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村上頌樹

村上 頌樹（むらかみ しょうき、1998年6月25日[2] - ）は、兵庫県三原郡南淡町（現：南あわじ市）出身[3]のプロ野球選手（投手[2]）。右投左打[2]。阪神タイガース所属。

村上 頌樹
阪神タイガース #41
基本情報
国籍 日本
出身地 兵庫県三原郡南淡町
（現：南あわじ市）
生年月日 (1998-06-25) 1998年6月25日（24歳）
身長
体重		 175 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2020年 ドラフト5位
初出場 2021年5月30日
年俸 750万円（2023年）[1]
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
この表について

セントラル・リーグにおける開幕からの連続イニング無失点記録保持者（31イニング・中井悦雄と並ぶタイ記録）[4]。

経歴

プロ入り前

南あわじ市立賀集小学校1年で「賀集少年野球クラブ」に入団して野球を始め[5]、3年時から投手を務める。南あわじ市立南淡中学校時代は「アイランドホークス」に所属[6][7]。1学年上に村西良太がいる。

智辯学園高校では1年夏からベンチ入りし、1年夏と3年春夏に甲子園に出場[7]。3年春の甲子園ではエースとして全5試合を1人で投げ抜き、47回で防御率0.38を記録[6][8]。決勝の高松商業高校戦では延長11回までを1失点に抑えた上、その裏に中堅越えのサヨナラ二塁打を打ち、同校初の甲子園優勝に導いた[6][8]。3年夏の甲子園は2回戦で河野竜生擁する鳴門高校に敗れた[9]。2学年上に岡本和真[10]、1学年上に廣岡大志がいる。

卒業後は東洋大学に進学、1年春からリーグ戦に登板し[7]専修大学戦ではリーグ戦初完封初勝利を収めた[11]。2年時は登板機会に恵まれなかったものの、エースとして迎えた3年春には6勝無敗、防御率0.77の成績を残し、投手3冠、ベストナインを獲得すると共に春季リーグ4連覇に貢献[12][13]。同夏には日米大学野球選手権に出場する日本代表にも選出された[14]。4年秋には中央大学との開幕戦に先発するも登板中に腕の張りを訴え4回1失点で降板し[15][16]、その後右前腕の肉離れが判明し戦線を離脱[17][18]。そのままリーグ戦を終えた。2学年上に上茶谷大河、甲斐野央、梅津晃大、中川圭太、藤井聖、末包昇大、1学年上に佐藤都志也がいた。

2020年のドラフト会議で阪神タイガースから5位指名を受け[7]、契約金4000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ[19]。背番号は41[20]。

阪神時代

2021年、二軍戦6試合で2勝1敗、防御率2.25を記録[21]。5月30日に一軍登録され[22]、同日の埼玉西武ライオンズ戦（メットライフドーム）でプロ初登板・初先発を果たしたが、2回1/3を3安打3四球5失点で降板（チームが逆転勝ちしたため、勝敗はつかなかった）[23]。翌5月31日に出場登録を抹消された[24]。その後8月28日の広島東洋カープ戦（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島）で先発したが、3回5失点と結果を残せなかった[25]。二軍では最終的に10勝1敗、防御率2.23を記録し、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の三冠に輝いた[26]。

2022年は、ウエスタン・リーグで最優秀防御率（3.09）、最高勝率（.700）の投手2冠を獲得[27]。同リーグの表彰対象ではないが、奪三振（74奪三振）も最多だった[28]。しかし一軍での登板はなくシーズンを終える[27]。

2023年は4月1日、対横浜DeNAベイスターズ2回戦（京セラドーム大阪）で秋山拓巳の後の2番手として[29]2シーズンぶりに一軍登板[30]の後、4月12日、対読売ジャイアンツ2回戦（東京ドーム）で2シーズンぶりに一軍公式戦で先発[31]。7回まで無安打無四死球の[32]完全試合状態だったが、1-0とリードした8回表の攻撃で原口文仁が自身の代打として出場し、勝ち投手の権利を持ったまま降板した[33][注 1]。続く4月22日、対中日ドラゴンズ2回戦（バンテリンドーム ナゴヤ）[36]でも4回裏まで完全試合（前試合から11イニング連続）を演じた[37]。福永裕基に2安打を許す[38]も他の打者の出塁は許さず、プロ入り初勝利を無四死球かつ2桁奪三振の完封で飾ったがこれはNPB史上初の出来事であった[10]。5月9日の対東京ヤクルトスワローズ7回戦（阪神甲子園球場）の7回にドミンゴ・サンタナからソロ本塁打を浴び今季初失点、村上の開幕からの連続無失点も31イニングで1963年の中井悦雄（阪神）に並ぶセ・リーグ最多タイを達成した[39]。

