チングルマ(珍車、稚児車[1]、学名:Geum pentapetalum)とはバラ科ダイコンソウ属の落葉小低木の高山植物である。一般にダイコンソウ属に分類されるが、(チングルマ属)(Sieversia)に分類する説もあり、確定していない。
概要
東日本(北海道~中部地方以北)、樺太、アリューシャン列島、カムチャツカ半島に分布する[2]。高山の雪渓周辺の多湿地に生える[2]。高さは10cm程度[2]。枝は地面を這い、群落を作る。葉は羽状複葉[2]。花期は6から8月。[2]花茎の先に3cmほどの白い五弁花を1つ咲かせ[2]、多数の黄色い雌しべと雄しべがある。花後、花柱は伸びて放射状に広がる。果実は痩果[2]。和名のチングルマは、この実の形が子供の風車(かざぐるま)に見えたことから稚児車(ちごくるま)から転じて付けられた[3]。
大雪山旭岳周辺の登山道沿いに数百mも続く大群落が有名である。タテヤマチングルマは薄いピングがかっている。田中澄江が『花の百名山』の著書で、黒部五郎岳を代表する高山植物のひとつとして紹介した[4]。また『新・花の百名山』で、鹿島槍ヶ岳を代表する高山植物として、シナノキンバイ、オヤマノエンドウ、タカネミミナグサと共に紹介した[5]。
富山県には「ちんぐるま」という名の和菓子がある。
現在では、流通量こそ少ない物の、園芸植物としての流通も一部で見られ、山野草を好む愛好家を中心に一般家庭にも若干の普及が見られる。
関連画像
脚注
関連項目
外部リンク
- チングルマ(開花・果実・草紅葉の遷移過程)
- フラボン:チングルマの花
- 果実