甲子園口駅(こうしえんぐちえき)は、兵庫県西宮市甲子園口二丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線の駅である[1]。駅番号はJR-A51。「JR神戸線」の愛称区間に含まれている。
甲子園口駅 | |
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南出口(2020年4月) | |
こうしえんぐち Kōshienguchi | |
◄JR-A50 立花 (2.2 km) (2.5 km) 西宮 JR-A52► | |
所在地 | 兵庫県西宮市甲子園口二丁目1-36[1] |
駅番号 | JR-A51 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | A 東海道本線(JR神戸線) |
キロ程 | 569.3 km(東京起点) 大阪から12.9 km |
電報略号 | コシ |
駅構造 | 高架駅(盛土上)[1] |
(ホーム) | 2面4線[1](乗降は2面3線のみ) |
乗車人員 -統計年度- | 15,089人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1934年(昭和9年)7月20日[1] |
備考 | (直営駅)[1] みどりの窓口 有 |
概要
駅名の「甲子園口」は地域名としての甲子園に由来する。なお、甲子園口駅から阪神甲子園球場までは2.3キロメートル離れており、駅南側から阪神バスが運行している[2]。
北側と南東側は閑静な高級住宅街となっており、南側はノスタルジックな商店街などもある。以前は映画館が3軒も営業していた。北側駅舎は長年昭和初期の木造洋館がそのまま用いられ、瀟洒な街並みにマッチしていたが、老朽化のため取り壊された。跡地に建設された新駅舎は2014年3月22日に使用開始となり、駅事務室とみどりの窓口が南口駅舎から移転してきている。
駅所在地は西宮市甲子園口二丁目であるが、甲子園口一丁目 - 六丁目という町名は1950年(昭和25年)になって駅名にちなんで名づけられたものであり、駅開業当時は武庫郡瓦木村下新田という地名だった。行政上の地名としての甲子園口は1950年以降の命名だが、新興住宅地として土地開発を進めるために周辺は新駅設置内定の頃から甲子園口と呼ばれてきた。
歴史
吹田駅 - 須磨駅間での電気運転開始に伴い、塚本駅・立花駅・六甲道駅・元町駅と同時に開設された。瓦木村の熱心な誘致運動が実ったものである。
駅開設と同時に甲子園口土地区画整理組合が設置され、周辺の開発が推進されるようになった。それに伴い駅の利用客も増加した。
年表
- 1934年(昭和9年)7月20日:国有鉄道東海道本線の神崎駅(現在の尼崎駅) - 西ノ宮駅(現在の西宮駅)間に開業(吹田駅 - 須磨駅間電気運転開始と同時、隣の立花駅も同日に開業。)[1]。旅客扱いのみ。
- 1964年(昭和39年)10月1日:駅構造が変更され、1番のりばが下り内側線、2番のりばが大阪方面への折り返し列車専用となる。
- 1978年(昭和53年)10月2日:南口駅舎が改築される(2代目)[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1988年(昭和63年)3月13日:路線愛称の制定により、「JR神戸線」の愛称を使用開始。
- 1995年(平成7年)
- 1997年(平成9年)3月8日:JR神戸線標準接近メロディ「さざなみ」導入[3]。
- 2002年(平成14年)7月29日:(JR京都・神戸線運行管理システム)導入。
- 2003年(平成15年)11月1日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)3月14日:バリアフリー化工事が完成。エレベーターの使用を開始。ホームが尼崎・大阪・北新地方面に4両分移設されたことにより、停車位置を変更(2番のりばを除く)。これにより、当駅で折り返す列車が復活する。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2018年(平成30年)3月17日:駅ナンバリングが導入され、使用を開始する[7]。
駅構造
盛土上に島式ホーム3面4線を有する高架駅である。有効長は、下り内側線の1番のりばと上り内側線の3番のりばは12両編成、折り返し専用線の2番のりばは8両編成だが、下り外側線にはホーム及びのりばがなく、上り外側線の4番のりばは一部が開閉可能な安全定柵で仕切られている。
開業当初は1番のりばが下り外側線、2番のりばが下り内側線だったが、1964年10月1日に駅構造が変更され、1番のりばが下り内側線、2番のりばが大阪方面への折り返し線となり、下り外側線は戦時中に建設された阪神武庫川線(阪神はこの駅の構内で武庫大橋駅方面に分岐していたが、阪神にはホームは設置されず)を転用して敷設されている。そのため下り外側線にはホームがない。なお、運転取り扱い上ではホームのない下り外側線を「1番線」とするため、1 - 4番のりばはそれぞれ2 - 5番線として扱われている。
上り外側線側(4番のりば)はステンレス製の柵で閉鎖されているが、ほぼ等間隔で取り外せるスペースが設けられており、団体列車や外側線列車が臨時停車する場合や緊急時に備えているが、(高校野球応援団体臨時列車)も含め実際に使用されたことはない。
折り返し線(2番のりば)は現在、朝時間帯と深夜帯の一部列車が使用している(詳細は後述)。
上下線ホームともエレベーターが設置されている。エレベーター設置工事に伴い、ホームを東側に延長・移動させるため盛り土の掘削が必要であったことから、2007年8月27日から2009年3月13日まで、一時的に2番のりばの使用が停止され、当駅折り返しの列車は運転区間の変更を行っていた。工事完了に伴い、2009年3月14日のダイヤ改正に合わせて2番のりばの使用および当駅折り返し列車の運行が復活した。
(直営駅)(芦屋駅の(被管理駅))。アーバンネットワークエリアに属しており、ICOCA及び提携ICカード利用が可能である。
当駅で使用されている接近メロディは、1997年2月16日からJR神戸線内各駅で導入されている「さざなみ」に加え、列車接近表示器から、メリーさんの羊が流れる。