選手としての特徴

オーバースロー[40]から最速150km/h[41]、平均回転数2400rpm超[42]（最高2600rpm超[43]）を計測するノビのあるストレートと制球力が最大の武器[43]。回転数の多いストレートは“浮き上がる魔球”と称され、スライダー気味に伸びるのが特徴（真っスラ）である[44]。変化球はツーシーム[7]、スライダー、カーブ、チェンジアップなど多彩に投げ分ける[18]。

詳細情報

年度別投手成績

年

度		 球

団		 登

板		 先

発		 完

投		 完

封		 無
四
球		 勝

利		 敗

戦		 セ
丨
ブ		 ホ
丨
ル
ド		 勝

率		 打

者		 投
球
回		 被
安
打		 被
本
塁
打		 与
四
球		 敬

遠		 与
死
球		 奪
三
振		 暴

投		 ボ
丨
ク		 失

点		 自
責
点		 防
御
率		 W
H
I
P
2021 阪神 2 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 30 5.1 9 3 5 0 0 0 1 0 10 10 16.88 2.63
通算：1年 2 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 30 5.1 9 3 5 0 0 0 1 0 10 10 16.88 2.63
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

年
度		 球
団		 投手
試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率
2021 阪神 2 1 0 0 0 1.000
通算 2 1 0 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

表彰

記録

初記録
投手記録
打撃記録
その他の記録
  • 開幕から31イニング連続無失点：2023年4月1日 - 2023年5月9日 ※1963年の中井悦雄に並び、セ・リーグ史上最長タイ[45]

背番号

  • 41（2021年 - ）

登場曲

代表歴

  • 2019年 日米大学野球選手権大会日本代表

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ その後、2番手として登板した石井大智が初球で岡本和真に同点本塁打を打たれ村上の勝ち投手の権利も消滅した[33][34]。なお、延長10回表に近本光司の左前打で勝ち越し点を奪い、阪神が2-1で勝利した[34][35]。

