この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
法廷等の秩序維持に関する法律(ほうていとうのちつじょいじにかんするほうりつ、昭和27年7月31日法律第286号)は、日本の法律。略称は法廷秩序維持法。
概要
裁判官の手続について暴行や喧騒で妨害した者や裁判所の威信を著しく害した者に簡易な手続による制裁(20日以下の監置もしくは3万円以下の過料)を科すことを規定している。「法廷等」には、裁判所の建物内のほとんどが含まれるとされる(廊下、待合室、調停室、審判廷、その他)。
下位法令として、日本国憲法第77条に定める裁判所の自律機能として最高裁判所規則の形式で定められた法廷等の秩序維持に関する規則がある。
判例
最高裁判所判例 | |
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事件名 | 法廷等の秩序維持に関する法律による制裁事件についてなした抗告棄却決定に対する特別抗告 |
事件番号 | 昭和28(秩ち)1 |
昭和33年10月15日 | |
判例集 | 刑集 第12巻14号3291頁 |
裁判要旨 | |
一 法廷等の秩序維持に関する法律による制裁は従来の刑事的行政的処罰のいずれの範疇にも属しないところの、本法によつて設定された特殊の処罰である。そして本法は、裁判所または裁判官の面前その他直接に知ることができる場所における言動つまり現行犯的行為に対し裁判所または裁判官自体によつて適用されるものである。従つてこの場合は令状の発付、勾留理由の開示、訴追、弁護人依頼権等刑事裁判に関し憲法の要求する諸手続の範囲外にあるのみならず、またつねに証拠調を要求されていることもないのである。 | |
最高裁判所大法廷 | |
裁判長 | 田中耕太郎 |
陪席裁判官 | 小谷勝重 島保 斎藤悠輔 藤田八郎 河村又介 垂水克己 河村大助 下飯坂潤夫 奥野健一 高木常七 石坂修一 |
意見 | |
意見 | 奥野健一 |
参照法条 | |
法廷等の秩序維持に関する法律1条,法廷等の秩序維持に関する法律2条,法廷等の秩序維持に関する法律3条,法廷等の秩序維持に関する法律4条,法廷等の秩序維持に関する法律3条2項,憲法32条,憲法33条,憲法34条,憲法37条 |
最高裁昭和33年10月15日大法廷判決
- 法廷等の秩序維持に関する法律による制裁は、従来の刑事的行政的処罰のいずれの範疇にも属しないところの、本法によつて設定された特殊の処罰である。そして本法は、裁判所または裁判官の面前その他直接に知ることができる場所における言動つまり現行犯的行為に対し裁判所または裁判官自体によつて適用されるものである。従つてこの場合は令状の発付、勾留理由の開示、訴追、弁護人依頼権等刑事裁判に関し憲法の要求する諸手続の範囲外にあるのみならず、またつねに証拠調を要求されていることもないのである。
- 法廷等の秩序維持に関する法律第2条にもとづく監置決定および同法第3条第2項による行為者の拘束は、憲法第32条、第33条、第34条ならびに第37条に違反するものではない。