。
- 上記のような性格であるがゆえに波の尖兵たちの「強ければ正しい」という考えにも易々と同調し、セインの姉の勢力に加担し、絆の担当世界に渡る。楽器の国で眷属器を操るアクセサリーによって、斧の眷属器を強引に従わせて、マインやセインの姉、宮地たちと共に絆を救出しようとする尚文や樹たちと交戦する。尚文たちの聖武器と魔法を封じ、斧の力で尚文と樹を追い込むも、鏡と本の眷属器の加勢と尚文たちの仲間の合流、さらにマインや宮地との仲間割れによって逆転される。また宮地が楽器の眷属器を奪われ、自身の持つ斧を奪おうとした際に殺害している。斧についているアクセサリーを破壊されかけるが、セインの姉が鎖で縛り上げられ、強引に撤退させられる。楽器の国での失敗が原因で斧を没収され、別の斧を使って銛の眷属器持ちの国の戦力としてラルクの国に攻め込むも樹に敗北する。情報を吐かせるために樹に拘束されるが、この際にかつて尚文が濡れ衣を着せられた依頼報酬着服の真犯人であったことが判明している。尚文たちが元の担当世界に一時帰還する際に札で拘束された状態で連行され、尋問の後に「ファラリスの雄牛」で処刑される予定。
- 元康からの呼称は「燻製」。なぜかファラリスの雄牛の刑にしてやりたい気がしたためそう呼ばれるようになった(前述の通りに処刑されたからだと思われる)。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、シルトヴェルト編(5周目)で樹が元康に負けた際におもねろうと手のひらを返し、樹を偽者呼ばわりして手にかけて新たなループが起きる原因を作った。そのためメルロマルク編(6周目)では元康に警戒され、召喚初日に当てがわれた部屋に文句を垂れ、こっそり城の酒蔵から酒を盗もうとしていたところを隠密行動中の元康に暗殺されているが、結局ロジールが後釜に収まっただけでリーシア以外の仲間たちの行いは変わらなかった。
- Web版ではメルロマルクのクーデターの主犯格として元仲間たち共々ファラリスの雄牛によって処刑された[Web 15]。
- TVアニメ版では弾劾裁判の際にラフタリアたちとは違って自分たちが城内に入れないことに腹を立てて自身を制止しようとしたリーシアを振り払い[144]、祝賀会では酔っ払って尚文や他の勇者の悪口をわめき散らしてラフタリアや他のパーティーメンバーを怒らせリーシア以外の仲間と共に乱闘を繰り広げ敗北した[150]。カルミラ島の酒場で酔っ払ってラフタリアにぶつかり酔っ払い同士の腕相撲に突入するが、またもラフタリアに負けてしまう[184]。
- ロジール
- 樹の元仲間、「イツキ様親衛隊」の序列二位。マルドに並ぶ巨漢である、大斧使いの戦士。マルドが樹に捕らえられた際に彼の名が言及されており、リーシア以外の元仲間はセインの姉勢力に参加している模様。
- web版でのカルミラ島における「仲間交換」にて、度重なる問題行動を尚文に咎められたら逆ギレしてパーティから離脱したマルドに替わり、今度はこの男が居丈高な態度をとり始めた[Web 16]。激昂した際の口調はマルドのそれにもまして汚い[Web 17]。漫画版コミックス9巻において、初めて名前と顔が一致した[185]。なお、アニメ版でのキャラクターデザインが書籍・漫画版におおむね準拠している中、彼のみ顔の造作や髪と肌の色に大幅な変更がなされており、漫画版では黒人男性だが、TVアニメ版だと白人男性になっている。尚文の名誉回復後、祝賀会でマルドたちと共に他の勇者のパーティーメンバーと乱闘騒ぎを引き起こし、槍使いと立ち会うラフタリアに斧を振り下ろすなど卑劣な行為に及んだ[150]。
- ウェレスト
- 樹の元仲間の中では古参の一人であり、貴族の出身。「イツキ様親衛隊」の序列三位。ローブをまとい杖装備、頭にはとんがり帽子と三拍子揃った(漫画版・TVアニメ版ではフード付きのローブに変更された)、尚文曰く「どこまでもテンプレ通りな格好」をした魔法使い。帽子もローブも杖も高級感が溢れる上物。
- Web版におけるクーデター騒動の中、洗脳武器によって「正義ゾンビ」と化したキールたちに尚文の村を襲わせ、自らは馬車に隠れて様子をうかがっていたが、サディナの雷撃で馬車を破壊され姿を現す[Web 18]。なおもキールたちを尚文たちにけしかけようとするが、努力を積み重ね心身ともに格段の成長を遂げていたリーシアにあっけなく返り討ちに遭い、拷問の末に革命軍の背後関係や霊亀事件の折に樹の身に何があったか等を洗いざらい白状させられ[Web 19][Web 20]、城下町の広場でマルドや他の仲間と共に処刑された[Web 15]。
- 五人目の樹の元仲間
- 顔も名前も不明。はっきりしているのはマルドと同様、召喚2日目に樹の仲間になった三人の中にはいなかったメンバーであることのみ。外伝『槍の勇者のやり直し』のメルロマルク編(6周目)では、マルドが既に亡くともロジールを一位として順次繰り上げの序列となっていた中「新たに補充された五人目」が、実家に連れ戻されてしまったリーシアの立ち位置にされて悪態をついていた[Web 17]。リーシアがいないと最底辺で肩身の狭い思いをするのは自分自身となるため、蔑んでいても彼女の存在が必要だった。
- 漫画版・TVアニメ版ではいないものとされ、樹のパーティーメンバー人数はリーシアを含めて最高5人となっている。
- ウェルト、バクター、テルシア、ファリー
- 錬の仲間だった者たち。尚文の記憶によれば、4人のうち3人は召喚2日目に仲間になった5人の中にいたメンツ。
- 錬の方針もあり、錬とは別行動が多く、指示された狩場でLvを上げるなどをしていた。道理のために権力に逆らう気概は持たないが、盾の勇者の冤罪が晴れた後、クズと三勇教を怖れて仲間にならなかったことを尚文に謝罪した比較的まともな人々[130]。錬が霊亀に無謀に挑んだことで全員戦死する。錬とは距離感があるようだが、彼らは錬に対してそれなりに慕っていたようで、逃亡中の錬も死を受け入れられず、弱かったせいで死んだと言い逃れしつつ彼らの死に強い罪悪感を覚えていた。尚文と和解後は彼らのためにも世界の平和を取り戻すことを誓うなど、それなりに思われていたようである。
- Web版のカルミラ島で行われた「仲間交換」では、尚文とパーティを組んだ際は問題を起こした他の勇者の仲間とは違い、何事もなく、有意義にLv上げができた。普段の戦いでは前衛が物理攻撃、剣や斧とかの武器で敵に殴りかかり、後衛二人が魔法で援護し、回復魔法を使う戦法を取っている。しかし敵の攻撃への防御策を、錬からは「絶対食らうな、避けろ」としか教えられておらず、乱戦になりやすい欠点がある[Web 21]。
- TVアニメ版でのメンバー内訳は、黒いフードを被った髭面の斧使い、紺色のローブをまとった長身の魔法使い、緑髪で赤い道着の女武闘家、金髪で緑のマントをはおった双剣使い(全員名前不明)。斧使い以外の三人のキャラクターデザインは漫画版にほぼ準拠。
- 騎士団長
- 声 – 山本祥太
- メルロマルク騎士団の団長。典型的な三勇教徒か権威主義らしく、王族であるオルトクレイやマルティから嫌われている尚文を見下している。メルロマルク2度目の波では魔物と戦う尚文たち諸共巻き込むような魔法攻撃をして「平気なんだからいいじゃないか」とうそぶき、3度目の波ではエイクたち5人を勝手に連れ出したことに文句をつけ、波で荒らされた村も放置してグラスに負けた三勇者の保護を優先した。小説版での三勇教事件の際は、尚文を庇おうとしたエイクを尚文に加担したとして殺そうとするが、尚文に阻止される。その後、シルトヴェルトに暗殺されたようで、尚文の名誉回復後に女王から報告されている[注 78]。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、プロローグ編(2周目)で、シルトヴェルトに行こうとした尚文と使者たちを国境の砦で殺したらしく、それがきっかけでループを起こしている。シルトヴェルト編(5周目)では元康が同行したため、そのことが発覚したとともに、元康によって兵士たちと共に焼き殺される。
- TVアニメ版ではメルティの一喝に頭を垂れねば跪きもせず[175]、マインの命により「盾の悪魔が追っ手を振り切るため山に火を放った」というなすり付けの嘘を王国全土の諸侯に通達する[186]など、マインの腰巾着であるかのごとく振る舞っていた。グラス戦後の尚文にオルトクレイに報告することを要求するが、エイクたちの件で文句を言うシーンは無かった。また原作と異なり、暗殺されておらず、マルティとオルトクレイ弾劾裁判の際にはその場におり、マインの命令で尚文一行とメルティの隠れる山に放火したことを知った副団長に非難の眼を向けられ動揺していた[注 79][144]。2期では副団長だったサーブルが騎士団長に昇格されていたが、彼自身がどうなったかは不明。
- サーブル=ザローネ
- 声 - 手塚ヒロミチ
- アニメ版にて登場したメルロマルク騎士団の副指揮官。アニメのクレジットでは「副団長」。原作では未登場。鼻筋を横切るように横一文字の傷痕があり、顎先に薄く鬚を生やしている。
- 当初は騎士団長の命令に従って尚文とラフタリア諸共に攻撃するが、背後から魔物に襲われた自分たちを救い、身を挺してリユート村のために戦う尚文たちを見てエイクたちに援護を命じる[85]。また街中での元康の決闘騒ぎでは、第一王女の命令とはいえ、尚文を庇っているエイクに剣を向けることに複雑な表情をし、さらにはエイクが向けた訴える視線に対し後ろめたそうに目をそらすなど、騎士団長と比べれば数段まともな印象の人物。
- 弾劾裁判で初めて騎士団長がマインの命令で尚文一行とメルティの隠れる山に放火したことを知り、隣にいる騎士団長に非難の眼を向けた。冤罪が晴れて旅立つ尚文たちに敬礼し「盾の勇者殿に対し、捧げ剣!」と命じてエイクたちや尚文に救われた人々と共に見送った[144]。2期では団長に昇格しており、EDクレジットも変更されている。
- 舞台化した際に、名前を設定される。
- エイク
- 声 - 梶原岳人
- メルロマルク騎士団の下級兵士。リユート村出身の若者。メルロマルクの兵士だが、仲間の中には亜人種もおり、亜人に対する差別意識がない。故郷の村を助けた尚文に恩を感じている。民を守るために兵士になったため、リユート村の村人を救ってくれた盾の勇者を尊敬している。フィーロの件で周辺被害も顧みずに尚文を攻撃する元康の槍の前に飛び出し、往来で騒ぎを起こすのはやめるよう必死に制止した。
- 波を防ぐことを優先し巻き込まれる民を二の次にする国の方針に反して、盾の勇者である尚文に仲間にしてくれるように頼み込んできた。仲間4人と共に、メルロマルク3度目の波の際に盾の勇者パーティとして民間人の避難と救助を行った[180][181]。小説版での三勇教事件の際は北東の国境で警備をしており、逃亡中の尚文たちと遭遇するも匿って見逃し、その後の乱戦では尚文を庇おうとしたことで騎士団長に殺されかけるが、尚文に偶発的だが助けられる。事件解決後、仲間と共に祝賀会に呼ばれ、尚文と再会する。その後もセーアエット領の警備に派遣されていて顔を会わせている。
- 原作では特に名前が設定されてなく、尚文から「志願兵」または「少年兵」と呼ばれていたが、TVアニメ版では名前が設定されている。また、メルロマルク2度目の波の際、三勇者の援護に向かった騎士団長とは反対に副団長の「盾の勇者を援護せよ」の命令により尚文たちと共に戦っている[85]。グラス戦後、騎士団長に同行することを渋る尚文に懇願した。三勇教事件解決後は龍刻の砂時計の警備を務めており、ラフタリアたちのクラスアップに立ち会った[150]。
- 魔法使いの亜人少年
- 声 - 小林竜之
- エイクの仲間。メルロマルク騎士団の下級兵士。亜人。右目は髪で隠れており、四聖教か盾教を信仰していたと思われる[130]。
- ローブの裏地を出して羽ペンを差し出し、尚文にサインをしてもらう。以前の波で騎士団と同伴していた魔法使いたちと比べて安っぽい衣装をしているのは、亜人であることが原因[Web 22]。憧れの盾の勇者にサインをしてもらい大いに喜んだが、連日ストーカー行為の被害に遭った挙げ句にローブを盗まれ、それが発見されたのは闇のオークションで高値で落札された後だった。名誉回復後、女王からそのことを聞いた尚文に謝罪され、握手をしてもらうのだった[注 80][Web 23][Web 24]。
- 書籍版・漫画版およびTVアニメ版では、サインが原因のストーカー被害と握手のことはカットされた。書籍版で憧れに触れるのみ[187]。
- ヴァン=ライヒノット
- 声 - 八代拓
- 亜人友好派の貴族で、彼の街には亜人も多く暮らしている。メルロマルク最初の波のあと、戦死したエクレールの父と志を同じくしていた貴族は軒並みクズによって左遷の憂き目に遭わされており、彼もその一人であった。逃走中の尚文とメルティを匿うなど良識人ではあるものの、かつて尚文が作ったアクセサリーをぼったくり価格と知りつつ購入した[注 81]ことを、ラフタリアやメルティもいる前で「その節は良い買い物をさせていただきました」と、にこやかな笑顔で皮肉たっぷりに言う[189][190]など、なかなかに食えない人物でもある。
- 逃亡中の尚文一行を屋敷に匿っている際に、イドルに押し入られ、おびき出すために連れ去られ、拷問を受けるも頑として口を割らず、尚文に救出される。キールを救出した後、尚文たちが追われる立場であったため、キールを保護する。その後、事件によって体力が落ちたため領地で療養し、カルミラ島から帰った尚文たちをキールと共に出迎え、キールを尚文たちに託す。漫画版では尚文たちと別れ、彼を慕う領地の住民と合流した後、タイラントドラゴンレックスの被害を受けたイドルの町で領地の住民と救助活動を行った[191]。また漫画版とTVアニメ版では、リファナの遺体を預り、後に埋葬してくれており、廃墟となったルロロナ村に立ち寄った尚文たちと再会する。エクレールの父がやっていた種族融和の仕事を引き継いでいるようで、中々埋まらない溝に愚痴っていた[注 82][169]。
- 原作では特に名前が設定されてなく、尚文から「優男の貴族」と呼ばれていたが、TVアニメ版や設定資料集で本名が明らかになった[192]。また、行商時代の尚文からアクセサリーを購入した設定はなくなり、メルティの知己の貴族となっている。気配もなく背後に出現し、尚文に警戒心を抱かせた。
- イドル=レイビア
- 声 - 西村太佑
- ヴァンの隣町の亜人排斥派の貴族。亜人奴隷の拷問を趣味としており、ラフタリア、キール、リファナが買われて拷問されたことがあり、リファナを殺したことと、ルロロナ村が滅んだことを突きつけてラフタリアの心に深い傷を負わせた。鞭使いで亜人との戦争経験がある元軍人であり、書籍小説版では尚文たちと応戦していたが、弱い立場の奴隷を甚振っていた事実もあって、ラフタリアからの評価は「卑怯者」だった。また漫画・アニメではラフタリアに命乞いをするなど、小物で情けない姿を見せている。なお漫画版ではハゲ頭をカツラで誤魔化していた[193]。
- 逃亡中の尚文一行を捕らえるため、おびき出す餌としてメルティとヴァンを連れ去る。救出と敵討ちのために来た尚文たちに追いつめられ、ラフタリアを両手の鞭で打とうとして尚文に妨害され、ラフタリアに刺されて窓から突き落とされる。しぶとく生き延び、自棄を起こして過去の勇者が封印した魔物タイラントドラゴンレックスの封印を解くが、魔物に踏みつぶされ死亡する。
- 原作では特に名前が設定されてなく、尚文から「隣町の貴族」などと呼ばれていたが、TVアニメ版や設定資料集で本名が明らかになった[192]。また、メルティに対して絶望する顔が見たいと嬉々として詰め寄るなど外道さがより増している。また顛末も少々異なっており、ラフタリアから生きて罪を償うように告げられ、逆上し剣をふるうもラフタリアに魔力剣で刺されつつ彼女を蹴り飛ばし、後ずさりした際、床に落ちていた鞭に足を取られてバランスを崩して窓から転落した。その後は書籍などと同様の結末を辿る。
- タイラントドラゴンレックス
- 隣町の貴族の屋敷の敷地内に封印されていたドラゴン。竜帝の欠片を取り込んだが適応できずに暴走した結果、過去の勇者に封印されていた。
- 適応できなかったとはいえ、竜帝の欠片を取り込んだだけに高い防御力を誇り、フィーロの強烈な蹴りも効かない。また、口から炎を吐くこともできる。
- イドルに封印を解かれて暴走、現れたのが街中だったこともあって尚文達は攻めあぐね、しかも同じく竜帝の欠片を体内に持つフィーロを執拗に狙っていたため、湖のある場所まで誘き寄せられた後再び尚文達と戦闘、尚文が「憤怒の盾」を使わざるを得ない程に追い詰めたが、現れたフィトリアに呆気なく倒された。
- ハーベンブルグ伯爵
- 声 - 上別府仁資
- カルミラ島の統治をしている貴族。経験値を上げるために訪れた勇者一行の案内員となり、観光案内や魔物退治でのマナーなどを教える。
- 詐欺商
- カルミラ島で粗悪なアクセサリを隠蔽し高値で売っていた商人。尚文から、どうせ吹っ掛けるなら相手が喜ぶ嘘を吐けと「このアクセサリを買えばLvアップが上手くいく」というジンクスをでっち上げるという助言を受ける。売り上げが向上した結果、品物の品質も上げられるようになり本人も「客が喜んでくれる商売」を楽しむようになった。
- 漫画版、TVアニメ版では未登場。
- 盗賊
- メルロマルク内で尚文と度々かち合う盗賊。出会うたびに略奪品を巻き上げられる[注 83]。初対面時に食わせると脅されたせいでフィーロがトラウマになっている。盗賊になった錬の配下を経て捕らえられ、懲罰としての強制労働に就いていた。当人は罪を償って更生し、真っ当に生きていくつもりだったが、尚文との取引で盗賊取り締まりに協力することとなる。彼が組織した盗賊団は他の盗賊団の情報を収集して通報。場合によっては非合法な取引を行う商人を襲う活動も行い、後に設立される「義賊ギルド」の母体となった。
- Web版番外編「バレンタインデー編」によると、チョコレート農家を営む父親はかなり方向性を間違えた発明狂で、到底売り物にはならない物ばかり作っては「自分の発明の素晴らしさを理解しない奴らが悪い」とますます拗らせていて、実家に残っている妻(母)や娘(妹)からも匙を投げられている。
- フィロリアル生産者
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』で登場。正確にはメルロマルク国境からシルトヴェルト方面に2日ほど行った場所にあるフィロリアル牧場の主。シルトヴェルト編(5周目)で、フィロリアルを求めて訪れた元康にユキ、サクラ、コウの卵を販売した。本来個人への直売はしていなかったが、自分以上のフィロリアル愛好家である元康の知識と情熱を気に入り、特別に取引に応じた。以降もループするたびに世話になっており、周回のひとつでは育成に関する研究に協力した。
- フィロリアル仙人
- 外伝『真・槍の勇者のやり直し』で登場。元康が初めて育てた「フレオン」の卵を所有していた老人で、元々はフィロリアルのブリーダーであったが、老齢のために引退。マインによって卵を無理矢理強奪され、それを返してもらおうと城に来た所で元康と出会った。
- 「フレオン」の成長を見て、元康に正式に譲渡した。元康からは「フィロリアル仙人」として称えられている。
フィロリアル
- フィーロ
- ヒヨちゃん
- フィトリア
- クー
- 愛の狩人になった元康が育てた赤色のフィロリアル・クイーン。元康のことを「もっくん」と呼ぶ。戦闘スタイルは爪と火を吐く。
- 元康からの呼称は「クーちゃん」。
- マリン
- 愛の狩人になった元康が育てた青色のフィロリアル・クイーン。元康のことを「もーちゃん」と呼ぶ。戦闘スタイルは魔法と羽根投げ。
- 元康からの呼称は「マリンちゃん」。
- みどり
- 愛の狩人になった元康が育てた緑色のフィロリアル・キング。元康のことを「もとやすさん」と呼ぶ。フィロリアルの中では冷静で理解力も高く頭も良い。戦闘スタイルは人型で斧使い。
- 元康からの呼称は「みどり」。
- ぶらっくさんだー
- 目つきの悪い真っ黒な飼いフィロリアル。配下のフィロリアルから「フィロリアル・クイーン(フィーロ)」の噂を聞き、年老いたフィロリアルに確認しようとフィロリアル牧場を訪ねたフィトリアに妾にしてやる等々の暴言を吐き、お仕置きされてしまう[194]。
槍の勇者のやり直し
槍の勇者で登場するキャラクターたち。 ループした元康が育てたフィロリアルたち。クロ以外の命名は尚文。元康は卵の状態でも区別が付くため、ループするたびに可能な限り手に入れている。
ユキ・サクラ・コウの三羽はフィトリアの試練を受けて後継候補に選ばれているが、その後も元康が限度なしに卵を買い漁った結果として最終的にはそのほとんどがキング、クイーンで構成される「フィロリアル軍団」となる。
- クロ
- 最初のループ(2周目)で、元康が魔物商から購入・孵化させた黒色のフィロリアル・キング。元康のことを「もと」尚文を「なお」と呼ぶ。漫画版1巻書き下ろし小説とWeb版によると重度の厨二病。錬やキールと仲良くなるが、知り合う時期によっては錬から黒歴史扱いされる。
- 元康からの呼称は「クロちゃん」。尚文には安直といわれたが、元康の命名では一番無難だった。オスなのにちゃん付けであったが、漫画版にて男の娘だと明らかになっている[195]。
- 『盾の勇者の成り上がり』4巻収録の短編にも、とある牧場で飼われているフィロリアル「ブラックサンダー」の名で登場しており、正体を隠したフィトリアに言い寄って蹴り飛ばされている。
- ユキ
- 声 - 和氣あず未
- シルトヴェルト編(5周目)で元康が孵化させた白色のフィロリアル・クイーン。元康のことを「元康様」尚文を「ナオフミ様」と呼ぶ。リーダー的存在で、サクラ、コウだけではなく、元康が買い漁った卵から生まれたフィロリアルたちの指揮も執るようになる。元来、能天気で自分のやりたいことしかやらないフィロリアルの中でも利益と不利益を差し引きした上での判断を下すことが出来るなど、作中に登場したフィトリアの後継候補の中では最も有望。
