斜長岩(しゃちょうがん、英: Anorthosite)は、ほとんど斜長石のみで構成される珪長質の深成岩である。構成物の90%以上は斜長石であるが[1]、他に輝石や角閃石、かんらん石などもわずかに含まれる。斜長岩は、月の高地を形成しており、高地の95%は斜長岩でできている[1][2]。月は形成されたばかりの頃、マグマの海に覆われ、そこに軽い斜長石が浮いて、斜長岩の大陸になったと考えられている。地球における斜長岩は、小規模な火成作用によって形成されたものであり、無水の玄武岩質マグマ溜りの結晶分化作用によって形成されている[3][4]。
(火成) | |
構成物 | |
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主要構成物 | 斜長石 |
他構成物 | 苦鉄質鉱物 |
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脚注
- ^ a b 諏訪兼位「斜長岩とその斜長石」『岩石鉱物鉱床学会誌』第71巻Special1、日本鉱物科学会、1976年、215-242頁。
- ^ “地球のからくり”. nh.kanagawa-museum.jp. 2020年12月9日閲覧。
- ^ Sen, Gautam (2014). "Anorthosites and Komatiites". Petrology. Springer, Berlin, Heidelberg. pp.261-276. doi:10.1007/978-3-642-38800-2_12, (ISBN 9783642387999).
- ^ D., Ashwal, Lewis (1993). Anorthosites. Berlin, Heidelberg: Springer Berlin Heidelberg. (ISBN 9783642774409). OCLC 851768311.