浅間山北麓ジオパーク(あさまやまほくろくジオパーク、英語: Mt. Asama North Geopark)は、群馬県嬬恋村・長野原町にあるジオパークである[1]。面積は約280 km2で、嬬恋村の吾妻川流域以南と長野原町全域を含む[1]。テーマは「浅間山とともに未来へ 破壊と再生がつなぐ人々の営み」[2]。2016年9月9日、日本ジオパークに認定された[3][4]。
主な見どころ
- 鎌原村は、江戸時代に起きた天明浅間山噴火で最大の被害を受けた村であり[5]、火口から12 kmほど離れたところにある[6]。噴火による火砕流・土石流に襲われて全村が瞬時に埋没し、人口570人中477人が犠牲になった[7]。ただし、高台にある鎌原観音堂などに避難していた残りの93人は無事であった[6]。壊滅した鎌原村は「日本のポンペイ」とも呼ばれるようになり[8]、天明噴火災害を象徴する貴重な災害遺跡となった。なお、観音堂の隣には嬬恋郷土資料館がある。
- 旧草軽電鉄北軽井沢駅舎
- 旧北軽井沢駅舎は、かつて存在した草津軽便鉄道(スイスの登山鉄道を模して1915年に開業)の駅の中で唯一、当時の姿のままで現存する駅舎として知られる[1]。
- (浅間山溶岩樹型)
- 天明浅間山噴火で発生した吾妻火砕流により形成された、世界的にも希少な溶岩樹型[1]。溶岩流ではなく火砕流によって形成された特殊な樹型であり[10][11]、ヒカリゴケが自生するものもある。1952年に国の特別天然記念物に指定された[1]。
- 六里ヶ原
- 六里ヶ原は、浅間山の北斜面に位置する広大な原野である[15]。天明浅間山噴火に伴う吾妻火砕流はこの地域の森林を破壊したが[16]、その堆積物が分布している[17][18]。シラカバ、カラマツ、ナラ、クマザサなどに覆われていたが、第2次世界大戦後に開拓者が入植[15]。現在では観光地としても人気が高く、夏も冷涼な高原気候と雄大な風景が特徴である[15]。
- 浅間牧場
所在地
浅間山ジオパーク推進協議会事務局内 [1]
- 〒377-1524
- 群馬県吾妻郡嬬恋村大字鎌原494-45
- 嬬恋村地域交流センター
脚注
- ^ a b c d e f g h i j “浅間山北麓ジオパーク”. geopark.jp. 日本ジオパークネットワーク. 2023年4月11日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉プラス『(浅間山北麓ジオパーク)』 - コトバンク
- ^ “浅間山北麓地域が日本ジオパークに認定されました”. www.kazawa.jp. 鹿沢インフォメーションセンター. 2023年4月11日閲覧。
- ^ 浅間山北麓ジオパーク - YouTube
- ^ “浅間山観音堂について”. 寛永寺. 2023年4月14日閲覧。
- ^ a b “浅間山天明3年噴火の発掘調査展”. 朝日新聞デジタル (2021年7月24日). 2023年4月11日閲覧。
- ^ 『(鎌原村)』 - コトバンク、『(鎌原村遺跡)』 - コトバンク、『(天明浅間山噴火)』 - コトバンク
- ^ “1783年に477人死亡した「日本のポンペイ」…浅間山噴火、集落発掘へ”. 読売新聞オンライン (2021年11月4日). 2023年4月11日閲覧。
- ^ 『(鬼押出し)』 - コトバンク、『(鬼押出)』 - コトバンク、『(鬼押出岩)』 - コトバンク
- ^ “浅間山溶岩樹型”. www.kazawa.jp. 鹿沢インフォメーションセンター. 2023年4月11日閲覧。
- ^ 『長野原町 やんば天明泥流ミュージアム 常設展示図録』(令和3年10月29日発行)P.62
- ^ “浅間山 有史以降の火山活動”. www.data.jma.go.jp. 気象庁. 2023年4月15日閲覧。
- ^ “国指定名勝 吾妻峡”. 群馬県東吾妻町 観光情報. 2023年4月11日閲覧。
- ^ 『(吾妻渓谷)』 - コトバンク
- ^ a b c 『(六里ヶ原)』 - コトバンク
- ^ “浅間天明大規模噴火”. 高橋正樹・安井真也・竹本弘幸 (日本大学文理学部地球システム科学教室). 2023年4月11日閲覧。
- ^ 災害史に学ぶ 火山編 (PDF) (16ページ)
- ^ “浅間火山北麓の電子地質図 吾妻火砕流”. www.hayakawayukio.jp. 早川由紀夫. 2023年4月11日閲覧。
- ^ 『(浅間牧場)』 - コトバンク
- ^ 湯の丸レンゲツツジ群落 - 文化遺産オンライン(文化庁)
外部リンク
- 浅間山北麓ジオパーク - 日本ジオパークネットワーク
- 浅間山北麓ジオパーク - YouTube