- 元康がフィロリアル生産者から買った卵の中で唯一血統が良く、そのためか上品な言い回しや会話をする。プライドも高く、元康にとっての1番になることを望んでいるが、当の元康は「フィロリアル様は等しく愛でるもの」という認識のため伝わっていない。
- 元康からの呼称は「ユキちゃん」。
- サクラ
- 声 - 日高里菜
- シルトヴェルト編(5周目)で元康が孵化させた桃色のフィロリアル・クイーン。元康のことを「モトヤス」尚文を「ナオフミ」と呼ぶ。おっとりとしていて尚文に懐いており、主に尚文の護衛を担当。メルロマルク編(6回目)では尚文が主人になっている。人型になると花飾りのように見える癖毛がある。元康が主人だった場合は目の色がピンクだが、尚文が主人になった場合は目の色が青くなる。シルトヴェルト編では他のフィロリアルと同じで幼い姿だったが、メルロマルク編では17歳くらいの大人の姿に変化している。
- 元康からの呼称は「サクラちゃん」。元々はそれほど良い血統ではなく、卵状態で魔物商に卸される予定だったが、ユキの卵を購入した際にもっとたくさん欲しいという元康にサービスで譲られた。
- web版ではある条件(育て方)でフィーロになることが判明している。
- コウ
- 声 - 大空直美
- シルトヴェルト編(5周目)で元康が孵化させた黄色のフィロリアル・キング。元康のことを「キタムラ」尚文を「イワタニ」と呼ぶ。好奇心と食欲が旺盛。獣人化したキール(6周目)やイミア、樹(8-9周目)すら食べようとする。リファナやラフタリア、エルメロとは仲が良い。仲間すら食べ物扱いする態度は堪忍袋の緒が切れた尚文の「だったらコウも食べてもいいよね」というお仕置きによって改められ、以降は尚文に苦手意識をもっている。
- 元康からの呼称は「コウ」。元々はそれほど良い血統ではなく、卵状態で魔物商に卸される予定だったが、ユキの卵を購入した際にもっとたくさん欲しいという元康にサービスで譲られた。
- ルナ
- メルロマルク編(6周目)で元康が孵化させた紺色のフィロリアル・クイーン。クール系な性格で口数が少ない。かわいい物好きで獣人化したキールやイミアを好んでいる。人化時の髪の色が銀と色合いが異なる。
- 元康からの呼称は「ルナちゃん」。
ゼルトブル
- ヒークヴァール
- 声 - 真木駿一
- アクセサリー屋を営んでいる商人。本編では名前が明らかにされておらず、「アクセサリー商」と呼ばれていたが、設定資料集で明かされた[192]。メルロマルクで行商を行っていた尚文と出会い、隣町まで馬車に乗せてもらっていた際に、裏切り者の商人組合員から情報をもらった盗賊に襲われるが、尚文に助けられる。その際の盗賊に対する対応から、尚文の商才に惚れ込み、アクセサリーの技術の伝授や採掘場の斡旋を行う(情報を売った商人組合員は粛清された)。人脈こそ財産と考えているらしく、各方面にも顔が広く、組合内でもかなり権力を持っている。表面上は穏やかだが、その恵比須顔から時折垣間見せる邪悪で残忍な狸親父の本性は、日頃から悪人を自称している尚文をも心胆寒からしめる。商売には厳しく弟子をとる人ではないと有名であり、実質尚文を弟子にしたと聞いた商人仲間からは驚かれていた。稼ぎ時や稼ぎ場所を嗅ぎつける勘が鋭く、前述の詐欺商のスポンサーにもなっている。本国ではデパートかモールのような店舗を経営している。尚文が作った薬を飲んで、レシピを教えたのがメルロマルクのにいる旧知の薬屋だと気づいた。アニメではバイオプラントの種と作物の買取も行っていた。
- 技術的な面はともかく、店に陳列した客受けを狙ったアクセサリーはテリスからの評価が辛い。絆の異世界や波の尖兵から得たアクセサリーの解析と量産開発を依頼されている。その際に、ラルクからしつこく弟子入りを懇願され、普段とは異なる商人としての厳しく冷たい態度で断るも、カースシリーズが発現しかけるほどの剣幕で頼み込まれたため、さすがに折れてしまい弟子入りを認めてしまう。
- 奴隷商の親戚
- ゼルトブルに拠点を置く奴隷商の叔父。奴隷商と瓜二つで話し方も同じ。
- ラーサズサ
- パンダの亜人/獣人。ゼルトブルの傭兵で普段はコロシアムで稼いでいる。「竹林」の二つ名を持ち、地面から竹を生やして攻撃する魔法を使う。
- 尚文がコロシアムの下見に来た時の試合でエルメロと戦っており勝利している。タクトとの戦争では、ライバル兼戦友であるサディナに味方するために駆けつける。傭兵であるためかお金や宝、それに関わる物事が大好きであり尚文からは気が合いそうだと思われている。実は可愛いものや服が大好きだが否定している。姐御と慕う男の獣人の部下を連れている[注 84]。戦争後はルロロナ村にたまに訪れるようになる。
- 元康からの呼称は「パンダ」。サディナからは「ササちゃん」。『槍の勇者のやり直し』では尚文にコーディネート対象として偉く気に入られてしまい、何かと可愛い格好をするように勧められては困惑したり、ノせられたりしている。幼いころに戦争で両親を亡くし、料理人をしているクジャク獣人に育てられながら一族の故郷を探して旅していた時期がある。故郷に住む祖父は巨大な煙管を武器に使う歴戦の傭兵で、変幻無双流のエルラスラのライバルだった。エルラスラの技を見よう見まねで使いこなすなど卓越したセンスをもつ。外伝では再会した瞬間、殴り合いを始め、互いの健在ぶりを確かめて以降は共に訓練や狩りをしている。
- エルメロ
- ゾウの獣人。ゼルトブルの傭兵で普段はコロシアムで稼いでいる。「地響きの女王」の二つ名をもつ手練れ。普段は我慢強く冷静に振る舞うが、実際には勝ち気でかなりの負けず嫌い。外伝で判明したことだが実家はシルトヴエルトの名家。だが、マンモス獣人の家系で彼女だけがゾウ獣人に生まれたため、家族からは疎外されている。身体能力にハンディを負いながら多対一でマンモス家族と戦うが、圧勝するほど強い。歌が上手で、コウを始めとしたフィロリアルのめんどうも見ている。ラーサズサやサディナとはライバル兼戦友であり、付き合いも長い。
- 尚文がコロシアムの下見に来た時の試合でラーサズサと戦っており敗北している。タクトとの戦争ではサディナに味方するために駆けつける。試合の時には強気な口調をしていたが、盾の勇者である尚文の前ではかなり緊張していた。戦争後はルロロナ村にたまに訪れるようになる。
- サディナからの呼称は「エルちゃん」。元康からの呼称は「ゾウ」。『槍の勇者のやり直し』では、上述の実家の詳細と過去の経歴が詳しく語られ、尚文一行の正式メンバーとして加わったりもする。
シルトヴェルト
- ヴァルナール
- シュサク種の亜人。
- 盾の勇者である尚文に対し、仰々しくも誠意を示す。人間とのハーフのハクコ兄妹に対して穢れた血と言い見下していたが、アトラの真のシルトヴェルトの民らしい振る舞いと、ジャラリスとの戦いで態度を改めた。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、自国の利益を考え優先していたが、あまりの過干渉に怒った尚文から「(ケタ外れに強い)元康ですら、波で負けたためにループした」と諭されて対処する順番を考え直す。尚文を利用しようとする派閥の行動や自身への妨害に苦労する。
- ゲンム種の翁
- ゲンム種の亜人。
- 六十歳前後の小太りな老人。シルトヴェルトの有名な貴族で一線は引いているが発言力もある。良識もあるが老獪さも並ではなく、一筋縄ではいかない相手。
- ジャラリス
- ライオンの獣人。
- 盾の勇者である尚文が敵国のメルロマルクで召喚されたことを快く思っておらず、慇懃無礼な態度を取り、内心で見下している。そのため、尚文をその地位と立場を利用した上で抹殺しようと企んでおり、尚文に女を差し向け既成事実を作ろうとしたり、食事に毒を混ぜたりと陥れようとする。
- 戦争の際、敵国と内通しており、窮地を演出し自分が活躍しようとしていたところをハクコ兄妹の父によって逆転していたため憎んでおり、後ろから刺して暗殺した。そのためハクコ兄妹に取って父の敵であると同時に、自分たちを奴隷に身を落とす要因を作った相手でもある。盾の勇者も国の重鎮たちも皆殺しにして、自分がシルトヴェルトの頂点に立つという野望を抱いていた。
- ハクコ兄妹と決闘を行うが、卑劣な手段を尽くしてなお劣勢に立たされ、謎の勢力から与えられていた薬を飲んで怪物となり暴走、最後はアトラと獣化したフォウルによって倒される。
- その性格について、尚文には「無礼で野心が安っぽく、プライドばかり高いところが鎧(マルド)そっくりだ」と内心で評され[196]、フィーロには「メルちゃんのお姉さん(マルティ)や鎧の人と同じ『嘘つきの目』をしてる」と言われた[197]。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』のシルトヴェルト編(5周目)では、亡命してきた尚文を同様に利用しようとしたのをスキルで隠密行動していた元康に聞かれたため、こっそりと始末される。
- ハクコ兄妹の父親
- ハクコ種。フォウルとアトラの父。故人。
- 自分の父、タイランを超える才能を持っていたが、幼少期は本が読むのが好きで、戦いを極力避ける人物。尚文曰く優男系。しかし一度戦うと雄々しい戦いを見せていた。メルロマルクと和平を結ぼうとしたが和平派を殺した罪を擦り付けられる。戦場でジャラリスに暗殺される。
- 経緯は不明だがクズの妹のルシアと結ばれ、フォウルとアトラが生まれる。フォウルとは戦うことに否定的だったため、関係は良くなかったが内心は慕われていた。
- タイラン=ガ=フェオン
- ハクコ種。フォウルとアトラの祖父。故人。
- 先代のシルトヴェルトの王で先代のツメの勇者。かつて壮大なカリスマで統治していた。メルロマルクの戦争で英知の賢王に敗北し戦死。その後シルトヴェルトのハクコ種の地位は大きく衰退することとなる。
- ルハバート=ワーバルト[注 85]
- 七星勇者、ツメの勇者。ワーフル種。
- 青い毛並みの美しく整った顔立ちと引き締まった筋肉をもつ狼男の亜人/獣人。シルトヴェルトの猛者で修行の旅に出ており、しばらくシルトヴェルトやフォーブレイに帰ってこなかった。一度集中すると滅多なことでは他に気が回らない性格。実はタクトによってツメの眷属器を奪われ殺されており、尚文との会談ではトゥリナが成り済ましていた。尚文たちは書籍版、web版ともに一度も本人に会っていない。杖を除くと、七星勇者で転生者に奪われる前の本来の持ち主が判明しているのは、ツメだけである。
- 『槍の勇者のやり直し』でも元康と尚文の前にトゥリナが成り済まして登場したが、元康の槍のビーストスピアに正体を見破られ殺害された。
クテンロウ
- 水竜
- クテンロウで祭られている海のドラゴン。作中で直接には登場していない。
- クテンロウの結界の維持の役割をしており、国の監視者や守り神のような存在。クテンロウの腐敗した現状に嘆いており、国の本来の役割を果たすために、クテンロウを目指していた尚文、ラフタリア、サディナ、ガエリオンをクテンロウ側がいじった結界で足止めを受けることもあり、自身の隠れ家に招き、竜帝の欠片にメッセージで自身の役割や目的を伝えた。
- ラルヴァ
- シュン種の亜人。
- ラフタリアの父親の派閥の人間であり、かつてラフタリアの両親とサディナの逃亡の手助けをした。クテンロウに侵入した尚文たちに接触し革命の協力を求めた。
- エルハルトの師匠
- 刀鍛冶。犬系の亜人。エルハルトとトーリィの師匠。
- 鍛冶の腕は一流だが重度の女好きで、昔の元康を彷彿させるため尚文から「元康二号」と呼ばれている。
- 女好きの半面、男に対する扱いは悪く、特にハーレムを囲っている(ように見える)尚文を嫌っている。しかし、錬に対しては以前から武器づくりに興味があったということと非モテオーラをしているという理由で気に入っている。
- 女好きで多くの借金をして逃げるというダメ人間ぶりだが、気を感じることができ、鍛冶の際に意図的に使うことができる。気を使って素材の声を聞き、屈服させて武器を作っているらしく、呪いを帯びた剣を怒鳴っただけで瘴気を霧散させ、平然と持つことができる。
- 過去の天命
- シルディナの神託で降ろされた過去の天命。語尾に「だの」をつける。ずっと以前の槌の勇者だったらしく、幻覚ではあるが槌の眷属器らしきもので戦う。ラフタリア以上の戦闘力と幻覚魔法、天命の技を持っている。
- 最初に降ろされた際に、クテンロウの腐敗の元凶であるマキナたちを殺そうとしたため、危険な切り札という扱いだった。サディナとの決闘の際に降ろされ、好機としてそのままシルディナの体を乗っ取り、マキナたちを殺害する。その後、天命として未熟なラフタリアに対して、シルディナの体をかけた決闘と称した過激な稽古を行う。シルディナの体による全力を出し、勝利したラフタリアに及第点をやり、天命として後を託し消滅した。
- ナタリアより後の天命と思われていたが、その正体はホルンが開発したナタリアの残留思念が宿った槌の意識体であることが判明する。人格転写が終えた後年の槌が大本であり、幻影で現れた姿はナタリアの未来の姿であり、守がいた時代の後、調停者の武器としてクテンロウから持ち出され、神託によって術者の代わりに戦っていた。語尾が付いたのは、尚文は槌の制作者である似たような語尾を言うホルンの影響と仮説を立てている。
- だふちゃん
- ラフちゃんやラフ種の儀式によってラフ種として転生した過去の天命。他のラフ種と異なり、鳴き声は語尾を彷彿とさせる「だふー」。20巻までは「ラフちゃん二号」と呼ばれていた[198]が、20巻で尚文が「時々だふちゃんと呼んでいる」と語っており、21巻ではほとんどだふちゃんと呼ぶようになっている。自分を蘇らせたラフちゃんに呆れつつ、そのままルロロナ村で住むこととなる。
- 断片的な人格でしかなく、記憶もそれほど残っていない。一時的に過去の天命の姿になることができるも維持するには燃費が悪い上、馴染んでいないため長時間は変えることができない。ラフ種の姿でも十分戦えるらしく、フィトリアの聖域で見つかったビーストスピアをサイズに合わせて小さくさせて自在に使っていた[199]。過去の世界で勝手に九尾の狐を倒して本懐を遂げたためか自己消滅した。
- 自分の過去など記憶が曖昧であったが、過去の世界で自身の元となった槌が完成されたところを見たため、前述の自身の正体を思い出す。
- マキナ
- クテンロウの腐敗を招いた元凶。
- 元々はシルトヴェルトから来た宣教師であったが、ラフタリアの祖父にあたる先々代の天命に気に入られ、国の実権を握り始めた。天命一族の暗殺などの悪行を行い、ルフトを傀儡として利用していた。マインに似た性格の毒婦であり、尚文からは他人とは思えないと評された。
- 革命によって追い詰められ、逃げようとするもシルディナの体を乗っ取った過去の天命によって殺される。悪霊となり、シルディナの体を乗っ取ろうとするも、勇者たちのソウルイーター素材の武器による攻撃と過去の天命の攻撃によって消滅する。
フォーブレイ
- フォーブレイの王
- クズの13歳ほど年上の兄。かなり醜悪な外見の持ち主で、メルティからは「うごめく肉塊」「豚の化け物」、女王からは「肥え太った豚」と内心思われている。女を快楽のために拷問するのが大好きで、フォーブレイの王に嫁ぐことが女貴族の処刑方法になっている。元々マインをこれ以上目に余ることを仕出かしたら嫁がせるつもりだったらしく、一万人目の玩具として歓迎しようとしていた。タクトによって殺される。
- Web版では、マインがメルロマルクのクーデターの際に捕らわれたことで実際に嫁ぐこと(という名の処刑)となり、マインを陵辱の末殺している(実はタクトによってホムンクルスとすり替わっていたが)。マインがちゃんと死んだのかの確認のために、水晶での証拠映像の撮影を快く応じており、その意見をした尚文を大層気に入り、招待したいと言っていた。相当珍しいことらしく、女王やフォーブレイの伝達役が驚いていた[Web 25]。
- 元康からの呼称は「豚王」。外伝では、ほとんどの周回でタクトが行動を起こす前に元康に殺されてしまうため、生き延びる展開が多く、本編とは逆にタクトに引導を渡す展開もある。
- 教皇(四聖教)
- 外伝に登場した四聖教を束ねる責任者。温和な人物だが、言葉遣いが奴隷商にそっくり。元康も「親戚か?」と思ったが、教皇本人には思い当たる親戚はいない。
タクト一派
- タクト=アルサホルン=フォブレイ
- 七星勇者、鞭の勇者。
- フォーブレイの末席の王子で、若年にして多くの分野で実績[注 86]をもつ天才で、鞭の七星武器に選ばれる。正体は転生者で実際は鞭に選ばれたわけではなく、眷属器の精霊を不正な力で無理矢理従わせている。他の勇者を殺害して眷属器を奪い取っており、鞭以外に槌、ツメ、斧、投擲具の計5つの眷属器を所有している。本来波の尖兵は一つしか武器を操れないが、タクトは能力を拡張したことで複数所持できる[200]。美少女、美女を多く侍らせており、その数と勢力は他の波の尖兵と比べるとかなり大きく、レールディアによってLv100越えのクラスアップができたため、最低Lv250も持っていた。作者活動報告によると、美少女なら何でもストライクゾーンに入る中途半端なロリコンと書かれている[201]。鞭の勇者と言われているが、尚文たちとの戦いではツメをよく使っていた。
- フォーブレイの学校の旧友だったマルティに唆され、鳳凰と戦っていた尚文たち連合軍に横やりを入れ、全滅させようとした。その後フォーブレイの王を弑逆。さらにフォーブレイに来た尚文たちを襲撃して盾の聖武器を奪う。尚文たちが撤退した後、全世界に宣戦布告し世界征服に乗り出す。
- 高レベル者による飛行機や飛行船の空爆で攻め続けメルロマルクに進軍するが、英知の賢王として再起したオルトクレイの策略によって撃墜される[注 87]。砦での戦いでは、杖の眷属器を借りた尚文と交戦するが、以前の戦いとは異なり、強力な援護魔法によってまったく歯が立たず一方的にやられる。あまりに余裕だったため、尚文と合流したフォウルが、杖と小手をわざと奪わせたことで(一般的に知られている範囲で)七聖武器全てを手に入れるが、それでも二人に敵わずボコボコにされる。そして、盾の精霊とアトラとオストの援護を受けた尚文の権利剥奪によって、奪った武器が全て解き放たれ、武器による力を全て失う。
- 敗北後、偽勇者の烙印を押され、世界征服に乗り出し各国の王や王族を殺したなど、多くの罪によって処刑されることになる。その際、自身の秘密を吐き出すために尚文でも引くような拷問[注 88]を受ける。そして秘密を話そうとするも、口封じのために頭が破裂して死亡し、魂も消される[注 89]。なお、マインによると、尚文たちを倒し、武器を全て奪った後、セインの姉の勢力がタクトを殺し、武器を全て奪う予定だったらしい[注 90]。web版では正体がわかっていたため、秘密を聞き出すこともなく処刑が行われ、回復魔法で生命を維持しながら、これまでに処刑された女共の処刑を追体験させられ、最期は儀式魔法『裁き』と『焔』によって跡形も残らず消された後、グラスの世界の処刑人が連れて来たソウルイーターに魂を食べられる。妹のナナを含め、血縁者もすべて族滅に処された。
- Lvは本人によれば350とされるが、Lvにものを言わせた戦い方をしており、尚文からはキョウの方が強いと感想を述べていた[注 91]。所持している鞭の七星武器の強化方法は「自らや味方のLvを下げることにより、素質強化する」であることから、その強化方法を知らない、またはLv至上主義であったためLvを下げようとしなかったと思われる。
- 外伝の『槍の勇者のやり直し』シルトヴェルト編(5周目)では、トゥリナの敵討ちもあって本編と同じように勇者の騙し討ちを謀るが、鳳凰戦の記憶が蘇った元康にあっさり返り討ちにされ殺される。以降は元康にマインに次ぐ最優先抹殺対象と見做され、敢えて仲間の死を見せつけられた上で魂ごと一撃で葬り去られたり、生け捕りの後にフォーブレイ王の慰み物にされて拷問の末に惨死するなど、扱いが酷い。また、一時期ゼルトブルのコロシアムでパピヨンマスクを付けた姿で素性と実力を隠しながら「セブンオール」のリングネームで戦っていたことが判明している[注 92]。コミカライズ版では元康の視点だと、なぜか顔がぼやけて見えており、まともに見ることができないというより扱いが悪くなっている。
- トゥリナ
- 九尾の狐の魔物[注 93]。年寄り臭い喋り方をするが幼い外見をしている、いわゆるロリババアであり、ラフタリアと対極的な設定となっている。
- 権力者に取り入り、悪さをしていたが、過去の天命によって封印されていた。過去の天命を恨んでおり、過去の天命や子孫であるラフタリアに対して「ラクーンのブス」と罵っている。龍脈法や特殊能力を使った幻覚魔法や火の魔法を使う[101]。14.5巻では細身の剣を使用し、16巻ではツメを使って攻撃していた[101][202]。
- 幻覚魔法によってシルトヴェルトの爪の勇者のルハバートに化け、尚文たちを欺けようとするもラフタリアとラフちゃんに見破られ交戦する[101]。数的に不利な状況であったためその場は撤退する[101]。その後フォーブレイでタクトの仲間として尚文たちに襲い掛かった。砦での戦いでは、幻覚魔法で仲間を援護しようとするもラフちゃんに無効化される。過去の天命が姿を現した際、復讐のために襲い掛かるも、過去の天命とラフちゃんの連携攻撃によって倒された。21巻においては過去の世界でも、同じような九尾の狐が権力者に取り入り、ある国を腐敗させていたが、ナタリアに退治されそうになり、さらに割り込む形で、ラフちゃん2号の持っていたビーストスピアによって倒されるが、過去の天命によると別人とのこと。
- Web版ではラフタリアと戦い、武器が解放されたことで槌の勇者となったラフタリアに脳天を叩き潰され死亡[Web 26]。
- また、『槍の勇者のやり直し』のシルトヴェルト編(5周目)ではweb版・書籍版ともにツメの勇者のに化けてシルトヴェルト城に現れた際に、ビーストスピアが自動発動して一撃で倒されている。
- ネリシェン
- アオタツ種の族長でシルドフリーデンの代表。
- 種族の宿敵であるハクコ種のフォウルを敵視しているが、人間との混血であることを蔑んだ発言をしたため、逆に「自国の成り立ちも知らん者が代表を名乗っているとは片腹痛い」と一笑に付された。風と水の魔法を使い、大きな東方の龍に変身できる。
