松井 彰彦(まつい あきひこ、1962年 - )は、日本の経済学者。Econometric Society・フェロー[1]。専門は、ゲーム理論とそれを応用した社会的障害の分析[2]。東京大学教授。2007年日本経済学会中原賞受賞[4]。
来歴
1962年東京都生まれ[1]。開成高等学校卒業後、東京大学理科一類に進学した[7]。東京大学入学当初は「天文気象好きの物理少年」であったが、教養学部時代に環境問題から人間関係に関心を持つようになり、(進学振り分け)で理科一類から経済学部に転じた[7]。
東京大学経済学部では奥野正寛ゼミナールに在籍し、卒業時には最優秀の卒業論文に与えられる大内兵衛賞を受賞した[1]。その後米国 ノースウェスタン大学J.L.ケロッグビジネススクールに留学し、1990年には同校M.E.D.S.博士課程を修了した[8]。指導教官はイツァーク・ギルボア[1][注 2][注 3]。
Ph.D.取得後は、ペンシルベニア大学経済学部助教授 、筑波大学社会工学系准教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、2002年5月より東京大学大学院経済学研究科教授[1][8]。2008年にはEconometric Society・Fellowに選出された[8]。
著作
単著
- 『慣習と規範の経済学――ゲーム理論からのメッセージ』(東洋経済新報社, 2002年)
- 『市場の中の女の子――市場の経済学・文化の経済学』(PHP研究所, 2004年)
- 『向こう岸の市場』(勁草書房, 2007年)
- 『高校生からのゲーム理論』(筑摩書房, 2010年)
- 『不自由な経済』(日本経済新聞出版社, 2011年)
- 『市場って何だろう――自立と依存の経済学』(筑摩書房, 2018年)
共著
- (蓮實重彦・(新誠一)・(稲葉雅幸)・柳川範之・藪内稔・(大勝孝司)・(平野裕一)・(森本幾夫)・田辺国昭・池上高志)『ゲーム――駆け引きの世界』(東京大学出版会, 1999年)
- (梶井厚志)『ミクロ経済学――戦略的アプローチ』(日本評論社, 2000年)
- ((清水武治))『ゲーム理論』(三笠書房, 2003年)
- ((川島聡)・(長瀬修))『障害を問い直す』(東洋経済新報社, 2011年)
訳書
- イツァーク・ギルボア, (デビッド・シュマイドラー)『決め方の科学――事例ベース意思決定理論』(勁草書房, 2005年)
- イツァーク・ギルボア『合理的選択』(みすず書房, 2013年)
- アリエル・ルービンシュタイン『ルービンシュタイン ゲーム理論の力』(東洋経済新報社, 2016年)
受賞
- 2002年 日経・経済図書文化賞 (著書『慣習と規範の経済学』に対して)[5]
- 2006年3月 日本学術振興会賞及び日本学士院学術奨励賞
- 2007年日本経済学会 中原賞 [4]
注釈
出典・外部リンク
- ^ a b c d e f g h i j k “CURRICULUM VITAE” (PDF) (英語). 2016年5月閲覧。
- ^ a b “仮想制度研究所 松井彰彦”. 東京財団. 2016年5月閲覧。
- ^ 若者を集めたくば「中二の心」をとらえよ!:数学界の有名人たちがカッコよかったので、僕は初め数学者志望だった。(東洋経済ONLINEの連載「スタンフォードの研究室から」)2016年5月閲覧。
- ^ a b c “2007年度中原賞受賞者”. 日本経済学会. 2016年5月閲覧。
- ^ a b “「日経・経済図書文化賞」受賞者一覧”. 日本経済研究センター. 2016年5月閲覧。
- ^ 「藤沢秀行の囲碁と経済学」2016/3/6付日本経済新聞・朝刊
- ^ a b “東大教授による講演「ゲーム理論がおもしろい」”. 河合塾. 2016年5月閲覧。
- ^ a b c “東京大学大学院経済学研究科 教員一覧ページ”. 2016年5月閲覧。
- ^ ギルボア 2013の「訳者あとがき」 (pp.221-223)。