池谷 蒼大（いけや そうた、1999年8月2日 - ）は、静岡県浜松市出身のプロ野球選手（投手）。左投左打。横浜DeNAベイスターズ所属。
経歴
プロ入り前
浜松市立積志小学校2年生のときに軟式野球チームの浜松ドジャースで野球を始め、6年生のときには中日ドラゴンズジュニアでプレーした[2]。浜松市立積志中学校では軟式野球部に所属し、エースとして春の県大会3位となった。
その後静岡県立静岡高等学校に進学。1年秋からベンチ入りしたが、腰痛に苦しみ1年間公式戦での登板がなかった。2年春に公式戦初登板し、同年秋の東海大会の途中から背番号1を背負った。同大会で優勝し、3年春の第89回選抜高等学校野球大会出場。不来方との1回戦に先発して7回1失点で勝利投手となる[3]。2回戦では根尾昂、藤原恭大らを擁する大阪桐蔭と対戦。初回に6失点するもその後は2回から7回まで無失点に抑えたが、2点リードの8回に逆転され、結果的に9回途中11失点で敗れた[4]。3年夏は静岡県大会準決勝で敗れ、2季連続での甲子園出場を逃した。2学年上に堀内謙伍、1学年上に鈴木将平、1学年下に村松開人がいた。
高校卒業後はヤマハに入社[5]。2年目の夏に第90回都市対抗野球大会に出場し、JR東日本との2回戦に救援で大会初登板したが、チームは敗れた。同年秋の第45回社会人野球日本選手権大会にも出場し、王子との2回戦で救援登板し1回を無失点に抑えた。
3年目となる2020年10月26日に行われたドラフト会議にて横浜DeNAベイスターズから5位指名を受け[6]、11月24日に契約金4000万円、年俸720万円（金額は推定）で仮契約した[7]。背番号は53。担当スカウトは中川大志[8]で、同期入団で同郷出身の髙田琢登と共に中川のスカウト転身後、初の担当した選手となった。
プロ入り後
2021年は、新人ながら開幕一軍の座を掴み、5試合連続で無失点と好投した一方、4月10日の阪神タイガース戦（横浜スタジアム）では1イニングに3盗塁を許すなど変則フォーム故のクイックの遅さが露呈し、同12日に出場選手登録を抹消された[9]。その後は二軍で調整を続け、7月15日に行われたフレッシュオールスターゲーム（松山坊ちゃんスタジアム）ではイースタン・リーグ選抜として4回に登板し、三者凡退に抑えた[10]。最終的に一軍では6試合に登板し防御率0.00、二軍ではチーム2位の36試合に登板し0勝2敗1セーブ、防御率5.08の成績でシーズンを終えた[11]。
2022年は、開幕は二軍で迎えるが、一軍の主力メンバーに多数の新型コロナウィルス陽性者が出たため、入れ替わる形で4月12日に一軍登録される[12]。4月21日の対阪神戦（横浜スタジアム）で2番手投手として登板し打者三人を無失点で抑えると、その裏にチームが逆転してプロ初勝利を挙げた[13]。しかし4月29日に一軍登録を抹消されると、シーズン終了まで二軍での登板が続いた。最終的に一軍では6試合に登板し防御率3.38、二軍では31試合に登板し防御率2.67に終わった。
選手としての特徴
静岡高校時代は派手さのないフォームだったが、「上背がなく、直球の球速もない。体を大きく使い球に力を与えたかった」とヤマハ時代にフォームを変更。右足を上げた際にグラブの中で球を握りながら両手を突き上げるダイナミックなフォームから最速147kmの直球を投げ込む[14]。打者のタイミングを惑わせる反面、クイックモーションの遅さに課題を抱える[15]。2022年は左打者への被打率改善のため、腕の位置を下げるようになった[16]。
球種はスライダー、チェンジアップ、カーブ[17]。プロ入り後は二軍投手コーチの大家友和指導の元、カットボールを新たに習得している[15]。
詳細情報
年度別投手成績
| 年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | DeNA | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 25 | 6.2 | 2 | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 0.60 |
| 2022 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 26 | 5.1 | 3 | 1 | 7 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 2 | 2 | 3.38 | 1.88 | |
| 通算：2年 | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 51 | 12.0 | 5 | 1 | 9 | 0 | 1 | 9 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1.50 | 1.17 | |