- 砦での戦いでは、フォウルと戦う。最期は頭を吹き飛ばされ死亡する。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、タクトと共に殺されない場合は資金を持って逃亡し、ゲリラ活動を行っている。
- シャテ
- ノイド種とクシャ種の混血の亜人/獣人。人魚みたいな姿とサメっぽい獣人の姿をもつ。
- ルカ種に対して恨みを持っており、サディナをルカ種と勘違いして敵視する。銛を武器をして扱う。
- 砦での戦いでは、サディナと戦う。シルディナ諸共倒すと発言をするも、シャチの姿に獣化したサディナに八つ当たり相手として一方的にやられ、雷の魔法で感電死する。
- レールディア
- 竜帝。多くの竜帝の欠片を所持している。
- Lv100越えのクラスアップができる儀式の記憶が入った欠片を所持しており、それによってタクトたちはLv100を超えていた。人間態はトカゲみたいなシッポをもつ女の姿。本来の姿は親ガエリオンよりもさらに大きいドラゴンで、守護獣と同じような気配を放っており、尚文からも「一番強そう」と言われている。
- 砦での戦いでは、錬とガエリオンと戦う。ガエリオンの欠片を奪おうとするも敗北し、欠片を渡すことを拒絶したためガエリオンに止めを刺され、欠片を奪われる。
- 『槍の勇者のやり直し』では、シルトヴェルト編(5週目)にてタクトの死に自暴自棄になって本来の姿を露わにし、無差別攻撃を行うも、元康に一撃で殺される。またコミカライズ版では本編の記述と異なり、幼い外見をしているが、活動報告によると、気分で外見を変えているかららしい[201]。
- アシェル
- 人間の姿になれるグリフィン。
- フィロリアルを敵視しており、女王種であるフィーロを倒そうとする。
- 砦での戦いでは、フィーロとシルディナと戦う。シルディナが風の魔法でフィーロを飛ばしていることに気付かず、絶滅した空飛ぶフィロリアルと勘違いする。フィーロに追い詰められ、最期はシルディナの風の檻によって細切れにされる。
- Web版では、武器が解放されたことでツメの勇者となったフィーロに首をひねり折られて死亡[Web 26]。『槍の勇者のやり直し』のシルトヴェルト編(5周目)では、フィロリアルのレベル上げをしていた元康の前に彼女の父親のグリフィンが現れるが瞬殺され、ドロップ品と素材として利用されている(肉は尚文に料理されステーキや燻製になった)。タクトが死んだ際には、仇を取ろうとしたが、父親同様に一撃で殺される。
- 白衣幼女
- ラトのライバルだった錬金術師。
- 見た目は白衣を着た子供そのままの幼児体型で本名は不明。ラトの遠い親戚でもある。ラトによると平凡な錬金術師で、自分ほどではないが、他の奴より人工生命に関しては詳しいとのこと。ラトからは、タクトの武器を奪う力は彼女によって与えられたのではと疑われていた(実際は違うが、武器を複数奪えるようにしたのは彼女と思われる[200])。
- 捕らえたラフタリアを尋問しようとしていたが、ラフちゃん二号の幻覚魔法によって、すでに脱出したラフタリアの身代わりにされ、他の仲間から拷問にかけられてしまい、最終的に砦での尚文とタクトの戦いの最中に人質として使われ(尚文たちはすでに知っているため意味がなかった)、尚文に対する見せしめとしてタクトに気付かれずに殺されてしまう。
- Web版ではマインがフォーブレイの王に献上された際に、身代わりのよく似たホムンクルスを作り、死を偽装していた。ラフタリアが捕まることがなかったため、身代わりにされなかったが、戦争後に処刑されることになり、培養槽に落とされて魔物に変えられた後、殺される[Web 27]。
- エリー
- タクトの幼馴染のファーストヒロイン的な存在。メイド服を着ており、銃を武器としている[注 94]。
- 砦での戦いでは、セインと戦うも、尚文のタクトに放ったスキルに巻き込まれ消滅した。外伝の『槍の勇者のやり直し』でも、元康の攻撃からタクトを庇おうとして一緒に殺されたり、タクトが躱した攻撃を受けて死んだりとつくづく報われないキャラクター。
- メルリス
- フォーブレイの影。
- タクトと戦っていた尚文から回復アイテムのルコルの実を奪おうとしたが、尚文が誤って潰して出た滴に当たって千鳥足となり、セインによって縛り上げられる。
- 外伝の『真・槍の勇者のやり直し』のシルトヴェルト編アフター(5周目の続き)では、タクト殺害の際に回収されていたレールディアの核石が偽物とすり替えられていたことが発覚。彼女の仕業と考えられる。
- ナナ=アルサホルン=フォブレイ
- タクトの妹。
- 兄同様Lv至上主義に染まりきっており、フォーブレイに来ていたメルティを人形姫と呼び、しつこく絡んでいた。Lvは130で戦場でメルティに襲い掛かるも、やはり兄同様Lvにものを言わせた無駄な動きで突っ込むだけであったため生け捕りにされる。タクトの悪行を聞かされても兄が悪いとは微塵も思っておらず、処刑場で暴言を吐き続けた挙句、串刺し刑に処された[注 95]。
- 元康からの呼称は「クソガキ」、のち「妹豚」。外伝の『真・槍の勇者のやり直し』では、タクトと共に殺されない場合は元ハーレムメンバーと逃亡してゲリラ活動を行っているが、元々協調性など欠片もない連中なので敗走する際に味方に見捨てられ、エルメロに捕らえられたりしている。
四霊
異世界の守護獣。文字通り世界を守護するのが役目。世界の生物(およそ2/3)の命と自らの存在を引き換えに波を防ぐ結界を張る役目があることが明らかとなっている。過去の盾と弓の世界および絆たちの世界においては四神の守護獣がいたと作中で述べられている。
- 霊亀(れいき)
- 守護獣の一体で山のように大きな亀の魔物。中華風の国の下に封印されていたが、キョウによって封印を解かれ、操られている。
- 攻撃手段として、巨体を活かした強大な足の蹴りや踏みつけといった物理攻撃、重力の魔法、さらに口からドレイン効果のある強力な電撃を放ち、相手のSPを奪い、電撃を連発することができる。使い魔は亀の甲羅が付いており、死体や襲った人に卵を植え付けて苗床にして数を増やしている。錬たちのゲーム知識では討伐推定Lv60位だが、Lv80位の錬たちの攻撃が全く効かず、全く脅威にならないと判断し一瞥した程度で相手にもしなかった。またキョウによって操られたことで「暴君霊亀」と呼ばれる甲羅に棘がついている禍々しくより強力な姿となり、棘をミサイルのように発射する広範囲の爆撃攻撃など通常の霊亀にない攻撃ができるようになる。
- 頭と心臓を同時に潰さない限り何度でも再生する。体内へ侵入するための霊亀洞と呼ばれる洞窟があり、かなり複雑な構造になっている上に壁や床に擬態した使い魔によって探索が困難になっている。心臓は二つに分かれた色の心臓の両方に目を持っており、侵入者を熱線や魔力を奪う白い塊などで攻撃してくる。キョウによって操られていた際はこの手段でも倒せなくなっており、さらに奥にある霊亀のコアを破壊しなければならない。
- オスト=ホウライ
- 声 - 花澤香菜[203]
- 霊亀国の王の側室であり摂政を務める美女。尚文に霊亀討伐を要請する。霊亀の使い魔で本来は封印されている国に取り入り、結界のエネルギーを集めるために働きつつ、最終的には勇者に討たれる際に封印の解き方を教える存在であったが、キョウによって霊亀を乗っ取られ、守護獣としての役割が果たせなくなったため、尚文たちに討伐を依頼してきた[204]。
- 国に取り入っていた際は嫌な女を演じていたが、本来は健気で献身的な性格。自らが傷ついても尚文たちに助力し、自分の弱さを嘆いていたリーシアを励ますなどしており、尚文からも信頼を得ていた。一方、面識のあった女王からは驚かれていた。ガエリオン(メス)には「チラチラ悪女」と言われた。
- 土と援護の魔法と龍脈法を使うことができ[205]、尚文に使い方を教え、加護を与えた。そしていずれ覚えてもらうために、自分の力を貸した状態でリベレイションの魔法を唱えさせた。
- 実際は霊亀そのもので人の形として具現化した者。霊亀の討伐は自分の死を意味するにもかかわらず、世界や全ての命を守るために人々に憎まれながら死ぬ運命を受け入れている。願いを聞いた尚文によって霊亀のコアを破壊され、本来は誰にも感謝されることなく憎まれながら死ぬはずだったが、尚文たちに仲間としてその死を悲しんでくれたことに満足して、尚文たちに看取られながら消滅した。
- その後タクトによって重傷を負わされ意識を失い、盾の精神世界に来た尚文の前に盾の精霊としてアトラと共に現れ、助言を与え見送る。
- アニメ版では若干天然でポンコツ気味なキャラにもなっている。また結末も異なり、霊亀に止めを刺すのをためらう尚文に対し、霊亀の心の盾に干渉し、エネルギーブラストを強引に発動させて、霊亀のコアを破壊し自ら命を絶った。そして尚文達にキョウを追いかけることを優先させ、異世界へ向けて旅立ったのを見届けた後に消滅した。
- 鳳凰(ほうおう)
- 守護獣の一体で2体1対の孔雀をベースにした鱗のある鳥の魔物。1羽の大きさは親ガエリオンの転生前より少し大きい程度。精霊や幽霊に近い体をもつ。
- 高高度と低高度に分かれて攻撃を仕掛け、高高度の鳳凰が魔法や羽ばたきで空爆を行い、低高度の鳳凰が爪や炎を吐いたり羽ばたきで仕留める戦法を基軸にしている。高高度の方は魔法に強くて物理に弱く、逆に低高度の方が魔法に弱い。羽ばたきで抜けた羽は攻撃になると同時に、使い魔を生み出す。また炎で焼き焦がされた生き物は、燃え盛りながらゾンビのように徘徊する性質がある。錬たちのゲーム知識では討伐推定Lv60位で、それぞれなかった攻撃が存在している[注 96]。また低高度が相手の魔力を奪う炎を纏った突進攻撃を行い、高高度が奪った魔力で強力な赤いレーザーのブレスを吐き、さらにブレスの後に低高度が回復する。
- 2体同時に討伐しないと片方が大爆発を起こしてから2体揃って復活する。大爆発は盾の勇者の尚文ですら耐えられず、連合軍を壊滅させかけるほど強力。錬たちのゲーム知識では共同HPで、片方を倒せば同時に倒れたらしい。封印が解かれる前に、封印されている石碑の近くの鳳凰の石像を破壊されるとパワーアップし、作中では尚文たちが来る前に人為的な物なのか破壊されていた。
- 尚文たち連合軍は同時撃破を狙って順調に戦っていたが、タクトの横槍で片方が倒され、残った鳳凰が自爆し、尚文を庇ったアトラをはじめ村の奴隷やフィロリアルを含めた魔物からも死傷者が出たほか、連合軍全体にも多大な被害が発生した。復活後は戦線から戻ったフォウルと尚文、そして連合軍の奮闘によって討伐される。
- 麒麟(きりん)
- 守護獣の一体で2体1対の魔物。鳳凰を倒した後にフォーブレイ近隣で復活したが、そのあとすぐにタクト一行によって倒された。
- 応竜(おうりゅう)
- 守護獣の一体で竜帝に封印されている。元々はレールディアが宿していたが、ガエリオンに受け継がれた。解放するとガエリオン自身と世界の人口を犠牲にするため、最後の手段として保留される。
- 「槍の勇者のやり直し」のメルロマルク編(6週目)では、タクトの死に自暴自棄となったレールディアが欠片の力を暴走状態で解放したために一緒に目覚め、レールディアの意識と肉体を乗っ取って完全復活を果たした。
- 竜帝
- かつて君臨したドラゴンの王。現在は滅びており、その「核石の欠片」を所持するドラゴンが其々竜帝を名乗っている。欠片には竜帝の力と知識が宿っており、その中には勇者以外の者もLv.100を越えることが可能になる限界突破の知識があり、それ以外にも通常のクラスアップに干渉することで主に魔法系を中心としたステータスを伸ばすことが出来る。手に入れたドラゴンの力を底上げする効果があるが、欠片の力にそぐわない力量だとタイラントドラゴンレックスのように暴走する。また、ガエリオン(親)のように核石に記憶を転写し、欠片を継承したドラゴンに宿ることも出来る。この場合、敵から奪った欠片は取り込む際に知識以外の情報を「上書き」することで人格の侵食を防いでいる。
- 勇者武器との相性も良く、武器とリンクしてその能力を利用することもできる。ガエリオンや魔竜は尚文のカース・憤怒とリンクして「ラースドラゴン」へ変化できる。
- 四霊のひとつである応竜も宿っており、目覚めると竜帝の身体を乗っ取って活動を開始する。
過去の盾と弓の世界
勇者
- 城野 守(しろの まもる)
- 声 - 鳥海浩輔
- 波に挑む先代の四聖勇者、盾の勇者。
- シルトヴェルトの創始者として信仰の対象となった勇者であり、伝説や御伽噺として語られ、有名となっている。
- 尚文と同い年位の青年。温和そうな顔つきをしており、正義感が強い。シルトランに召喚され、人々を波や敵国から守るために戦っている。シルトランの人々からは非常に慕われており、波や戦争によって身寄りがなくなった亜人の子たちの保護をしている。またネーミングのセンスがあまりよくないなど、尚文と共通するところがある。
- 盾の勇者ではあるが、尚文と異なり攻撃もできるバランス型で、相手に攻撃を与えて気を引く戦法をとる分、防御力は尚文と比べ低くなっている[206]。尚文からは攻撃ができ、戦いやすいため羨ましがられているが、守にとっては基本的に正攻法で戦うタイプのため、場合によっては邪道も使う尚文の戦い方に驚いている。
- 彼からすると未来から来た尚文たちと最初に対面した際は敵と勘違いをして攻撃してきたが誤解を解いて和解、事情を理解した後は尚文たちが帰還するまで協力してくれるようになる。
- かつて仲間であり婚約者であったフィロリアを守護獣「朱雀」との戦いで失っており、これ以上仲間の犠牲を出さないために、子供たちをより強い種族(後のシルトヴェルト4種族)への改造とフィロリアの蘇生を画策、それを尚文たちに知られた際は動揺のあまり攻撃を仕掛けるが、尚文やシアンの話を聞かずに攻撃したことや子供たちを無理やり操って戦わせたり、周りの仲間を蔑ろにする盾の勇者としてあるまじき戦いに尚文から叱咤され、シアンの説得も聞き戦意を失い、事情を話し尚文たちとも和解、子供たちからも慰められたことで涙を流した。
- アニメ17話ではフィトリアの回想シーンにて登場している(クレジットでは「過去の盾の勇者」)。
- フィモノア、フィジア、フィトリア
- フィロリアの因子が宿っている守の使い魔で、小鳥のような姿をしている。フィトリアは現代と同一人物。ホルンによって改造されているらしく、フィモノアが飛行能力、フィジアが魔法、フィトリアが運搬に突出した能力を持ち、フィロリアルの原種であると思われる。
- レイン
- 波に挑む先代の別の世界の眷属器の勇者、裁縫道具の勇者。
- セインの先祖と思われる天神種の女性。別の世界の勇者だが、妹のリイン(フィロリア)が守の召喚された異世界に召喚されてしまい、探していたところ、妹に再開し、守と出会う。最初はフィロリアを巡って争っていたが、仲良くなり協力している。セインの姉同様おしゃべり好きで、親しい性格だが、押しが強く、唐突に猥談を持ち出すなどあまりデリカシーがない。
- 守同様に未来から来た尚文たちを敵だと思い襲い掛かるも、誤解を解き和解する。その後自らの内情を明かし、子孫と思われるセインに後述の「光翼」の使い方を教えてくれるようになる。
- 守の実験のことも知っており、秘密を知った尚文たちと戦うも、元々思うところがあったらしく、尚文が守に叱咤した際に戦いを止め、守にやめるよう促した。
- 戦闘能力は錬やセインと互角以上に戦えるほど高く、天神種の特殊能力の光翼で強化して戦う。
- ホルン=アンスレイア
- 波に挑む先代の眷属器の勇者、鞭の勇者。
- ラトの先祖で一人称は「わたーし」。「〜だね」と自信が見え隠れしている独自の話し方をしている。シルトランが抱える自称「邪悪な研究者」。かつては大国ピエンサに所属していたが、味方の魔物全てをドラゴンにしようとする先代の弓の勇者と考えが合わず亡命した[160][注 97]。
- ラト同様に知的好奇心が高く、初めてルロロナ村に訪れたラトのようにフィロリアルやラフ種たちを調べ回り困惑させた。実験のために周りに迷惑をこうむるようなことをしでかすトラブルメーカーであり、調停者のナタリアには警戒されている。しかし勇者としての役割は全うしており、鞭の精霊には大層気に入られているらしい。研究者としての技術はラトよりも上らしく、互いに研究者として認め合っている。未来から来た尚文たちに興味を持ち、彼らが元の時代に帰る方法をラトと共に調査を引き受けてくれる。
- キールやみーくんに強くなるための改造を頼まれ、それを止めようとする尚文や守を足止めするために騒動を起こす。みーくんの改造はできたものの、キールは本人が望むような改造ができないため保留となった。その後はナタリアから罰として、鞭の機能の制限を受けることとなった。しかし騒動を起こした本当の理由は、尚文たちが守の人体実験を知った際に戦いが起こると予想し、その予行演習をさせるために行ったことであり、守の行いに思うところがあって止めようとしていた。
- フィトリアの巣から回収されていた聖武器のレプリカを改修し、能力は大幅に限定されるが所持者の魔力だけでなんとか使えるようにした。
- フィロリア / リイン
- 波に挑む先代の眷属器の勇者、ツメの勇者。
- レインの妹で、ツメの勇者として守の召喚された異世界に召喚された。リインが本名だが、元の世界ではよくある名前で名前被りがコンプレックスだったのか「フィロリア」と改名していた。
- 守と共に波と戦っており、守とは恋仲でもあり、結婚を約束していた。しかしその最中に目覚めた守護獣「朱雀」と戦った際に味方を庇って死亡した。守たちによってホムンクルス(見た目はフィロリアルの天使形態)を利用した蘇生処置を行っていた。守護獣の朱雀に魂を吸われ、世界を守る結界に使われたが、守がフィロリアの魂が混ざった朱雀の力の一部を手に入れたことで魂のサルベージが行われており、事情を知ったことで協力したラフちゃんの力で魂のサルベージが大幅に進んだ。
- ナタリア
- 波に挑む先代の眷属器の勇者、槌の勇者。
- 過去の世界における当代の天命。短髪のラフタリアのような感じの見た目。名前を適当に言ったため、尚文は偽名ではないかと疑っている。
- 武器はハンマーで武器の精霊を感じ取る能力を持っている。調停者としての役目を全うしており、頭が固く、守たち勇者には高圧的な態度で接している。子孫のラフタリアと同じく、苦労人体質でそのため彼女とはウマが合う様子。またラフ種やラフ種のクラスアップを受けたルフトには、同じく複雑な気持ちになっていた。九尾の狐といった魔獣退治や封印も行っており、その最中に尚文たちに出会う。未来から来た尚文たちから事情を聴き、監視するために村に滞在することになる。
- 勇者の監視役である調停者は勇者に選ばれないと思っていたが、何気なく槌に触れたことで槌の眷属器に選ばれ、勇者になってしまう。自身を選んだ槌の精霊に文句を言うものの仕方なく受け入れる。
シルトラン国
- 城野 守(しろの まもる)
- レイン
- ホルン=アンスレイア
- フィロリア / リイン
- シルトラン国大臣
- シルトラン国の大臣をしている羊獣人。王が裏切りで殺されたため、彼が代表となり公務を行っている。燕尾服を着ていて話し方も奴隷商と似ている。
- シアン
- 守が保護している孤児の一人。猫の亜人。人見知りな性格で他の孤児たちの輪に入ることができない。守や尚文には懐いており、尚文を「優しい目をしてる」と評した。
- 実は他の子供たちと共に、守の手でより強い種族への改造処置を受けており、シアンは後のハクコ種の初代(ハクコ兄妹の先祖)となる。そのためか、Lvや戦闘経験に釣り合わない強さをもつ。
- フィロリアが自分たちを庇って死んだことに責任を感じており、守の力になるために改造を受けた。しかしそれでも、以前のように笑わなくなったことを気にしており、尚文たちに助けを求め、自分たちの秘密を明かした。守がやけになって尚文たちに攻撃した際も、必死に説得を続けた。そして正気を取り戻した守に、「守の力として牙になりたい」と決意と慰めの言葉をかけた。
- 余談だが、『シアン』という名前は最初アトラに付けようとした名前である[207]。
クテンロウ
- ナタリア
- 水竜
- 過去の世界における水竜。このころはナタリアの肩から胴体に巻き付く程度の大きさ。
- 現代とは異なり、若輩者の天命であるナタリアの補佐として共に行動しており、逆鱗を気持ちよく撫でる尚文を気に入る(尚文自身は魔竜やガエリオンのように懐かれないように嫌がるであろう逆鱗に触れたのだが逆効果となった)。元々は盾の世界を守護を担う竜だったことを明かし、欠片の奪い合いに参加する気はないと語っている。
ピエンサ
- ピエンサの竜帝
- ピエンサに属する竜帝で過去の弓の勇者が主。ピエンサの暴走によって過去の弓の勇者が捕らわれ、人質にされたため、ピエンサに従わされている。魔竜の介入のせいもあるが、他のドラゴン同様尚文に好意的。
- 過去の投擲具と杖の勇者の戦闘では聖域を展開し尚文たちの逃亡を妨害した。メルティがさらわれた後に尚文たちに接触し、ピエンサの現状を伝え、ピエンサの暴走を止めることと主の救出を尚文たちに頼み込み、彼らに協力する。
ヴシール
- セイドール
- ヴシールの長老のリザードマン。年老いているため目が良くないものの、勇者の気配を感じる事ができ、判別することができる[注 98]
過去の剣と槍の世界
勇者
- 過去の投擲具の勇者
- 守がいた時代の投擲具の勇者。短髪で盗賊のような衣装を着た20代くらいの男。
- 神を僭称する者に聖武器の勇者と世界を人質に取られ、不本意ながらもピエンサに協力し、尚文たちと敵対する[161]。過去の杖の勇者を攻撃から庇ったりと仲間思いな性格と思われる。
- Lv上げをしていた尚文たちに、過去の杖の勇者とピエンサの軍人たちと共に戦いを仕掛ける。尚文たちとの戦いでは高い実力を持ち、過去の杖の勇者との連携で尚文に大ダメージを与えるも、追い詰められ、気を失った過去の杖の勇者を抱え撤退する。
- 過去の杖の勇者
- 守がいた時代の杖の勇者。ローブを顔が見えないくらいに羽織った女性。
