『森の学校』(もりのがっこう)は、2002年7月20日に公開された日本映画。丹波篠山市出身の霊長類学の世界的権威・河合雅雄の小説『少年動物誌』(福音館書店 刊)を原作として製作。監督は西垣吉春。丹波篠山の雄大な自然や景色を大きな画面で見てほしいという監督の思いから、映画館のみでの上映となっており(DVD、動画配信などされていない)、ファンからは「幻の映画」と呼ばれている[1]。三浦春馬の初主演映画。
あらすじ
昭和10年代の丹波篠山を舞台に、自然の中で成長していく少年の姿を描いたドラマ。
四方を山で囲まれた静かな城下町、丹波篠山。子供たちが群れをなして遊ぶ中、東京から美代子(小峰玲奈 ※小嶺麗奈とは別人)が母に連れられて越してくる。美代子の父は戦死しており、美代子を祖父母に預け、母は仕事を探すために東京へ戻っていった。
歯科医を営む河合秀雄(篠田三郎)と妻・静子(神崎愛)の家は、男ばかりの六人兄弟を抱え、にぎやかに暮らしていた。
三男・マト(三浦春馬)はワンパク坊主だったが、体が弱く、学校も休みがちで、弟のミト(小谷力)とともに、家の中に飼っている動物たちを集め、互いの名前から1文字ずつとって「マミ動物園」とし、世話していた。
ある日、遊び仲間のヒコヤンが、宿敵の群家(ぐんけ)の勝久にいじめられた。遊び仲間たちが復讐に挑む中、マトは勝久に一騎打ちを申し出た。勝久に竹刀で打たれながらも、マトは勝久をキッと見据え、げんこつで勝久を打ち負かす。この勝利に子供たちは歓喜したが、勝久が憲兵隊長の息子だったため、子供の親たちは報復を恐れた。
翌日、学校でマトと勝久は呼び出されるが、教師と双方の親の元、マトの父・秀雄は竹刀の相手に素手で立ち向かったことを「偉い」と褒めるのだった。
無罪放免となり教室に戻るマトはまさに「ヒーロー」として、級友たちに「マト!マト!」と拍手で迎え入れられた。
美代子は東京に戻ることになり、マトは「マミ動物園」の中のモルモットを2匹、美代子にプレゼントした。
丹波篠山では今日も子供たちがにぎやかに遊んでいる。
キャスト
河合家の兄弟
- 長男・仁(オキヤン) - 久保山知洋
- 次男・公(タント) - 登坂紘光
- 五男・速雄(ハーチャン) - 小坂風真
- 六男・逸雄(イーチ) - 小坂明日桂
その他
エピソード
撮影は平成13年(2001年)10月頃である(台本読み合わせは9月から)。
登場する小学生は「男の子は丸刈り、女の子はおかっぱ頭」という条件で、一般公募約350人、劇団推薦約350人から選考された。
当時の写真や撮影エピソードは、公式サイト(外部リンクの項参照)の「現場レポート」に多数掲載。