のりば
ダイヤ
日中時間帯は1時間に8本が停車する。朝ラッシュ時は本数が多くなる。朝6時台に当駅始発の大阪方面行き、大阪発夜23時台に当駅止まりがそれぞれ1本ずつ[9]設定されており、2番のりばを使用する。1986年10月31日までは、日中にも当駅折り返し電車があったが、翌11月1日の改正でこの時間帯は神戸駅発着に変更された。事故などでダイヤが乱れた場合は折り返しが設定されたり、当駅を境に見合わせになることがある。1988年3月12日までは夕方に折り返しが設定されていた。
阪神淡路大震災直後の部分営業時には「普通」や新快速(大阪駅 - 当駅間は各駅に停車)の折り返しに頻繁に使用されていた。JR福知山線脱線事故後、JR宝塚線の列車運転再開までは暫定的に尼崎駅発着となっていたJR東西線の「快速」が、尼崎駅 - 当駅間は回送扱いで折り返しをしていた。
利用状況
2020年(令和2年)度の1日平均(乗車人員)は15,089人である。
「西宮市統計書」及び「兵庫県統計書」によると、1日平均乗車人員は以下の通り[10][11]。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
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1999年 | 19,302 |
2000年 | 19,382 |
2001年 | 19,115 |
2002年 | 19,415 |
2003年 | 18,918 |
2004年 | 19,148 |
2005年 | 18,935 |
2006年 | 19,328 |
2007年 | 19,668 |
2008年 | 19,607 |
2009年 | 18,961 |
2010年 | 18,987 |
2011年 | 19,035 |
2012年 | 19,147 |
2013年 | 19,304 |
2014年 | 18,842 |
2015年 | 19,120 |
2016年 | 19,078 |
2017年 | 19,184 |
2018年 | 18,915 |
2019年 | 18,735 |
2020年 | 15,089 |
駅周辺
- タクシー乗り場(北口・南口)
- 武庫川
- 武庫川女子大学 上甲子園キャンパス(甲子園会館)
- 甲子園口商店街
- 甲子園短期大学
- 甲子園学院中学校・高等学校
- 甲子園学院小学校
- 西宮市立上甲子園小学校
- (上甲子園幼稚園)
- 甲子園口幼稚園
- 松山大学 温山記念会館(旧新田邸)
- リッツナーサリー - 幼児英語
- ステップワールド英語スクール 甲子園口教室
- 甲子園口カルチャールーム
- 甲子園口グリーンプレイス(JR西日本社宅跡地のショッピングセンター)
金融機関
バス路線
- 南口
阪神バス((尼崎営業所))が運行する路線バスが発着する。
前身の阪国バスが1950年6月6日に甲子園線(甲子園口・浜甲子園間)を開業した。
- 北口
阪急バスが運行する路線バスが発着する。
阪神甲子園口駅の計画
第二次世界大戦下の軍需工場輸送で、阪神武庫川線に甲子園口駅を設け、省線(鉄道省線、後の日本国有鉄道)との接続を図る計画があった。
阪神電気鉄道の社内には資料は残されていないものの、(丸山健夫)(武庫川女子大学名誉教授)の調査によると、昭和18年(1943年)3月19日付の『官報』に、阪神武庫川線が甲子園口までの運行の特許を受けたことが掲載されていたことが判明した。武庫川線は甲子園口のさらに先、省線西ノ宮駅まで建設されたが、阪神甲子園口駅は完成せずに終わったという。現在の駅南東側の線路沿いに延びている駐輪場となっている箇所に、1面2線(うち南側は車止めあり)で駅が設けられる予定であった[12]。
なお、阪神電気鉄道の社史『輸送奉仕の五十年』の年表には、1943年3月16日に武庫川線の西高洲~省線甲子園口間を敷設特許、1944年3月3日には武庫川線第2期(武庫川~武庫大橋)を起工(8月14日竣工)、5月30日に甲子園口~西宮間で貨物線敷設特許(3月4日申請)、10月20日に武庫川線第3期(武庫大橋~省線甲子園口)、第4期(省線甲子園口~ビール会社側線)を起工(11月12日竣工)と記載されている。
隣の駅
脚注
- ^ a b c d e f g h 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、16頁。ISBN (9784343006028)。
- ^ “交通アクセス”. 阪神甲子園球場 2020年5月10日閲覧。
- ^ “列車接近をメロディーで JR神戸線塚本-姫路間”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年3月11日)
- ^ a b c 『JR甲子園口駅ビル 平成27年7月7日(火曜日)に開業!』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年6月25日。 オリジナルの2016年2月27日時点におけるアーカイブ 。2016年2月27日閲覧。
- ^ 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します
- ^ “「ビエラ」あす開業 甲子園口駅改良終了”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (2015年7月6日)
- ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!
- ^ a b “甲子園口駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月12日閲覧。
- ^ 交通新聞社 JR時刻表 2018年4月号
- ^ 統計書(最新) - 西宮市
- ^ 兵庫県統計書 - 兵庫県
- ^ “幻の甲子園口駅、阪神電鉄が計画 太平洋戦争末期 大学教授が“発掘””. 神戸新聞. (2020年12月10日)2020年12月11日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 甲子園口駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道