- 神を僭称する者に聖武器の勇者と世界を人質に取られ、不本意ながらもピエンサに協力し、尚文たちと敵対する[161]。尚文たちと神を僭称する者との戦いも見ており、本当は感謝したかったと語っており、敵対してしまうことにかなり悲痛な思いをしている。
- Lv上げをしていた尚文たちに、過去の投擲具の勇者とピエンサの軍人たちと共に戦いを仕掛ける。尚文たちの時代のものとは名前や詠唱が似たようで異なる魔法を使用し、尚文たちを追い詰めるも、アタックサポートで強化したラフタリアの霊刀断魂によって倒され気を失う。
- 過去の小手の勇者
- 守がいた時代の小手の勇者。フォウルと似た服を着た男。
- 神を僭称する者に聖武器の勇者と世界を人質に取られ、不本意ながらもピエンサに協力し、尚文たちと敵対する[208]。実力者だが、気の習得はしていない。
- 過去の斧の勇者とピエンサの軍人と共に錬たちを襲う。過去の投擲具と杖の勇者たちとの戦いを終え、駆け付けた尚文たちとも応戦するも、フォウルの動きを参照に攻撃をかわされたり、防御無視攻撃を気で返されたりと対処され続け、ラフタリアの細雪で斬られ敗北する。
- 過去の斧の勇者
- 守がいた時代の斧の勇者。小柄の少女。
- 神を僭称する者に聖武器の勇者と世界を人質に取られ、不本意ながらもピエンサに協力し、尚文たちと敵対する[208]。剣の勇者を信じており、同じ剣の勇者である錬の動きを読むことができるが、戦うことに歯がゆい気持ちとなっていた。真っ当な性格の勇者であり、斧の強化を尚文に聞かれた際は尚文たちへの僅かな手助けと神を僭称する者への抵抗のためか答えようとしていた(ただしピエンサのリーダーに邪魔され、詳しい説明ができなかった)。
- 過去の小手の勇者とピエンサの軍人と共に錬たちを襲う。過去の投擲具と杖の勇者たちとの戦いを終え、駆け付けた尚文たちとも応戦するも、過去の小手の勇者を倒され、ピエンサのリーダーの指示もあり、過去の小手の勇者を担いで撤退する。
絆たちの担当世界
「波」によって接触している尚文たちが召喚されたのとは別の異世界。魔物を送り込んでくる侵略者だと思われていたが、彼らも「その世界の勇者」であり、自らの世界を守るために戦っていた。しかし、彼らの中にも意見の相違や後述の転生者を含めて私欲を優先する者もおり、揉め事が起こっている。
Web版ではグラス以外のキャラは登場しないか、概要の説明程度。
四聖勇者
絆たちの世界の今代の勇者は、波が発生する前、魔竜討伐のために絆が召喚され、波の発生後に残りの勇者三人が召喚される。絆以外の四聖勇者は、尚文の世界同様にゲーム感覚で波に真剣に取り組もうとせず、使命を放棄して逃げ出していた。
尚文一行が元の世界に戻った後に、絆が他の四聖勇者と話し合いを行ったが、まともに話を聞かなかった。そして宮地たち眷属器持ちの転生者によって、絆以外の四聖勇者が殺されてしまい、四聖勇者が絆一人となってしまう。しかし、札の勇者候補であったシルディナを尚文たちの転移に巻き込んで呼び寄せ、札の聖武器解放後、シルディナが新たな札の勇者となった。
- 風山 絆(かざやま きずな)
- 声 - 富田美憂[209]
- 異世界の四聖勇者、狩猟具の勇者。ラルクが統治する鎌の眷属器の国シクールを拠点にしている。
- 小学校高学年か中学校に入りたての中学一年生みたいな13歳前後の見た目だが、実年齢18歳の少女。その幼い外見により尚文には「ロリババア」と言われるが、自身の見た目が成長していないことは気にしている。ゴシックドレス[79](9巻では「ゴシック服」だったり「ロリータ服」だったりする[210])にグラスから貰った羽織を掛けている。一人称は「オレ」。長い髪を(ツーサイドアップ)にしている。尚文たちとはまた別の日本で、姉の奏や妹の紡とVRHMMOのディメンションウェーブに参加した所で異世界に召喚された[注 99]。
- 人当たりの良い真っ直ぐな優しい性格をしており、例え敵でも苦しんでいる者は助けようとする。ぐれる前の尚文と似た性格。能天気な釣り大好きの釣りバカで誰も見たことがない大物を釣り上げるのが夢。釣りに対する異常な信念に仲間たちから病気扱いされている。また、貧乳ゆえに友人たちの巨乳を羨ましがって胸を揉みたがる悪癖があり、キョウ討伐後に温泉に入った際、覗きを企んだラルク共々にグラスによりエスノバルトの船で「バンジージャンプの刑」に処された[211]。城下町から少し離れた大きな町に石造りのマンションみたいな「みんなで住める家」としての自宅を持ち、グラスたちや他の仲間と一緒に撮影した写真を飾っている[212]。
- 波ではなく魔竜討伐のため召喚され、魔竜を倒した後も異世界に残って数年が経過している[注 100]。まだゲームの世界だと思いこんでいた頃、隣国の草原で魔物と戦っていたグラスと意気投合してラルクたちとも仲間になり冒険をするが、船旅の途上で風と共に出現した幽霊船の謎を解くも船が消失し、遭難してラルクの国とは敵対する鏡の眷属器の国ミカカゲ[213]に流れ着き特殊空間の牢獄「無限迷宮」に幽閉されてしまう[214]。どういう牢獄かグラスから聞いていたため、死ぬまでここにいるのかと当初は荒れ、年単位で閉じ込められて歳月を数えることを放棄していた。そのため、当初は伝承でしか波のことを知らず、他の四聖勇者と顔合わせも無かったので勇者同士の反発現象も知らなかった[79]。異世界に渡ってキョウの罠でラフタリアたちと離れ離れになり、迷宮に落とされた尚文とリーシアを保護する。巨大な魔物の話を聞いた尚文の機転により共に脱出[214][215]し、ラルクの国に帰還した際、留守を預かる重鎮を問いつめてグラスたちによる異界の四聖抹殺の愚挙を知る[41][216]。クズ二号を尚文たちと協力して倒した後、他の異世界を滅ぼして自分たちの世界を生き残らせるグラスたちのやり方に反対し、他の方法を探すべきだとグラスたちを正座させて叱責し異世界侵攻をやめさせた[93][31]。その後、キョウ討伐のために尚文に協力する。討伐後は尚文たちと同盟関係を結ぶ[94]。
- 元仲間の裏切り者の転生者によって連れ去られ、アクセサリーにより怠惰のカースを強制的に発動させられたまま石化状態となる。後に宮地によって連れ去られるも、救援に駆け付けた尚文やグラスたちによって救出される。石化も解かれ、アクセサリーも破壊された後、釣り人としてのやる気を引き出されたことで、怠惰のカースが解けて戦線に復帰する。元来、対人戦の能力がないこともあって度々敵の罠にハマったり、捕らえられたりしているため、今度捕まったら「姫」と呼ぶと尚文に言われた。また、元の異世界に帰る尚文に代わって魔竜の強化源として怠惰のカースを使いこなすことを求められている。カースに呑まれたら魔竜の中に取り込まれると聞き、絶対に使いこなして見せると気勢を上げている。
- 狩猟具の聖武器の特性で対人戦能力が一切ない代わりに対魔物では圧倒的な強さをもつ。怠惰のカースが解かれた後は解放に使われた薬を素材として出た「0の狩猟具」によって波の尖兵らの不正な力を断つことができるようになる[63]。
- 同作者の「小説になろう」の作品である「ディメンションウェーブ」の主人公がモデル、そちらでは本当は男だが、紡のいたずらにより女性のアバターを使っているという設定であったが、こちらでは正真正銘の女の子[217]。
- クリス
- 声 - 富田美憂
- 絆とグラスで作ったペンギンの式神。
- 対人戦闘ができない絆の護衛のために作られ、絆とグラスの居場所を感じ取ることができる。名前は生まれた日が絆が召喚された日から数えてクリスマスだったから名付けられた。
- 絆が無限迷宮に閉じ込められていた間は、最初はグラスがめんどうを見ており、忙しくなった際はエスノバルトが預かっていた。何もない時は木の札になっている。絆に相当強化されているらしく、絆曰く「相手にもよるけど怪我じゃすまないかもしれない」とのこと。絆が連れ去られた際には、弱い自分に憂いており、自分より強くなった同じ式神のラフちゃんによって様々な技能を習得したらしく、宮地との戦いでは巨大化ができるようになった(グラスはかなりショックを受けていたが)。尚文にアクセサリーにサンタクロースのような赤いとんがり帽を貰い[注 101]、中にものを入れる癖がついた。
- アニメではEDクレジットに名前がないため声優は不明であったが、ラジオにて明らかとなった。
- シルディナ
- 異世界の四聖勇者、札の勇者。
眷属器の勇者
- グラス
- 声 - 潘めぐみ
- 異世界の眷属器、扇の勇者。扇の眷属器の国セン[213]の出身。
- 見目麗しい和風美少女のスピリット(魂人)。武人肌で真面目な性格をしている。銀色の刺繍を施した漆黒の着物を纏う[218]。
- 自分たちの世界を守るために異世界に乗り込み要である四聖勇者を狙い、尚文一行とはメルロマルクの三回目の波で対峙し、その後はカルミナ島の波で尚文一行がラルクたちと戦っていた際に現れ交戦、その際弱すぎる錬、元康、樹を勇者を騙る偽物と勘違いしている。自身を強化できる魂癒水を求め、ラルクたちと尚文たちの異世界に来ていた際、眷属器の要請を受け、虐殺は望んでいなかったため、霊亀を使って暴れるキョウとは敵対し、尚文らと共闘、絆に再会した後、他の世界の四聖勇者を殺そうとしたことを窘められて異世界への侵攻を止め、絆を助けた尚文に感謝し和解する[31]。
- 絆の親友であり、普段は能天気な絆を窘めている。以前は自在珠玉流の門下生をしており、出生の関係で見下された。扇の眷属器の選定を受けて扇に選ばれる。竜退治の試練の途中、隣国の草原で魔物と戦っていたところに絆と出会い意気投合する。普段は冷静だが絆のことになると感情的になりやすくなるため、尚文からはレズっ気があると思われている[31]。実際に絆と仲良くするツグミに嫉妬するなど、友情を超えた感情を持っている節がある[219][64]。
- 似たような性格と立場をしているためか、ラフタリアとは和解後、一緒に稽古をしたり情報交換したりと親しくなっている。魂が取り込める神託が使えるシルディナに対してはソウルイーターと対峙している時と同じ気配がするため苦手としていたが、流派の本山の奉具殿で信託によりシルディナの身体に宿ったことで、強力な連携攻撃ができるようになる[220]。
- 絆側の異世界の調停者の遠縁の血族であり、魔王の城の宝物庫で椿光樹に絡みついた龍刻の砂時計でシルディナの神託の協力によって天命の儀式を受ける[162]。現時点では血筋が薄いため、シルディナに神託で宿らなければ天命の力は使用できない[162]。
- 同作者の「小説になろう」の作品である「ディメンションウェーブ」の登場人物「函庭 硝子(はこにわ しょうこ)」のモデル。
- ラルクベルク=シクール
- 声 - 福山潤
- 異世界の眷属器、鎌の勇者。
- 通称「ラルク」。鎌の眷属器の国シクール[213]の王であり、留守を預かる重鎮に「若」と呼ばれている。設定資料集で国名と名字が明らかにされた[221]。
- 絆やグラスの仲間。見た目は二十代後半の青年であり、面倒見が良くノリも良い頼れる兄貴分的な性格をしているが、即位する前は周囲が眉を顰めるような行状を繰り返していたらしく絆や尚文からは「信長」と例えられている。年下の男性には「○○の坊主」、女性には「○○の嬢ちゃん」と呼んでいる。スケベで覗きが趣味であるため、共通の趣味を持つ元康とその時ばかりは一緒になって覗きを企むが、勘のいいテリスやフィーロに気づかれ、テリスとマインたちに正座させられて説教される[81]。キョウ討伐後、温泉で先手を打ったテリスによりアクセサリーの宝石に監視されており、胸を揉んだ絆と一緒に罰せられた[211]。長年人を見ていたため、人の本質を見抜くことができる半面、尚文が盾の勇者であることや他の四聖が目の前にいても認識できなかったりと抜けている所もある。テリスに惚れており、彼女が尚文の作った腕輪を頬ずりするのに嫌悪感を示すも「これ以上に素晴らしいアクセサリーを作ってくれればいいわ」と言われ、テリスのハードルを引き上げて恋愛成就を困難にした尚文に対して嫉妬に苛まれる[222]。尚文に恋しいテリスを奪われると思い込み、アクセサリー作りをするようになるも不器用なため上手くいかず、尚文や鍛冶師ロミナから教わっても上達できなかった[113]。
- グラス同様自分らの世界を守るため、四聖勇者を狙っており、敵対関係である尚文たちの異世界を知るために訪れ、カルミラ島に出向する船で偶然尚文一行と出会い、自己紹介した際に尚文から盾の勇者だと名乗られているが、グラスから聞いた話や三勇教が捏造した指名手配の映像水晶を真に受け、盾を変化させることは盾の勇者を騙る犯罪者にも出来るから嘘を言うなと冤罪の真相を知らずに尚文の言葉を否定し[223][224]、弓の勇者一行のマルドを見て「アイツは絶対に何かやらかす、アレが盾の勇者だ。」と堂々と間違えた[225]。その後も何かと世話を焼いたり、一緒に魔物狩りに出たりと交友を深めるが、その過程で尚文が盾の勇者であることに気づき、カルミラ島の波でボスの魔物を倒した後、自分たちの正体と目的を明かし尚文たちと戦った[注 102]。霊亀事件ではキョウと敵対し尚文たちと共闘、絆の帰還後は元々侵略や殺害に気が進まなかったこともあり、尚文たちと和解、その際尚文を「坊主」と呼んだため「若」と呼ばれる羽目になった[31]。
- 裏切り者の転生者によって鎌の眷属器を奪われるが、救援に駆け付けた尚文たちの助力によって鎌を取り戻す[146]。尚文の一時帰還の際、尚文にアクセサリー作りを教えたアクセサリー商から技術を学ぶために同行したことで尚文たちを呆れさせ、最初は冷たく断られるものの、カースシリーズ(おそらく嫉妬)が発現しかけるほどの剣幕で頼み込んだことでアクセサリー商が折れたことで弟子入りが叶った[226]。
- Web版では未登場だが、存在はしていたらしく鎌を奪われた際に死亡、もしくは戦闘に参加できないほどの重傷を負ったとされている[53]。
- TVアニメ版では尚文と船で相部屋となるより早く、ラフタリアが育った漁村の廃墟で出会い、後にカルミラ諸島行きの船で再会する。坊主呼ばわりしたため、顔を見た瞬間に尚文に嫌な顔をされた[150]。
- エスノバルト
- 声 - 河西健吾
- 異世界の眷属器、船の勇者。現在は本の勇者。
- 図書兎(ラルクの国ではライブラリーラビット)で迷宮古代図書館の館長。十五歳で人化すると少年の姿になる[73]。尚文たちの異世界に来た際はウサピルのレッシュアント種になっていた。
- 代々次期館長が飲むはずの薬を再現したものを飲んでいたため、勇者に育てられたわけではないのに話せたり人に変身することができた。様々な魔法を覚えているが、図書兎の資質でレベルによる補正をほとんど受けず、戦闘能力は低い。そのため船の眷属器の転異能力で貢献していた[94]。絆たちの役に立ちたいと思っており、歯がゆい気持ちを持っていたが、尚文の説教と同じように弱くても頑張るリーシアを見て感銘を受けて強くなるための鍛錬を積極的に行うようになる[227][94]。
- 自身の世界が追い詰められたことで、救援要請のために以前尚文に渡した錨のアクセサリーで転移し、タクト戦後にボロボロになった状態で尚文たちに接触する。帰還の時期を待つ間、レベリングと龍脈法の加護を受け、変幻無双流の修行を行う。尚文の分析通り、変幻無双流のエルラスラからリーシアと同じ資質をもつことが明かされる。宮地との戦いで才能を開花させ、宮地撃破に貢献する。絆のカース解除のために迷宮古代図書館に行った際に薬を見つけ、その薬を飲んだことで真の館長となる。
- 敵対者に船の眷属器を奪われており[146]、現在新たに本の眷属器に選定され本の勇者になっている。
- Web版では未登場だが、存在はしていたらしく、ラルク同様に死亡、もしくは戦闘に参加できないほどの重傷を負ったとされている[53]。
- ラフタリア
- 異世界の眷属器、刀の勇者。
- サディナ
- 異世界の眷属器、銛の勇者。
絆の仲間
- グラス
- ラルクベルク=シクール
- エスノバルト
- テリス=アレキサンドライト
- 声 - 早見沙織
- 額に宝石が埋まっているジュエル(晶人)。尚文たちの異世界ではメルティの髪と同様に珍しい青緑色の長い髪を後ろで三つ編み[223]にして纏めており、魔法を使う際、髪が赤く染まる[225]。宝石の声を聴く能力があり、宝石から力を借りて魔法を使用する[228][注 103]。ラルクと親しくいつも共に行動している。普段はお淑やかな女性であるが、宝石やアクセサリー作りのこととなると目の色を変える。
- ラルクと共に尚文たちの異世界に来た際、尚文一行と出会う。尚文たちの異世界には晶人がいないため、ティアラ(設定資料集ではサークレット[229])で額の青い宝石を隠していた。ラフタリアから尚文は細工が得意と聞き、アクセサリー作りを依頼する。その出来から、尚文の細工技術に惚れ込み、以降は彼を「名工様」と崇めるようになる。自分たちの世界を守るためラルクたちと共に尚文たちと敵対するが、キョウとの戦いで共闘し、絆の帰還後に和解する[31]。
- 宝石から力を借りて魔法を使用する。宝石やアクセサリーの出来が良いほど強力になる。また、四聖武器や眷属器の意思を感じることができる。眷属器と連動することで翻訳機能を使うことができる。
- 裏切り者の転生者によって危機的状況になるも、尚文からもらったアクセサリーによって危機を脱する[146]。その後救援に駆け付けた尚文からイミアが作ったアクセサリーを借り、より強い力を得る。その後尚文により強力な形で修繕されたアクセサリーによって強化し、そのアクセサリーを使って銛の眷属器持ちに属していた晶人を魅了させた。
- 尚文のアクセサリーに対する入れ込みが次第に悪化してきており[注 104]、ラルクの嫉妬を強める要因となっている。とはいえ「ラルクの事が嫌いになったわけでも乗り換えたいと思ったわけでもない」とは言っている[226]。
- Web版では未登場だが、存在はしていたらしく、裏切り者の転生者に襲われた際に死亡したことが示唆される[53]。
- ロミナ
- 声 - 衣川里佳
- 晶人。絆たちが贔屓している鍛冶師。胸に赤い宝石が付いている。ふざけた客は追い出す硬派の職人。尚文一行も絆の世界に訪れた際には世話になっている。尚文の蛮族の鎧を「バルバロイアーマー」に改修するなど、互いの作品を通じてエルハルトとは技術交換をしている。大胆な面もあり、尚文が重傷を負いかねない改修をした「バルバロイアーマー」を人体実験を兼ねて着用させるが[230]、フィーロの本性が着ぐるみと同じフィロリアルクイーンだと知り笑顔が微妙に引きつった[31]。
- アルトレーゼ
- 商人。通称「アルト」。
- 絆とは一緒に商売をした間柄。儲け話に目聡く、絆曰くお金のためなら何でもするらしく絆たちとは比較的ドライな関係。魂癒水を売っていた尚文に接触する。その際に波に関する文献を提供する。
- 華奢で中性的な外見をしており、設定資料集では「美男子」とされているが[230]、実は女性であり、シャチ姉妹に見抜かれている。隠しているらしく否定しており、グラスやエスノバルトも知らなかった。
- ヨモギ=エーマール
- 声 - 河瀬茉希
- キョウの仲間だった女で幼馴染。正義感が強く、猪突猛進な性格をしている。過去に助けてくれたキョウを信じ慕っていたが、内心疎ましく思われていた。
- 尚文たちの異世界から帰ってきたキョウに誘導され、霊亀のエネルギーで作った自爆機能付きの剣を持って、尚文や絆たちに襲撃する。自爆で諸共殺されそうになった所を助けられ、キョウの悪行を明かされ、真実を知るために絆たちに同行する。キョウの研究所でキョウに詰問するも激しく罵られ、本性を目の当たりにする。そして絆たちを信じなかった罪滅ぼしとしてキョウ討伐に力を貸す。キョウが倒された後は絆たちの仲間となり、ツグミと共にロミナの工房の隣に拠点の道場を建て、キョウがいた国の親善大使になる。
- ツグミ
- 声 - 東城日沙子
- クズ二号の仲間だった女。クズ二号とは幼馴染で慕っていたが、内心強引なやり方に疑問を持っていた。槍や棒などの長物の武器を使う。
- クズ二号と共にラフタリアを狙うが敗北しクズ二号が殺される。その後キョウによって国が占領され絶望していた所をキョウに、復讐の機会とクズ二号を生き返らせると唆され、体をまだらの白虎の獣人姿に改造され、さらに霊亀のエネルギーで作った自爆機能付きの槍を持たされ、復讐のためにラルクの城に襲撃する。改造による暴走と槍によって危険な状態となるが、尚文と絆によって助けられる。治療を受けられ、クズ二号がしてきたことを考えるようにと尚文に諭され、身勝手をした罰が当たったと諦めた形でおとなしくなる。元の異世界に帰る尚文たちを見送る際は、恨み言を言いつつ助けたことと死んでなお利用されたクズ二号を解き放ったことに礼を言う。
- その後絆たちの仲間をなり、ヨモギと共にロミナの工房の隣に拠点の道場を建てる。絆から妹の紡に名前が似て、妹よりかわいいからと懐かれ遊び相手をなる[219]。当人は満更でもない様子だが、グラスに嫉妬され恐々としている[219][64]。
- 魔竜
- 絆たちの世界の竜帝。人間を憎んでおり、支配域で魔物を指揮して奴隷のように酷使していた。世界征服をしようとした所、勇者として召喚された絆とその仲間に討伐される。
- 尚文が異世界に渡った際にロミナに作成された防具に腐竜の核石(親ガエリオンの竜帝の欠片)と魔竜の核が使われており、核を持ったまま帰還する。その後子ガエリオンが核石を取り込んだ際に暴走し復活を遂げるも尚文らに討伐される。その後再び異世界に渡った尚文によって核石が返却され、レベル限界突破の方法を得るべく復活させる。
- 復活した魔竜は紫色のメスのドラゴンで、親は絆。色違いのガエリオンみたいな外見。絆たちに敵意を持ちつつも、自分が支配するつもりの世界の滅亡を防ぐために、百年の猶予を設定し、協力する。ガエリオンの上書きの影響と尚文の憤怒の感情が心地よかったため、尚文を好いている。性格も人間を見下してはいるものの以前と比べると若干丸くなっている。仲間になった後は「(それが)我の良いところ」を口癖としている。また盾の世界には魔竜の複製人格も存在しており、盾の中から尚文の魔法の補助もできる[注 105]。特典SSではアトラとオストと一緒に尚文たちの様子を見ている。