- 2022年度シーズン終了時
年度別守備成績
- 2022年度シーズン終了時
記録
- 初記録
- 初登板：2021年3月27日、対読売ジャイアンツ2回戦（東京ドーム）、8回裏に4番手で救援登板・完了 1回無失点
- 初奪三振：2021年3月31日、対東京ヤクルトスワローズ2回戦（横浜スタジアム）、6回表に中山翔太から空振り三振
- 初勝利：2022年4月21日、対阪神タイガース5回戦（横浜スタジアム）、5回表に2番手で救援登板、1回無失点 ※6回裏途中降雨コールド
背番号
- 53（2021年 - ）
登場曲
- 『ワタリドリ』［Alexandros］（2021年 - ）
脚注
- ^ “DeNA - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年10月25日閲覧。
- ^ “ＤｅＮＡから5位指名のヤマハの左腕・池谷蒼大が「運命の日」にやらかしました!? 思わず「すいません」と懺悔した理由とは…”. 中日スポーツ (2020年10月25日). 2022年10月30日閲覧。
- ^ “不来方 対 静岡 - スコア詳細 - 第89回選抜高校野球（2017）”. 日刊スポーツ (2017年3月24日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “大阪桐蔭 対 静岡 - スコア詳細 - 第89回選抜高校野球（2017）”. 日刊スポーツ (2017年3月27日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “静岡エース・池谷がヤマハ内定 ３年後プロ目指す”. 日刊スポーツ (2017年12月15日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “【ドラフト】ヤマハ・池谷はＤｅＮＡが５位指名。最速１４７キロのサウスポー”. スポーツ報知 (2020年10月26日). 2020年11月1日閲覧。
- ^ “ＤｅＮＡ５位池谷蒼大が仮契約「日本一への戦力に」”. 日刊スポーツ. (2020年12月2日) 2020年12月9日閲覧。
- ^ “2022スカウト布陣から読む12球団補強ポイント【セ・リーグ編】”. 週刊ベースボールONLINE (2022年1月22日). 2022年4月6日閲覧。
- ^ “【ＤｅＮＡ】細川成也とドラ５池谷蒼大が登録抹消 １３日にはソト、オースティンが登録へ”. スポーツ報知 (2021年4月12日). 2022年2月20日閲覧。
- ^ “投球時「よいしょ！」 ＤｅＮＡ池谷蒼大10球で３者凡退 フレッシュ球宴”. 日刊スポーツ 2022年2月20日閲覧。
- ^ “【ＤｅＮＡ】ルーキー池谷蒼大が現状維持の７２０万円でサイン「左打者に嫌がられる」 １軍防御率０・００”. スポーツ報知 (2021年11月15日). 2022年2月20日閲覧。
- ^ “【ＤｅＮＡ】藤田一也ら１１選手が出場選手登録 大田泰示は特例２０２２で コロナ陽性で多数昇格”. スポーツ報知 (2022年4月12日). 2022年4月21日閲覧。
- ^ “【DeNA】池谷蒼大プロ初勝利「最高です！」５回阪神中軸３者凡退で直後の逆転呼び込んだ”. 日刊スポーツ (2022年4月21日). 2022年4月21日閲覧。
- ^ “【21年版・球界“新”士録7】DeNA・池谷 ダイナミックフォームの左腕が中継ぎ救う - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年2月21日閲覧。
- ^ a b 静岡新聞社. “⚾ＤｅＮＡ池谷（静岡高出） ２年目、飛躍期す クイックモーション改善、変化球の精度追求｜あなたの静岡新聞”. www.at-s.com. 2022年2月21日閲覧。
- ^ 静岡新聞社. “ＤｅＮＡ２年目 プロ初勝利の池谷 １軍定着へ“変則”極める｜あなたの静岡新聞”. www.at-s.com. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “池谷 蒼大 （静岡）”. 高校野球ドットコム. 2022年2月21日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 池谷蒼大 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 選手名鑑 - 横浜DeNAベイスターズ公式サイト
- 池谷蒼大 (@sohta10d07) - Instagram