出典

  1. ^ “阪神 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年11月15日閲覧。
  2. ^ a b c “村上　頌樹（阪神タイガース） | 個人年度別成績”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  3. ^ “広報南あわじ「まちかどトピックス」(平成28年5月号）”. 南あわじ市ホームページ (city.minamiawaji.hyogo.jp). 南あわじ市 (2018年4月1日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月3日閲覧。
  4. ^ “阪神・村上は７回１失点で無念の降板　セ新記録ならず　ソロ被弾で開幕から３１イニング連続無失点で止まる”. デイリースポーツ online (デイリースポーツ). (2023年5月9日). https://www.daily.co.jp/tigers/2023/05/09/0016332687.shtml 2023年5月9日閲覧。 
  5. ^ “広報南あわじ「まちかどトピックス」(令和3年2月号）”. 南あわじ市ホームページ (city.minamiawaji.hyogo.jp). 南あわじ市 (2021年2月1日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  6. ^ a b c “２戦連続サヨナラ！智弁学園、延長１１回の死闘制し初Ｖ／センバツ”. SANSPO.COM (2016年4月1日). 2021年9月5日閲覧。
  7. ^ a b c d e “阪神、東洋大・村上頌樹投手を5位指名　完成度高い“大人の投球”魅力”. Sponichi Annex (2020年10月26日). 2021年9月5日閲覧。
  8. ^ a b “智弁学園サヨナラ初Ｖ　エース村上が高松商打ち砕く”. 日刊スポーツ (2016年4月1日). 2021年9月5日閲覧。
  9. ^ “智弁学園、春夏連覇の夢散る　村上甲子園全７戦完投”. 日刊スポーツ (2014年8月14日). 2021年9月5日閲覧。
  10. ^ a b c “【阪神】村上頌樹は反骨心が原動力「今の成績なら誰も僕のこと知らない」故郷淡路島で知った現実”. 日刊スポーツ (nikkansports.com). 日刊スポーツ新聞社 (2023年4月23日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  11. ^ “東洋大・村上、センバツＶのプライド捨て初完封１勝”. 日刊スポーツ (2017年5月3日). 2021年9月5日閲覧。
  12. ^ “阪神ドラ5村上頌樹は“西勇輝タイプ” G岡本は智弁学園の2学年先輩「三振を取るイメージある」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2020年11月18日). 2021年9月5日閲覧。
  13. ^ “”. SANSPO.COM (2020年10月27日). 2020年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月5日閲覧。
  14. ^ “東洋大の149キロ右腕・村上がプロ志望届提出へ―スカウト「上位候補になれる力」”. Sponichi Annex (2020年9月10日). 2020年9月10日閲覧。
  15. ^ “【東都】東洋大・村上頌樹が４回１失点で緊急降板　「握力が入らなくなった」”. スポーツ報知 (2020年9月22日). 2021年9月5日閲覧。
  16. ^ “ドラフト上位候補の東洋大・村上　腕の張りで緊急降板”. Sponichi Annex (2020年9月23日). 2021年9月5日閲覧。
  17. ^ “東都大学野球　東洋大のドラフト候補右腕・村上が右前腕肉離れで離脱”. Sponichi Annex (2020年9月29日). 2021年9月5日閲覧。
  18. ^ a b “【東都】東洋大のドラフト候補右腕・村上が右前腕肉離れで離脱　ドラフトまでの実戦登板は絶望的”. スポーツ報知 (2020年9月29日). 2021年9月5日閲覧。
  19. ^ “阪神がドラ５指名の東洋大・村上と仮契約、先輩・岡本に闘志「三振を取りたい」”. デイリースポーツonline (2020年11月18日). 2021年9月5日閲覧。
  20. ^ “阪神ドラ２伊藤将司は「27」／新人背番号一覧”. 日刊スポーツ (2020年12月7日). 2021年9月5日閲覧。
  21. ^ “【阪神】村上頌樹 ドラフト5位右腕が30日の西武戦で初登板初先発へ”. スポーツ報知 (2021年5月25日). 2021年9月5日閲覧。
  22. ^ “【30日のプロ野球公示】オリックスが平野佳寿と増井浩俊を登録 阪神はドラ5村上頌樹を登録”. ベースボールチャンネル (2021年5月30日). 2021年9月5日閲覧。
  23. ^ “阪神5位村上頌樹ホロ苦プロデビュー「悔いの残る投球」3回途中5失点降板”. 日刊スポーツ (2021年5月30日). 2021年9月5日閲覧。
  24. ^ “阪神ドラ5・村上が登録抹消 30日西武戦で三回途中5失点”. デイリースポーツ online (2021年5月31日). 2021年9月5日閲覧。
  25. ^ “”. ショウアップナイター (baseballking.jp) (2021年8月28日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  26. ^ “【俺たち年男】阪神・村上　昨季２軍で投手３冠！１軍で食らいつく！”. デイリースポーツ online (2022年1月15日). 2022年1月15日閲覧。
  27. ^ a b “”. サンスポ (sanspo.com). 産業経済新聞社 (2022年11月28日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  28. ^ “”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  29. ^ “2023年4月1日 【公式戦】 試合結果 （阪神vs横浜DeNA）”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  30. ^ “”. サンスポ (sanspo.com). 産業経済新聞社 (2023年4月4日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  31. ^ “”. サンスポ (sanspo.com). 産業経済新聞社 (2023年4月12日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  32. ^ “【阪神】7回完全の村上頌樹は穏やかな笑顔「チームが勝てば良かった」”. 東スポWEB (tokyo-sports.co.jp). 東京スポーツ新聞社 (2023年4月12日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  33. ^ a b “”. サンスポ (sanspo.com). 産業経済新聞社 (2023年4月12日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  34. ^ a b “”. サンスポ (sanspo.com). 産業経済新聞社 (2023年4月12日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  35. ^ "騒然となった阪神・岡田采配　評論家は「正解だと思う」その理由は2つ「奪三振がなくなっていた」村上7回完全で交代". デイリースポーツ. 神戸新聞社. 12 April 2023. 2023年4月12日閲覧。
  36. ^ a b “2023年4月22日 【公式戦】 試合結果 （中日vs阪神）”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  37. ^ “”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp). 中日新聞社 (2023年4月22日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  38. ^ “”. デイリースポーツ online (daily.co.jp) (2023年4月22日). 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  39. ^ 日刊スポーツ. “【阪神】村上頌樹、開幕連続無失点31イニングでストップ ７回サンタナに被弾 タイ記録で初失点 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年5月9日閲覧。
  40. ^ https://www.sanspo.com/article/20230510-RTNGKYO4RVK25DXUMZE7BWGLKM/?outputType=theme_tigers
  41. ^ https://www.nikkansports.com/baseball/news/202303250001671.html
  42. ^ https://www.daily.co.jp/tigers/2023/04/25/0016280405.shtml
  43. ^ a b “東洋大エース・村上頌樹はプロ向き。４年間の研磨でドラフト上位候補へ。”. Number Web (2020年7月19日). 2021年9月5日閲覧。
  44. ^ 稲葉祐貴 (2023年5月9日). ““虎の村神様”阪神・村上頌樹「31回無失点」の魔球「真っスラ」を生んだ亡き「淡路島の恩師」【独自発掘】”. Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]. 2023年5月10日閲覧。
  45. ^ “【阪神】村上頌樹60年ぶり快挙！６回無失点で開幕後31イニング連続無失点　セ界タイ記録”. 日刊スポーツ. (2022年5月9日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202305090000918_m.html 2023年5月9日閲覧。 
  46. ^ “”. 阪神タイガース公式サイト (hanshintigers.jp). 阪神タイガース. 2021年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  47. ^ “”. 阪神タイガース公式サイト (hanshintigers.jp). 阪神タイガース. 2022年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
  48. ^ “”. 阪神タイガース公式サイト (hanshintigers.jp). 阪神タイガース. 2023年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 個人年度別成績 村上頌樹 - NPB.jp 日本野球機構
  • 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
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