- 絆たちの世界の魔法を全て熟知している魔の王を自負する竜帝であり、その異名に違わず、強力な魔法や魔法の指揮、複数の魔法の同時詠唱など、高度の魔法の技術をもつ。魂を喰らうことができ、倒した波の尖兵の魂の処理もできる(当人曰く珍味)。
- 自在珠玉流の師範代
- グラスの流派、自在珠玉流の師範代をしている老人。尚文からは「ジジイ」と呼ばれる。
- 強化を解除する魔法の対抗手段とグラスの出自を知るために訪れた尚文とグラスたちに、自在珠玉流の裏の秘術と調停者に関わる情報を教えた。上述のグラスの件など、弟子が問題を起こしたせいで意気消沈しており、あまり道場から出なくなっていたが、同じような立場と経験をもつ変幻無双流のエルラスラと拳で語り合ったことで立ち直り、エルラスラとはライバル関係となる[78][220]。その後、奉具殿で見つけた失伝された技術をエルラスラと共に解析し、伝授した後に尚文たちに技術を教える[220]。その後は弟子の修行のため、ラルクの城の場内の訓練場に来るようになる。
- 扇を武器にしており、変幻無双流のエルラスラと同格の戦闘能力と技術を持ち、扇のスキルに似た技を使う[78]。変幻無双流の技術をエルラスラとの決闘で盗み出し、自身の流派に応用した技を生み出している[220]。
魔竜四天王
魔竜に知識や力を授けられた魔物たち。名前は世襲制となっており、以前の四天王は絆一行に討伐された。魔竜と力がつながっており、魔竜に力を供給でき、魔竜が強くなると四天王も強くなる。ただし魔竜の任意で罰を与えられる。[注 106]風のクーフィリカ以外は忠誠心が強く、より強くなって復活した魔竜に震え上がっている。
- 大地のダインブルグ
- 魔竜四天王の一人。魔竜の城で欠片による複数の魔竜の気配がして判断に悩み、魔竜の招集にすぐに応じなかったため他の四天王二人と共に罰を受けるも、尚文に挨拶したため助け舟をもらった。魔竜に忠誠を誓っており、魔竜の心を射止めた尚文を慕っている。
- 火のクリムレッド
- 魔竜四天王の一人。
- 水のアクヴォル
- 魔竜四天王の一人。女性口調だが性別は不明。
- 風のフィーロ
- 風のクーフィリカ
- 元魔竜四天王。本編では直接登場していない。女性であり、魔竜を裏切り、銛の眷属器持ちの仲間になっており、魔竜から預かっていた竜帝の欠片でメタルマジックドラゴンを生み出す。魔竜の招集に応じなかったため、四天王から除名され力を失い、フィーロが(本人は嫌がったが)後釜となる。力を失ったことで衰弱し、銛の眷属器持ちが力を取り返そうとするが、返り討ちにあい、その後はそのまま衰弱死したかセインの宿敵の勢力の研究材料にされた[179]。
敵対国
- キョウ=エスニナ
- 声 - 木村良平
- 異世界の眷属器、本の勇者。
- 顔の作りはいいが根暗で陰湿な雰囲気をもつ少年。幼馴染のヨモギからは少しひねくれた発想をするものの、たくさんの人たちを救ったいい人と思われていたが、実際には身勝手で卑劣で、自分が思い通りにならないと癇癪を起こす短気で自己中心的な性格。裏では非人道な研究を行なっている。ヨモギを含む一部の仲間の女にはこの暗黒面を隠していた。ヨモギのことを疎ましく思っており、霊亀のエネルギーで作った自爆機能付きの剣を誘導して持たせ、尚文たち諸共殺そうとした。リーシアに対しては、幾度も立ちはだかり、追い詰められるきっかけを作ったことで、尚文以上に恨みを持っている。
- 霊亀のエネルギーを使って、聖武器の剣、槍、弓の外見とスキルを模した武器型の魔物の製造、守護獣の白虎、朱雀、玄武の歪な獣人姿に改造、ホムンクルスを使っての蘇生といった錬金術師としての技術をもつが、武器型の魔物の話を聞いたホルンからは「その程度のものしか作れないのか」「無駄な代物」と呆れられ、また守護獣の獣人改造も、同じような研究を行い、後の世に種族として定着させた守やホルンと比べても、姿が歪で暴走を起こしていたため、彼らより技術は劣っていると思われる。
- 尚文らの世界で霊亀を操って人々を殺し、エネルギーを集めて回っていた際も、どうせ滅びる世界だからと大量虐殺に何とも思わず高笑いしており、むしろ素晴らしい考えだと思っていた。霊亀に敗れた錬、元康、樹を捕らえ、人質兼霊亀のエネルギー源にして、霊亀のエネルギーによって強力な力を身に着け、霊亀の使い魔を使役していた。霊亀のコアのある部屋で尚文たちと対峙し、尚文たちとグラスたちの活躍で自身の世界に逃走、その後追ってきた尚文たちに幾多の罠を張り追い詰めるも、最終的に本の眷属器を強引に従わせて多くの武器の強化方法を知りながらも力を出し切れなかったことが仇となって倒され、魂も魂食いに食われた。
- 正体は波の尖兵であり、魂と外見が一致しない転生者。魂はガリガリの三十代っぽい姿をしていた。また実は検索系の能力を持っていて、その力を使う事で頭脳派の技術者や軍師っぽく見せつけているだけだった[231]。アニメ版では転生前に5ちゃんねる風の掲示板で荒らし行為を行い、(発信者情報開示に係る意見照会書)が届いて窓から飛び降りた[232]。
- カズキ
- 声 - 立花慎之介
- 刀の眷属器の国レイブル[213]で天才術師と呼ばれていた男。身勝手な性格で、尚文からはオルトクレイに似ているという理由で「クズ二号」と呼ばれる。本名を言う場面があるが、その都度尚文が聞き流してきたため明かされていない。天才術師と呼ばれるだけあり、絆たちの異世界の転移スキルの再現を実現できたり、戦いでは無詠唱で様々な属性の魔法を連発できるが、尚文にはまったく効かず、しっかり詠唱した方が威力が出ると内心駄目だしされており、あまり脅威に感じられていなかった。
- 鏡の眷属器の国で転移スキルの再現をしていた所を尚文と絆たちと遭遇、捕らえようとするも逃げられ、その後刀の眷属器の選定に挑戦するも今度は眷属器に逃げられ、観衆にいたラフタリアが選ばれると盗人として追いかけ、眷属器を奪うため殺そうと、仲間の女たちと国の決戦兵器である白虎のクローンを引き連れ追いかけるも、合流した尚文や絆たちによって追い詰められ、ラフタリアに切られ敗北、忠告を無視して、去ろうとする彼らを追おうとして傷口が開き死亡。死んだ時のために予備の体のホムンクルスの研究をしており、死後魂が入ろうとしたがキョウによって魂食いのエサにされ、死体とホムンクルスはキョウに利用され操られた挙げ句、最後はグラスとテリスによって燃やされた。
- 尚文から眷属器を奪おうとしたことに疑問視されるが、後に正体は武器を奪える転生者であることが推測された[219]。
- Web版では終盤に刀の眷属器を持った転生者が登場するが、同一人物かは不明[Web 28]。
- アニメ版において名前が明らかにされ、クレジットされている。12話ではキョウに自身のホムンクルスにアルバートの僅かな魂を入れられたことで鏡の眷属器を所持した状態で操られていた。
- アルバート
- 異世界の眷属器、鏡の勇者。
- キョウに倒され、国を占領された上に魂を欠けられ鏡を繋がれたまま操られる。尚文と絆の援護スキルによって四倍となったリーシアの攻撃で倒される。
- 初登場の時点で理性を失っていたが、生前の性格はキョウやクズ二号よりはましだが、グラスたちとの和解は無理らしい[233]。複数の女を囲っており、鏡をいいように使っていたため、尚文からキョウ二号(波の尖兵)だったのではと思われている。
- 絆の元仲間の裏切り者
- 絆たちの仲間だった人格に難のある腕の立つ人物[注 107]。クズ二号同様名前を言う場面はあるが、尚文が聞こえなかったため本名は不明[146]。
- 四聖殺害を行った眷属器持ちの粛清の会議でラルクに襲い掛かり鎌の眷属器を強奪、絆たちの前で捕縛した聖武器を見せ付け、絆を誘拐した。その後仲間の女たちと共にラルクたちの城に襲撃しラルクを殺そうとするも、救援に駆け付けた尚文によって強化されたグラスによって細切れにされ、魂はラフちゃんによって消された[146]。正体は転生者と思われる。
- Web版でも終盤に鎌の眷属器を持った転生者が登場するが、同一人物かは不明[Web 29]。
- 宮地秀正(みやじ ひでまさ)
- 異世界の眷属器、楽器の勇者。
- 四聖勇者召喚に巻き込まれて召喚されたとされる日本人。眷属器を持っていない状態で異世界語を話せていたらしく、姿を消した後に楽器の眷属器を引き抜いた[114]。四聖の殺害に加担し、絆の裏切り者の国から絆を誘拐し監禁していた。一見知的に振る舞っているが、四聖を強くて調子に乗っていたからという理由で殺したりと身勝手な性格。
- 正体は不正の力で楽器の眷属器を強引に従わせている転移者の波の尖兵。強引に従わせているのと、修行をまともにしていなかったため力を出し切れてなく、楽器が弱いせいだと不満を持っていた[164][53]。
- 尚文たちとの戦いでは、マルドやセインの姉らと共に他世界の聖武器を抑え込む技術とによって優位に立つも、本と鏡の眷属器の助太刀と樹の演奏妨害によって追い込まれ、エスノバルトによって眷属器を操るアクセサリーを破壊されたことで楽器を解放され、その後マルドから斧を奪おうとするも殺され、魂もカッコつける動作に巻き込まれ消滅した。
- セーヤ
- とある町でセーヤ飯店という会員制の店を経営している料理人。
- とてつもなく美味い料理人という噂だが、実際には手頃のインスタント料理やアクセサリーによる調合ばかりで、しかも命の危険がある中毒性のある料理を出しており、この料理によって町を支配していた。近隣の町の料理店で店の看板や権利、財産をかけた料理勝負をしているが、審査員の買収などの不正によって勝ち続け、店を大きくしてきた。いずれは国の重鎮を魅了させ自分の国を作ろうとしていた。正体は転生者であり、怪しい料理の他、武器を奪う能力も持っていた[63]。
- 噂を聞きつけてやってきた尚文たちが料理を不評したり、尚文の料理の方がおいしいと言ったことで尚文と料理勝負をするが、不正行為をものともしなかったため敗北、敗北を認めず観客を扇動し、さらにパワーアップするスープを店員に飲ませ襲い掛かるも返り討ちに合い、その後見逃されることを条件に、筆談によって背後関係を教えようとするもタクトと同じく頭が破裂して死亡[注 108][63]。
- 今週の敵
- 義勇兵を集めていた尚文たちの前にセインの姉やレスティに連れられて現れた転生者。尚文によって内心で適当に呼称される。
- 攻撃性能がある透明の障壁のような結界を使う能力があり、防御の他に切断攻撃や内部に敵を閉じ込め、圧縮させて潰す攻撃を行う。攻撃のカテゴリーであるため防御無視や比例攻撃の効果がなく、そのうえかなり固い。しかし元々内部に敵を閉じ込める仕様のため、転移や壁を無視して内部に出現させる攻撃に弱い。
- 尚文たちとの戦いでは、結界の中という安全圏から攻撃を行う戦法を取るも、尚文のスキルと魔竜の魔法によりその弱点を突かれ、仲間の女諸共焼き殺され、魔竜に魂を食われる。
- Web版でも同じような能力を使う転生者が複数登場しており、そのうちの一人が仲間の女に「シェル」と呼ばれていたが、同一人物かは不明[Web 30]。
- 錬二号
- 魔竜の城で遭遇した転生者。Lv78。クール気取りで調子に乗った態度が会った当初の錬に似ているという理由から内心で仮称される[注 109]。
- 魔物退治と宝探しに来たという理由で魔竜の城に訪れたと語っていたが、一人になったグラスに取り巻きの女たちと共に襲い掛かった[注 110]。尚文にいいところを見せるために現れた魔竜に挑むも全く歯が立たずに蹂躙され、終いには自分の仲間の命を差し出して命乞いを始めたが、取り巻き諸共魂を引きずり出され食われた。死体は魔竜によってゾンビにされ城の修理をさせられた。
- Lvなどの人の能力を鑑定する能力を持っており、能力的に自分が勝てる戦いだけをしてきた。ただし勇者たちの場合は解析の耐性があるため強引に覗いてもLv程度しかわからない[注 111]。尚文たちに遭遇した際にも使用したが、魔竜によってLvが低く見えるように偽装されたために戦いを挑んだが、本来のLvがわかると逃げ出そうとした。
- 銛の眷属器持ち
- 銛の眷属器を不正に所持していた転生者。
- 宮地同様、絆たちと敵対し、自分たちの世界の四聖勇者を殺害しており、セインの敵対勢力に協力している。ラルクの国と戦争を起こすも、自身は仲間になっている風のクーフィリカを救うために、能力の優位性を捨てて、魔竜を殺しにセインの姉やマイン、仲間の女らと共に魔竜の城に向かう。メタルマジックドラゴンと共に、魔竜とクーフィリカの魔力をもつフィーロ、サディナと交戦するも実力の違いに歯が立たず、サディナに武器を操るアクセサリーを破壊され、銛を失う。最期は自分の仲間と札を持った男と共に魔竜に魂ごと貪り食われる。
- 拠点防衛の能力を持っており、自身の領地では三倍位強くなる[234][179]。銛の技術はサディナと比べてかなり劣っており、サディナとの戦いでは完全に遊ばれていた。
- メタルマジックドラゴン
- 風のクーフィリカとその配下が持っていた竜帝の欠片によって生み出された人造魔物。名前は見た目からの尚文の仮称。
- 人造ベヒーモスの装飾と機械の翼を持った魔竜に酷似した姿をしており、人間態は機械の羽を生やした尚文曰く「メカニカル女子」。「ギャギャ」という鳴き声を発する。同じ人造魔物の人造ベヒーモスと異なり会話ができる。聖武器を体内に取り組まれており、伝説の武器の強化方法を使用でき、強化した魔法を使う。銛の眷属器持ちを主として、真の魔竜となるため魔竜を倒そうとする。力を得るための手段を選んでおらず、魔竜からは聖武器を冒涜する世界の敵の味方をしていることに呆れられている。銛の眷属器持ちと共に魔竜とフィーロ、サディナと交戦するも、本物の魔竜にかなわず敗北する。持っていた竜帝の欠片から、玉の聖武器の強化方法の記憶が内封されており、欠片を取り込んだ魔竜によって明かされた。
- 風のクーフィリカ
その他
- お盆のガキ
- セーヤ飯店があった町の少年。
- セーヤの中毒料理によって妹以外の家族が中毒死しており、セーヤに不信感を持っていた。町の住民に伝えても信じてもらえなかった。料理対決の際は、尚文に自身のことと薬草を提供する。セーヤを撃破し、町を救った尚文を「お盆のお兄ちゃん」と呼んだことが尚文の逆鱗に触れ、罰として「お盆のガキ」と呼ばれるようになる[63][235]。その後は妹と共に尚文に料理を習いに城に訪れる。
- マロ
- セーヤ飯店の常連だった貴族。地位はラルクやツグミよりは下。平安貴族のような口調で、一人称が「マロ」であったため尚文にそう呼ばれる。
- 「美味しい料理の味方」と豪語する美食家であり、尚文の料理を食べた際は、オーバーなリアクションを取った。
- 当初はセーヤの料理の中毒により、セーヤ飯店の味方をしており、料理対決で審査員をした際も初めは贔屓していた。しかし、尚文の料理に感激し、さらに尚文の薬膳料理によって中毒を回復し耐性が付いた。そのことでセーヤの料理の本来の味と中毒の秘密を知ったことと、尚文の交渉もあり、他の審査員と共に尚文の料理を選ぶ。裏切ったことでセーヤたちに命を狙われるが、尚文たちに助けられる[63]。
セインの宿敵の勢力の異世界
- 小柄の男
- 尚文たちが最初に遭遇したセインの宿敵の勢力の異世界人。セインの姉によると雑魚兵。
- 小柄で「イヒヒ」という笑い声が特徴で尚文からはネズミみたいなやつと表現している。四聖勇者を殺害するために動いており、異世界を滅ぼす戦いを楽しんでいた。高い戦闘力を持ち、シャムシールを獲物とし、自分の世界の強化の解除魔法や土属性と思われる魔法を使う。また、死に戻りができる体の応用のものか体を陽炎のようにして攻撃を受け流すことができる。
- 行商中の尚文たちに襲い掛かり、呪いにより能力が低下していたとはいえ、高い戦闘能力で尚文たちを単独で追い詰めるもセインの助太刀が入られ撤退しようとするもセインに刺されて殺される。その後生き返り、錬を捜索していた尚文たちの前に大柄の男と共に再び現れ交戦、人手不足を察して転移で撤退。錬とエクレールの決闘後にまた現れ、錬を殺そうとするも、尚文から教わった強化方法を実施した上、カースシリーズのラストスピアーを持つ元康によって大柄の男が殺された後、シャムシール諸共首を切断される。その後、錬と元康のカーススキルの影響で魂が転移せずその場で残されており、大柄の男共々、ラフタリアに魂を切られ完全に消滅する。
- 大柄の男
- セインの宿敵の勢力。セインの姉によると雑魚兵。
- 大柄の男でこぼれ話によると弁慶っぽいイメージ。小柄の男同様、四聖勇者を殺害するために動いており、異世界を滅ぼす戦いを楽しんでいた。小柄の男同様に戦闘力は高く、鎖鎌を獲物とし、「アブソリュートシールド」という一定量のダメージを無力化吸収する障壁を使う。
- 小柄の男と共に錬を捜索していた尚文たちの前に現れて交戦し、人手不足から転移で撤退。錬とエクレールの決闘後にまた現れ、錬を殺そうとするも、元康によって「アブソリュートシールド」を破られ、槍に刺された挙句、バーストランスによって爆殺される。その後、錬と元康のカーススキルの影響で魂が転移せずその場で残されており、小柄の男共々、ラフタリアに魂を切られ完全に消滅する。
- セインの姉
- 異世界の眷属器、鎖の勇者。
- セインの宿敵の勢力。本名は現時点では不明[注 112]。「まあまあまあ」が口癖。彼女とセインの先祖と思われるレインが天神種であるため、彼女も天神種の末裔と思われる。
- 自分が元居た世界を裏切り、宿敵勢力についたらしく、妹のセインからはそのことで恨まれている。絆たちの世界の聖武器を捕らえ抑え込み、他世界の聖武器を抑え込む技術を宮地に提供した。戦いではほとんど本気を出していないが、尚文たちを一瞬で吹き飛ばすほどの力を持ち、分析力も優れている。絆たちの世界の波の尖兵たちに取り入って協力関係となっているが、彼らや仲間となったマインたちの自分勝手な言動に振り回され気苦労している。
- セインを甚振り煽ったり、自分の世界が消滅する様を嬉々として語るなどの悪女の振る舞いをするが、サディナからは本心を隠していると指摘されている。実際、尚文たちに自分たちの内情を話したり、忠告をするなど不可解な行動を取る。尚文が村ごと過去に飛ばされた際には逃げるよう警告の「声」を届けている。
- 伝説の武器を操るアクセサリーを鎖に付けていたことから、不正に所持していると思われたが、実際には正式に選ばれた勇者であり、アクセサリー破壊後も所持していた[234]。
- 札の聖武器をもつ男
- 魔竜の城で尚文たちと対峙したセインの宿敵の勢力。札の聖武器をアクセサリーによって不正に所持している。
- 勢力の大将格に助けられたことで崇拝していたが、ついでに助けられた人物だったらしく、関係が薄かったため、セインの姉曰く三軍扱いで当人からは何とも思われていなかった。物腰は柔らかいが、大将に女を献上しようと絆に邪悪な笑みを浮かべる下種な性格。札の他に自分たちの世界の火の魔法を使う。
- グラスとシルディナと交戦。それなりに強くはあったが、札の使い方が未熟で武器に振り回されており、神託によるグラスとシルディナのコンビネーションに歯が立たず、絆の0の狩猟具の攻撃によって札を解放される。セインの姉に八つ当たりしつつ助力を求めるも、自身が三軍扱いであったことが告げられた後、元銛の眷属器持ち一行と共に魔竜に魂ごと貪り食われる。
- マイン(マルティ=S=メルロマルク)
- マルド
- ロジール
波の勢力
- メディア・ピデス・マーキナー
- Web版における「波」の黒幕である女神。自らの経験値を稼ぐという目的のために、己の魂の欠片を転生させた「無自覚の分け身」を様々な異世界の様々な国にばら撒いて干渉していた。
- 「神」を名乗るだけあって様々な超常能力を有し、対「神の力」に特化した武器「0シリーズ」でも軽傷を負わせるのがやっとであるなど、尚文たちを一方的に圧倒する絶大な力をもつ。
- しかし、その性格は冷酷かつ傲慢で、自らの目的のために送り込んだ尖兵たちを使い捨ての手駒としか思っていない。また、常に相手を見下した言動・行動を取るが、やたらと「絶対」や「無限」といった言葉に拘りを見せたり、多少でも自身の余裕を崩されると烈火の如く怒り狂うなど、精神的に幼稚な面が見受けられる。
神を僭称する存在
- 過去の神を僭称する者
- 守がいた過去の時代の波を起こしていた神を僭称する者。猫のマスコットの着ぐるみの頭部を被った男で、波の戦いを実況し、自分たちの世界に中継を行っていた。テンションが高く、陽気な様をしているが、波によって勇者同士の殺し合いを強要させ、さらに逆らった勇者を見せしめとして殺して、その世界を滅ぼすなど、残虐で冷酷な性格。
- 無数の浮遊する剣を操ったり、あらゆる攻撃を無力化する障壁、さらに目にも止まらぬ速さで動き、軽く攻撃しただけで尚文たちを吹きとばすなど、尚文たちでは決して太刀打ちできない無敵の「神の力」をもつ。
- 自分に歯向かった錬や尚文たちをエキジビションゲームと称して襲い掛かり文字通り圧倒するも、対「神の力」に特化した武器「0シリーズ」による奇襲で攻撃され、思わぬ痛みに動揺した隙に畳み掛けられて死亡し、魂も消された。
- 新たに現れた神を僭称する者
- 過去の神を僭称する者の仲間。犬のマスコットの着ぐるみの頭部を被っている。過去の神を僭称する者が殺された直後に現れ、尚文たちを「人殺し」、「下等な原始人」と罵るも自分たちを殺せる尚文たちを恐れ、負け惜しみの台詞と仕返しをすることを宣言しながら仲間の死体とともに撤退する。
- その後、尚文たちを排除するため、剣と槍の世界で聖武器の勇者と世界を人質に眷属器の勇者を従わせ、尚文たちの敵対国、ピエンサと手を組む。尚文たちとピエンサ軍との戦いの隙をついて、聖域に在った馬車の眷属器を奪い、さらにメルティを人質として誘拐する。また尚文のはったりから神狩りが糸を引いていると思っており、結界の解除と早々に手を引くよう要求した。
波の尖兵
- タクト=アルサホルン=フォブレイ
- キョウ=エスニナ
- カズキ
- アルバート
- 絆の元仲間の裏切り者
- 宮地秀正
- セーヤ
- 今週の敵
- 錬二号
- 銛の眷属器持ち
勇者と伝説の武器
勇者
