『殺し屋人別帳』(ころしやにんべつちょう)は、1970年公開の日本映画。製作:東映[1][2]。
殺し屋人別帳 | |
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監督 | 石井輝男 |
脚本 | 石井輝男・(掛札昌裕) |
出演者 | 渡瀬恒彦 伊吹吾郎 嵐寛寿郎 佐藤允 吉田輝雄 |
音楽 | 鏑木創 |
撮影 | 古谷伸 |
編集 | (神田忠男) |
製作会社 | 東映京都撮影所 |
配給 | 東映 |
公開 | 1970年1月31日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
次作 | 監獄人別帳 |
渡瀬恒彦のデビュー作で、初主演映画[3][4][5]。石井輝男監督がヤクザの抗争をモダン・アクションのタッチで描く[4]。
概要
「人別帳シリーズ」第1弾[6]。渡瀬演じる主人公の名前は「網走番外地シリーズ」で、高倉健演じる主人公の名前と同じ橘真一。冒頭から裏切りに次ぐ裏切りで、主要人物がバタバタ死んでしまう渦中に渡瀬演じる主人公が登場。途中からは『網走番外地 望郷篇』とほぼ同じ展開になり、見せ場が繰り出される。冷酷狂暴な奴、紳士面した奴、負けを知らぬ不適な奴、そして女だけには弱い奴。殺し屋人別帳に名を連ねたこれら殺し屋の名人たちが、それぞれ腕前を競って殺し合いの手口を見せる。
ストーリー
浦波興業の浦波は殺し屋の黒岩と宇野木に各組の組長を殺させ、北九州一帯を傘下におさめる。浦波は用済みの2人を消そうとして逆に射殺された。黒岩は宇野木をも殺し、浦波興業を手中にし、黒岩組と改称した。黒岩組は竜神一家を潰そうと、長崎にも手をのばす。長崎をめぐり、両陣営に、流れ者・真一、ラバウルの鉄、八人殺しの鬼寅ら、殺し屋たちが集結し、激闘が始まる。
キャスト
- 流れ者の真一:渡瀬恒彦
- 竜神統一:吉田輝雄
- 竜神久美:藤田佳子
- ナオミ:(太田ナオミ)
- ミッチー:小川ローザ
- 佐知子:賀川雪絵
- 木口:中谷一郎
- 秀:荒木一郎
- 詩郎:伊吹吾郎
- 和夫:神太郎
- 徹:五十嵐義弘
- 松吉:波多野博
- 光男:(小山田良樹)
- 光代:(葵三津子)
- レイ子:(三笠れい子)
- ミキ:(尾花ミキ)
- 女壷振り美枝:(英美枝)
- 浦波興業会頭:(沢彰謙)
- 門司港一家親分:(浪花五郎)
- 小倉組親分:(矢奈木邦二郎)
- 若松組親分:(藤川弘)
- 一文一家親分:(村居京之輔)
- 三沢商事支店長:(那須伸太朗)
- 平助:由利徹
- 浦波興業幹部A:(森健太郎)
- 浦波興業幹部B:(藤本秀夫)
- 浦波興業幹部C:(古閑達則)
- 浦波興業幹部D:平沢彰
- 黒岩剛蔵:田崎潤
- 敏:千葉敏郎
- 黒岩の子分A:(奥野保)
- 黒岩の子分B:(山下義明)
- 黒岩の子分C:(鈴木金哉)
- 黒岩の子分D:(河崎操)
- 黒岩の子分E:(蓑和田良太)
- 黒岩の子分F:(土橋勇)
- 黒岩の子分G:(白川浩二郎)
- 黒岩の子分H:(池田謙治)
- 黒岩の子分I:友金敏雄
- 黒岩の子分J:(山下義明)
- 人夫A:(大城泰)
- 人夫B:(村田玉郎)
- 人夫C:(世羅豊)
- 竜神一家子分A:(畑中伶一)
- 竜神一家子分B:小峰一男
- クラブの客:(疋田泰盛)
- 宇野木:小池朝雄
- 大正琴の寅さん:嵐寛寿郎
- 鉄:佐藤允
スタッフ
製作
渡瀬恒彦は、当時の岡田茂東映企画製作本部長から、線の太いマスクを惚れられスカウトされたものだが[7][8]、鶴田浩二、高倉健、千葉真一など、当時の男性スター王国の東映にあって破格の主役デビューも岡田の肝煎であった[7][9]。渡瀬の売り出しに「人別帳シリーズ」として[6][9]『殺し屋人別帳』を1970年1月に公開し、二作目『監獄人別帳』を4月に、三作目『悪党人別帳』(製作されず)を夏に公開し[10]、立て続けに主演作を出して、渡瀬をスター・ダムに乗せようという作戦を立てていた[10]。
エピソード
脚注
- ^ 殺し屋人別帳|一般社団法人日本映画製作者連盟
- ^ 殺し屋人別帳 映画-Movie Walker
- ^ 渡瀬恒彦 狂犬NIGHTS/ラピュタ阿佐ケ谷
- ^ a b c 「カルト映画史上の帝王 石井輝男監督十三回忌 文・野村正昭」『東映キネマ旬報 2017年夏号 vol.29』、東映ビデオ、2017年8月1日発行、12頁。
- ^ 《続報》渡瀬さん「幸せな俳優人生」事務所発表|テレビ朝日
- ^ a b “人別帳シリーズ”. 日本映画製作者連盟. 2018年9月14日閲覧。
- ^ a b 「先輩なんかゲバゲバ……はりきる新人たち!」『月刊明星』、集英社、1970年3月号、189頁。
- ^ 撮影所マイスター対談『渡瀬恒彦さんと東映京都撮影所』
- ^ a b 「大矢茂(早慶戦)渡瀬恒彦ーでっかいライバル」『月刊明星』、集英社、1970年4月号、50頁。
- ^ a b 「MOVIE CORNER 「俺はアニキに負けないぜ!」=渡瀬恒彦」『月刊明星』、集英社、1970年5月号、177頁。
- ^ 【芸能】渡瀬恒彦さんの盟友・中島貞夫監督が語る「やんちゃな恒さん」
- ^ 高崎俊夫「【映画美女と色男】 インタビュー・荒木一郎 『わが映画人生』」『文學界』、文藝春秋、2016年11月号、166-167頁。