伝説の武器(後述)の聖武器や眷属器の精霊に選ばれ、所持者となった者を指す。勇者に選ばれると、後述の武器の機能により、一般の冒険者よりも強い力が手に入る代わりに、世界のために戦うことを義務付けられる。
伝説の武器をもつ波の尖兵も勇者と呼ばれているが、実際には不正な力を使って武器を操っているだけであるため、「偽勇者」として扱われる。
勇者は異世界に召喚されてなる場合と、現地の住民がなる場合の二パターンなる。勇者となる者は出身世界、人種は問わず、魔物が選ばれることもある。
所持者は武器の精霊が選んでおり、勇者本人の意思をあまり尊重せず、強制的に選ばれることが多い。またゲーマー、ヲタク気質な日本人が召喚されることが多い。
勇者に選ばれる基準は、武器の技術や経験よりも資質が重要視される傾向がある。資質とは、「世界を守る勇者の資質」と「その武器を上手く扱える才能」のことであり、例え勇者に選ばれた時点で、その武器の心得がない者でも選ばれる場合がある(尚文やラフタリアら)。
勇者が使命を放棄、または間違った行いをすれば、武器の精霊に見限られ、武器が離れて、勇者としての力を失ってしまう。
四聖勇者
聖武器の所持者となった者のこと。聖遺物を使用することで召喚される異世界人のみなれる。四聖勇者は第一から第三まで候補者がおり、現地の異世界で予言として、彼らの特徴と、その候補者に対する助言が石碑に記されている[注 113]。第三候補は勇者としての資質は高くても、精神面などに問題があるとされる。精霊も候補者の中から自由に選べるわけではない。
世界の要のような重要な存在であり、世界がよほど危機的状況でない限りはめったに召喚されず、四聖全員が一度に召喚されることもない。
所持者が死亡することで波の激しさは増し、全員が死亡した状態で波が起こると世界は崩壊する[52]。聖武器の所持者を新たに召喚するには、波が発生していない状況で一度揃った四聖全員が死亡していなければならない[注 114]。基本的に異世界に渡ることができないが、特例で数人行くことは可能(2人までならOK、4人全員はNG)。
世界にとって重要な存在であるため、使命を放棄、または間違った行いをしても、勇者の資格を失うことはないが、樹のもつ聖武器の弓がリーシアに投擲具の七星武器を与えたように、所有者を止めようとすることがある。
また、波の尖兵に不正な手段で奪われた場合でも、聖武器との繋がりを自覚していれば取り戻すことが可能。同様に不正な手段で所持されている眷属器を剥奪して解放することも出来る。
世界を無事救った、もしくは波を乗り越えた際には、伝説の武器から次の三つのうち一つ、褒美が与えられる。
- 「元の世界の因果律を弄ることで、どんな物でも三つ叶えてもらい元の世界に帰還する」[注 115]。
- 「異世界に残って、勇者として崇め称えられながら永住する」。
- 「一度元の世界に帰れるが、また異世界へ来る事の出来る権利」。
眷属器の勇者
眷属器の所持者となった者のこと。尚文たちが担当する異世界では七星勇者と呼ばれる[236]。
召喚者の他にも、現地の住民、もしくは波によってその武器がある世界に訪れた異世界人がなれる[236][42]。
召喚する場合、眷属器を使って召喚されるが、失敗する場合がある。現地世界の住民がなれるため、冒険者が憧れる職種として有名でもある[236]。少しでも戦乱が起こると出現する可能性があるため、武勇伝の数自体は四聖勇者より多い[236]。
四聖勇者と異なり、他の異世界に波や何らかの移動方法が確立していれば自由に行き来できる。死亡した場合、適性者がいれば即座に認定されることがある。ただしこれらの特性のため、波の尖兵が勇者になり済ましやすくなってしまっている。
四聖勇者に比べると、制限が緩い一方、資質があっても、精神が未熟だと選ばれなかったり、使命を放棄、または間違った行いをすれば、武器の精霊に見限られ、武器が離れて、勇者としての力を失ってしまうことがあるなど、所有資格の有無に関しては少々厳しい面もある。ただし精神的な成長を遂げたり、過ちに気づき改心すれば、武器に選ばれる。
眷属器の勇者も世界を無事救った、もしくは波を乗り越えた際には、前述の褒美が与えられるのかは不明。
伝説の武器
世界を守るために存在する特殊な武器。聖武器・眷属器にはそれぞれ精霊がついており、そのため精霊具とも呼ばれる。所持者には、様々な恩恵と制限が与えられている。武器は破損・破壊されることがなく、武器のどこかに丸い宝石がついており、その宝石が力の要となっている模様。
勇者が所持した当初は、弱い初心者用の武器の形をとっているが、魔物や素材を吸収することで新たな武器が解放され、その武器に変化することができる。
またウェポンコピーという既製品でも同じ系統の武器を手にすることでコピー可能な機能がある。また同じ武器でも品質の良い武器をコピーするとボーナスが掛かる。開放した武器はステータス画面で、スキルツリーとして表示されている。ただし武器を開放するには、必要なLvや必要個数があり、数回吸わせる必要がある。魔物によっては細かく解体することで部位事の武器が解放される。
武器ごとに技能やスキル、ステータスアップなどの装備ボーナスがあり、一定の熟練で能力開放され、永続的なボーナスを得る。技能などが他の武器で重複している場合、ステータスアップなどに置き換わる[237]。武器にはその形状に変化させることでのみ現れる「専用効果」のある武器も存在する。
勇者に自ら死を選ぶ・至るほどのトラウマや強い負の感情が生じると、その感情を糧にした七つの大罪の武器「カースシリーズ」が発動する。これらは呪われるデメリットと引き換えにした「自殺防止機能」で、カースシリーズを乗り越えた際には「ブレスシリーズ」が発現する。
伝説の武器を所持することで、様々な恩恵を受けることができる。勇者専用のステータス「SP(絆の異世界では魂力)」を使用して詠唱を必要としないスキルが使用可能となる。スキルは開放された武器の装備ボーナスとして内包されており、その武器を装備することで使用でき、能力開放することで他の武器に変えても使用できるようになる。
また最上級魔法のリベレイションが使用可能となる(詳細は後述の魔法にて)。
また武器の力で自動で引き出されるエネルギーがあり常時展開している。強化方法の認識で勇者専用のステータス「EP」が発現する。
レベル上限がなく、クラスアップをしなくても上限なくLvを上げられる(尚文たちの異世界では、Lv40とLv100で上限があり通常100が限界値)。
他にもさまざまな機能が存在する。武器には翻訳機能があり、異世界語などの自分の知らない言葉を翻訳してくれる。ただし文字は翻訳できず、勇者当人が勉強して覚える必要がある。物を倒した際にアイテムや装備を作り出し、ドロップする。また、素材とレシピに対応した武器が解放されていればアイテムの調合・作製も可能となる。武器に魔力付与されたアクセサリーを付けると特殊な効果を得られる。
武器ごとに様々な強化方法があり、強化方法を共有することで何倍もの力を得られる。強化方法の共有は所持者本人から聞く必要はないが、どの武器の強化方法か認識する必要はある[238]。別の異世界の聖武器・眷属器の強化方法は共有できない。
また勇者や所持する武器が過去に飛ばされた場合、武器が当時の世界の融合状況に合わせてしまうため、その時点で融合していない方の世界の武器の強化が使えなくなる。
デメリットも存在しており、まず所持者の意思で手に入れたり捨てることはできず、基本的に所持者の体から離れない。ただし持ち換えたり、位置を変えたりはでき、見た目のサイズや形状を変えることで隠すことはできる。また変化させた武器の性能やスキルによっては投げることができる。投げた後は自動的に所持者の元へ戻ってくる。
次に武器の所有者は他の武器を一切使うことが出来ない(戦闘の意思がなければ包丁などは可)。使おうとすると手から電流のような物が流れ、武器を弾き飛ばす。また素手などの武器を使わない直接攻撃は弱くなってしまう[239]。
さらに龍脈法といった異世界の魔法習得の加護が受けづらくなってしまう[70]。
他に、波によって他の異世界に行った際は、その世界に存在しない素材の武器は使用できなくなる。ただし能力開放した装備ボーナスは残る。
異世界によって差はあるものの、伝説の武器のある程度の解析は行われており、機能が再現された道具が存在している。
聖武器
異世界から聖遺物を使用し、召喚された勇者のみが扱える伝説の武器。眷属器とは異なり、安置場所が存在せず、勇者を召喚の際も聖遺物を使用するため、勇者召喚前はどこにあるのかは不明。強化方法は聖武器1つで3つ存在する。所持者は半径1キロメートル前後に、他の聖武器の所持者がいる場合、経験値が入らない。四聖勇者同様、波から世界を守るための要であり楔となる重要な存在。
眷属器よりも力や権限は強く、波の尖兵に奪われても、表面しか奪うことができず、所有者が聖武器との繋がりを自覚していれば取り戻すことが可能。
所持者に眷属器の勇者の勇者資格剥奪の権限を与えられ、波の尖兵や、勇者として不適正となった者から眷属器を開放することができる。正式な勇者や他の異世界の勇者に行っても武器は離れないが、聖武器を不正で所持している者が、強引に眷属器を離すことができてしまう。ただし正式な四聖勇者と比べて力は弱く、他の聖武器の力で防ぐことができる。
眷属器
聖武器の眷属的存在である武器。聖武器1つに付き2つの眷属器が存在する。強化方法は眷属器1つで1つ存在する。半径1キロメートル前後に、眷属器の所持者同士が二人より多くいる場合、経験値が入らない。所持した勇者が死亡した際に、適性者がいれば即座に認定されることがあるが、適性者がいない場合はそれぞれの安置場所に戻る。安置場所は挑戦者に公開されており、適性者か波の尖兵のような不正な手段を保持している者ならば安置場所から引き抜くことができる。ただし安置場所から適性者の元へ、眷属器自ら向かうこともある[42]。
各世界の武器の特性
武器 | 現所持者 | 強化方法 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
聖武器 | 盾 | 尚文 | 強化方法の共有 | 認識後で聖武器や眷属器の強化方法の倍率上昇 |
信頼 | 信頼し信頼されることで能力上昇。無意識下でも補正有 | |||
エネルギーブースト | 常時展開しているエネルギーをスキルや魔法、攻撃に混ぜて放つことが可能 | |||
剣 | 錬 | 武器熟練度 | 同じ武器を使っていると武器に熟練度が溜まり、ステータスボーナス。上限100。 | |
エネルギー付与 | 熟練度リセットから手に入るエネルギーを使い武器を覚醒させ、秘められた力を開放 | |||
レアリティアップ | 同じくエネルギーを使用することでレアリティを引き上げる。失敗有。 | |||
槍 | 元康 | 精錬 | 精錬用の鉱石を使用して強化。失敗有。 | |
スピリットエンチャント | 魔物の魂を武器に吸わせて特別な力を得る | |||
ステータスエンチャント | アイテムを武器に吸わせてステータスの増加付与。効果はランダム。 | |||
弓 | 樹 | 強化 | 特定の鉱石を装着させて強化。回数制限はあるが失敗無。 | |
アイテムエンチャント | 武器に吸わせたアイテムからエネルギー抽出。失敗有。 | |||
ジョブLv | 吸わせた特定の魔物やアイテムでステータス上昇。武器に依存しない強化。 | |||
眷属器 | 槌 | --- | 武器合成 | 解放済みの武器同士を合わせることで能力付与 |
ツメ | --- | スキルの熟練度 | スキルを使うと強化される | |
小手 | フォウル | スキル強化 | ポイント割り振って10段階強化。スキル名にI〜Xが付く | |
斧 | --- | 肉体改造 | 不明 | |
投擲具 | リーシア | 金銭によるオーバーカスタム | 精錬の強化失敗無効など金銭の使用で他の強化の補助 | |
杖 | クズ | 魔法強化 | ポイント割り振って10段階強化。魔法名にI〜Xが付く | |
鞭 | --- | 資質向上 | Lvを下げて潜在能力やステータスを引き上げる | |
馬車 | フィトリア | 不明 | --- |
武器 | 現所持者 | 強化方法 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
聖武器 | 狩猟具 | 絆 | 武器経験値 | 同じ武器を使っていると武器に経験値が入り強化される |
札貼 | 武器に札を貼って能力を与える | |||
狩猟ボーナス | 狩猟した魔物や生物の種類ボーナス | |||
札 | シルディナ | 魔法強化 | ポイント割り振って最大10段階強化。魔法名に一〜十が付く。杖と同じ強化方法。 | |
レアリティアップ | 武器の希少度を引き上げる。剣と同じ強化方法。 | |||
資質向上 | Lvを下げて潜在能力やステータスを引き上げる。鞭と同じ強化方法。 | |||
玉 | --- | 強化方法の共有 | 盾と同じ強化方法 | |
信頼 | 盾と同じ強化方法 | |||
職業選択 | 戦士や僧侶、魔法使いなどを選択。アイテムを注ぎ込むことで強化。 | |||
鈍器 | --- | スキル強化 | ポイント割り振って最大10段階強化。スキル名に一〜十が付く。小手と同じ強化方法。 | |
--- | ||||
--- | ||||
眷属器 | 刀 | ラフタリア | 精錬 | 槍と同じ強化方法 |
扇 | グラス | 魔力吸収 | 倒した相手の魔力を吸い取って強化 | |
鎌 | ラルクベルク | スピリットエンチャント | 槍と同じ強化方法 | |
船 | --- | アイテムブック | 武器に入れたアイテムの種類でボーナス | |
鏡 | 尚文 | 食事Lv | 食物を食べることで強化。勇者の料理を食べさせることで勇者以外の仲間にも強化可能。 | |
楽器 | 樹 | 金銭によるステータス購入 | お金でステータスを買う | |
本 | エスノバルト | レアリティアップ | 札の強化とは種類違いのレアリティ強化 | |
銛 | サディナ | スキルと魔法の熟練度 | スキルと魔法を使い込むことで強化 |
尚文たちの担当世界の武器
- 盾
- 勇者:岩谷尚文
- 先代勇者:城野守
- 所有者の変遷(盾):尚文→(タクト)→尚文
- 盾に変化できる聖武器。一部の手甲、小手にも変化できる[206]。水晶の色は緑。絶大な防御力を誇り、盾が一番硬いが、それ以外の部分に攻撃を受けた際もダメージが大幅に減少する。ただしこの武器の所有者は攻撃力がほとんどなくなり、攻撃魔法の習得や投擲アイテムなどによる間接的な攻撃もできない[注 116]。投げたり、押さえつけなどの拘束はできるが、相手に痛みが生じる関節技を使うと、禁止事項に接触し、弾かれるような痛みが生じる。過去の所有者である城野守は、尚文に比べ防御力が低いが攻撃ができる仕様となっているが、その違いの理由は不明[206]。タクトが不正に所持した際は、尚文が所持した場合と同じようになっている[240]。強化方法はなぜか不明なままであったが、14巻でクテンロウで見つけた石碑に盾の強化方法が記されていた[103]。
- スキルも防御や援護などの味方をサポートするものがほとんどで、攻撃系はカーススキル以外では覚えない。相手にダメージを与える手段は、反撃効果がある盾や代償があるカーススキルの攻撃、後述のエネルギーブラストしかない。
- 元々世界が融合する以前の「亜人たちの世界」における聖武器であり、先代の盾の勇者の城野守が、亜人をとても大切にしたために、盾の勇者を信仰することによって建国した国であるシルトヴェルトでは神として崇められている。
- 盾の精霊はいつも第一候補者を引き当てているらしく、他の四聖の精霊からやや妬まれている[58]。精神世界での様子から少々調子のよい性格をしている[58]。
- 転生者のタクトの攻撃を受けてしまったため一時期にタクトの手に渡ってしまうが、表層程度でしか奪われていなかったため[58]、尚文の武器剥奪によって開放され再び尚文の元へ戻る。絆の異世界に再び訪れ、宮地と対峙した際にセインの敵対勢力の技術で機能が停止し、小さなアクセサリーとなったが、尚文が鏡の勇者となった際に、鏡と融合し、盾のスキルを鏡のスキルとして変換させる。波で元の世界と繋がった際は盾に戻っている。尚文が担当世界に戻り、盾が使用可能となっても鏡は尚文から離れようとしなかったためか、わずかだが鏡の力が使えるようになっている[206][160]。
- 強化方法
-
- 強化方法の共有
- 強化方法と知らなくても共有は可能だが、強化方法との認識後は聖武器や眷属器の強化方法の倍率が1.5倍から2倍に変化する。
- 信頼
- 信頼し信頼されることで能力上昇。勇者は他人から信頼されることによって能力が上がり、また勇者に信頼された仲間も能力が上がる。判明したのは14巻からだが、ラフタリアは以前からこの強化が発揮されていたことを指摘しており[注 117]、強化方法を知らなくても僅かに発揮される。
- エネルギーブースト
- 強化方法の認識で勇者専用のステータス「EP」が発現する。勇者には武器の力で自動で引き出されるエネルギーがあり、常時力を展開している。気や無双活性の簡易版のようなものであり、認知後はそのエネルギーを自在に使えるようになる。常時展開しているエネルギーをスキルや魔法、攻撃に混ぜ放つことでより強力になる。ただし、意識するだけでEPが消費してしまうため練習が必要。
- スキル
-
- エアストシールド
- ロープシールドに内包されたスキル。周囲の空間の任意の場所に盾を1枚出現させる。射程範囲は5メートルくらい。効果時間は15秒。防御の他に、空中に出現させて足場にしたり、敵の近くに出現させることで動きを妨害する壁にしたりと応用が利く。出現場所から僅かに動かすことができるようで、漫画とアニメでは直線状に動かして相手に当てたりしている[241][86]。
- セカンドシールド
- ソウルイーターシールドに内包されたスキル。二つ目のエアストシールドを出現させる。
- ドリットシールド
- 勇魚の盾に内包されたスキル。三つ目のエアストシールドを出現させる。
- ハイディングシールド
- ファスト・ハイディングとの合成スキル。幻影によって見えない盾を出現させる。チェンジシールドと併用して使われる。
- トルネイドシールド
- ツヴァイト・トルネイドとの合成スキル。盾に攻撃を与えると盾を中心に竜巻が発生し相手に反撃する。
- ミラージュシールド
- ファスト・ミラージュとの合成スキル。盾に触れた相手に幻覚を見せて惑わす。
- アラートシールド
- 双頭黒犬の盾に内包されたスキル。使用者の半径20メートル以内に魔物が侵入すると吠えたてて警報が鳴り響く。ただし詳しい位置は分からないため、尚文からは微妙なスキルと呼ばれ、ほとんど使用されない。
- シールドプリズン
- ロープシールドに内包されたスキル。盾で四方を囲む檻を出現させる[注 118]。射程範囲は6メートルくらい。効果時間は15秒。対象を檻の中に入れることで守ったり、拘束したりできる。エアストシールドと同様に足場にしたり、相手の近くに出現させ、壁として相手の動きを妨害することも可能。対象物が檻より大きい場合、囲めず砕けてしまうが、漫画版では遮蔽物を避けるように張られ、霊亀に対して脚に展開し、檻に引っ掛けるようにして足止めしていた[244][245]。
- チェンジシールド
- キメラヴァイパーシールドに内包されたスキル。スキルで出現させた盾を、尚文が変化させられる盾に変化させる。クールタイムは30秒。カウンター効果のある盾に変化させて相手に反撃を与えたり、攻撃に相性の良い盾に変えたりできる。盾を複数出した場合、それら全てを変えることができ、同じ種類の盾に変えたり、別々の盾に変えたりもできる[246]。
- セルフカースバーニング
- 憤怒の盾(後にラースシールド)に内包された専用効果。強力な呪いの炎を発生させるが、カウンター技な上に近接攻撃でしか発動しない。
- チェンジシールド(攻)
- 憤怒の盾(後にラースシールド)に内包されたチェンジシールドの亜種スキル。シールドプリズンの内側の盾を針の盾に変化させることで内部の敵に攻撃する。主に後述のコンビネーションスキルであるアイアンメイデンの繋ぎとして使われる。
- 内包していたのがカースシリーズゆえか能力開放ができず、ラースシールド使用時しか使えなかった。尚文が慈悲の盾を得てからは能力開放したことで他の盾でも使えるようになった。
- アイアンメイデン
- 憤怒の盾(後にラースシールド)に内包されたスキル。コンビネーションスキルとなっており、シールドプリズン→チェンジシールド(攻)→アイアンメイデンの順番でスキルを唱えることで発動できる。巨大なアイアンメイデンを出現させ、盾の檻ごと敵を閉じ込めて貫かせる。アニメでは扉を閉じるときに、尚文が拳を握りしめるアクションをしている[181]。しかし「代償に自分のもつすべてのSPを消費する」、「他のスキルを繋げてなければならないため、前提が面倒な上に妨害されやすい」という欠点をもつ。
- 内包していたのがカースシリーズゆえか能力開放ができず、ラースシールド使用時しか使えなかった。尚文が慈悲の盾を得てからは能力開放したことで他の盾でも使えるようになった。しかし扱いづらさゆえにほとんど使用していない[234]。
- ブラッドサクリファイス
- ラースシールドIIIに内包されたカーススキル。大量出血を伴う激しい痛みと長期間のステータス低下の呪いを代償に、刃が多重構造になっている金属の竜の顎を思わせる赤黒い錆びた巨大なトラバサミを召喚し対象を噛み砕く。呪いは強力であり、メルロマルクの集中治療でも全治一ヶ月かかった。
- アニメではトラバサミで出来た首の長い龍のような物を地中から出現させるスキルとなっている[119]。
- Web版ではドイツ語の「ブルートオプファー」という名前であった。4巻のこぼれ話で原作者が「意味が分かりづらくなったかな?と思い英語読みになった」とのこと(他のカーススキルも同様)[247]。
- 流星盾
- 隕鉄の盾に内包されたスキル。使用者の半径2メートルを取り囲む球状の防御結界(バリア)を展開する範囲防御スキル。消費SPは全体の5%で、クールタイムは15秒、効果は5分ほど。パーティーメンバーは通り抜けができ、結界の中で守られながら攻撃することもできる。結界は尚文の体から広がって展開するため、自分の体に取り付いている敵などを結界の外まではじき出すことなどもできる。結界内部に出現する攻撃も弾く。扱いやすいため尚文がよく使用しているスキル。
- 絆の異世界では盾にアクセサリーを付けた状態だと攻撃で砕けた破片が相手に向かって攻撃する機能が付く。盾を特殊専用効果、流星盾(霊亀)がある霊亀甲に変化させた状態だと形状が亀の甲羅となり、耐久力が上がる。
- ヘイトリアクション
- エルハルトの店で盾をウェポンコピーした際に見つけたスキル。魔物の敵愾心を使用者に向けさせるターゲット集中系スキル。効果範囲は15メートル。フィーロ曰く「ニガニガした変な感じなのが出て、周りに飛んでいく」。敵味方問わず、軽度の潜伏魔法やスキルを解除することができる[248]。人間にも効果があり、受けたラフタリアによると、少しだけ攻撃力が上がり、防御力が低下し、使用者から視線を逸らしづらくなる効果がある[246]。
- ポータルシールド
- 龍刻の砂盾に内包された盾の転移スキル。自分が行った先で任意の転移点を三箇所まで登録することができ、自分と近くにいる仲間の中から最大6名までを登録した場所に転送することができる。スキル強化を行うと登録できる移動箇所と人数が大幅に上がる。他の武器にも名称は違うが、同様の効果のスキルがある。ただし、馬車のような大荷物は運べない。また洞窟や建物の中での転移点の登録は基本的に不可能であり、儀式魔法の効果範囲内や一部の魔物の縄張りあるいは聖域の中、呪いによって汚染された場所などでは発動できない。
- バブルシールド
- 勇魚の魔法核の盾に内包されたスキル。水中で呼吸することができる空気の泡の膜を作る水中用スキル。酸素残量がありずっと潜っていられるわけではない。一度使うと一旦水上に出るまでは使えない。地上ではシューという音が出るだけ。スキル強化を行うと酸素残量が増え、III以上になると流星盾のような防御能力をもつようになる[249]。
- エネルギーブラスト
- 霊亀の心の盾の特殊専用効果。霊亀の心の盾から4本の脚が支えとして展開され、盾の中心にエネルギーを収束、重心が伸びて使用者の後方に翼のような大画が置かれ、ターゲットマークで標的をロックし、霊亀が発射する雷の高出力エネルギーを発射する。霊亀の力で発射され、力は%表示であらわされる。キョウとの戦いにおいて切り札として使用された。霊亀の力で結界が生成された後は、霊亀の力がなくなったため使用できなくなる。
- 夜恐声(やきょうせい)
- ヌエの盾を覚醒させることで使用可能となった専用効果。凄まじい不快音(曰く「黒板を引っかいた音を倍化させたよう」)を発し、敵対する相手の深層意識に働きかけ恐怖心を煽る。失神した対象の夢の中すら恐怖で支配する、拷問にはうってつけの効果。
- チェインシールド
- 白虎クローンの盾に内包されたチェンジシールドの亜種スキル。スキルで出した盾同士を鎖で繋ぎ、グルグルと回転して相手を拘束する。ある程度動かすことができる。
- 別世界の魔物を収めて出た盾に内包されていたため、守は習得していない[206]。
- アタックサポート
- 魔竜の盾に内包されたスキル。矢じりのようなV字の先端が付いた小さな棘を出現させる。相手に当てると、次に与える攻撃のダメージを二倍にすることができる。同じ効果の擬餌倍針と重ね掛けすることができる。クールタイムは30秒。桜陣結界展開時は棘が5枚の桜の花びらとなり、相手にまとわりつき拘束する効果が得られる。スキル強化をすることができない。
- メギドバースト
- ラースシールドIVに内包されたカーススキル。22巻時点で使用していないため詳細不明だが、尚文が「放ちたくない」、「どうなるかわからない」と思うほど凶悪な代償があると思われる。
- Eフロートシールド
- 霊亀の甲羅の盾に内包されたスキル。Eはエアストの略称。使用者の思うように操作できる盾を出現させる。射程範囲は1メートル程度。ONとOFFが出来るセミパッシブスキルでSPは30秒毎に少量ずつ減る。後述のエアストフェザーシールドと異なりエアストシールドと同時に出せる。
- Sフロートシールド
- 霊亀甲に内包されたスキル。Sはセカンドの略称。二枚目のEフロートシールドを出現させる。
- 獣化補助
- 獣王の盾に内包されたスキル。味方の亜人や獣人を獣化の補助ができる。獣化した者はステータスの大幅な補正が掛かる。1秒単位に使用者の魔力が減る。亜人は獣人の適性がなければ使用できないと思われる。
- 領地の改革
- 獣王の盾に内包されたスキル。移動、設置、除去、作成、合成の項目から選択し使用者の領地を自由に開拓することができる。献上ポイントというものを消費することで領地内に建築物を作り設置したり、特殊な植物の合成ができる。建築物の移動や除去もできるようだが、中に人がいると注意文が出る。使用者の領地のみ使用でき、以外で使用すると領地の地図のみ現れる。
- 桜陣結界(おうじんけっかい)
- 桜天命石の盾内包されたスキル。所有者の足元に桜を模したスキルに変化を与える魔法陣を展開させる。自身や味方の能力を上げることもできる。
- カモンラフ
- ラフちゃんがラフ種を誕生させた際にラフちゃんが魔法で習得させたスキル。ラフちゃんやラフ種を召喚することができるスキル。ラフちゃん側が召喚の要望がある場合や使用者(尚文)に伝えたいことがあると、ラフちゃんの顔のようなマークが出て伝える。勇者ではないラフちゃん自身も使えることができる。気を織り交ぜることで呼ぶ数を増やしたり、他の式神(作中ではクリス)も一緒に召喚することができる。
- リフレクトシールド
- 霊亀甲に内包されたスキル。一時的に盾に他の盾の反撃能力を付与することが出来る。防御力はあるが反撃効果が無い盾に使うと有効。またチェンジシールドと組み合わせて使える[Web 31]。
- 流星壁
- 慈悲の盾に内包されたスキル。一定範囲にいる使用者が味方だと思うもの全てに流星盾を展開させる。陣形を組んでいると範囲が拡大する。ただしダメージの蓄積は全ての結界に共有されており、耐久限界を超えると全て壊れる。展開させた相手を起点に結界が動くため、敵が結界に押されて、近接攻撃が届かなくなってしまう。
- シールドバッシュ
- 盾で敵を殴りわずかに意識を失わせる。魔物相手にはあまり効果がない。クールタイムは5秒[Web 32]。守が使用した際は攻撃スキルとして機能している。Web版ではアイアンシールドに内包されたスキル[Web 33]。
- 0の盾
- 0の盾に内包されたスキル。クールタイムや消費SPも0で、盾に光を発生させ、武器やスキルに不死の体をもつ神を僭称するものの力やドラゴンに特化した効果をもたらす。それ以外には何の効果も出せず、一瞬で壊れてしまう。他の武器の0シリーズも同様の効果。
- シールドブーメラン
- 盾を円盤のように投げつけて攻撃する。
- 守が使用したスキルでフリスビーシールドに内包されたスキル。尚文も同じ盾に変えられるが、内包されておらず習得できない。(尚文はフリスビーシールドを魔物たちと遊ぶために使っている)。
- コンボバリア
- 弓の強化にあるジョブLvでステータスの底上げをしたら出たスキル。スキルで出した盾から流星盾とは異なるバリアを生成させる。
- 守が使用したスキルで、尚文は攻撃のステータスを上げられないためか習得できない[206]。
- トライバリア
- 三枚の盾によるコンボバリア。
- シャインシールド
- 異国の王国の鏡の盾に内包されたスキル。盾から直線に伸びる光を射出する。明かりになる程度の明るさで目くらましにするには弱い。ヘイトリアクションで引き寄せた野性の魔物たちの注意を引くために使われた。
- プリズムライトシールド
- ドライファ・ライトアップとの合成スキル。無駄に神々しい光を放つ。
- 獣化補助拡張
- 獣王の盾ⅡとⅢに内包された獣化補助系のスキル。
- 獣化可能者増加
- 獣王の盾Ⅱに内包された獣化補助系のスキル。
- 獣化補助条件緩和
- 獣王の盾Ⅲに内包された獣化補助系のスキル。
- 任意獣化補助
- 獣王の盾Ⅲに内包された獣化補助系のスキル。
- コスト軽減(大)
- 獣王の盾Ⅲに内包された獣化補助系のスキル。
- 調停補助
- 桜天命石+獣王の盾に内包されたスキル。
- 変身補助
- 0竜王の盾に内包されたスキル。
- コンフュージョン・ターゲット
- 守が使用したスキルで、理性がない者を指定した者に集中攻撃をさせる。
- カモン・フィモノア
- 守が使用したスキルで、フィモノアたち三羽の鳥の使い魔を召喚する。
- ガーディアンシールド
- 守が使用したスキル。詳細不明。
- カルマクローダ
- 守が使用したカース系と思われるスキル。カースシリーズと思われる十字の盾に攻撃を蓄積させて溜めることで発動する。黒く不気味な閃光を一直線に放つ。その威力は、尚文のもつ桜天命石の盾と、チェンジシールドでラースシールドと慈悲の盾に変化させた二枚のフロートシールドの強力な三枚の盾で全力で受け止めなければならないほど強力。
- シールドチェイン
- 守が使用できるスキルで、シールドバッシュの後に放つ追撃スキル。
- マジックプリズン
- チェンジシールドで鏡の盾に変えた気を込めたフロートシールドで魔法の塊を反射させ続けることで強化する。杖のスキルをアレンジ、模倣したもの。
- エアストフェザーシールド
- 『槍の勇者のやり直し』の尚文が使用したスキル。見た目は翼が生えたエアストシールド。元康によるとフィロリアルとは異なる鳥型の魔物の盾に内包された。エアストシールドの亜種スキルでエアストシールドよりも衝撃に耐性が高い効果があり、発動速度が速く、クール時間が短い。ただし他の攻撃に弱く、エアストシールドと同じ扱い故、同時展開ができない。本編の尚文も習得はしているが覚えたのが後半で、衝撃という極端な条件が付くので使用していない[250]。
- エアワンウェイシールド
- 『槍の勇者のやり直し』の尚文が使用した敵の攻撃を逸らす空気の盾を出現させるスキル。
- 気の応用、集で代用可能なためか本編の尚文も使用していない[250]。
- セカンドワンウェイシールド
- 『槍の勇者のやり直し』の尚文が使用した二枚目のエアワンウェイシールドを出現させるスキル。
- 三日月盾
- 月石の盾に内包されたスキル。前方に横から見ると大きな三日月状の光る結界を出す。使用時にスキルのクールタイムとは別にタイムカウンターが登場して徐々に防御範囲を拡大して月の満ち欠けを演出している。しかし満月状態からしばらくすると満ち欠けが始まり、守る範囲が縮小し始める。瞬時に全範囲の防御結界を作る流星盾と比べてやや使いづらいが、魔法を反射することができる。
- 半月盾
- 三日月盾の三日月状の結界から、大きく半月状の結界に変化する。
- 満月盾
- 半月盾から、満月状の結界に変化する。
- 剣
- 勇者:天木錬
- 剣や刀、投げナイフなど刃物系の武器に変化できる聖武器[206][251]。水晶の色は青。スキルは剣による斬撃による中距離〜近距離が主体となっている。尚文たちの担当世界の四聖武器の中では二番に攻撃力が高く、その反面防御力が二番に低い[251]。
- 錬によれば強さはLvの高さが重要。こちらも強化に含まれるが、倍率も一番低く強化共有に含まれない[252]。
- 強化方法
-
- 熟練度
- 同じ武器を使っていると武器に熟練度が溜まり、武器のステータスが上がる。上限は100。
- エネルギー付与
- 使い終わった武器の熟練度をリセットすることで手に入るエネルギーを注入し、秘められた力を解放できる。その他、武器に吸ったアイテムをエネルギーに変換できる。
- レアリティアップ
- エネルギーを注入することによってその武器のレアリティを引き上げることで総合的な能力が向上する。レアリティの表記はC(コモン)、UC(アンコモン)など。失敗があり、失敗するとCに戻る。錬がやったゲームでは、失敗すると武器がなくなる。
- スキル
-
- 流星剣
- 隕鉄の剣に内包されたスキル。剣先から星を放つ広範囲、遠距離攻撃。剣自体の威力も高い。錬がよく使うスキル。
- 真空流星剣
- 合唱魔法『竜巻』を宿したスキル。真空の刃となった星が竜巻となって攻撃する。
- 紅蓮剣
- 炎の斬撃を放つ。
- ハンドレッドソード
- 何本もの剣を降り注ぐ遠距離範囲攻撃。
- ライトニングハンドレッドソード
- 雷を纏ったハンドレッドソードを放つ。
- 雷鳴剣
- 雷を纏った斬撃。
- フェニックスブレイド
- 教皇が四聖武器の複製品で放った上位スキル。剣から炎の鳥を放つ。
- 転送剣
- 剣の転移スキル。
- エアストバッシュ
- 輝きを放つ剣で相手をはじく。
- 閃光剣
- 剣から強い光を放つ目くらましのスキル。
- アサッシングソード
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したスキル。使用者の姿を見えなくして強力な斬撃を放つ。
- ハイドソード
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したスキル。使用者の姿を陽炎のように消す。
- 羅刹・流星剣
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したカーススキル。黒い星が飛ぶ流星剣。
- チェーンバインド
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したスキル。地面から鎖を出現させ相手を縛る。ギロチン発動の繋ぎのスキル。
- チェーンニードル
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したスキル。チェーンバイントの鎖を棘のついた物に変えて相手の肌に突き刺す。ギロチン発動の繋ぎのスキル。
- ギロチン
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用したスキル。アイアンメイデンと同系統のスキルで、チェーンバイント→チェーンニードル→ギロチンの順番でスキルを唱えることで発動できる。チェーンバイントとチェーンニードルで縛った相手の頭上に巨大な刃の付いた処刑具を出現させ、相手の首に刃を降り注ぐ。攻撃した相手のSPを削る効果もある。
- ゴールドリベリオン
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用した強欲のカーススキル。上空に金銀財宝を集め、禍々しい造詣の趣味の悪い金の人型の像を作り攻撃する。代償は使用者の財産、呪いは触れたものを劣化させることとドロップ品が粗悪になる[253]。Web版ではゴルトアオフシュタントという名称。
- ストロングディクライン
- カースシリーズに精神を汚染された錬が使用した暴食のカーススキル。相手の足元に地割れを起こし、亀裂から牙が生やして食らいつく。さらに腐敗物質を出し辺りを汚染し、腐敗した大地からハエの化け物を生み出し攻撃する。代償は使用者のLv[253]。呪いは経験値が上がらなくなる[43]。Web版ではシュタルクファアファルという名称。
- ドラゴンバスター
- 剣から竜を象った炎を飛ばす竜特攻のスキル。
- イーグルブレイド
- 防御無視または比例攻撃のスキル。
- フロートソード
- 霊亀の素材の武器に内包されたスキル。使用者の思うように操作できる浮遊する剣を出現させる剣のフロート系スキル。12巻で明言され、21巻にて使用。錬は浮遊する剣を動かすことに意識が行ってしまうためあまり使いたがらない。
- 重力剣
- 鳳凰戦で初めて使用したスキル。Web版の説明では霊亀剣に内包されたスキルで、剣を半透明の黒い刀身に切り替えて、切りつけた敵を重力で動きを阻害する効果がある。
- フレイムエッジ
- マジックエンチャントで炎のブレスを吸収した剣の深紅の斬撃を放つ。
- 鳳凰烈風剣
- 鳳凰剣に内包されたスキル。剣が赤く輝き、炎の嵐と共にエネルギー化した火の鳥となり、相手を貫く。
- トルネードエッジ
- マジックエンチャントで風の魔法を吸収した剣の斬撃を放つ。
- 滅竜剣
- 名前から恐らくアスカロンに内包されたスキル。剣を黒いような紫色の刀身にし、竜特効を付与した状態にする。後に使うスキルにも効果がある。
- 0の剣
- スキルと同名の武器に内包された0シリーズのスキル。
- 風切り笛
- 風天王ノ太刀に内包されたスキル。剣を振ると笛の音が響く。今の所使い道が不明。
- 槍
- 勇者:北村元康
- 槍や棒、杖、フレイルなどの柄が長い武器に変化できる聖武器[206][251]。水晶の色は赤。スキルは槍による突きや斬撃による中距離攻撃や、投擲による遠距離攻撃が主となっている。尚文たちの担当世界の四聖武器の中では二番に防御力が高く、その反面攻撃力が二番に低い[251]。
- 元康によればスピリットエンチャントが全てで、武器の強さはあまり関係ない。初期武器でもきちんと育てれば上位武器にも匹敵するらしい。武器を振り回せる筋力などのステータスは必須。こちらも強化に含まれるが、倍率も一番低く強化共有に含まれない[252]。
- 龍刻の長針
- 外伝作品『槍の勇者のやり直し』で登場した槍。外伝では主にこの槍がデフォルトとなっている。能力として「時間遡行」、専用効果として「分岐した世界」をもつ。幾つかの条件が成立すると、持ち主が召喚された時点まで巻き戻る。それまでに得たスキルやレベルは引き継がれる。
- いつ手に入れた武器なのか元康の記憶が曖昧になっていたため不明だったが、20巻にてフィトリアの遺跡で偶然手に入れた1人限定の武器であることが判明した[199]。
- ループが起きる条件
- 第1に「元康自身を含めて、四聖の誰かが死亡した場合」。
- 第2に「守護獣による結界が形成され、波の問題が棚上げされた場合」。この際には前述の“分岐する世界”の条件が成立したとして「再ループを行うかの選択を求めるアイコン」がでる。
- ビーストスピア
- 龍刻の長針と同様にフィトリアの遺跡で発見した[199]。対妖魔殲滅特効の槍で、発動すると自動追尾で仕留める。コピーした後、本体はラフちゃん2号が所有していたが、元々トゥリナに滅ぼされた国の生き残りが怨念を込めて作り上げた槍で、過去の世界で当時のトゥリナ(?)を倒して本懐を遂げたためか自己消滅した。
- 強化方法
-
- 精錬
- 精錬用の鉱石を使用して武器を強化。武器の項目に+1、+2という感じに表示される。失敗があり、失敗すると値が0に戻る。元康がやっていたゲームでは、失敗すると武器がなくなる。
- スピリットエンチャント
- 武器に倒した魔物の魂の欠片を付与することで特別な力を与えられる。武器の項目に「○○(付与した魂の魔物名)スピリット ○○(付与効果)」と表示される。貼れる個数に限界があり、パーセントも固定される。リセットもできる。能力未開放の武器には付与できない[9]。
- ステータスエンチャント
- 武器に吸ったアイテムを付与することでステータスの増加付与を与える。効果はランダム。武器の項目に「ステータスエンチャント ○○(ステータス名、例:魔力、体力など)○○(数値)+」と表示される。貼れる個数に限界があり、パーセントも固定される。リセットもできる。能力未開放の武器には付与できない[9]。
- スキル
-
- 乱れ突き
- 槍で相手に乱れ突きを放つ。
- エアストジャベリン
- 光の槍を出現させて投擲する。
- セカンドジャベリン
- 二発目のエアストジャベリンを放つ。
- エアストファイアランス
- ツヴァイト・ファイアとの合成スキル。炎の槍を投擲する。
- エアストバーストフレアランス
- ツヴァイト・ファイアと二つのツヴァイト・エアーショットとの合成スキル。炎と風の槍を投擲する。
- 流星槍
- 隕鉄の槍に内包されたスキル。槍から星を放つ広範囲、遠距離攻撃。槍自体の威力も高い。アニメでは、槍をバトンのように上空に回して投げてから放つといった攻撃も行われた。
- 風炎の流星槍
- 流星槍と風と炎の魔法の合成スキル。風と炎を纏った流星槍。風で炎が瞬き、流星の如く光り、刃が燃え上がり、風で炎を纏う流星が加速する。4巻で使用し、この時の元康は発動までに時間が掛かった。
- ライトニングスピア
- 槍の矛先から雷を放つ。
- 昇竜槍
- 4巻で尚文に放ったスキル。
- 大風車
- 槍を振り回して薙ぎ払うスキル。バトンのように回して竜巻を発生させることもできる。飛び道具系の攻撃の防御としても使える。
- ブリューナク
- 水竜の銛に内包されたスキル。槍の上位スキル。エネルギーをチャージして槍の穂先から強力な光線を放つ。気やエネルギーブーストを使うことでチャージ時間を早めることができる。敵をロックオンし、幾千にも分かれる拡散誘導性がある。初めは教皇が四聖武器の複製品で放ったスキルとして登場した。その後元康がサディナから水竜の銛から貸してもらい、コピー後は元康の必殺技となる。
- イナズマスピアー
- 雷を帯びた槍を投擲する。
- 無我の境地
- 教皇が四聖武器の複製品で放った上位スキル。槍を回転させて相手の攻撃をはじき、光を放って反撃する[注 119]。
- ポータルスピアー
- 槍の転移スキル。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、元康以外の勇者はまだ解放していないか解放していても強化が足りず登録数が少ないため、移動手段として重宝されている。
- テンプテーション
- ラストスピアIVに内包された色欲のカーススキル。ブーストスキルであり、色欲を糧に発動し使用者の能力を上げるフィールドを作る。フィールド内にいるものを魅了状態にさせる効果がある。また空間を汚染する効果があり、転移を妨害したり、転移妨害の結界を破壊することができる。代償は使用者の色欲の感情。しかし元康は色欲が突き抜けているため目に見えた変化はなく、代償に気付いていない[71]。
- バーストランス
- 槍の先端を爆発させ、槍を刺した相手を欠片も遺さず爆散させる。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、抹殺対象を含めた対人用として確殺を狙って多用している。
- ルサンチマン
- ラストエンヴィースピアIV[注 120]に内包された嫉妬のカーススキル。テンプテーションとほぼ同じ効果を持つが、こちらは嫉妬を糧に発動し、フィールド内にいるものを嫉妬の感情を誘発させる効果がある。精神攻撃に耐性があるラフタリアでもダメージを受けるほど強力。代償は使用者の嫉妬の感情。ただし元康は嫉妬の心がなくなり素面に戻っただけだったため、代償に気付いていない[71]。
- シャイニングランス
- 強い光を放ち目くらましをする。
- エイミングランサー
- マルチロック機能によって、狙った敵全てへ対象数分に分裂した光る槍を放つ必中スキル。元康がやっていたゲームでは高い命中率の補正が掛かるスキルだった。威力は平凡、エアストジャベリンより僅かに強い程度。『槍の勇者のやり直し』の序盤で、久しぶりに使ったのだそうだが、以降は多くの敵を殲滅する際によく使用している。
- パラライズランス
- 槍で刺した相手を麻痺状態にする。外伝の『槍の勇者のやり直し』では相手を無力化させる際にスリープランスと並んで多用している。
- イリュージョンランス
- 槍で刺した相手に都合の良い幻覚を見せる。
- クローキングランス
- 使用者が隠蔽状態となり、姿を見えなくする。外伝の『槍の勇者のやり直し』では火魔法による幻影なども併用して隠密活動をする際に使用している。
- グングニル
- エイミングランサーの上位スキル。エイミングランサーより強い威力、命中精度を誇る黒い一筋の必中の槍を投げて攻撃する。ただしエイミングランサーのように分裂することができないため狙える対象は一つのみ。
- スリープランス
- 槍で刺した相手を眠らせる。外伝の『槍の勇者のやり直し』では相手を無力化させる際にパラライズランスと並んで多用している。
- ベルセルク
- 他のスキルが使用できなくなる代わりに強靭な攻撃力を得るスキル。『槍直し』で明言されたのみで、元康が会得しているかは不明だが、元康によると、「効率やスキルの使用を考えて割に合わない」とのこと。
- アースイグニッション
- 槍を地面に突き刺し、地割れを発生させてマグマを噴出させて攻撃する。地中にいる標的にも攻撃できる。
- 弓
- 勇者:川澄樹
- 弓やバリスタ、銃器などといった射出武器に変化できる聖武器[198][206][251]。水晶の色は黄色。スキルは本体である弓(銃)から矢(弾)を放つ遠距離攻撃が主体となっている。矢や弾は魔法のような物でいつでも出せる。尚文たちの担当世界の四聖武器の中では一番攻撃力が高く、その反面防御力が一番低い[254][251]。過去の世界では最初に盾の世界と融合した世界の聖武器だった。シルトヴェルトの伝説にも登場していることから、幾度かの対立はあったものの共闘した歴史もあった模様。
- 樹によれば武器のレア度が全てで、付与はオマケでしかない。こちらも強化に含まれるが、倍率も一番低く強化共有に含まれない[252]。
- 樹が絆の異世界に訪れ、宮地と対峙した際にセインの敵対勢力の技術で機能が停止し、小さなアクセサリーとなったが、樹が楽器の勇者となった際に、バイオリンの弓となって融合する。波で元の世界と繋がった際は通常の弓に戻っている。
- 強化方法
-
- 強化
- 武器に特定の鉱石を付与させて強化。武器の項目に0/○と分数で表示され、付与を続けることで分子が増えてより強化される。分母は武器によって変わる。回数制限はあるが失敗無。
- アイテムエンチャント
- 武具に吸わせたアイテムからエネルギーを抽出、攻撃などのパーセントを上げる付与を確率で行う。アイテムのエネルギーごとに色々な効果がある。武器の項目に「アイテムエンチャントLv○ ○○(付与効果) ○%」と表示される。失敗があり、失敗すると0になる。リセットもできる。能力未開放の武器には付与できない[9]。
- ジョブLv
- 吸わせた特定の魔物やアイテムの力を与えることでステータスが上昇できる。認知後、ステータスのジョブLvと分数で表したゲージの項目が出るようになり、選んだステータス項目に魔物やアイテムの力を与え続けるとゲージの分子が増え、数値が1になるとゲージアップし、ジョブLvが上がり、そのステータスがわずかに上がる。またスキルも得ることがある[206]。Lvが上がるたびに分母が増え、またジョブLvが上がった後はクールタイムが表示されしばらく力を与えることができない。
- スキル
-
- ウインドアロー
- 風の矢を放つスキル。漫画ではウイドアローと誤植されていた。
- 流星弓
- 隕鉄の弓に内包されたスキル。射出した矢の後ろから星が飛び散る広範囲、遠距離攻撃。矢自体の威力も高い。
- アローレイン
- 空高く矢を放ち、光の矢の雨となって降り注ぐ遠距離範囲攻撃。
- イーグルピアシングショット
- エネルギー状の鷲の矢を放つ。誘導性もある貫通性能の高い防御無視攻撃だが、強化方法が不十分だった時期には尚文に当たる前に掴まれ、握りつぶされた。
- サンダーシュート
- 弓から雷を撃つ。
- ミラージュアロー
- 教皇が四聖武器の複製品で放ったスキル。幻影で惑わし、他人を誤認させる。Web版では「ハイドアロー」という名前[Web 34]。
- 原作では他の三勇教の信者を教皇に見せかけていたが、アニメでは儀式魔法「大聖堂」を利用し、尚文とラフタリア以外に幻覚で惑わし、混乱状態にさせた[119]。
- 転送弓
- 弓の転移スキル。
- アローシャワー
- 矢を天高く引いて射雨のように別れて降り注ぐ。
- シャイニングアロー
- 光り輝く矢を撃つ。発射までに時間が掛かる。
- アロースコール
- 一つの矢が分裂して矢の雨を降らせる。分裂前に防がれると無力化される欠点がある。
- セントアローレイン
- カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したスキル。アローレインとの具体的な違いは不明。
- スプレッドストレイフィング
- カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したスキル。矢を何度も射出する。
- ロウファナティック
- カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したカーススキル。禍々しい気を集め、一見すると神々しい羽の生えた天使を模しているが、所々の装飾に角や悪魔を模した意匠が散見する鎧を全身を包み強化するセルフブーストスキル。汚染が強くなると悪魔の装飾が増える。Web版ではレヒトファナティッカーという名称。
- シャドウバインド
- 矢で相手の影を射抜き、縫い付けて動きを封じる。
- バインドアロー
- 相手を矢で壁に縫いつけ拘束する。
- ゲレディヒカイト・アラインヘルシャフト
- Web版にて、カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したカーススキル。上空から獅子をかたどった禍々しい気の塊を降り注がせる。尚文曰く「プルートオプファーに匹敵する」とのことであるが、リーシアに切り伏せられてしまったので命中したらどうなるかは不明。
- ファラリスブル
- カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したスキル。アイアンメイデンと同系統のスキルで、コンビネーションスキルとなっており、シャドウバインド→バインドアロー→ファラリスブルの順番でスキルを唱えることで発動できる。シャドウバインドとバインドアローで拘束した相手をファラリスの雄牛に閉じ込め業火で焼き尽くす。
- ヘルトカイザーライヒ
- Web版にて、カースシリーズに精神を汚染された樹が使用したカーススキル。放った天使や悪魔の羽を模したおびただしい数の矢を熊の姿に変えて突撃させる。リーシアに熊の首は刎ねられ胴体も切り刻まれてしまったので、命中したらどうなるかは不明。なお、書籍版でもこれと思しきスキルが無詠唱で放たれている[138]。
- バードハンティング
- 矢が拡散しながら相手を射抜く、名前と鳳凰相手に使用したことから鳥系魔物特攻と思われるスキル。
- スプレッドアロー
- 鳳凰戦に使用したスキル。スキルの詳しい詳細は描写されていないため不明。
- ピアーシングショット
- イーグルピアシングショットの下位と思われるスキル。
- フラッシュアロー
- 強い光を放つ目くらましのスキル。
- セカンドアロー
- 名称から二発目の矢を放つスキル。一発目の矢を放つエアストは未登場。
- バンカーショット
- 相手の距離が近いほど威力が増す初期のスキル。敵に近寄られた際に緊急で使用するもの。『槍直し』で使用され、元康によると最初の世界(本編)では未使用。
- サンダーアロー
- 雷の矢を放つ。何気にアニメ版で初披露したスキル[181]。
- 槌
- 勇者:なし
- 先代勇者:ナタリア
- 所有者の変遷(盾):シルドフリーデンの勇者→(タクト)
- 盾の聖武器に属する眷属器。槌やハンマーに変化できる。
- 昔は過去の天命が所有者であったらしく、幻影の形で再現されていた。シルドフリーデンに所属していた勇者が所有者であったが、タクトに殺され、タクトの手に渡った。尚文によって勇者剥奪でタクトの元から離れたが、付けられたアクセサリーの力でセインの敵対勢力の元に飛び、拘束される。
- web版ではタクトから取り戻した際にラフタリアが所有者となっているが、尚文は男女交際を解禁した自分がメルティや村の連中とデートでもしていると、ラフタリアに「1tと書かれたハンマーで殴られるんじゃないか?」と想像していた。
- 強化方法
-
- 武器合成
- 変化できる武器の特徴となる専用効果を他の武器に付与することができる。他の武器に付与した武器は強化がリセットされ、また残数がありそれがなくなると変化できなくなる。もう一度その武器の素材を手に入れると再び使える。この強化でなければ出ない武器もある。カース、ブレスシリーズなどの特殊の武器は付与できない。
- スキル
-
- 大激震
- 槌を地面に叩きつけ衝撃波を放つ。
- トールハンマー
- Web版にてラフタリアが使用。降り注ぐ雷とともに相手を叩き潰す大槌の一撃。
- ツメ
- 勇者:なし
- 先代勇者:フィロリア / リイン
- 所有者の変遷(盾):ルハバート→(タクト)
- 盾の聖武器に属する眷属器。鍵爪などに変化できる。盾の聖武器に属する眷属器。特徴として手だけでなく足に装備することができる。
- 所有者が現れる前はシルトヴェルトの城の近くにある聖域と呼ばれる深い森に鎮座されていた。シルトヴェルトに所属していたルハバートがツメの勇者であったが、タクトに殺され、タクトの手に渡った。タクトが奪った武器の中では、気に入られたのか一番よく使われていた。尚文によって勇者剥奪でタクトの元から離れたが、付けられたアクセサリーの力でセインの敵対勢力の元に飛び、拘束される。
- web版ではタクトから取り戻した際にフィーロが所有者となっている。
- 強化方法
-
- スキルの熟練度
- スキルを使い込むことでLvが上がってスキルが強化する。消費SPとクールタイムの減少、効果の変化、威力の向上などが起こる。
- スキル
-
- ヴァーンズィンクロー
- タクトがよく使用するカース系と思われるスキル。僅かな誘導性がある強力な閃光を射出する。受けたものをブラッドサクリファイスの代償に匹敵する、回復を無効化する重度な呪いを掛ける効果がある。
- エアストスラッシュ
- 爪による斬撃を放つ。
- セカンドスラッシュ
- 二発目のエアストスラッシュを放つ。
- 小手
- 勇者:フォウル
- 所有者の変遷(盾):フォウル→(タクト)→フォウル
- 剣の聖武器に属する眷属器。小手や手甲、グローブなどに変化でき、盾と同じ防御に重きを置いた眷属器。水晶の色は水色。スキルは拳による格闘系が主体となっている。
- 鳳凰が封印されている西側の土地の国の寺院の石碑に埋め込まれており、新たな勇者を選ぶため一般に公開され、挑戦者を募っていた。召喚の儀式も行われたが勇者は現れなかった。初めにフォウルが抜こうとした際には心の未熟さからか抜けなかったが、鳳凰戦でアトラを喪い、強い悲しみを抱きながらも覚悟と決意によって成長した際に小手の勇者として選ぶ。
- しかし波で暗躍する敵によってジャミングがかけられていたため、強化方法の項目がヘルプになく、共有ができなかった[注 121]。尚文が武器の精神世界から戻った後に修復された。タクト戦の際に、強力な強化魔法によってあまりにも力の差が広がりすぎたため、尚文がわざとタクトに杖を貸し与えたため、フォウルも勇者でなくアトラの兄として戦うためにわざと貸し与える。タクトが半殺しになった後に勇者剥奪で解放され、フォウルの元に戻った。
- 強化方法
-
- スキル強化
- LVを上げて溜まったポイントをスキルに割り振って強化する。重点的に上げると、それ相応のポイントを消費する。必要素材と武器の中にある強化ポイントを犠牲にして、一日のクールタイムを待てば振り直せることができる。I - Xの10段階強化ができ、スキル名の最後に数字が付く。スキルによってはこれまでになかった効果が追加される。また、スキルによっては強化できないものがある。
- スキル
-
- エアストラッシュ
- 拳や蹴りの連続攻撃を放つ。
- セカンドラッシュ
- 二発目のエアストラッシュ。
- ドリッドラッシュ
- 三発目のエアストラッシュ。
- 滅竜烈火拳
- 目にも留まらない連続打撃を放つ。
- 滅竜撃
- ドラゴンを連想する突進をして殴る。
- 月光脚
- サマーソルトキックを放つ。
- 猛虎破岩拳
- 拳で相手を叩きつける。
- エアストトルネードブロウ
- 詳しい詳細は不明。
- エアストスタンブロウ
- 詳しい詳細は不明だが、拳による攻撃。
- 残影掌
- 実体のある分身を出して本体と共に殴りつける。
- 激震拳
- 地割れを起こすほどの力を込められた拳で相手を叩きつける。
- タートルクラッシュ
- 防御無視攻撃を放つ。
- 斧
- 勇者:なし
- 所有者の変遷(盾):ゼルトブルの勇者→(転生者)→(タクト)→(マルド)→(マイン)
- 剣の聖武器に属する眷属器。斧に変化できる。スキルは斧による力強い攻撃が主となっている。
- ゼルトブルに所属していた日本から召喚された勇者が所有者であったが、転生者に殺された奪われた後、タクトの手に渡った。尚文によって勇者剥奪でタクトの元から離れたが、付けられたアクセサリーの力でセインの敵対勢力の元に飛び、拘束される。宮地たちとの戦いではマルドによって使われており(マルドが追い詰められていた際には、マインが強化魔法を尚文に当てるため奪い取ったりもした)、樹の攻撃でアクセサリー破壊目前まで行ったが、セインの姉によって逃げられてしまう。その後、マルドが失敗によって没収されることとなる。
- web版ではタクトから取り戻した際にみどりが所有者となっている。
- 強化方法
-
- 肉体強化
- 過去の斧の勇者曰く説明が難しいらしいが、説明の際邪魔が入ったため詳細不明。
- スキル
-
- 大激震
- 斧を地面に叩きつけ地震を起こす。槌のものと同じスキル。
- チェーンバイント
- 剣のスキルと同じ。
- チェーンニードル
- 剣のスキルと同じ。
- ギロチン
- 剣のスキルと同じ。
- 大竜巻
- 使用者を中心に竜巻を発生させる。
- ジェイソンマーダー
- ジェイソンを思わせるホッケーマスクを出現させてそれを被り、大きく斧を振りかぶって強力な斬撃を放つ。
- パワーブレイク
- 猪の如く突進して相手に殴りかかる。
- シャインアックスバースト
- 斧から光を放つ。
- マウンテンブレイク
- 力強く斧を振り下ろし一刀両断する。
- クレセントブレイク
- 三日月のような軌道で斧を大きくたたきつける。
- トルネードアックス
- 使用者が竜巻のごとく回転して斧で斬る。
- 岩盤割り
- 斧で地面を叩き付け、クレーターと地響きを発生させて攻撃する。
- 投擲具
- 勇者:リーシア=アイヴィレッド
- 所有者の変遷(盾):勇者→(タクト)→リーシア
- 槍の聖武器に属する眷属器。投げナイフやブーメラン、投げ槍や投げ斧など、投げる武器に変化できる。伝説の武器は基本的に所持者から離れられないものの、例外的に投げることができ、投げた後は自動的に戻って来る。スキルは様々な投擲武器を投げつける遠距離攻撃が主体となる。短剣などで近接戦闘もできる。
- カースシリーズによって暴走する樹とそれを止めるリーシアとの戦いの最中、樹を止めるため弓の中から突如現れて、投擲武器の適正があり、強く成長したリーシアを投擲具の勇者に選ぶ。しかし本体は以前の所有者を殺して、タクトが持っていたため、初期のころは半透明の分身体のような状態であり、強化方法がわからず、武器のコピーもできなかった。タクトから眷属器を剥奪したことにより、正式にリーシアの手に渡った。アクセサリーは付けられていたものの、リーシアが選ばれていたためか、セインの敵対勢力の元には飛ばず、リーシアの元へ飛んだ。アクセサリーは尚文が調べようとした際に破壊された。
- 七星武器の中では元々どこの国にあった武器なのか判明していない。外伝によると、当初は日本から召喚された勇者が所有していたが、複数の転生者や転移者が奪い合った末にタクトが手に入れたとのこと。
- 強化方法
-
- 金銭によるオーバーカスタム
- 武器に金銭を入れ、その金銭を使って精錬の強化失敗無効など他の強化の補助を行う。
- スキル
-
- エアストスロー
- 投擲武器を相手に投げつける。
- セカンドスロー
- 二発目のエアストスロー。一発目のエアストスローとは異なる武器を投げつけることができる。
- ドリットスロー
- 三発目のエアストスロー。一発目、二発目とは異なる武器を投げつけることができる。
- トルネードスロー
- エアストスロー、セカンドスロー、ドリットスローとのコンビネーションスキル。投擲した三つの武器で竜巻を起こす。リーシアがよく使用しているスキル。
- ボーラ・ブラスト
- フィーロの武器だった火柱が出るモーニングスターを改造してできたボーラに内包されたスキル。ボーラを投げつけ、ロープで相手を巻き付けた後、大きく炸裂する。
- ナイフレイン
- 投げナイフや短剣を幾重にも分裂して雨のように浴びせる。
- シャドウバインド
- 短剣で相手の影を縫い付けて動きを封じる。
- シールドブレイカー
- 防御無視の投擲攻撃。
- フラガラッハカスタム
- 同名の武器に内包されたスキル。治療不可と自動追尾の効果をもつ同名の武器を投げつける。
- 流星弾
- 星を放つ手榴弾のようなものを投げつける投擲具の流星スキル。
- ミョルニル
- 雷を纏った強大な投げ槌を投げつける投擲具の大技スキル。
- 杖
- 勇者:オルトクレイ
- 所有者の変遷(盾):オルトクレイ→尚文→(タクト)→オルトクレイ
- 槍の聖武器に属する眷属器。魔法の杖に変化できる。主に魔法での攻撃が主体で、固有の能力として魔法の詠唱の短縮することができ、完全に使いこなせばドライファクラスも無詠唱にすることができる。また、所有者に適性の無い属性の魔法も覚えることもできる[注 122]。スキルは魔力の光線や鏡を出現させて、反射させて攻撃を当てるなどの魔法の援護ができるものがある。
- 元々オルトクレイが持っていたが、彼の心が汚れ勇者としての使命を見失っていたため彼の手元から離れていた[注 123]。しかし、尚文の叱責により心を入れ替え今の自分がやるべきことを思い直したオルトクレイを見て再び彼の前に現れた。タクト戦の際に、武器がないと戦えないとのことで、一時期尚文に貸し出される。戦いの最中、強力な強化魔法によってあまりにも力の差が広がりすぎたため、尚文がわざとタクトに貸し与え、尚文とフォウルがタクトを半殺しにした後に勇者剥奪で解放され、オルトクレイの元に戻った。
- 強化方法
-
- 魔法強化
- LVを上げて溜まったポイントを魔法に割り振って強化する。重点的に上げると、それ相応のポイントを消費する。必要素材と武器の中にある強化ポイントを犠牲にして、一日のクールタイムを待てば振り直せることができる。I~Xの10段階強化ができ、スキル名の最後に数字が付く。魔法によってはこれまでになかった効果が追加される。
- スキル
-
- フェンリルフォース
- フェンリルロッドに内包された解放不可の専用スキル。フェンリルロッドのオオカミの装飾のある部分が開き、宝石の部分から光線が放つ。フェンリルロッドの専用効果の神への反逆により四聖武器所持者に攻撃すると、威力が高まる効果もある。フェンリルロッドは特例武器であるため、四聖勇者が暴走する、または転生者が四聖武器を奪ったような状況でなければ使用できないと思われる。
- エアスト・フロートミラー
- 使用者の意のままに操作できる、スキルや魔法を指定した角度で反射する鏡を出現させる。ある程度は勝手に動いてくれる。クズは反射の多角面体を放って、それにスキルや魔法を当てて反射させ、広範囲を打ち抜くことができ、遮蔽物に隠れていても関係なしに当てられる。また、味方にも計算でなんとか当てないようにできる。
- セカンド・フロートミラー
- 二発目のエアスト・フロートミラー。
- エアストブラスト
- 魔力の光線を放つ。
- セカンドブラスト
- 二発目のエアストブラストを放つ。
- ブラストプリズン
- エアスト・ブラストとフロートミラーとのコンボスキル。鏡がブラストを反射し、相手の周りを飛び回り、檻みたいに作った後にスキル名を言うと炸裂する。
- ラグナロクブラスター
- フェンリルフォースと変幻無双流の応用スキル。フェンリルフォースの凝縮発展スキルであり、辺りの魔力を杖に凝縮し ウィキペディア、ウィキ、本、library、論文、読んだ、ダウンロード、自由、無料ダウンロード、mp3、video、mp4、3gp、 jpg、jpeg、gif、png、画像、音楽、歌、映画、本、ゲーム、ゲーム。